転生とらぶる
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マクロスF
0762話
「……どうするか、決めたのか?」
ルカからシェリルの声からフォールド波が出ていると聞いた翌日の夜、2人で夕食を済ませてゆっくりとTVを見ながらソファで俺に寄り掛かって体重を預けているシェリルへと尋ねる。
そんな俺の問いに、シェリルは小さく頷く。
「ええ、決めたわ」
そう告げるシェリルの瞳に宿っている色を見れば、どう決めたのかというのは明らかだった。
「無理をする必要は無いんだぞ? ジャミングがあればバジュラ達に対しては有利に戦っていられるんだし」
「ふーん、心配してくれるんだ」
「恋人の心配をするのは当然だろ」
「……そ、そうね」
俺の言葉に頬を薄らと赤くするシェリル。それを隠したかったのか、抱き付くようにして顔を俺の身体へと押しつけてくる。
……シェリルって、自分が相手に対してからかうのは好きなんだけど、からかわれるのは意外に弱いんだよな。
そのまま俺の身体へと顔を押しつけたままシェリルは言葉を続ける。
「ランカちゃんだって戦闘の中に突っ込んでいって歌ったのよ。なのに、あたしが逃げられる訳が無いじゃない。それに……少しでもアクセルの力になれるのなら、多少の危険はどうとでもしてみせるわよ」
「いいのか?」
「いいって言ってるでしょ。安心しなさい。あたしの歌でアクセルを……そして、このフロンティア船団を守ってみせるから。あたしにとってもアクセルと出会ったこのフロンティア船団は、もう大事な場所なの。それに……もしあたしがバジュラにやられそうになったとしても、アクセルが守ってくれるんでしょう?」
「ああ、絶対に……何があってもお前は俺が守ってみせるよ」
そう、いざとなったらまだ隠したままのスライムを使ってでも。
ニーズヘッグは手元に無いが、スライムは別だ。何しろあのスライムは俺の能力の1つなのだから、当然空間倉庫の中に入っている。そしてスライムがあるのなら、アダマン・ハルパーを使うことも当然出来る。
あの武器があれば、数を頼みにして襲い掛かって来るバジュラといえども対抗は出来ないだろう。勿論そうするにしても、不安要素は幾つかある。
まず第1に、スライムを他人に見せる事になる。……まぁ、これに関しては元々魔法を使うという俺の存在を思えば、どうとでも誤魔化せるだろう。最悪、召喚魔法と言い張ってもいいし。……ギアス世界の時のように、グリ辺りを召喚してみるのはありかもしれないな。
そして次に……と言うか、最大の不安要素はやはりバジュラが適応進化してくるかもしれないという事だ。ただ、こっちに関しても実はあまり不安は感じていない。人間が作った武器とかならまだしも、転生特典であるスライムなのだから適応進化するのは恐らく無理だと思っている。まぁ、こっちに関しては確証は無く、あくまでも俺がそう感じているってだけの話だが。
「ふふっ、アクセルがそう言うともの凄く安心出来るわね。それこそ、バジュラが相手でも生身で向かっていけるくらいに」
「さすがにそれは止めてくれ。無理……とは言わないけど、絶対にVFに乗ってた方が有利に戦えるんだからな」
勿論いざとなればVFではなく素手で戦うのも可能だが、どうしても攻撃範囲という面では魔法よりもVFの方が圧倒的に有利だ。そして何よりも、このマクロス世界では魔法で消費するSPがちょっと洒落にならないくらい多い。
幾ら4桁貯まっていたPP全てをSPに振り分けたとは言っても、出来れば魔法の類を使うのはなるべく避けたのだから。
「あら、お姫様を守るのは王子様の役目なのよ? なのに守ってくれないの?」
「守らないとは言ってないし、大体俺が王子ってのはどうよ? そこは無難に騎士にしておいた方がよくないか?」
そんな俺の言葉に、小さく笑みを洩らすシェリル。どうやらバジュラ相手に歌うという事に関しては本気で覚悟を決めたらしく、その笑みには悲壮な色が微かにも存在していない。V型感染症については薬を飲んでもその副作用が出ていないというのが関係しているのだろうし、何よりも俺の言った事を……ホワイトスターに行ければ治るかもしれないというのを信じているのだろう。
何とかゲートを設置して、ホワイトスターとの行き来を可能にしないとな。だが、それにはやはりどこかの惑星が必要か。……さて、どうしたものか。
そんな風に内心で考えていると、不意にシェリルが尋ねてくる。さすがにこの辺は鋭いな。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、何でも無い。ただシェリルと同棲を始めてからそれなりに経ったと思っただけだよ。最初は色々と大変だったけど、シェリルも最近では多少の料理が出来るようになってきたしな」
「ふふん。あたしの手料理を食べる事が出来るなんて、この銀河でアクセルだけなんだからね。もっと感謝しなさい」
「……その料理も、俺が教えたんだけどな」
「それは……いいのよ! アクセルに出す料理にはあたしの愛情がたっぷりと詰まってるんだから。それだけでも光栄に思いなさい! こんなサービス滅多に……いえ、初めてなんですからね!」
照れたのか、頬を赤く染めてそう言ってくるシェリル。けど……
「そうだな、ホワイトスターに戻ったらネギま世界で四葉辺りに料理を習ってみるか?」
「……」
俺の言葉にジトッとした視線を向け、身体を押しつけている脇腹を抓ってくる。
「痛っ、おい、シェリル痛いぞ」
「ふーん、四葉ね。また新しい女の名前が出て来たけど、一体どこまでアクセルは女好きなのかしら。ねぇ、その辺をちょっと恋人のあたしに教えてくれる?」
「いや、待て待て。四葉って名字だけで、なんで女だと判断したんだ? もしかしたら男かもしれないだろ」
せめてもの抵抗とばかりにそう告げるが、シェリルは俺の言葉を聞いてニンマリとした笑みを浮かべる。
「へぇ、じゃあ聞いて上げる。その四葉って子は男なのね? 絶対に女じゃないのよね? 恋人であるあたしに対して、絶対に嘘は言わないわよね?」
「……女だよ」
「ほら見なさい、アクセルがあたしに隠し事出来る訳が無いでしょ。……で、その四葉って子もアクセルの恋人な訳?」
「さすがにそれは違うと言わせて貰う。普通に元クラスメイトだ。ただし、料理の腕に関しては一流で、15歳にして既に屋台を繁盛させている程だがな」
「15歳で屋台って……色々といいの?」
15歳でL.A.Iの技術開発部特別顧問をやっている奴がいるんだから、それを思えば全く問題無い……と思ってしまうのは、俺もこの世界に染まってきた証拠か。
「麻帆良という都市は学園都市で、魔法とかもあるからな。それを考えれば不思議じゃないさ」
「魔法ねぇ。……あたしにも使えるようになるの?」
若干の期待が込められた視線に、小さく頷く。
「基本的に魔法はある程度の場所までは誰でも使える。ただ、魔法の本場でもあるネギま世界ならともかく、このマクロス世界だとちょっと難しいだろうな」
「何で?」
「ネギま世界以外では、基本的に魔法を使う時に消費する魔力が増える傾向にあるんだが、このマクロス世界はホワイトスターと繋がっている幾つかの世界の中でもトップクラスに魔力消費が激しい。恐らく、一般的な魔法使いじゃこの世界だと初級の魔法を使うので精一杯になるだろう程度にはな」
だからこそ、俺もあれ程貯まっていたPPを全てSPに注ぎ込んだのだから。
「ふーん、じゃあそのネギま世界って世界に行けば、あたしも魔法を使えるようになるって事?」
「まぁ、相応の練習は必要だろうがな。それに、ネギま世界に行かなくてもホワイトスターとこの世界が繋がれば魔法球という便利なものがあるし」
「魔法球?」
「ああ、そう言えば話した事が無かったか」
そう告げ、魔法球の仕様を説明していく。現実世界の1時間が内部で2日間となり、時の指輪の効果により内部で年齢を取らなくなっている事、内部では魔力が充実しているので魔法の練習をするには最適な環境である事。……そして技術班の妙な頑張りによって内部がある意味で研究所の枠を飛び出しつつある等々。
そんな魔法球の説明を聞いていたシェリルは、面白そうな笑みを浮かべる。
「へぇ、中々面白そうじゃない。あたしもホワイトスターに行ったら、是非使ってみたいわね」
興味津々な様子でそう呟くシェリルだったが……そう言えば魔法球って色々と規格外な性能もあってシャドウミラーのメンバー以外は基本的に使用出来ないんだよな。ここで基本的にとしたのは、ネギま世界で神楽坂を始めとしたネギパーティが時々やってきては利用しているからだ。……何しろエヴァの持っている魔法球と比べても時間の流れは倍だし、更に内部で年齢を取らないというのが大きい。
「実は魔法球を利用出来るのは基本的にシャドウミラーのメンバーだけって決まりがあるんだけど……その辺どうする?」
「何よ、ならあたしには何の問題もないじゃない。シャドウミラーっていうのはアクセルが治めている国なんでしょ? だったら、あたしがそこに所属しても問題無いわ」
「……いいのか? 一応シャドウミラーに関しては色々と外で喋ってはいけない事もあるから、もし所属してしまったりしたら迂闊にマクロス世界で歌えなくなるかもしれないぞ?」
もしこのマクロス世界との間に国交を開くとしたら、間違い無くその対象はフロンティア船団のフロンティア政府になるだろう。そしてフロンティア政府は地球の支配下にある。そうなれば、異世界という存在を知った新統合軍や地球は何らかのちょっかいを出してくる可能性が強い。
当然こちらとしても友好的な対応ならまだしも、接収するやら何やらを言ってくる相手に迎合する気は無い。最悪、ゲートを撤去してこの世界との行き来を出来なくする……という手段を取る事もあるのだ。
勿論これは最悪の予想だ。あるいは友好的にやっていく事が出来るかもしれないが……俺達の持っている能力や資源を思えば、絶対に何らかの揉め事が起きるのは間違い無いだろう。
だが、そんな俺の憂いとは裏腹に、シェリルは笑みを浮かべたまま俺の頬へと唇を触れさせる。
「アクセルのいる場所があたしの帰る場所よ。それに、この世界以外に幾つもの世界があるんでしょ? 誰もやった事が無い、異世界でのライブツアーってのもちょっと面白そうだし」
「……いいのか?」
「いいのよ」
小さく笑みを浮かべるシェリルの身体を抱きしめつつ、決意する。
シェリルはもう決めているのだ。自分の歌を使ってバジュラと戦うと。なら、俺が出来るのはさっきも言ったように何があってもシェリルを守る事だ。俺の全ての能力を使い、バジュラからシェリルを守り抜いてみせる。
「アクセル、明日大統領府に行くから一緒に来てくれる?」
「ああ。お前の身体の件もあるしな。その辺の事情は向こうも分かってはいるだろうが、きちんと話しておきたい」
「ありがと。……じゃ、今日は2人でゆっくりとしましょうか」
「いつもゆっくりしていると思うけどな」
まるで猫のように身体を擦りつけて甘えてくるシェリルにそう告げると、悪戯っぽい笑みを浮かべて俺の首筋へと唇を寄せる。
「あら、あたしと一緒の夜を過ごすのが嫌なのかしら?」
「誰もそんな事は言ってないさ。勿論大歓迎だ」
そう告げ、俺に寄り掛かっているシェリルと体勢を入れ替えるようにしてソファへと押し倒してシェリルの唇を俺の唇で塞ぐのだった。
翌日、俺とシェリルの姿は再び大統領府にあった。
そして部屋の中にいるのは、2日前にいたのと同じ面子。
即ち、俺、シェリル、ルカ、グラス大統領の4人。
当然グラス大統領にはSPがいるのだが、今は部屋の外で待機している。
……正直な話、もしここにキノコやグレイスの手の者が現れたとしても、俺がいればどうとでもなるしな。
そんな風に思っていると、沈黙を破るようにして大統領が口を開く。
「ミス・シェリル。ここに来たという事は、一昨日の件の返事を聞かせて貰えると思ってもいいのかな?」
「ええ、グラス大統領。勿論そのつもりですわ」
ごくり、とグラス大統領とルカが息を呑む音が聞こえてきた。
この2人にとってみればフロンティア船団を守り切れるかどうかの瀬戸際なのだ。緊張しても無理は無い。
「……その役目、引き受けさせて貰います」
「おおっ! 本当かね。ありがとう。君はこのフロンティア船団の救世主であり、救いの女神だ!」
「ふふっ、お上手ですわね。ですがこのフロンティア船団はあたしがアクセルに出会った場所。守りたいと思っても当然です」
「けど……僕が言うのも何ですが、もし歌を使ってフォールド波を出すとなると、V型感染症が……」
そんな心配を口にするルカに、シェリルは笑みを浮かべて口を開く。
「その辺は心配いらないわ。アクセルが言うには、ホワイトスター……アクセルの国に行ければどうにかなるそうよ」
「本当ですか!?」
「ああ、確実にとは言えないが、今まで幾度となく不治の病と言われていた者達を治療してきた実績があるからな」
その言葉に唖然とするルカとグラス大統領。
だが、それに念を押すようにして言葉を続ける。
「ただし、ホワイトスターに転移するには惑星のような場所が必要だというのは前も言ったな? その辺が難題だが……」
その言葉に皆で頭を抱える事になるが、結局いい解決方法がすぐさま思い浮かぶ筈も無く、先送りにせざるを得ないままでこの会談は終わった。
この翌日、ランカの歌が出すフォールド波をフロンティア船団が捉える事に成功する。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:725
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:984
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