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影絵―カゲエ―

作者:奏さん
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幼かった頃

 
前書き
気ままに。 

 
「ほら、見てごらん杏夜。うさぎさんだよ」
そう言って、兎を出してくれたのは祖母だったか。
その兎を見るまで泣いてた俺は、すぐに泣き止んで笑いだしたと母さんから聞いたことがある。
懐かしい昔ながらの遊び、影絵。
俺も中学生入学ぐらいまで影絵で色々な柄を作ったりしていたが、やめた。
俺が作る影絵は、人を傷つけるからだ…。
そして俺自身、俺の影も、
人を傷つけるのだ……。

「…や…あん…。…あんや…。…杏夜!」
「うわっ!!」
甲高い声が耳の奥に残る。
ガバッと顔を上げると、目の前にあったのは俺達、2年D組の担任、築島 飛鳥だ。ちなみに24歳独身。
そんな築島センセイは俺を見てジロと睨んでいる。
「…耳元で叫ぶなよ…耳痛いじゃねぇか」
キーン…という耳鳴りのようなものが消えないから、耳をいじっていると、築島に耳を引っ張られた。
これが痛いったらありゃしない。
「いででで!」
「桜庭、あの数式を解け!」
バシと黒板を叩く築島に向かって小さくため息をつくと、俺は口を開く
「2√5.その2乗+3√3.だろ」
俺が黒板を一瞬見ただけで(ノートは取らないからな)答えたからなのか、築島はあんぐりと大きな口を開けて固まっている
「せ、正解…」
数学は得意中の得意だ。俺を唯一裏切らないのが数学かもしれない。
ほとんど答えが一つになる。どんなものよりも簡単。数式だけ立てられれば。
俺はそんな数学が好きだ。数学一つで大学の推薦はもうとってある。
何でこたえられるのよ…と、ぶつぶつ言っている築島を俺はスルーして、窓の外を見る。
まだ木々が赤や橙色に染まり、ひらひらと落ちていき、明るい絨毯が出来上がっていく。
ずっと何もせず、ただ数学を解いていくだけの生活がどんなに素晴らしいことか。

俺は中学3年の時にそれを知った。 
 

 
後書き
…文脈などいろいろおかしいね…。

あ、でもほら…息抜き小説だから…(震え声 
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