チミー=ウィリーのお話
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第三章
「すぐに逃げるよ」
「僕もだよ」
「けれど猫はね」
チミー達田舎ねずみ程はというのです。
「怖くないよ」
「そこは身体の大きさの違いだね」
「そうだね。それで町にはなんだ」
「猫が一杯いるんだ、だからね」
「町は嫌なんだね」
「そうそう、あとね」
お友達にお話したことをピーターにもお話するのでした。
「もう一つあるんだ」
「何?それは」
「食べものだよ」
このこともお話するのでした。
「それも全然違って見たこともないものをね」
「一杯あるんだ」
「それもね。何かね」
どうかというのです。
「ごちゃごちゃしていたり妙な匂いがして」
「美味しいのかな」
「食べてみたけれど」
それでもというのです。
「僕には合わなかったよ」
「そうだったんだ」
「だからこっちに帰って来てね」
「もう行く気はないんだ」
「うん、僕はずっとここにいるよ」
それこそというのです。
「町には行かないよ」
「そうなんだ」
「ピーターはどうなの?」
自分のことをお話してからです、チミーは彼に尋ねました。
「町に行きたいの?」
「いや、僕もね」
お話を聞いてです、ピーターはチミーに答えました。
「あまりね」
「行きたくないんだ」
「あまり行こうとも思わないね」
「僕のお話を聞いたからかな」
「そうじゃなくてね」
ピーターはどうしてそう思うのかをです、チミーにお話しました。。
「ここが充分楽しいからね」
「だから町に行こうと思わないんだ」
「そうなんだ」
それでだというのです。
「僕は町に行こうと思わないよ」
「ここで満足しているんだ」
「というかここで足りないものってある?」
スコーンをかじりつつです、ピーターはチミーに尋ね返しました。
「僕達がいるこの場所に」
「そう言われるとね」
「ないよね」
「そう、ないよ」
足りないものはとです、チミーも答えます。
「僕もそう思うよ」
「そうだよね、だからね」
「町に行こうと思わないんだ」
「行ったことはないけれどね」
それでもだというのです。
「チミー程じゃないけれど僕も猫は苦手だしね」
「ここにも猫はいるけれどね」
「けれど町はずっと多いんだよね」
「びっくりする位いるよ」
「そんなに多いんだ」
「もうどれだけいるかわからない位にね」
チミーは今も身震いしつつピーターに答えます。
「いるからね」
「じゃあいいよ」
余計にと答えたピーターでした。
「怖い思いはここでもあるし」
「色々とね」
「狐さんに人間さん達とかね」
「そうそう、人もね」
「町は多いんだよね」
「人が一番多いんだ、それにね」
チミーは町の人達のこともお話します。
「皆ここの人達よりずっと僕達を嫌っていて」
「攻撃してくるんだ」
「僕達が病気、ペストの元凶だったってね」
「ペスト!?」
ピーターがはじめて聞く言葉です、それで目を瞬かせてチミーに問い返しました。
「それって何かな」
「僕もよく知らないけれど」
「病気なんだね」
「随分悪い病気みたいだよ」
「その悪い病気がなんだ」
「僕達に原因があるとか」
そう言われてというのです。
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