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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第十一幕その七

「病み付きになりますよ」
「うわ、美味しそうですね」
「涎が出そうです」
「お好み焼き、焼きそばとビールの組み合わせは」
「最高みたいですね」
「どうぞ、お楽しみ下さい」
 先生もビールを飲むことをお勧めします。
「そうすれば最高の気持ちになります」
「それではですね」
「今から僕達も」
「ビールも飲みます」
「喜んで」
 こう答えてでした、実際に。
 カワウソさん達はビールも口にしました、すると。 
 どのカワウソさん達もです、お顔をさらに明るくさせて言いました。
「こんな美味しいビールはじめてだよ」
「イギリスで飲む時よりずっと美味しいよ」
「そうだよね、イギリスはビールの本場だけれど」
「それでもね」
「ここまで美味しいビールはね」
「なかったよ」
 カワウソさん達が以前いた北アイルランドでもビールを相当飲みます、それは日本よりも遥かに多い位です。
 ですがお好み焼きとビールの組み合わせはです、そのカワウソさん達にとっても。
「幾らでも飲めるよ」
「最高だよね」
「日本にはこんな飲み食いの楽しみ方もあるんだね」
「繊細なだけじゃなくて」
「こうしたのもあるんだ」
「そういえば日本は」
 ここで老紳士はあることに気付きました、その気付いたことはといいますと。
「誰もが色々なお店に入られて色々なものを口に出来ますね」
「はい、そうです」
 今度は加藤さんが先生に答えました。
「日本ではそうです」
「そうですな、それはイギリスでは」
「ないですね」
「例えばバーとパブです」
 老紳士は日本では誰もが行けるどちらのお店のこともお話しました。
「バーは上流階級が通う店で」
「パブは大衆ですね」
「そこが今も分かれています」
「それが、ですね」
「そうです、日本では誰もがバーに入ることが出来ますね」
「パブでも」
 そのどちらもだとです、加藤さんも答えます。
「そうなのです」
「そうですね、そして食べるものや飲むものも」
「階級にこだわりなく」
「そこが全く違いますね」
「そのことは先生や他のイギリスの方にも言われていましたが」
「イギリスの様なことはないですね」
「まあ庶民派とか言われますが」
 このどうにも胡散臭い言葉も出した加藤さんでした。
「皆そこで飲み食い出来たり買えるだけのお金があれば」
「どのお店にも入られますね」
「そうです」
 その通りだというのです。
「貧富の差はどうしてもありますが階級はないですね」
「そこがイギリスとは違いますね」
「それが口にするものにも出ていますね」
「そうですね、確かに」
「はい、本当に」
「品性は欠かしてはいけません」
 人間でも動物でもです、このことは絶対だと言うのでした。老紳士は今も気品を以てそのうえで加藤さんにお話しました。
「しかし変に気取っても何にもなりませんので」
「お好み焼きや焼きそばもですね」
「これからも楽しませてもらいたいです」
 是非にというのです。
「そしてビールも」
「そのお酒もですね」
「ワインだけでなく」
「飲みたいですね」
 これからはとです、老紳士はそのビールも楽しんでいます。 
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