ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
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アインクラッド編
11月6日 デスゲームスタート
前書き
さて今回からアインクラッド編です。頑張って書こうと思います。
『ーーー君たちがこの全100層ある〈浮遊城アインクラッド〉を攻略し、無事脱出出来ることを期待する。』
まだ私たちはソードアート・オンラインに正式ログインしてからそう時間も経っていない。このゲームの開発者、茅場晶彦より告げられたチュートリアルという体のデスゲーム開始宣言。その直後は全員のアバターが現実の姿に戻された。この異常事態ではっきり言って狼狽えたり叫んだりするのは、当たり前と言っても過言ではない。だけど私は意外にも落ち着いていられた。
「ーーよう、アンタこんな状況なのに随分と落ち着いているな? オレら以外の奴見てみ?ここにいる大半はさっきの茅場っつーオッサンの言ったことが信じられなくてあんなんなってるーこっちゃ。」
「確かにそうですけど……貴方は一体誰なんですか? 妙に馴れ馴れしいですし。」
唐突に私に向けられる声。そちらの方を見てみると、いかにも遊びが好きだと言わんばかりの青年が話しかけてきた。金髪だし、耳にはピアスしてるし……印象は最悪だった。そんな男だったからか、私はついそっけない対応をしてしまった。それが向こうにも伝わってしまったのか、向こうから自己紹介をしてきた。
「あーそうやったな、まだ自己紹介も何もしてなかったな。俺はゼノ。まぁこんな場所にお互い閉じ込められたってことで、お互い頑張ろうや。」
「私はレイミーです。ではゼノさん、私はこれで。」
そうゼノに言うと、私はすぐに立ち去ろうとした。身体を翻し、直ぐにこの百層あるダンジョンを攻略しようと動こうとするがーーー
「いや、ちぃと待ちぃレミーちゃんや。そんな急いで行ってもモンスターにやられてお陀仏になるだけやで? 見たところゲームとかも全然やったことなさそうやしな。」
「確かにゲームはこれが初めてですよ。でも、一人で大ーーー」
大丈夫だと言って歩き出そうとした。その時だった。
「大丈夫やあらへん。何も知らないでこの先やって行くんやったら、レミーちゃんは絶対後悔するで? だからなぁ……一緒にパーティー組まへんか?」って
「パーティー……ですか? 良く分かりませんが、構いませんよ。」
「あちゃー……そっから話さにゃアカンかーー。でもええか。ちょっとばかし教えることが増えたくらい問題ないか。」
こうして、私に対するゲームのレクチャーということで、私とゼノさんとの不思議なパーティーを組むことになった。
「これでソードスキルも、スイッチについても勉強できたな? ほな、時間はまだあるからしばらくの間はフレンジーボアに対して練習やな。それでしばらく俺と一緒に練習やな。」
「よろしくお願いします。」
そう簡単に話をつけると、私はゼノさんと共にフレンジーボアを狩ることをしていた。そうしているとーーー
「もう、すっかり夕方やな。ほな、レミーちゃん。ここで終わりにしよっか。」
「ありがとうございます、ゼノさん。この二日間で色々と学べました。本当にありがとうございます。」
「別にかまへんかまへん。こっちは単なるご厚意なんやから。それにまだ最後の試験が終わってないしなぁ。」
「最後の試験?」
私は、思わず聞き返してしまった。
「そう、最後の試験として俺と一対一のデュエルや。これからレミーちゃんがちゃんと一人立ち出来るかどうかきちんと見ておきたいしな。」
「そういうことでしたら…………そのデュエル是非ともお受けします。」
「なら、明日の朝やな。期待してるで?」
そうゼノさんが言うと、私たちは共に主街区へと戻っていった。明日はゼノさんとのデュエル。私の胸は不思議と高まりつつ、今夜の床に就いたのであった。
後書き
新たな登場人物、ゼノさんによる指導でした。次回はレイミーの初デュエル、彼女は師匠とも呼べるゼノさんに勝てるのでしょうか?
意見・感想等お待ちしております。
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