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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0753話

 パァンッ!
 そんな音が周囲へと響き渡り……だが、当然の如くルカは無傷。その代わりに俺が作り出した炎の壁が銃を持っている男とルカの間を隔てるようにして燃え上がっている。
 炎の壁。言うまでも無く混沌精霊としての俺の能力であり、男が放った弾丸も炎によって溶け消えた。

「……で、何だってルカを狙った?」
「ひっ、ひぃっ!」

 瞬動で男の背後に移動した俺が、首の裏側を鷲掴みにして尋ねる。
 男は男でいきなりの行動に悲鳴を上げながら、何とか脱出しようとする。
 そのまま銃口を俺の方へと向けて……

「意味が無いな」

 その呟きと共に小鳥型の炎獣が銃へと体当たりをして瞬時にドロドロに溶かす。

「ひぎゃああああああああああっ!」

 溶けた金属が手に触れ、身も蓋もなく叫び出す男。その男の首筋へと手刀を振り下ろして気絶させると、手を大きく振って炎の壁を消す。

「無事だな?」
「あ、はい。その、アクセル君が炎の壁を出してくれたおかげで。……でも、何だって僕を……」
「L.A.Iの御曹司で、技術開発部特別顧問。おまけにS.M.Sの精鋭部隊でもあるスカル小隊のメンバー。……これだけあれば狙う理由には事欠かないだろうが、詳しい話はこいつが意識を取り戻してから改めて聞けばいいだろ」
「そうですね。と、とにかく今は……」

 呟いたその時、再び誰かがこちらへと向かって走ってくるのが見える。また刺客か何かか? そう思って迎撃の用意をしながら待ち受けるが……

「大変です! 現在アイランド1内の複数箇所で爆発騒ぎが起きています! 恐らく何者かのテロと思われますので、至急対処をするようにと政府から指示が!」

 男がそう声を出すのだった。
 だが……何? テロ? 何だってこのフロンティア船団で? いや、待て。何をするにしても無意味にテロを起こすような事はしない筈だ。当然何らかの目的があるのは間違い無い。だが、何だ? 何を目的としたテロだ?
 瞬間、俺の視線が向けられたのは気を失って床に寝転がっている男。
 そう、この男は間違い無くテロに関係している筈だ。でなければこれ程にタイミング良く姿を現す筈がない。となると、何故ルカを狙う? フロンティア船団の戦力を弱める為? だとすれば……っ!?
 その瞬間俺の脳裏を過ぎったのは、キノコの髪型をした男の姿だった。

「レオン・三島!?」
「っ!? た、確かにそうかもしれません。と言うか、それしか考えられません。アクセル君、僕は急いで政府の方に連絡を取ります」
「ああ、そうしてくれ俺は……S.M.Sに……っ!? いや、待て。フロンティア船団の戦力を消耗させ、同時にこっちを精神的に揺さぶるのが目的だろう。となると……」

 キノコにとって最大の不確定要素は間違いなく俺だろう。事実銃弾を受けても全く効果が無く、更には魔法と言う超常的な手段を有しているのだ。つまり、向こうにしてはどうしても俺を抑えておきたい。しかし、自分達の力ではまず不可能。となれば取るべき手段は……

「シェリルッ!」

 そう。俺とシェリルがあそこのマンションで一緒に暮らしているというのは、S.M.Sを通してフロンティア船団に届け出を済ませてある。あのキノコが俺とシェリルの関係をどこまで知っているのかは分からないが、俺の住所を調べていたら……あるいはグレイスと繋がっているのだろうから、そこから俺とシェリルが親しい関係だと聞くのも難しく無いだろう。

「ルカ、悪いが俺は一旦家に戻る。テロにあの男が……レオン・三島が関係しているとすれば、シェリルを抑えられるかもしれない」
「っ!? わ、分かりました。すぐに行って下さい。こちらもすぐに準備を整えてS.M.Sに急行します」
「ああ、頼む。それとその男に対する口止めは任せたぞ」
「え? 口止め? それって……」

 ルカが何かを言ってる途中で、影のゲートを作成。そのまま俺の姿は影の中へと沈み込んでいく。

「ちょっ、アクセル君!?」

 焦ったようなルカの声を無視し、俺の姿は完全に影の中へと沈むのだった。
 ……悪いな、ルカ。今はちょっと急いでるんで、そっちに関しては任せた。





「……間に合った、か」

 俺の部屋のリビングへと影から姿を現し、周囲の様子を見ながら呟く。
 幸い家の中はまだ静かであり、誰に襲われているといった様子も無い。寝室の方を覗き込むと、そこではシェリルが多少の汗を掻きながら眠っているのも確認出来た。それなりに高額なマンションだけに防音設備が整っているのも影響しているのだろう。外の爆発の音で起きた様子も無い。

「とは言え、ギリギリだったな」

 マンションの周囲に漂っている緊張感。殺気とまでいかないのは、俺がこの部屋の中にいないと知っているからか。
 ……その割にはL.A.Iで標的になったのはルカだったけどな。まぁ、その辺もここを狙っている奴を捕らえて話を聞かせて貰えばすぐに分かるだろう。

「まずは……と」

 呟き、再び影のゲートに潜ってマンションの外へ。……SPを大量に上げたとは言っても、消耗が激しいな。
 ガリガリと減っていくSPの数値を見ながら、溜息を吐き……次の瞬間にはマンションの近くにある裏通りに身を隠している男のすぐ後ろへと姿を現す。
 さすがにこのマクロス世界の者は気配といったものを感じ取る能力が低いのか、俺に全く気がついた様子が無くマンションへと視線を向けている。まぁ、基本的にはVFがメイン兵器である以上、生身での戦いが少なくなるのは当然か。
 そのまま無言で男の首筋へと手刀を入れて気絶させる。同時に持っている武器を奪い、空間倉庫の中へ。懐を探ってみるが、身分証の類は無い。一応プロか? まぁ、ネギま世界だと気を扱う学生とかにもあっさり負けるような強さしかないが。
 そんな風に考えつつ、今倒した男を基点に時計回りになるようにして周囲を囲んでいる者達を倒していく。幸い、数ヶ所で爆発があった為に街中はざわついており、それが上手い具合にこちらの行動を隠してくれる。どうしても見つかりそうな場合に限って影のゲートを使用し、結果的には10分と掛からずに纏めて敵を沈黙させることに成功する。

「さて、取りあえずこいつらは片づいたが……どうしたものかな」

 まず、シェリルをこのままここに置いておくというのは下策でしかない。敵に捕虜にされるだけだろう。だが、かといって熱が出ている状態のシェリルを連れ出すのもちょっと問題がある。……となると、答えは1つしかない、か。
 少しでもSPを温存する為、歩いてマンションに向かいながらオズマの携帯へと連絡する。

『もしもし、どうした? そっちでも何かあったのか?』
「そっちでも? やっぱりS.M.Sの方でも何かあったのか」
『ああ。銃で武装した連中がな。そっちも同様だろう?』
「ちょっと違う。俺じゃ無くてシェリルを狙いにきていた。俺を抑える為だろうな。で、このままマンションに置いておくのは危険だから、S.M.Sの医務室に連れて行きたいんだが、構わないか?」
『医務室に?』
「例の薬の影響で熱がな」
『……分かった。まぁ、今の状況でアクセルが向こうに抑えられるというのはある意味で致命的だからな』
「助かる。ああ、それと襲撃しようとしていた奴等は気絶させて街中に放り出してるけど、どうする? 一応武器の類は奪っておいたが、回収するなら人を寄こしてくれ」
『難しいな。お前も知ってると思うが、今は街中で連鎖的にテロが起きている。恐らくレオン・三島の手の者だろうが』
「だろうな。現状で俺達に敵対しようとする奴等で最も有力なのがあのキノコだ。それと、これだけ連続してテロを成功させているとなると、恐らくバックアップには相当の腕の持ち主がいるのは間違い無い。例えば全身をインプラント処理しているグレイス・オコナーとか」

 その言葉に携帯の向こうで舌打ちをする音が聞こえてくる。
 こうなるとコンピュータの恩恵がそのまま敵になるからな。

「で、肝心の掴まっている筈のキノコの方はどうなっているか分かるか?」
『いや、何しろ収容されているのはアイランド・アルカトラズだからな。外からの連絡手段は限られている。それこそ、大統領とかなら連絡は取れるだろうが』

 アイランド・アルカトラズ。元々は環境艦の1つだったのだが、ゼントラーディも収容可能な刑務所に改造された艦だ。環境艦の内部は殆どが海で、その中にある孤島が収容所となっている。まぁ、ぶっちゃけアメリカにあったアルカトラズ島をモチーフにした環境艦だな。政治犯から殺人犯、テロリストを含めて多種多様な凶悪犯が収容されている。
 当然、そんな連中を収容しているから警備に関してはもの凄く厳しい。少なくても通常の人間がどうこう出来る場所ではない。……そう、普通なら、だ。

「キノコの部下が暴れているというのなら、向こうの目的はボスの奪還じゃないのか?」
『ああ、俺もそう思う。だが、こっちからどうにかするにしても純粋に人手が足りないんだよ。何故か大統領には連絡が取れないし。……いや、グレイス・オコナーが関わっている以上は奴の仕業とみた方がいいだろうな』

 つくづく祟るな。だが、そうなるとグレイス・オコナーがこの会話を盗聴している可能性もあるのか。なら。

「グレイス・オコナーか。今度遭遇したら容赦なく仕留めておくさ。あんなインプラントで強化された機械人形如き、俺の敵じゃない」

 盗聴しているのかどうかは分からないが、一応宣戦布告をしておく。
 それがオズマにも分かったのだろう。小さな笑い声を洩らして言葉を返してくる。

『ま、確かにお前の使う能力があればバジュラも生身でどうにかしそうだけどな』

 良く考えるまでもなく、街中で俺が混沌精霊としての正体を現したのは事実だ。そして、グレイス・オコナーなら恐らくその姿を察知しているのは間違い無いだろう。
 一応大統領が情報戦を仕掛けてはいるが……グレイス相手にはちょっと厳しいだろう。
 もっとも、俺のあの姿に魔法やら精霊やらのファンタジー要素が関係しているとまでは思わないだろうけど。精々、未開部族の特殊能力とか、あるいはプロトデビルン? ……ちょっと無理があるか。
 そんな風に考えつつも、オズマとの簡単な打ち合わせを終わる頃には部屋へと到着する。

「ん、アクセル……?」

 寝室へと顔を出すと、丁度目を覚ましたのかこちらへと茫洋とした視線を向けて来るシェリル。どうやらまだ意識が覚醒しきっている訳ではないらしい。

「しっかり目を覚ませ、シェリル。ちょっと騒がしくなってきたからな。一旦S.M.Sに避難するぞ」
「え? 何かあったの?」
「ああ、お前が寝ている間にアイランド1で同時多発テロ……と呼べる程に派手では無いが、キノコの部下が暴れ回っているらしい。で、当然S.M.Sのエース部隊でもあるスカル小隊の俺も狙われた訳だ」
「……そう、あたしが狙われたのね」

 俺が狙われたと告げただけなのにも関わらず、すぐさま自分を押さえて俺に対する人質にすると判断したその勘の良さはさすがにシェリルと言うべきだろう。

「安心しろ、どのみちここを狙っていた奴等は既に無力化した。今頃は道路でぐっすりと夢を見ているだろうよ。いや、オズマの行動が早ければ新統合軍辺りが確保しているかもしれないが。で、このままバラバラに行動していたら色々と不味いって事でS.M.Sに向かおうと思うんだが、いいか?」
「ええ、あたしもアクセルの足手纏いにはなりたくないしね。それで構わないわ」
「ならすぐに出るぞ。取りあえず寝起きで汗とか掻いているだろうから、動きやすい服装に着替えてくれ。一応向こうでは医務室に預けるつもりだが」
「分かったわ。身体の調子はもう大分いいんだけど……」

 そう言い、着ている服を脱いでいくシェリル。俺の前でも遠慮をしないで肌を見せるようになったのは、いい事なのか悪い事なのか。……正直、微妙だ。
 とにかく素早くシャワーを浴びて汗を流したシェリルは、短めのバスタオル1枚の姿で下着を身につけていく。もしここにいるのが俺以外の……特にシェリルのファンなら、まず間違い無く飛びつくのは間違い無いだろう。それ程に刺激の強い光景。
 ともあれ、一応動きやすい格好ということでパンツスーツに着替えたシェリル。

「……ちょっと気合い入れすぎじゃ無いか?」
「あのね、アクセルになら素の私を見せても平気だけど、S.M.Sの人にはそういう訳にはいかないでしょ? あたしはシェリル・ノームなんだから」

 そう言い、笑みを浮かべるシェリル。少し前まで身体の具合が悪くて寝ていたとはとても思えない程の綺麗な笑み。
 思わずその笑みに見惚れたが、現状を思い出してすぐ我に返る。

「なら、S.M.Sに行くぞ。こっちに来てくれ」
「ええ」

 近づいて来たシェリルの腰を抱き、そのまま影のゲートを展開。S.M.Sにいた時の俺の部屋へと姿を現す。
 周囲を見回し、自分の見覚えがある部屋だと気が付いたのだろう。感心したように口を開く。

「魔法って便利よね」
「……そうでもない」

 この前のバジュラ襲撃の時に比べれば随分マシだが、それでもSPをかなり消費しているのを確認する。一応あの時にPPを全部消費してSPを上げてはいたが……俺以外の魔法使いがこのマクロス世界に来ても、殆ど魔法が使えないんじゃないか?
 それこそ、ネギや近衛みたいな元々の魔力量が多い奴じゃないと。
 そんな風に思っていると、携帯が着信を知らせる。オズマからだ。

「どうした?」
『アルカトラズが襲撃された』 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:685
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:976 
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