『自分:第1章』
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『料理屋さん』
安い居酒屋でも充分なんやけど、店内がごっつい気に入った。
ほけぇ~っと色んなもんに見とれてたらオッチャンに笑われた。
女将さんが料理を出してくる。
オッチャンは特に何も言ってないっぽいけど...
ふわふわしてて優しくて癒される料理。
今迄の人生で、料理を食べて涙が出たのは2回目。
あの時、組長が作った[おじや]以来...
オッチャンが言う。
『日本酒飲みたぁなったやろ?』
『うん!めっちゃ!ビールじゃ勿体無い!!せっかくの料理の良さが損なわれる!!...気がする...知識は何ひとつ無いけど。なんか、すみません...』
オッチャンも女将さんも笑った。
『知識なんか要らんよ。素直な感覚で食べて飲んで、美味しいと感じてくれたら嬉しい。』
上品に柔らかく笑う女将さん...
オッチャンは頷きながら日本酒を注いでくれる。
でも、料理が美味し過ぎて、酒より料理って感じ。
自分どんだけ食べれるんやろって怖かったくらい。
おなかも心も、超超超超超超~大満足♪♪♪♪♪
最高に至福の時間だった。
此の店、帰りたくないと後ろ髪を引かれるのは、決して自分だけではない筈。
泣く泣く店を後にした。
『次どぉすっかな~』
『スナックとかは?』
『スナック~?』
『うん、大人の飲み屋なんやろ?』
『解らんわぁ、行かんしなぁ~...Barやったら知り合いがしよるわ。どぉする?』
『行く行く!』
久々に此の街に来た。
あのクソチンピラに逢いませんように。
あ、でも、オッチャン居るし平気か...
色んな人に頭下げられよるし。
でも、同じ[頭を下げる]でも、クソチンピラの時とは全然違う。
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