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没ストーリー倉庫

作者:海戦型
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無理やり一話で完結させた結果余ったIS

 
前書き
御茶ノ水(おちゃのみず) 与夢(あとむ)という変人について。 

 
 
一夏の証言:

最初に会ったのは中学の時かな。なんか道端で蹲っててさ。なにしてんのかなー・・・って覗きこんだら、野良猫と戯れてたんだよ。ねこじゃらし持ってすげー和んだ顔で。猫がみぃみぃ鳴いたらアトムもみぃみぃ猫の鳴きまねしてて、後ろから俺が話しかけてるのも気付いていなかったみたいでさ。

ほら、動物好きな奴に悪い奴はいないっていうじゃん?だから、いい奴だなって。

(※実際には、猫に夢中になってたのは本当だが一夏の存在には気付いてたりする。つまり、意図的に無視していただけである)

で、いい奴はいい奴なんだけど・・・結構酷いんだよなぁあいつ。人の選り好みみたいなのが激しくてさぁ。お前ははなんとなく嫌いだから近寄るなって言ってきたんだぜ?でも・・・

「はぁ?弁当忘れてきたぁ?知るか!ほら、お菓子やるからあっちいけしっしっ!」

「宿題やってない?知らん知らん・・・ああもう腕に纏わりつくんじゃない!ほら、見せてやるから離れろ気持ち悪い!!」

「姉貴が帰って来なくて寂しい?・・・・・・これから公園で野良猫の会合があるからそこで猫と戯れてろ。ほれ、ねこじゃらしとマタタビエキス」

・・・一回ごねるとその優しさが垣間見える訳だ。こんな風に。
でさー。俺にはよく分からないんだけど、そのギャップっていうのが女の子は好きらしいんだよね。そうなると当然女の子達からも人気が出るんだよ。でもさぁ、あいつそういう子たちにも容赦ないんだよな。

「わ、わたしと付き合って下さい!」
「なんだ、買い物の荷物持ちにでも付き合わせんのか?正直嫌なこった」

「あの、これ・・・(ラブレターらしきもの)」
「ああ、宗教勧誘お断りだからそういうの要らないよ」

「あの・・・私、御茶ノ水くんのことがす・・・」
「ぶえーっくしょん!んー鼻の調子が良くないなぁ。で、何?」

あれは流石に酷いよな、って弾に言ってみたら、「いやお前も似たり寄ったりだぞ?」と真顔で言われてショックだった。あ、なんか気分沈んできたなぁ・・・・・・はぁ。



出番ゼロだった五反田弾の証言:

爆ぜろ。一夏と一緒に爆ぜろ。



お話にならなかったので代理で妹の蘭:

なんか、不思議な雰囲気の人でした。皆で騒いでるのを一歩二歩離れた所から静かに見下ろしてると言うか・・・まぁ単に面倒事になった時に一目散に逃げる事が目的だったのかもしれないけど。実際面倒事になったらすぐに逃げちゃって・・・・・・あ、でも良いところもあるんですよ!

猫に好かれてるから、他の人が近付いたら逃げちゃう猫ちゃんを留まらせる方法をいろいろ知ってるんです。猫・・・猫可愛いですよ猫。ねこねこめうめう・・・めうめう、にゃんにゃん・・・・・・ハッ!?す、すいません!御茶ノ水先輩に洗脳された後遺症が・・・



完全に猫と化した鈴音の証言:

みゃーお?・・・まーお、みゃうん。みゃう・・・みゃあー。ごろごろごろ・・・・・・うみゅ?


「あ、すいません御茶ノ水さん。凰さんを人間に戻してくれません?」
「えっなにそれこわい。俺が猫にしたみたいに言わないでよね」



人間の誇りを取り戻した鈴音の証言:

んん、こほん!えっと、アトムの事ね!

アトムは・・・周りの事をよく見てるくせに、自分には近寄らせない。そんなカンジだった。誘ったんだから素直についてけばいいのに、来たり来なかったり・・・自分の立ち位置を測ってるみたいで、アタシはずっと「そんな面倒なことしなくていっしょにいればいいのに」ってもやっとした感情を抱いてたわ。

・・・なんだかんだでいい奴だったし、もどかしかった。千冬さんもアトムのことをそれなりに気に入ってたし、嫌いじゃないのに何考えてるんだかわかんない所がなんかイヤだったの。イヤって嫌いって事じゃないのよ?頼ってもらえない自分がっていうか、そんな感じ。

でね。好きとかそう言うのだったかは分かんないんだけどそんな感じで気になってさ。そのまま色々とあって、一夏と一緒にモンドグロッソへ千冬さんの試合見にいった時に・・・ええとつまり、そう好きになったのよ!

(・・・・・・前世で猫だった事思い出したとか言えないでしょ。それでアトムと一緒に死んだとか・・・うん、ない。これはアトム本人以外には言えないわよ)

(アタシ、捨て猫だったから。もうあの時も体に力が入らなくて死にかけてたし。今になって思えばお腹の中に寄生虫とか住んでたんだろうなぁ。それで寒くて、一匹で死ぬのかなって思って、そしたらもっと寂しくなって・・・)

(結局アトム諸共死んじゃったんだけど。最後にあったかく抱っこしてくれる人がいると思ったら、寂しくなかったの)

(それを・・・あの時思い出したから。あのあったかさに包まれたことを)



本人に聞く:

え?ああ、あったよあった。今になって思えばあれが鈴の様子がおかしくなった前兆だったんだろうなぁ。え?何したのって・・・

あれだよ。お鈴が「一夏攫われた」って聞いてあんまりにも激しく泣くんだよ。で、しまいに泣き叫んでどんどん情緒不安定になってるもんだから、流石にこれは不味いなーと思って抱っこしてあげたの。そしたら暴れる暴れる。昔去勢手術のために捕獲を手伝ったしたオスネコより激しかったね。

なんか俺の経験則だけどさ、子供って親の心臓の鼓動とか聞くとなんか落ち着くんだよね。やっぱお腹の中にいた頃から聞いてたからなのかな?だからちょっち頭を抱え込んで、効果あるか分かんないけど俺の心音聞かせてみたの。で、「一夏はこんなことでへこたれる奴じゃない。そのうち間抜け面して帰って来るさ。その時にお前が泣いてたら一夏だって嫌だろ?座して待とうぜ」って・・・・・・多分そんな感じのことを言ったかな?
借りてきた猫みたいに大人しくなったよ。

(思えばあの時に前世のことを思い出したんじゃねえかな?)



おまけ:感想で書いたアレ

鈴は、何故アトムが自分を振ったのかを中国に戻ってから考えた。そして、思い至った。

「おっぱいか!?おっぱいがいけないのね!?」

ぺったんこな胸を押さえながら「男なんてー!!」と号泣し胸ばかりで人を量るオトコに絶望する鈴。だが、彼女はとても諦めが悪く、そしてアクティブな子だった!どうにか意中の彼の心を掴みたい・・・それに自分は成長期の筈だし、ここは4千年の歴史を誇る神秘の国「中国」!まだ一般に認知されていない豊胸術が存在するかもしれない!

「見てなさい、今にダイナマイト鈴音になってオトコ心を掴んでみせるわ!!」

鈴は学校に行くことすらやめて気功、漢方、仙術などありとあらゆる古代中国伝来の神秘を研究し、フィールドワークを続けて豊胸術を模索した。途中、中国史の新発見をいくつか発見して学校に提出して単位を得たがそれもどうでもよかった。恋する乙女は盲目なのだ!鈴は胸を求めるあまりほぼおっぱい星人と化していた。そしてついに・・・・・・彼女は中国奥地の伝説の修行場を見つけたのだ!

「こ、ここが伝説の呪泉郷・・・!」

そこには数多の温泉が存在し、その全てに何かしらの生き物がおぼれた悲劇的伝説がある。そして、その温泉で溺れた人間はなんと、過去の伝説で溺れた者の姿になってしまうのだ!そして鈴の調べが正しければ・・・

「あった、胸溺泉!大きな胸が邪魔で上手く泳げずに娘が溺れ死んだという・・・!ここで溺れればいいのね!」

鈴、実行!溺れるとは書いてあるが、実際には落ちただけでも効用ありとこの土地の管理人に聞いていた。そして・・・!

「や、やった!念願のダイナマイトボディ・・・!!」

その小さな体躯故に幼児体型と散々馬鹿にされた鈴の双房には・・・推定90センチのバストが!大きいながらも美しい形状のそれは鈴の着ていたシャツからはみ出さんばかりにその存在感を主張し、ロリ巨乳とでも言うべき夢のおっぱいを獲得したのだ!これで男たちもこの胸から目が離せなくあるはずであり、アトムも考え直してくれるはず!

「・・・って、重いわねコレ」

温泉から上がって歩く際も、ブラが駄目になったせいで揺れる揺れる。その確実なサイズを保証する脂肪の重量は、そのまま体重の一部として鈴の肩の負担を増やす。

「しかも・・・なんかバランス悪ぅ・・・」

温泉に映る自分の体を見て、鈴は素直にそう思った。体は子供なのに胸だけが不自然に発達した自分の体は、なんだかCGで加工したようで非常に不自然というか、とってつけたようである。それは男は喜ぶかもしれないが、鈴の美的感覚からすると違和感が激しかった。
こうなったらブラもすべて買い替えなければいけないし、持っている服も大半が胸のせいでサイズが合わなくなるだろう。しかも、よく考えてみたら「胸が大きくなったから意中の人が寄ってくる」というのは、自分を見ているのではなくて自分の胸を見ているだけなのでは?

――それってアタシが好きになったって言えるの?

ふと横を見ると、「貧溺泉」という呪泉があった。体脂肪率(主に胸)が低すぎて体が浮かずに溺れた女性の伝説を持ち、ここで溺れれば貧乳になる。そして・・・相反する胸溺泉の呪いを打ち消す効果も、それにはあった。

「・・・・・・・・・」

鈴は無言でその呪泉につかり、もとのスレンダー鈴ちゃんに戻った。
  
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