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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第九幕その五

「あれも美味しいですね」
「ここは蜜柑も名産です」
「本当に美味しいものばかりで」
「楽しめますので」
「余計にずっとこの街にいたくなりました」
 老紳士は気品のある笑顔で先生達に答えました。
「本当に」
「そうですね、僕もです」
「それではですね」
「お楽しみ下さい、この松山と」
「日本もですね」
「僕もそうしている最中です」
 先生は日本に来てからずっとそうしています、幾ら楽しんでも楽しみきれないまでのものだとさえ感じているのです。
 だから老紳士にもです、笑顔でお話するのでした。
「松山だけでなく日本自体も」
「そうさせてもらいます」
 こう笑顔でお話してでした、先生達はカワウソさん達にもお話するのでした。そうしてその後でなのでした。
 先生は老紳士にこう言いました。
「それではですね」
「はい、後は」
「明日です」
「明日こちらに狸さんが来られるのですね」
「それで宜しいでしょうか」
「わかりました」
 老紳士は先生の言葉にこのことについても笑顔で応えました。
「それでは」
「明日ここで」
「皆で楽しみましょう」
 こうお話してなのでした、そして。
 先生達はカワウソさん達と笑顔でお別れしてでした、お屋敷を後にしました。
 外はもう夕方になっていました、ここで。
 加藤さんは先生にです、笑顔でこう言いました。
「お話が上手に進んで何よりでしたね」
「はい、本当に」
「そうですね、それでは」
「明日ですね」
「はい、明日」
 その明日だというのです。
「明日まずは狸さん達がカワウソさん達のお屋敷に来られて」
「明後日はですね」
「今度はカワウソさん達が狸さんにもてなしてもらいます」
「そういうことで、ですね」
「狸さんにもお話しましょう」
 こうお話するのでした、夕刻のその赤くなっている松山の中で。
 そのお話の中で、です。先生はこうしたことも言いました。
「僕はこうした時はですね」
「お互いにお話をしてですね」
「親睦を深めていけばいいと思います」
「それがベストですね、確かに」
「異なる文化、異なる種類の生きものであっても」
「まずはお互いにお話することですね」
「はい、そうです」
 まさにというのです。
「ですから」
「それで、ですね」
「今回も狸さんとカワウソさんのそれぞれのお話を聞いて」
「そしてだったのですね」
「お互いの話をしていこうと」
「理知的ですね」
 加藤さんはそうした先生の行動について笑顔で述べました。
「まさに」
「理知的ですか」
「しかも平和的です」
「褒め言葉ですが」
 その理知的、平和的という言葉がです。
「僕は争いは嫌いでして」
「だからこそですか」
「いつもこうしたやり方を心掛けています」
「平和的にことを進めるのですね」
「争いは何も生みません」
 こうも言う先生でした。
「そう考えています」
「そうですね、よく話せばわかると言いますが」
「その通りです」
 まさにというのです、先生も。 
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