仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜
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腐った国
帝都 裏通り 深夜
「いやー、まさか
帝具使いによる組織が結成されるとはね」
「イェーガーズだったか?
なんつーか…名前ダサいと思うんだが…」
「ハハハ、まあ確かにな…待った」
突然、声がこわばったことに驚き、
彼の目線を追いかける
その先には黒いコートを着た人が立っていた
顔はフードで隠されていて見えない
「あんた…何者だ?」
黒いコートの人物は黙ったままだった
いつでも斬れるようにするために剣を握る
だが…
次の瞬間、目に見えていたのは
首のない自分の体と
さきほどまで一緒に話していた友人の
上半身がない体だった
ライダー大戦が終わった後…
門矢士は
仲間の夏海やユウスケ達と共に
数々の世界を巡っていた
消えてゆく運命にあったライダー達の物語も
永遠の物となり、
また、新たな仮面ライダー達も生まれた
その度に士の変身するディケイドも
新たなる力を手にいれていった
「さて、次はどんな世界でしょうかねえ」
光写真館の館長、栄次郎が背景ロールをいじりながら言う
「なんか面白い世界ありませんかね〜
こう、ゾンビだらけの世界とか」
「僕はそんな世界嫌だね
お宝がなさそうだし」
「どこでもいい、旅こそが俺の世界だ
行き先はどこでもいい」
ユウスケ、大樹、士が順に答える
ガララララララララ…
「あ、ほら、準備が出来たみたいですよ」
「どれどれ…」
夏海に言われ、全員が背景ロールの絵を眺める
その絵には月に照らされる
巨大な都市のような場所が書かれていた
だが、その都市はどこか暗い雰囲気を醸し出していた
「なんか…今までと時代が違うような感じですね」
「ああ、古そうだ。これは面白いお宝が手に入りそうだ」
「なんか、キバの世界と似てません?絵が」
みんな、それぞれの感想を述べる
「ちょっと外を見てくる」
そう言うと、士は
写真館から出ていった
「コーヒーを用意するので、
士君が戻ってくるまでゆっくりしてましょう」
栄次郎がキッチンの方に向かいながらいう
しばらくして、士が戻ってきた
「おい、士、どんな感じだった?」
「周りは森だった
少し離れたところに小さな村があったが
それ以外は何もない
聞いたところ、その絵の都市は
帝都と言ってここから少し離れたところにあるそうだ」
「なるほど」
士は用意してあったカップに残っていたコーヒーを注ぐと
椅子に座って所持しているカードをチェックしはじめた
「オーズにフォーゼ、ウィザード…それに鎧武か
この世界にはどんなライダーがいるんだろうな」
ユウスケが士のカードを覗きながら言う
「さあな」
それだけ言って、士はカードのチェックを続けた
カララン…
「すいませーん!マスター!いるー?」
ドアの開いた音の後に
少し大人な感じの女性の声が聞こえる
「少々お待ちください!」
栄次郎が玄関の方へ向かう
「え、ここ喫茶店じゃないの?」
「はい、写真館でございます
でも、私はコーヒーも用意できるので
どうぞ中でゆっくりしていってください」
こんな会話が聞こえてきた
少しして、部屋に戻ってきた栄次郎の後ろに
金髪でグラマラスな体をした女性が入ってきた
格好も多少、露出が激しく
隣にいたユウスケが見惚れていたのがわかった
「君、名前は?」
テーブルについた女性に
大樹が問う
「私か?レオーネって言うんだ!
よろしくな!」
女性にしては元気なやつだなと士は思う
「なあ、帝都ってどんなところなんだ?」
そう聞いた瞬間、レオーネの表情が
険しくなる
「今の帝都は…とても腐りきっている」
レオーネはゆっくりと話しはじめた
帝都を支配しているのは皇帝だが、
今の皇帝はまだ子供で、実質的には大臣が
政治を行っているということ
そしてその大臣のせいで民が苦しんでいること
また権力者達が悪事を行っているということを
そして…
そんな状態の帝都に革命を起こすために
暗躍するナイトレイドのことを
「そうか…大体わかった
つたり、実際はそのナイトレイドって奴らが
正義なんだな?」
話し終えたレオーネに士が聞く
「そんな事はない
奴らがやってるのは所詮殺しだ」
「そうか…難しいところだな
もう一つ聞いてもいいか?」
「なんだ?」
「お前は仮[ズドオオオオオオオオオオン…]
近くで轟音が聞こえた
「なんだ!?」
「わからないけどこの近くのようだ
士、ユウスケ、いくぞ!」
「もちろんだ!」「うん!」
そう言って三人は
写真館を飛び出していった
「あいつら戦えるのか?」
「はい、三人ともとても強いんですよ」
「そうなのか…じゃあお手並み拝見といこうかな」
「レオーネさんもいくんですか?危ないですよ?」
「大丈夫、私はこういうのに慣れてるんだ
それに、さんはつけなくていいよ」
そう言葉を残し、レオーネも写真館を出て行った
「大丈夫なんでしょうか…
この世界にどんな敵がいるかもわからないのに…」
夏海は、窓の外を見つめながら言った
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