転生赤龍帝のマフィアな生活
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七話:霧
前書き
グレモリー眷属に代わりに入る人はバジルにすることにしました。
アンケートご協力ありがとうございましたm(__)m
それでは本文です。
今現在、俺は幻覚の中をデュリオを誘導しながら進んでいる最中だ。
俺自身も幻覚が完全に効かないわけではないので景色は無茶苦茶に見える状態だがどっちに進めばいいかを超直感が教えてくれるので進めている状態だ。
まあ、そう言うわけなので誘導しなければ進めないデュリオと一緒に行くのは面倒だが、あいつも仕事なので大目に見てやろう。この苛立ちは後でドライグにぶつければいい。
(とんだ流れ玉を受けてしまったな……。)
(ご主人様!!!なぜ、ドライグにばかりお仕置きを与えるのですか!!?はっ!?まさか私に嫉妬を抱かせて私に『ご主人様!!!どうかこの変態の身に余る罰を与えてください!!!!』とでも言わせようとしているのですか!!?うふふふ……流石です、流石ご主人様です!!!変態の心を熟知してらっしゃる…っ!!!さあ、思う存分私の言動を罵り蔑んでください!!!!!)
((…………………))
「あれ?一誠君どうしたの?気分悪いんスか、顔真っ青スよ?」
頼む……頼むから話しかけないでくれ、今口を開いたら泣き出しそうになる。
そうだ、今は無視して――
(うふふふ……ここに来てまで焦らすなんて―――興奮が増してきました!!!!!)
(ドライグ、変態を黙らせるぞ。)
(任せろ、相棒。)
「え!?なんスか!!?急に覚悟決めた顔になって、今から何が始まるんスか!!?」
「五分待ってろ……塵も残さず消してやる…っ!!」
~少々お待ちください~
「ハアハア…ッ!!!ご主人様、もっと!!もっとお願いしましゅ!!!!!」
「バカな……二天龍と歴代最強の赤龍帝の相棒の本気の攻撃を受けて死なないどころか快感を感じるなど……やつは化け物か!!?」
「まさか…生まれて初めての敗北をこんな所で味わうとわな……はーはっはっは!!!こいつは傑作だ!!!!!」
「相棒!?気をしっかり持て!!!」
「久しぶりに逝かせていただいてありがとうございましゅうううっ!!!!!」
「はーはっはっは!!!聞こえねえ!!何も聞こえねえな!!!」
「しっかりしろ!!!しっかりするんだ!!!相棒オオオオッ!!!!!」
~少々お待ちください~
妙だな……俺は変態を黙らせるために精神世界に行ったはずなのにそこから記憶がない……何かあったのだろうか?
思い出そうとすると頭が痛むのでやめておこう。こんな事はイリナに『お前本当に女か?』と言った以来だな……怖い。
「一誠君、何があったか知らないっすけど大丈夫?」
「心配には及ばねえよ……行くぞ、術者の場所まではもう少しだ。」
忘れてしまったものはしょうがない、人間前を向いて生きていくしかないんだ。
そうすればいつか良いことがあるから……俺らしくないセリフだが何故かそうでも言わないと自分が保てない気がするので言っておくとしよう。
(気持ちよかったなあ………!!)
……何も聞こえない、俺は何も聞いていない、うん、そうだ、そうに決まっている。
Side???
みんな…みんな私を不気味がるの……生まれた時からそう、片目の色が違うから気味悪がられて捨てられた……。施設に拾われてからものけ者にされた…私なんかいらないって……でも…それでも良かったのどうせ誰からも必要とされないから…一人になりたかった。
私は良く分からない力を持ってる…幻術…であってるよね…?ありもしないものを人に見せれる力……やっぱり気味悪がられる……。ただ私は普通に居たいだけなのにどうして私にばかり変な力があるの…?
……こんな力私は欲しくなかった、他の人だってそう、こんな力を持つ私なんて望んでない、それなのに…どうしてこんな力が私にあるの?
……でもここなら…ここならそんなこと考えなくていい……私しかいないから…ずっと一人でいられる。いいよね?どうせ私を必要としてくれる人なんていないんだから……でも――やっぱり一人は寂しいよ……。
「たいそうな引きこもりお嬢様だな。」
…だれ?
Sideout???
まさか、神器の使い手がクローム髑髏だとはな……正直言って驚きだ。これほど『霧』に相応しい奴もそうそういないだろう。
まあ、まずは引きこもった部屋から引きずりだしてやらないとな。
「……だれ?」
「兵藤一誠だ。好きなように呼べ。」
「何しに来たの…?」
「単刀直入に言う――俺のものになれ。」
「ちょ!?何言ってるんスか!!?」
「あ?約束忘れたってのか?」
「いや、俺が言いたいのは言い方というかなんというか……。」
デュリオの奴何を意味の分からないことを言ってるんだ?
俺は手短に要件を伝えただけなんだがな。
(相棒は結局鈍感だったのだな……。)
(しばくぞ。)
(すいません。)
分かればよし。
「私が必要なの…?」
「そうだ。」
「私…片目の色が違うけどいいの…?」
「見せてみろ。」
「あ…!!」
右目を隠してある髪をかきあげて目を見る。
……左の紫の目とは違う赤色の目…六道輪廻の力があるんだろうな、まあ俺にとってはこんな物は恐怖の対象にならない。むしろ――
「綺麗じゃねえか。」
「え?」
普通に綺麗な目だ、こんなに綺麗な物を不気味がっていた奴らの気がしれないな。
「あの…でも他にも…変な力もあるから……。」
そう言ってクロームが三叉槍を見せてくる……これが神器の正体か……これで幻覚を生み出していたんだな。それにしても変な力か、生まれた時からドライグといるが俺は特に神器を特殊なものだと思ったことはないんだけどな……俺が変なのか?
(相棒は生まれた時からおかしい。)
(そろそろ人生に飽きてきたようだな?ドライグ。)
(ふっ……足の震えが止まらないな…っ!!)
まあ、今はマダオはほうっておこう、今はクロームだ。
「そんなもんで自慢か?種類は違えが俺も持ってるぞ。」
「赤い…銃…?」
「俺のもお前のも同じ神器だ。」
「同じ……。」
そう言って黙り込むクローム、なにを考えているかは分からないがここで口をはさむのは上策ではないだろうな。
「あなたは…私の事が必要なの…?」
「ああ、必要だ。てめえが拒否してもかっさらって行く位には必要だ。まあ、ただとは言わねえ、欲しい物があるなら言え。」
「そうなのね……一つだけ欲しい物があるけど…言ってもいい…?」
「なんだ?可能な物なら直ぐに用意させる。」
「家族が欲しい…あったかい家族…お父さん、お母さん…兄妹もいると嬉しい。」
「………わかった、約束だ。」
「本当…?」
「ルールは破っても約束は破らねえ。」
「そう…よかっ…た……。」
ホッとしたように崩れ落ちるクロームを慌てて抱きかかえる。
……軽いな、今まで碌な物食ってこなかったんだろうな。
それに神器の使い過ぎの影響もあるんだろう。
晴れの炎の活性を使い少し治療する、外傷は見当たらないが内傷があるかもしれないからな。
「何と言うか……見事に口説き落としたっスねー。」
「煌天雷獄と俺の神滅具…どっちが強えか試してえらしいな。」
「あ、結構です。」
「ちっ……まあいい。」
クロームを抱き抱えてどこに連れて行くか考える……ボンゴレ本邸に向かうのがいいだろうな。ヴァリアー本部はスクアーロの半径五十メートル以内ではまず眠れないからな。
いや、うるさいだろ、あいつ。
「それにしても…家族なんてどうやって用意するつもりなの?一誠君。」
「てめえが気にすることじゃねえよ……。」
父さんと母さんの許可さえ下りれば万事解決だからな……さて早く本邸に戻るか。
あ!!後ドライグにお仕置きするのを忘れてた、危ない危ない。
それにしても真っ赤なドラゴンが真っ青になってるというのは中々に面白いな。
「坊ちゃま、クローム様がお目覚めになりましたよ。」
「そうか……直ぐに行く。」
ミランダからの報告を受けて最高級フィレ肉を食べていた手を止めて立ち上がる。
「坊ちゃま、お食事の最中に席を立つのはお行儀が悪いですよ。」
「…うるせえ。」
「そ、そんな……っ!!坊ちゃまがグレたなんて……ああ、これも坊ちゃまのお世話係である私の責任!!!申し訳ありません!!!直ぐに辞職します!!!!!」
「分かった!!最後まで食うから辞職するな!!!」
「ああ…なんてお優しい……坊ちゃまあああっ!!!」
「抱き着くんじゃねえ!!!」
ああ、なんで昔からミランダは俺に抱き着いて来るんだよ!!!
俺もう十三歳なんだからいい加減子供扱いするのはやめてくれよな……まあ、そう言ったらまた直ぐに『辞職します!!!』て言い始めるだろうから言わないけど。
冗談で言っている?違うな、一回本当に父さんに辞表を提出してるところを見たからな、もちろん直ぐに止めたけど。
「抱き着くなと言われましても坊ちゃまを抱きしめることこそが私の生きがいなのですから無理な話です。」
「もう少しまともな生きがい見つけやがれ!!!」
「そんな…!!坊ちゃま、ご自分を過小評価しないで下さい!!!坊ちゃまは唯一無二の存在!!!この世でもっとも崇高な存在です!!!!!」
「そう言う意味で言ったんじゃねえよ!!!」
毎度思うがミランダの俺に向ける感情はメイドが主人に向ける感情ではなく、姉が弟に向ける感情のような気がする、それも極度のブラコン。
いくら昔からの世話係だとはいえ、行き過ぎてるだろ。
まあ、俺としてはよそよそしい態度を取られるよりはましだから他の奴らよりは気に入ってはいるんだがな。
ん?カスザメはどうなのか?あいつはうるさいから駄目だ。というか最近見てるだけでイラつく。
「ちっ……まあいい、クロームの所に案内しろ。」
「その前にフィレ肉を召し上がってください。食べづらいと言うのなら私が口移しで――」
「すぐに食う。」
無理やりフィレ肉を口に詰め込み飲み込む。
……危なかった幼児時代の悪夢が再現するところだった。それとミランダ、なぜお前はがっかりしてるんだ?少し怖いんだが……。
「気分はどうだ?」
「悪くはない…かな。」
「そうか……。」
どうやらクロームは大丈夫そうだな、一安心だ。
「ここどこ…?」
「お前の家だ。」
「……どういうこと?」
「そのままの意味だ。」
「一誠、そろそろ会わせてくれないかね。」
ちょうどいいタイミングだな、父さん、母さん。
「ああ。」
「まあ、こんなに可愛い女の子の親になれるなんて幸せね。ねえ、ティモッテオ。」
「ああ、そうだね、亜美。」
「えっと……」
困ったように俺の方を見るクローム、まあ無理もないか。
いきなり言われても混乱するのが普通だ。だが慣れてもらわないとな。
俺達は――家族なんだから。
「お前の望んだものだ……約束は守った。」
「家族…本当に…?」
「ああ、間違いなくお前は私の娘だよ、クローム。」
「ええ、ママって呼んでね、クロームちゃん。一誠ちゃんはどうしても呼んでくれないからママ寂しいのよね。」
母さん……そんなことを考えてたのか……普通に恥ずかしいだろその呼び方。
特に俺、男だし。
「じゃあ…一誠は私のお兄ちゃん?」
「その言い方はやめろ。」
「………………………」
やめろよ……泣きそうな顔で見つめるなよ、これじゃあ俺が悪者みたいじゃないか……。
「好きにしろ……。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」
「………ふん。」
「あらあら、素直じゃないわね、一誠ちゃんは、素直に喜べばいいのに。」
「なっ!?」
余計なお世話だ!!!と言ってやりたいが母さんは怒らせると怖いので堪える。
因みにどれくらい怖いかと言うと母の怒りと紐なしバンジーのどちらかを選べと言われたら迷うことなく後者を選ぶレベルだ。その証拠に思い出そうとしただけでも足がガクガクと震えている今現在だ。もはや怪物と言っても過言ではな――
「あら、どうしたの?一誠ちゃん。」
「何でもないです。」
今一瞬殺気を感じたんだが……気のせいだよな?
「それにしてもクロームちゃんは可愛いわね……抱きしめちゃいましょ。」
「っ!!!??」
母さんに抱きしめられて顔を真っ赤にするクローム。
「ほらパパとお兄ちゃんも。」
「ああ、そうだね。」
「何で俺がそんなことやらなきゃならねえんだ。」
「お兄ちゃん……。」
「ちっ…わかったから泣きそうな顔するんじゃねえよ。」
渋々クロームを抱きしめるのに参加する……別に俺がしたいわけじゃないからな?
勘違いするんじゃないぞ。照れるクロームが可愛いとか全く思っていないからな?
絶対だぞ。まあ……兄というのも案外悪くはないなとは思っているがな……。
おまけ~後日~
「カスザメ、三分以内に麦チョコ、100ダース買って来い。」
「ゔおおおい!!?無理に決まってんだろうがあ!!!100ダース集めるだけでもそれ以上かかるぞおっ!!!!!」
「つべこべ言うんじゃねえ、クロームが食べたがってんだ、ヴァリアークオリティでなんとかしろ。」
「そんなことにヴァリアークオリティ使わせんじゃねよ!!!!!」
「100ダースも食べきれないよ…お兄ちゃん。」
「なら、10ダース買って来い。」
「まず、ダース単位で数えんのやめろおっ!!!!!」
「水飴も食べたいなあ…。」
「水飴120個追加だ。」
「言い換えただけじゃねえかよ!!!!!」
~おしまい~
後書き
主人公とXANXUSの違いは家族やファミリーに愛情があるかないかの違いです。
クロームを妹にした理由はただ単に作者がクロームに幸せになって欲しかったからです。
後、ミランダさんは日本に行くときのお世話係にする予定です。
主人公一人暮らしにしようかなあ、て思ってたんですけど、どうしても家事をこなす主人公が思い浮かばなかったので一人暮らしは断念しました。
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