転生赤龍帝のマフィアな生活
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五話:ヴァリアー
どうも、兵藤一誠、十歳です。
俺は今ヴァリアー本部ボスの部屋で匣の開発に勤しんでいるところだ。
ん?何でそんなところにいるのかだって?そんなの俺がヴァリアーのボスになったからに決まってるだろ。
俺が来るまではテュールとか言うおっさんがボスだったんだけど、きちんと統制がとれていなくてヴァリアーがただの荒くれ者の集団になっていたので俺がおっさんと隊員を纏めて説教にしてやったらいつの間にか俺がボスになっていたというわけだ。
まあ、ボスと言っても事務的な仕事は部下に丸投げしているのでたいしてすることもなくこうして匣の開発に没頭出来てるわけだが。
この匣の開発経緯は何も最初から匣を作ろうと思って始めたわけではなくただ単に変態を俺の精神世界から排除するために研究していたら偶然出来た物だ。ちなみにとうの変態はまだ俺の精神世界に居座って俺の精神力を削り続けている……もう諦めて受け入れようかな……。
「ゔおおおい!!!」
「うぜえっ!!!」
「がっ!!?ゔおおおい!!!人にスパナ投げつけてんじゃねえよ!!!!!」
「ちっ、この程度じゃ死なねえか。」
「ゔおおおい!!?」
(いいなあ……私も投げつけられたい//////)
しまった、今のスクアーロへの攻撃で変態が目を覚ましてしまった!!!
しょうがない、スクアーロへの攻撃は一時中断するとしよう……それにしてもスクアーロの奴もう少し音量下げられないのか?
トランプでピラミッドを作っていてあと少しで最後と言うところをあいつの怒声で崩されたときは本気で殺そうと思ったからな。
まあ俺に喧嘩を売ってきた後に説得してからヴァリアーに無理やり入隊させたのは俺なんだがこれなら入隊させない方がよかったか?
「何の用だカスザメ?俺は今忙しいんだ。」
「てめえは俺達に仕事丸投げしてるだろうがあっ!!クソボス!!!」
「それで何の用だ?」
「話逸らしてんじゃねえよ!!!」
「さっさと要件を言え、カッ消すぞ。」
「覚えてやがれええっ!!クソボス!!!……カスマフィアの殲滅だ。」
「……どこのファミリーだ?」
「コーネルファミリーだ、人体実験やらをしてやがるらしいぜ。」
ふざけたファミリーだな……人体実験なんて古いことするなんて頭が狂ってんだろ。
それにあそこはそこまでデカいファミリーじゃない……裏で何かと繋がってる可能性が高いな。
「雑魚共を集めろ……今夜中にカッ消す。」
「野郎どもおおおっ!!!ボスに消されたくなけりゃさっさと準備しろおおおっ!!!!」
「「「「「はっ!!!」」」」」
……なんでこいつは部屋の中から叫んで命令を出せるんだよ?声デカすぎだろ、それに隊員達も普通に答えてるってどういうことだよ……。
まあ統率のとれた部隊になったと捉えておくか。
さて、カスマフィア共には俺の匣の実験台になってもらうか。
リングが手元にないので直接俺の炎を注入するタイプにしたんだがどうなることか……。
匣を取り窓から飛び降りると、すでに隊員達が揃っていた……中々出来る様になってきたじゃないか。
「今からカス共をカッ消しに行く……分かってると思うが俺の命令に背いた奴は――カッ消す!!」
「「「「「はっ!!!」」」」」
「野郎どもおおおっ!!派手に行くぜええええっ!!!」
「「「「「オオオオッ!!!」」」」」
「はっ、カスザメの煽りにしちゃあ上出来だ。」
さて、カッ消しに行きますか。
「飛ばすぜええええっ!!!」
「ヴぁ、ヴァリアーだああああっ!!?」
「俺達を殺しに来たんだ!!?に、逃げろ!!!」
「ドカス共が今更生きながらえようなんざ思うんじゃねえよ、カッ消えろ!!」
「「「ぎゃあああああああっ!!!??」」」
逃げようとするカス共をカッ消していく。こうも弱いくせに悪事を働こうとするなんて余程頭が弱いらしいな。それとも隠せば何とかなるとでも思っていたのか?
どちらにしろこうなった以上は一人たりとも逃がす気はないけどな。
「ゔおぉい、実験体はどうするんだ?ボス。」
「助かりそうな奴は助けろ。」
「了解だあっ!!!」
そう言うとスクアーロはカス共を切り裂きながらどこかに行ってしまった。
まったく……あいつの血の気の荒い性格はどうにかならないのか?あんなんじゃ敵の罠にかかるぞ?まあ、あいつを止めれる奴なんてそうそういないだろうけどな。
何だかんだで俺が一番信用している部下だ。
「さて……ドカスの頭を消しに行くか。」
小賢しいカスの事だ、部下を見捨てて自分だけは隠れているに違いない。
自分だけが助かろうなんて甘い考えを骨の髄ごと灰にしてやろう。
どこに隠れていようが超直感の前では無意味だ。カスの居場所位すぐに分かる。
「西か……。」
西の方にいると直感したので壁を破壊しながら進んで行く。今ドライグは脅して別の仕事をさせているので神器は使えず、死ぬ気の炎だけだ。
まあ、神器なんて使わなくてもカスには十分だろう。
それと、どうせここは壊す予定のアジトだし、別に壁に大穴開けたところで何も言われないだろう。しばらく進んでいると三人の気配が感じ取れてきた……一人は人間で残りの二人は……悪魔だな。
一つずつ壊していくのにも飽きたので憤怒の炎で一気に壁を粉砕する。
「客に茶ももてなさねえたあ、気が利かねえな。」
「ひっ!!な、なんでここが!!?」
「白音と同い年ぐらいの子供……。」
「何だ、ただの人間じゃないか、しかも子供だ、何を怖がる必要があると言うんだい?コーネル。」
恐らく、端っこで俺に怯えている奴がカスマフィアのボスだろうな、あんな臆病な性格で良くボスが務まったな……いや、務まってないからカスマフィアに落ちたのか。
それにしても何かと繋がってるとは思ってたがまさか悪魔と繋がってるとわな。
ここがイタリアだってこと分かってんのか?
教会の勢力のど真ん中に入ってくるなんて悪魔の方も相当馬鹿らしいな。
特に悪魔の男は見ただけでカスだと分かる。着物を着た女の方は俺の方を見て何やら戸惑っているが俺の知ったことじゃない。
「まさか、コウモリ共と繋がってるたあ、思わなかったぜ、ドカス。」
「人間如きが崇高な悪魔をコウモリ扱いとは相当死にたいようだね!!!黒歌!!!そこの愚かなガキを殺せ!!!」
「……でも――」
「さっさとやらないとお前の妹を殺すぞ!!!」
「っ!?……わかったにゃ……あなたには恨みはないけどごめんなさいにゃ。」
ごめんなさい?まだ戦ってもいないという言うのに俺に勝ったつもりでいるのかこいつらは?
「……ざけんな、ふざけんな!!!カス共が俺を見下すだと!!?ざけんじゃねえ!!!カスはカスらしく俺の足もとに膝まづいてりゃいいんだよっ!!!!!」
「な、なんだこの炎は!!?」
「ぼ、ボンゴレの死ぬ気の炎……っ!!」
こいつらは絶対にカッ消す、灰も残さずに消してやる!!!
匣に炎を注ぎ込む、ようやく出番が来たぞ――
「ベスター!!!」
『天空ライオン開匣!!!』
「し、白いライオンかにゃ?」
そう俺が作った記念すべき匣第一号はXANXUSの匣兵器、白の天空ライオンのベスターだ。
「ベスター……やれ。」
「GAOOOO!!!」
「ひっ!?こ、これは!!?」
「体が石化してるにゃ!!?」
「どうなってるんだ!!?おい!!黒歌何とかしろ!!!」
大空の特性である調和で周りと同じ石にカス共を変える。
「まだ、自分の状況が分かってねえらしいな……ドカスコウモリ。」
目の前の女を無視してカス悪魔の方に向かう、女の方も気に入らないがまずはカス共の始末が先だ。
ないとは思うがこいつらに逃げられると面倒だからな。
「てめえらの命は俺が握ってんだよ、ドカスコウモリ!!!」
「ぐあああっ!!?」
カス悪魔の腕を蹴り砕く、石化しているから痛みが無いかと思ったが神経は生きてるみたいだな。痛みつけがいがある。
「てめえも人体実験なんてカスなことやりやがって人の自由時間奪ってんじゃねえよ!!!」
「ぎゃあああああああっ!!!??」
「女みたいにわめいてんじゃねえよドカスが!!!」
カスマフィアのボス、名前は確かコーネルか、こんな奴がマフィアを名乗っていたなんて同じマフィアとして恥ずかしい限りだ、たかだか下半身を消し飛ばされたぐらいでわめき過ぎなんだよ。
「ま、待ってくれ!!い、命だけは助けてくれ!!!」
「てめえはそう言った連中を何人殺してきた!?カッ消えろ!!!」
「あああああっ!!!??」
灰も残さないように丁寧に憤怒の炎で焼き払う、実にカスらしい最後だな。
いい気味だ。
「ドカスコウモリ……次はてめえだ。」
「ま、待て!!俺を助けたら君の望むものすべて得られるんだよ!!!」
「興味がねえな。」
「君の寿命を何倍にも伸ばすことだって出来る!!!金が欲しければいくらでもあげる!!!女が欲しいならそこの女とその妹をすぐにやってもいい!!!」
「っ!!?…この外道……っ!!!」
「……たった今望むものが出来た。」
「ほ、本当かい!!?何でも言って――」
「てめえの死だ!!!カッ消えろ!!!!!」
「―――――――ッ!!!??」
カス悪魔は声にならない悲鳴をあげてカッ消えた……冥途の土産に俺がこの世で一番嫌いなものを教えてやるよ、俺のこの世で一番嫌いなものはな――部下を売る奴らだ!!!
「………後は私だけかにゃ。」
「……………ベスター。」
「え?」
ベスターを匣に戻し、女の石化を解く。
「殺さないのかにゃ?」
「てめえのことは気に入らねえ……が、殺す気が失せた。」
「私はあなたを殺す気だったにゃ。」
「はっ、その気になりゃいつでも攻撃出来たのをしなかったくせによく言うぜ。」
「っ!!……ずいぶんと鋭い感を持ってる子にゃ。」
まあ、超直感ですからね。不可解なことは大体直感で分かるようになってる。
ホント超直感便利。
「最上級悪魔クラスの力を持ってるくせにあのドカスに従うなんざ頭わいてんじゃねえか?」
「妹のためにゃ……妹の身の安全のために悪魔になったのにゃ。」
「それで脅されてちゃ、世話ねえな。」
「余計なお世話にゃ!!……まあ、もう死んだからその心配はなくなったけど。」
「ぶはっ!!そりゃ良かったな。」
「…………あなた本当に子供かにゃ?見たところ私の妹と同じ位に見えるんだけど、話してみるとむしろ年上と話してるような気になるんだけど。」
「年齢なんざ意味のねえ指標だ、気にする価値もねえ。」
どうせ、年なんて直ぐにとるんだ、人間はカスかカスじゃないか以外で分ける必要はない。
「ふーん、ま、そういうことにしとくにゃ。」
「気に入らねえ返事だ―「ゔおおおい!!!探したぜえ!!!クソボス!!!!!」―うぜえっ!!!」
「ゔおいっ!?味方に攻撃してくんじゃねえ!!!クソボス!!!!!」
「俺の会話を遮るたあ、いい度胸じゃねえか……死にてえらしいなカスザメ。」
「ゔおおおおいっ!!!変な言いがかりつけてんじゃねよ!!!てめえこそ、下ろされたいらしいなあっ!!!」
こいつ、ボスである俺に楯突くとわな……どうやらこいつにはもう一度説教する必要があるらしいな。
「白音と同じ子供に見えないにゃ……早く帰って白音に癒されたいにゃ……。」
「……というかさっきから思ってたんだがお前は誰だあ!!?」
「あ、私、黒歌って言うにゃ、よろしくにゃ。」
「そうかあっ!!よろしくなあ!!!――ってそういうこと聞きたいんじゃねえよ!!!」
こいつ……まさか乗りツッコミまで習得してたとわな……今度給料上げてやるか。
まあ、説教はやめないけどな、犬のしつけと一緒だ、最初によく言いつけておかないと後で言うことを聞かなくなるからな。多分サメも同じだろ。
「そいつはドカスコウモリの眷属だった奴だ。」
「ゔおおおおい!!!敵じゃねえかあああっ!!!!!」
「てめえよりはうざくはねえから問題はねえ。」
「俺は敵以下かよっ!!!??」
「カスザメの分際で俺に口答えするんじゃねえ!!!」
「こんのクソボスウウウッ!!!!!」
「格の違いを知れ!!!」
そのまま戦闘開始する俺達。
こいつ、結構強くなってるじゃないか、これで――心置きなく叩きのめせるな!!!
「ゴッ!!?ゴハッ!!?グオオオッ!!!??」
「あ?何言ってんだ?しっかり話せ、カスザメ。」
「ゴフウウウッ!!!??」
(この男、なんて羨ましいことを…っ!!!妬ましい限りです!!!!)
「……………もう帰るにゃ。」
その後俺の説教は変態が嫉妬の余り発狂するまで続いた。
その頃にはカスマフィアのアジトの原型がなくなっていたのは特に気にする必要はないだろう。
後書き
部下を売ることはしねえ、部下は自分の手でカッ消すものだ。by主人公
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