| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

番外編 新人美食屋一夏

 
前書き
新章突入記念! 

 
「なんだあの馬鹿でかい魚!?」
「おいおい!?あれって海の王、オーシャンキングか!?」
「オ、オーシャンキング!?捕獲レベル63じゃねぇか!?」
「すっげぇ俺初めて見たぞ!!ああ~うちの店に売ってくんねぇかな~」

グルメ中央卸売市場 世界の台所 ワールドキッチン

ここ、世界の台所であるワールドキッチンで一際大きな人だかりが出来ていた。世界中からありとあらゆるグルメ食材が集まる場所。 総面積は3000ヘクタールで、一日に入荷される食材の量は90万トン、連日1兆円もの金が取引される化け物市場であるワールドキッチンからしたら人だかりが起こるのは珍しくは無いが、その人だかりの中心には海の王と名高い体長70メートルを越す巨大魚『オーシャンキング』を担いだ若い少年がいるのだ。その少年は何故こんなにも騒がれているのか理解できずにおろおろしてしまう。そんな時、一人の色黒な男が少年に駆け寄る。

「よう!随分と凄いもんを仕留めたな少年!」
「あう……えっと」
「すまない自己紹介がまだだったな?俺は十夢だ」
「えっと、俺は一夏って言います………」

一夏、その名前を聞いた十夢は嬉しそうに微笑んで肩に腕を回した。

「そうかお前がトリコの言ってた期待の美食屋か!待ってたぜ」
「トリコさんの、お知り合いですか?」
「ああトリコは良く食材を納品してくれんだ。まあ積もる話もあるだろうしこの王魚も何時までも此処に置いて置く訳には行かないだろ?俺が確保してるスペースがあるからそこに置いていいぜ。売ってくれと言ってるわけじゃねぇぜ?……できれば売って欲しいけどな」
「えっと、ご迷惑かけます?」

気にすんなさあこっちだ!っと歩き出す十夢の後ろを付いて行く一夏。これは一夏がまだ美食屋として新人だった頃の始まりの物語である。


どすぅううううん!!!振動とともに降ろされた海の王ことオーシャンキング、その肉は100g500万円を超えるといわれるほどの超高級食材である。

「にしてもすげぇ振動だな、この見た目からしてもこいつは100tはくだらない」
「え。見ただけで解るんですか?」
「これでも卸売業やってるからな、このぐらい朝飯前さ」

十夢はサムズアップをした後王魚をよく見ると王魚がノッキングによって生け捕りされている事、そして傷一つ付けずに捕獲されている事に気づき大いに驚き、一夏を褒め称える。

「ぇ、ぅぇ……(///)」

被っていた帽子を深く被り直してからサングラスをかけて赤面を隠す。十夢はそんな一夏の姿を見て本当に幼い子供だと改めて思う。

「なあ一夏、お前って誰かと契約しているか?」
「契約……?い、いえ全く……契約を結ぶと、何かあるんですか?」
「知らないのか?ってああトリコの奴言ってたっけ、実力はあるけど知識が間に合ってないって」

十夢は一夏に専属契約のことを詳しく教えた。契約すると様々な情報や現地までの船や飛行機など手配、もしくはその契約者自身が操縦し送迎をしてくれる。ただその代わりその現地で狩った獲物を安く(あくまで法で定められた最低ラインを守って)売らなければならないらしい。その値段自体は交渉次第になるが。他には定期的に出される契約者(スポンサー)の依頼を受けて食材を納品しなければならない。他にもあるそうだが、十夢の所ではこれだけのようだ。

「じゃ、じゃあ契約してもらっても良いですか?」
「おう勿論だ!あっそれ代わりこれ売って貰っても良いか?って冗談d「いいですよ?」いいのかよ!?」
「はっはい、その代わりこれからもご贔屓に?」
「勿論だ!んじゃ早速商談だ!」

早速電卓を取り出し、うんうん唸りながら電卓を叩く十夢。一夏は幾らの値が着くがドキドキしながら待っている。

「よしじゃあ200億でどうだ!?」
「いいですよそれで……って200億ぅううううううううううううう!!!!!???」

余りの莫大な金額の引っくり返しそうになってしまう一夏。元々いた世界ではこのような莫大な金額が動くなど戦闘機を買う位の事をしなければ起こらないだろう。一体どれだけの大豪邸が建てる事が出来るだろうか

「あ~やっぱ安すぎたか?オーシャンキングは100g500万するからな。こいつは100tくだらないだろうし5000億は行くだろうし」
「そ、其処まで行くんですか!?ご、5000億って……はわわわわ」
「おいおいこいつはこれが普通だぜ?」
「そ、そうなんですか……えっと十夢さん?物は相談なんですが」

んなんだ?と返す十夢に一夏は恥ずかしがりながらこういった。

「俺に優先的に依頼を回して下さるなら、十夢さんの言い値の半分でけ、結構です………」
「…………………少し待ってくれ、俺の耳は節穴か?今、依頼を優先的に回せばいいって言ったか?」
「はい」
「それでこいつを100億で譲ってくれる?」
「はい………駄目、ですか………?」
「………もちろぉぉおおおおおおおおおおおおおおおんOKに決まってるじゃねぇええええかぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「ふえええええええええええええええ!!!!???」

感極まって思わず一夏に抱きつく十夢、一夏はそれに思いっきり取り乱し情けのない女のような奇声を上げてしまう。今までは兄である龍人と優奈、そしてトリコ、ココ、サニー、ゼブラ、一龍などどばかり接していた為にそれ以外の人と接する機会は殆ど無くコミュ症になってしまった一夏。

「もう最高の品を有難ぉぉおおおおおおう!!!これは目玉商品になるぜ!!!!」
「ふええええええええ!!解りましたから離してくださぁぁああああい!!」

この日、総面積3000ヘクタールという巨大なワールドキッチンに十夢の喜びの雄叫びと甲高い恥ずかしがる奇声が響き渡った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧