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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0736話

 ランカの実験の効果が発揮したのを確認し、マクロス・クォーターへと帰還した俺を待っていたのは実験の成功に喜ぶブリッジクルー……では無く。

「アクセル・アルマー大尉。宿舎に無関係の一般人を連れ込むのはどうかと思いますが」

 額にピキリと血管が浮き出ているキャサリンの笑顔だった。
 ……笑ったまま怒っているのって怖いよな。と言うか、だ。

「シェリル、何でお前がここにいるんだ? 俺は確か部屋から出るなと言ったと思うんだけど」
「アクセルには悪いと思ったけど、私にも意地があるの。プライドと言ってもいいわ」

 プライド、ね。それが何を言っているのかは大体分かる。グレイスの件もあってランカに対して色々と思う事があるのも分かる。だが、それでも俺を巻き込むってのはどうなんだろうな。

「シェリルさん、貴方も貴方よ。アクセルと一緒のところを週刊誌とかに撮られたらどうするつもりなの?」
「あら、知らないの? あたしとアクセルはもう既に色々と怪しまれている仲なのよ?」
「……何?」

 覚えの無い言葉に思わず問い返すと、シェリルはにこやかな笑みを浮かべて口を開く。

「アクセルとあたしは揃って記者のインタビューに答えた事があったでしょ? あの時に少し親密すぎたんじゃないかって噂にはなってたのよ」
「それは……まぁ、確かに」

 シェリルがS.M.Sに来た時のインタビューに関して言われれば、俺も反論する事は出来無いのは事実だ。それに、今回シェリルを俺の部屋に連れ込んだのも結局は俺だしな。

「大体、アクセル大尉はどうやってシェリルさんを宿舎に連れ込んだのよ。カメラとかで確認したけど、戻って来た時は1人だったわよね?」
「やるなぁ、アクセル。前々からシェリルと怪しいとは思ってたけど、まさか自分の部屋に連れ込むとか。俺も見習いたいもん……いえ、何でもありませんはい」
「黙れミシェル! 不埒な事を考えないように私が成敗してくれる!」

 ギロリと睨みつけたクランが数歩の助走の後で飛び膝蹴り、シャイニングウィザードを放つが、ミハエルはそれを回避してブリッジの中を逃げ回る。
 キャサリンはそれを見ながら深く溜息。

「全く、本来ならオズマに注意して貰うところなんだけど……」
「今はランカちゃんの所に行っていていませんしね」

 ラムの呟きに、キャサリンが溜息を吐きながら頷く。

「そうなのよね。全く、いつになっても妹命のシスコンなんだから。私と付き合ってて良い雰囲気になった時も……」

 自分が何を言っているのか理解したのだろう。思わず手で口を覆って言葉を遮る。
 だがそれは既に遅く、ブリッジクルーを含め、オズマ以外のスカル小隊やピクシー小隊からの視線を受けていた。
 ミハエルやクランも追いかけっこを止めてキャサリンへと笑みを浮かべた視線を送っている。
 ランカの件でこれからより優位にバジュラと戦えると判断したからなのだろう。誰もがどこか浮かれているような雰囲気を発していた。ただ1人、少し難しい表情を浮かべているジェフリーを除いて。

「と、とにかく! アクセル大尉には規律を破った罰を受けて貰います! 構いませんね!」
「罰? 減給とかか?」
「さすがにそこまで重い罰を与える訳じゃ無いわ。ただ……そうね。EX-ギアの動力を切ったままで格納庫内を10周程してもらい……あら? どうしたの?」

 意地の悪い笑みを浮かべながら告げるキャサリンだったが、俺に取ってそれは罰でも何でも無い。いや、確かに若干面倒臭いけど、その程度なら鼻歌交じりにやってのけるだけの身体能力があるのだ。
 それを知っているからこそ、その場にいたブリッジクルーを含めたメンバー達はどこか生暖かい視線をキャサリンへと向けている。
 そして、クランが代表して一言。

「残念だが、それはアクセルにとって罰じゃない」
「……え? だってEX-ギアよ? 動力を切ってる状態よ? 普通ならまともに身動きするのも苦労する状態なのよ?」
「そう、普通ならば……だ。残念ながらアクセルという男をその普通というカテゴリに入れるのは若干……いや、かなりの無理がある」
「ああ、そう言えば彼女はアクセルのこと知らなかったんだっけ? だから自信満々にああいう罰を与えた訳だ」

 クランの言葉にミハエルが相づちを打って頷く。口元に苦笑を浮かべながらの言葉だ。
 まぁ、俺がEX-ギアを使いこなしたりしたのはキャサリンがS.M.Sに派遣されてくる前なんだから、それを知らなくても無理は無いだろう。
 シェリルもまた、あ、やっぱり……といった風にどこか呆れた表情で俺へと視線を送っていた。

「何よ、一体何が言いたいの?」
「……ま、簡単に言えば外見はああでも、体力的には化け物だって事だよ」

 ブリッジの扉が開き、オズマがそう告げながら中に入ってくる。
 そんなオズマを見て、キャサリンが口を開きかけ……結局何を言うでも無く口を噤む。
 その代わりという訳では無いんだろうが、ボビーが声を掛ける。

「オズマ、ランカちゃんはもういいの?」
「ああ、特にこれといった事はな。ただ、さすがに直接戦場に出たから、色々と参っているところはあるみたいだが」

 無理も無い。何しろ目の前でバジュラが死んでいく光景を見たのだ。一般人のランカには色々とキツイものがあったのは事実だろう。それに、ランカはガリア4でのトラウマもあるしな。

「それで、だが。アクセルに対する罰がEX-ギアを使ったマラソンというのはちょっと軽すぎるから、悪いがその件に関しては俺に任せてくれないか?」
「オズマ……?」

 オズマの言葉に首を傾げるキャサリンだったが、付き合いの長いジェフリーとしては何か感じるものがあったのだろう。小さく頷いて俺の方へと視線を向けてくる。

「アクセル大尉、今回の件に関してはオズマ少佐に任せる。きちんと反省するように」
「了解」

 何らかの目配せに、恐らく話はそれだけは終わらないだろうと判断しつつも小さく頷く。

「アクセル、その……」
「気にするな、別にそれ程厳しい罰を受けるって訳じゃないしな。とにかく、お前は自分の身体を治す事を最優先に考えろ」
「……ええ」

 頷くシェリルを見ながら、そう言えば以前カナリアに渡した薬の解析がそろそろ終わるんじゃないかと、ふと思う。後で直接聞いておいた方がいいかもしれない。

「じゃあ、アクセル。悪いが一緒に来て貰うぞ」

 そう告げたオズマに引っ張られ、ブリッジを出て行くのだった。





「で、無理矢理な理由を付けてまで俺を引っ張ってきた理由は何だ?」
「やっぱり分かるか」

 オズマの執務室で、机に腰を掛けながら苦笑を浮かべるオズマ。その口元には苦笑と呼ぶべき笑みが浮かんでいる。
 この辺、自分でもブリッジでのやり取りはわざとらしいと感じていたのだろう。
 だが、すぐにその苦笑を消して壁により掛かっている俺へと真剣な視線を向けて来る。
 いよいよ本題か。わざわざ俺をここまで引っ張ってきたんだから、それ相応の理由があるのは間違い無い。さて、その理由ってのはどんな理由なんだろうな。

「今日の実験……どう思う?」
「実験? そうだな、ランカの歌は間違い無く効果を発揮した」
「それだ。確かにランカの歌は効果を発揮した、それは間違い無い。だが、今のままでも十分以上にフロンティア船団の戦力はバジュラと渡り合えている。特に新統合軍のひよっ子達も、最初の襲撃に比べれば場数を踏んで尻尾についている卵の殻くらいは無くなってきた。これからもバジュラと戦い続けていけば練度不足は補われるだろう。俺達にしても、ガンポッドの弾丸はバジュラ用に開発されているもので効果が上がっているし、いざとなったら反応弾もある」

 一息でそこまで告げると、自分自身を落ち着かせるように大きく息を吸うオズマ。

「なのに……何故だ? 何故そこまでしてバジュラに対する戦力を整えようとする? ランカのような一般人までをも使って」
「……それを俺に聞かれてもな。それこそ、大統領に直接聞いた方がいいんじゃないか? 確か、今はジェフリーが独自に連絡を取る事が出来るようになっているんだろ?」

 キノコの行動を怪しみ、いざという時の為にグラス大統領はジェフリーと独自のコネクションを構築した。もしキノコが妙な事を企んだ場合は、俺達が大統領の命令で出撃することになるだろう。

「そうだな、だが大統領にしても三島補佐官に騙されている可能性がある。それで……だ。実はバジュラについての調査をやっている場所に忍び込もうと思っている」
「正気か?」

 思わず尋ねた俺は悪くないだろう。現在のS.M.Sとフロンティア政府は真実はともかく、表向きは良い関係を築いている。そんな状態なのにフロンティア政府直轄の研究所に忍び込むというのは、明らかに裏切りだ。
 だが、そんな俺の問いにオズマは何の躊躇も無く頷く。

「当然本気だ。もし三島補佐官が自分の欲望の為にランカを利用しようとしているのなら……絶対に許す事は出来無い。その証拠を掴んで弾劾してみせる」
「で、それを俺に手伝えと」
「悪いが、そうなる。本来であれば俺1人でやろうと思っていたんだが、アクセルの生身での戦闘力を考えると……な」

 さて、どうするか。正直、俺としてはランカの歌がバジュラに効果があるのなら現状のままで全く問題が無いような気もする。何かあれば、オズマやアルト、それに何故か妙にランカに固執しているブレラ辺りが守るだろうし。だが、それを進めているのがグレイスとキノコの2人だというのが問題だ。特にキノコはともかく、グレイスはガリア4で俺とシェリルを始末しようとした疑いが濃厚でもある。そうなると……

「分かった、俺も協力しよう」

 結論としてこうならざるを得ない訳だ。
 俺の承諾の言葉に、ほっと安堵の息を吐くオズマ。まぁ、S.M.Sとしての活動を考えると色々と不味いのは事実だしな。

「それで、いつだ?」
「キャシーに頼んでちょっと探って貰うつもりだ。明日……遅くても明後日には」
「了解した。武器については? 俺は自分の物があるけど、オズマはEX-ギアでも着ていくか?」
「さすがにそれは無理だ。俺は俺で用意しているから気にしないでくれ」

 俺が協力する事は決まり、どこに忍び込むのかははっきり分かったら、後で俺に連絡を入れるということになる。
 一応、これがシェリルを連れ込んだ罰……という形になるんだろうな。
 そんな風に考えながら、部屋を後にするのだった。





「……で、ここな訳か」

 ランカの実験が行われてから数日。既にシェリルもとっくに病室へと戻り、俺の姿はオズマの運転している車の中にあった。

「ああ、キャシーからの情報だから間違い無い。このアイランド3にある公にされていない、異星生物研究所にバジュラの死骸が大量に運び込まれているらしい」
「公にされていない、ねぇ。確かに随分と怪しいな」
「ああ。……あそこだ」

 目標と思われる研究所からかなり離れた位置で車が止まる。
 様子を見る限りでは、銃を構えた兵士がかなり厳重な警備を行っている。……パワードスーツでもあるEX-ギアを着た兵士がいないのが微妙に疑問だが。
 いや、VF-25を使ってるのがS.M.Sだけであり、そのベースとなったYF-24は数機だけの実験機だ。それを考えれば、新統合軍にそこまで広まっていないのはある意味で当然なのだろう。

「で、どこから行く?」
「……あそこだな」

 オズマの視線の先を追うと、そこにあるのは下水か何かの入り口。あるいは地下通路か? ……いや、何であそこまであからさまなのに警備の人員がいないんだ?

「罠じゃないのか?」
「かもしれないが、正面突破よりもマシだろう。罠だとしても、あの中に入ってしまえば人数は自然に絞られる」

 確かにあの中に入れば、人数の差はそれ程気にしなくてもよくなる。……まぁ、最悪オズマを影のゲートで逃がせばいいんだし、構わないか。
 そう判断して、オズマに頷き入り口の中へと入っていく。
 その中は、何らかの意味があるのだろうが下水といった物ではなく普通の地下通路だった。湿っぽい感じがするのは、シチュエーション故だろう。

「地図は?」
「キャシーから手に入れてある」

 銃を手に、印籠型の携帯を取り出すオズマ。さすがにこの辺は抜かりがない、か。
 その地図に従い地下通路を歩く事、5分程。鉄格子で通れないようにされている通路を発見する。

「ここだな。ここからなら研究所の中に入る事が出来る」

 呟き、鉄格子へと手を掛けるが……当然オズマの……いや、人間の力でどうこう出来る筈も無い。

「ちっ! こうなったら……」
「止めておけ」

 勢いを付けて蹴りを放とうとしたオズマの肩を押さえる。

「おい、アクセル?」
「蹴りでどうにかしようとしても、音が響くだけだ。すぐに人が集まってくる。それよりも俺がやった方が早いし静かだ」
「……何?」

 論より証拠、とばかりに鉄格子を掴んで徐々に力を入れていき……グニュリと曲がったところで手を離す。

「相変わらず、どんな力をしてるんだよ。いや、今回は助かったけどな」
「そうか。だが、その前にお客さんだ」

 チラリ、と視線を光の届かない闇へと向ける。

「オズマ・リー、アクセル・アルマー。そこから1歩でも動けば、自分は貴様達を実力で排除する」

 本来であればランカの護衛をしている筈の、ブレラ・スターンだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:1025
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:714 
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