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美しき異形達

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第二十一話 菖蒲の友人その三

「少なくとも余計なお肉はつかないわ」
「そうよね。ただ菖蒲ちゃんの今の言葉は」
「お肉が?」
「太ってる娘とかダイエット中の娘には言わない方がいいわね」
「気を悪くするから」
「そう、だからね」
 こう妹に言うのだった。
「気をつけてね」
「わかったわ」
「特に菖蒲ちゃんはすらりとしてるし綺麗だし」
 菖蒲のその顔も見て言うのだった。
「かちんってくるからね」
「今みたいな言葉は」
「そう、とはいってもそもそも日本人ってね」
 姉は日本人全体から考えて言った。
「特に太ってるってね」
「そういう訳でもないわよ」
 母もこう言うのだった。
「全体的な脂肪率はかなり低いわよ」
「そうよね」
「そのお蕎麦とかお豆腐とか他にもね」
「カロリー低いから」
「極端には太ってないわよ」
 最近はそうした太り方の人も散見されるが全体としてはだ。
「だから気にすることもね」
「ないのね」
「あんた達位だとね」
 全く、というのだ。
「というかむしろ少し位は太った方がね」
「いいのね」
「体力ないし健康にも悪いから」
「つまり過ぎたるはってことね」
「太り過ぎも痩せ過ぎもよくないの」
 そのどちらもだというのだ。
「そこは注意してね」
「ええ、わかったわ」
 こうしたことを話しながらだった、菖蒲は家族で仲良く朝食を楽しんだ。そうしてだった。
 サイドカーで登校する、だがヘルメットを被った時にガレージで母にこう言われた。
「今日は早いの?遅いの?」
「いつも通りよ」
 ヘルメットの中から答える、髪の毛はヘルメットからそのまま出ている。
「今日も」
「そうなのね」
「ええ、けれどどうかしたの?」
「今日は夜雨らしいから」
「遅いとなの」
「サイドカーだと濡れるからね」
「わかったわ、出来るだけj早く帰るわ」
 こう母に答えたのだった。
「そうするわ」
「そうしてね、身体は冷やしたら駄目よ」
 そこは絶対にだというのだ。
「特に女の子はね」
「そうね、私も将来は」
「結婚して赤ちゃん産まないといけないから」
「女の子は身体を冷やさない」
「そう、だからいいわね」
「早く帰るわ、出来るだけ」
 菖蒲は母にこのことを約束した、そうしてだった。
 サイドカーで登校し部活の朝練に出てだった、自分のクラスに入った。
 クラスに入るとだ、クラスメイト達にすぐにこう尋ねられた。
「おはよう、菖蒲ちゃん今朝のニュース聞いた?」
「今朝の?」
「うん、女優の葺石和枝さんが結婚するのよ」
「あの人が」
 中堅女優だ、整った顔立ちに見事なスタイル、スレンダーながらも大きな胸で知られている女優である。
 菖蒲も彼女の名前は聞いている、それで少し驚いた感じになって言うのだった。
「結婚するの」
「そうらしいのよ」
「そうだったの」
「お相手はね」
 ここでだ、クラスメイト達はさらに言うのだった。
「プロ野球選手なのよ」
「野球の人なのね」
「そうなのよ、凄いでしょ」
「そういえばあの人も」
 その女優についてだ、菖蒲はクラスメイトに話した。 
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