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二者択一

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第三章


第三章

 黒い服の娘に告白することに決めた将暉は大学に行き彼女を探した。その時に友人に協力してもらった。
 そうしてだ。教育学部の棟によくいることがわかった。友人と共にそこに行く彼だった。
 そこに行くとだ。真っ黒く装飾の多い、まさにゴスロリといった服装の女の子が出て来た。髪は黒のロングヘアで切れ長の強い光を放つ目を持っている。眉は細く流麗なカーブを描いている。
 ストキングは太腿までだ。やはり黒だ。その彼女が名乗ってきた。
「松本凛といいます」
「松本さんですね」
「はい」
 おずおずとして答える彼女だった。
「あの、それで一体」
「実は」
 将暉からだ。言うのだった。
「今度の日曜ですね」
「日曜ですか」
「よかったら甲子園に行かれますか」
 こう提案するのだった。
「僕と一緒に」
「貴方とですね」
「あっ、僕の名前は首藤将暉といいます」
 ここで名乗る彼だった。
「経済学部の二回生です」
「経済学部の方ですか」
「ええと、松本さんは教育学部ですね」
「はい、そうです」
 こくりと頷く彼女だった。
「それで私も同じです」
「二回生ですか」
「はい」
 その通りだというのである。
「同じですね」
「そうですね。それでいいですか?」
「デートのことですね」
「嫌ですか、野球は」
「いえ、御願いします」
 おずおずとした声での返答だった。
「それじゃあ」
「はい、じゃあ今度の日曜に」
「御願いしますね」
 こうしてだった。将暉は笑顔で応えた。そうしてであった。二人はデートをすることになったのだった。将暉の望み通りになった。

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