転生とらぶる
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マクロスF
0728話
女王級と思われるバジュラの乗っているバジュラ艦を撃破し、マクロス・クォーターへと向かっていたのだが……何故かマクロス・クォーターの近くでオズマやアルトの2機が臨戦態勢を取ったままガンポッドを収納していないのに気が付き、首を傾げる。
だが、その傾げた首は一瞬後に予想外の光景を目にし、思わず動きを止める。
そう、オズマ機とアルト機のすぐ近くにいた1機のVF。バトロイドの形態をとっているその機体は、俺にも見覚えのある物だったからだ。
赤紫をベースとした機体で、どことなくVF-25と似たシルエットの機体。そして何よりも、両手で構えている巨大なガンポッド。
その姿を見た瞬間、反射的にガンポッドを構えようとした俺は悪くないだろう。だが……
『スカル4、やめろ! こいつは敵じゃない!』
オズマが、自分でも信じてはいないと思えるような声で通信を送ってくる。
「敵じゃない? これまで散々俺達の前に姿を現しては作戦行動を妨害してきた、このアンノウンがか?」
『私はギャラクシー船団所属のアンタレス小隊、ブレラ・スターン少佐だ。コールナンバーはアンタレス1。君とは初対面の筈だが?』
通信モニタに映し出されたのは、表情を殆ど動かさずに言葉を発する1人の男。
少しも動揺した様子が無いのは、そんな茶番で騙し通せると思っているのか、あるいは真実これまで幾度となく俺達の前に立ち塞がってきたアンノウンとは別人なのか……いや、後者の可能性は殆ど無いだろうな。
「ほう? そんな事を言ってもいいのか? こっちに以前倒したアンノウンのパーツの情報があるんだぞ? それを誤魔化せるとでも?」
『君が何を言っているのか分からない。私はバジュラに襲われた後、ガリア4に潜んでいたところでギャラクシー船団所属の民間人を発見。その言葉に従ってここにフォールドしてきただけだ』
「……何?」
確かに噂ではガリア4にギャラクシー船団の生き残りがいるというのがあった。それがこいつだと? そして、ガリア4にいたギャラクシー船団所属の民間人。それはつまり……
「グレイス・オコナー?」
『そうだ。彼女の指示によって私はここにフォールドしてきた』
「……生きてたのか? ガリア4のほぼ全てがフォールドエネルギーによって生じた疑似ブラックホールに飲み込まれた、あの状況で?」
思わず呟くが、内心で首を振る。
確かグレイスはインプラント処理をしていた筈だ。そうなると、多少なりとも宇宙空間で生き延びるのも不可能じゃない……のか? それでも、あの疑似ブラックホールをどうやって生き延びたのかは不明だが……
「……なるほど」
思わず呟く。もしグレイスが生きていたのだとしたら、俺がガリア4で考えていたグレイス=テムジン=アンノウンの線はまだ生きている……どころか、そのアンノウンがグレイスを助けたと証言している以上は半ば確信したといってもいい。
それは同時に、俺の念動力がやはり正しかったのだろうという結論にもなるだろう。
そう判断し、S.M.S用の通信チャンネルでオズマへと通信を送る。
「アンノウンの機体は何度か中破くらいにはしているだろ? パーツで同一機であるとは証明出来ないのか?」
『難しいな。仮に同一機だと判別しても、パイロットが違うと言われればそれまでだ。勿論、同一機だというのは色々と取引の材料にはなるだろうが、明確に同一人物でないと判明しないとちょっと難しいだろうな』
ちっ、通信記録とかが残っていればどうにでも出来そうなんだが……これまでアンノウンと通信を交わした事は無いしな。
さて、どうしたものか。……いや、俺がここでどうこう言ったとしても意味は無いか。今の俺はあくまでもS.M.S所属の少尉でしか無いんだから。
……待てよ? グレイスが無事だったという事は、シェリルに渡していた薬を調べる必要性も再浮上してきた、のか?
そんな風に思った時だった。俺の機体に通信が入ったのは。
『スカル4、アクセル少尉。クォーターに避難していたシェリル・ノームさんが熱を出して倒れたとの事で、医務室に運ばれましたが……』
「何っ!?」
熱を出す、というのはガリア4の時と同様だ。つまりは、恐らくあの薬が何らかの問題があるのか、はたまたシェリルの身体に異常があるのか。……フロンティア船団の中では施設が最も整っている軍事病院で、一度きちんと検査して貰った方がいいだろうな。
「了解した。……オズマ、ここは任せていいか?」
『ああ、どのみちフロンティア政府からの使いが来るまではこうしてこいつを見張ってなきゃいけないからな。見張りには1人いれば十分だろ。ここは俺に任せて、行ってこい』
オズマの言葉に短く礼を告げ、マクロス・クォーターへと戻っていく。
色々と事態が動いてはいるようだが。シェリルとグレイスを含むマクロスギャラクシー関連にしてもそうだが、忘れてはいけないのはやはりバジュラの異常だろう。
あの時、女王級が乗っているバジュラ艦に反応弾を叩き込もうとした時に姿を現したバジュラは、明らかに普通ではなかった。当たるかどうかはともかくとして、攻撃が可能か不可能かで言えば可能だったのだ。なのに、それをせず……それどころか、戦場にいた殆どのバジュラが攻撃を行わず、まるで何かに混乱しているかのように見えていた。
何故あのような行動になった? あるいは、俺が女王級の乗っているバジュラ艦に直接反応弾を叩き込もうとしたからか? その前段階でもあった、ミサイルの集中攻撃でバジュラを指揮していた女王級が混乱して、その結果ああなった?
いや、戦場に出ている以上は攻撃されるかもしれないというのは幾ら人間とちがって脳が殆ど無いバジュラだといっても当然考えているだろう。それなのに、俺1機からのミサイルの集中攻撃を食らったくらいで動揺するなんてことはありえるか?
……愛を使った事により、ミサイルの攻撃力が女王級の予想以上だったから? まぁ、その可能性もある……か?
とにかく、その辺についてはこの騒ぎが一段落ついたらレポートなり報告書なりでジェフリーを通して上に、政府の方に上げておいた方がいいだろう。
キノコ相手に点数稼ぎのような真似はしたくないが、別にフロンティア船団の政府はキノコのみではない。
寧ろ一般的な奴の方が多いだろう。
「アクセル少尉、お疲れ様です。こちらで機体の状態を確認しますので、後はもう大丈夫ですよ」
「そうか? なら頼む。何かあったら呼び出してくれ」
整備員の言葉に軽く礼を言い、EX-ギアを脱いでいると機体のチェックをしている整備員が俺へと視線を向けて口を開く。
「ええ、その、あれでしょう? 彼女が……それも、あのシェリル・ノームが待っているんでしょう? 早く行ってあげて下さいよ」
ニヤリとした笑みを浮かべる整備員だが、その頭部を軽く殴ってから格納庫を後にする。
整備員が殴られた衝撃で吹っ飛んでいったが、別にそれは俺の力が強かったからではない。マクロス・クォーターの格納庫が無重力区間だからだ。
そして、他の整備員達が俺に向かって唖然とした視線を向けているのも、今は気にしないことにする。
そのままマクロス・クォーターの通路を進み、やがて到着したのは医務室だった。
熱を出して倒れたというのなら、まず間違い無くここにいるだろう。
医務室の扉を開けると、そこにはS.M.Sの医者と思われる40代程の中年の男の姿があった。そして少し離れた場所にある仕切りがされているベッド。
これはシェリルの知名度を考えた上での処理なのだろう。
「君は……確か、アクセル少尉だったな」
「ああ。シェリルが倒れたと聞いたんだが……向こうのベッドか?」
「そうだ。今はよく眠っているよ。原因は疲労からくる発熱だろう。ガリア4でも同様の症状で倒れたんだろ? それを、一時的に熱が治まったからといって無理をした為に熱がぶり返したんだと思う。……それに、ガリア4でも色々あったという話だし」
「……疲労からくる熱? 何らかの病気じゃないのか?」
今までのシェリルの様子を見る限り、確かに風邪っぽい症状ではあったが……
「病気? 彼女は何らかの病気を持っているのかね? 何しろ、ご覧の通りここは医務室とは言っても、それ程高度な医療機器は揃っていない。PMCである以上外傷に関してはそれなりに対応出来るんだが、詳しい病気についての検査は……」
「なるほど。なら、フロンティア船団に戻ったら……」
「アクセル?」
最後まで言わせる事無く、ベッドの仕切りの向こうから俺を呼ぶ声がしてくる。
どうやら目覚めたか。
……となると、後で変に耳に入るよりは俺がここであの件を教えておいた方がいいだろうな。
面会しても? と軍医の男に視線を向けると、無言で頷く。
本来であれば銀河の妖精として名高いシェリルだ。普通に面会させて欲しいと言っても断るのだろうが、幸い俺とシェリルがそれなりに面識があるというのはS.M.Sでは知られている。更に言えば、そもそも今回シェリルをマクロス・クォーターへと連れてきたのも俺なんだしな。
「シェリル、グレイス・オコナーの生存が確認された」
「何ですって!?」
ベッドの仕切りの向こうから聞こえて来る驚愕の声。
その声を聞きつつ、仕切りを潜ってベッドの方へと近付く。
そこには、やはり身体が熱っぽいのだろう。若干顔を赤く染めたシェリルがベッドに横たわっていた。
ただし、表情は驚愕に歪んで俺へと強い視線で向けている。
「ガリア4にギャラクシー船団の生き残りという噂は聞いていたな?」
「ええ、勿論」
「どうやらその噂が本当だったらしくてな。ガリア4が消滅する前にグレイス・オコナーだけは何とか救助して、そのままフォールドしてここに現れたらしい」
「本当……本当にグレイスが生きてるのね!?」
「ブレラ・スターンとかいう男はそう言ってたがな。……知ってる名前か?」
あるいはグレイスとの関係が判明するかもしれない。そんな一縷の希望を抱いて尋ねた質問だったが、シェリルは首を横に振る。
「そうか、ギャラクシー船団の生き残りだって話だからあるいはと思ったんだが」
「さすがにギャラクシー船団のパイロット全員を覚えている訳じゃ無いわよ」
「……だろうな」
今のところグレイスとブレラの繋がりは無い、か。
となると……その辺を調べるのは余程注意する必要があるな。
そんな気持ちを誤魔化すように、シェリルへと声を掛ける。
「にしても、まさかシェリルが熱を出して倒れるとはな。まさに鬼の霍乱って奴か?」
冗談めかして告げたアクセルのその言葉に、シェリルはジトリとした目でアクセルへと視線を向ける。
「あのね、それが病人に言う言葉かしら? 普通ならもっとこう、優しくするんじゃないの?」
「そうか? なら、そうだな。……今度来る時はお見舞いにクレープでも持ってきてやろうか?」
「……病人のお見舞いにクレープを持ってくる馬鹿がどこにいるのよ」
呆れた様に溜息を吐くシェリルだが、その表情にグレイスが生きていた喜びがあるのは隠し切れていない。
何とかシェリルに気が付かれないようにグレイスの裏を取れればいいんだけどな。
いや、まだ手段は残っている。グレイスがシェリルに与えていた薬。あの薬が俺の手元にある以上は……
となると、誰か信頼の出来る医療関係者……カナリアしかいないか。
「どうしたの、難しそうな顔して。アクセルにそんな表情は似合わないわよ」
「ん? ああ、いや。何でも無い。それよりも近い内に軍病院の方に移る事になると思うけど、構わないだろ?」
「軍病院って……アクセルが前に入院していた? 何でよ。別にあたしはこの熱が下がれば問題無いわよ?」
「だからだよ。お前はこれからも忙しくなるんだろ? なら、この機会に1度しっかりと検査を受けておいた方がいい。こう何度も熱を出して倒れているようじゃ、これから先の活動にも支障が出て来るだろ?」
「それは……」
体調を崩しているという自覚があるのだろう。何かを言い返したいが、それでも現状では言い返せないと判断して言葉を詰まらせる。
「ま、シェリルが入院すれば以前してもらったように、俺も見舞いに行けるしな」
「……本当?」
「ん? ああ、勿論。……ただし、さよならライブの時のように話を通しておくのを忘れたとかはやめてくれよ。……あぁ、そう言えばイヤリングはまだ俺が持っているけど、ついでだし見舞いに行った時に返そうか?」
「うーん、そうね。まだもう少し持ってて」
「いいのか?」
「ええ。ギャラクシー船団の行方がはっきりとするまでは、アクセルに持っていて欲しいの」
熱が出ている為だろう。潤んだ瞳で俺へと視線を送ってくるシェリル。
数秒程お互いに視線を交じらわせ……
「分かったよ」
結局最後には俺が負ける事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:905
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:690
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