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転生赤龍帝のマフィアな生活

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一話:兵藤一誠生まれる


外が明るい……目を開けられるのか?

ゆっくりと目を開けてみると父親らしき男性と母親らしき女性が目に入る

どうでもいいことだが俺の父親はやけにボンゴレ九世に似てるな

「おお!!亜美、私達の息子が目を開けたよ!!!ほらパパですよー」

「もうティモッテオったらはしゃぎすぎよ」

「そうは言っても、やはり可愛くて仕方がないのだよ」

「ふふ、そうね……ねえ、あなた、この子の名前考えてあげた?」

「ああ、亜美の名字を使うから日本風の名前を考えたのだが……なにぶん私は生まれも育ちもイタリヤだからね、可笑しな名前だったらすぐに直してくれて構わないよ」

新しい俺の名前が決まるのか……何だか緊張するな

前の両親もこんな風に名前を付けてくれたのかな?

「漢字で一誠と書いてイッセイと読むんだ、一つ一つの事に誠実に向き合える子に育ってほしくてこの名前にしたんだが……どうだろうか?」

一つ一つの事に誠実に向き合うから一誠か……いい名前だな

俺はこの名前がいいな

「素敵な名前ですね……兵藤一誠、それがあなたの名前ですよ、一誠」

はい!!

「あ!!あなた、今この子笑いましたよ!!!きっとこの子もこの名前が気に入ったんですよ」

「そうか!!それはよかった!!!気に入ってくれてありがとう一誠!!!」

父親――もう父さんって呼んでいいよな

父さんが俺の頬にキスをしてくれる、ちょっとくすぐったいけど…まあ、いいか

(今回の宿主は随分と恵まれた家庭に生まれたようだな)

あれ?今誰かの声が聞こえたような?

「あら一誠ちゃんどうしたかしら?オムツはさっき変えたばかりなんだけど」

「お腹が減ったんじゃないかね?」

「あ!!そうね、ほら一誠ちゃんおっぱいの時間ですよー」

ぬお!?忘れてた!!

赤ん坊と言うことは当然食事は母親の母乳ということに!!!

うう、何で赤ちゃんプレイをやらなきゃいけないんだよ!!!

いや、赤ちゃんだけど!!

「ほーら、一誠ちゃんの大好きなママのおっぱいでちゅよー」

ぬおおおっ!!?

頭が拒絶しても赤ん坊としての本能が俺に食事をしろと促すうううっ!!!

「今日も一誠ちゃんは元気いっぱいでちゅねー♪」

うう……早く…早く乳離れしたい!!!



どうも一誠です、一歳の誕生日を迎えて無事、乳離れに成功しました!!

トイレに関しても一人で行けるよアピールをしてオムツから脱却しました!!!

さらに片言で話せるようにもなったので意志疎通も出来る様になりました!!!

ここまで本当に長かった……っ!!

でもこれからはある程度の自由は保障されるんだ!!!

もう何も怖いものはない!!!

さあ、まずはずっと気になっていた俺の中にある声の正体を探るぞ!!!

眠るように目をつぶり俺の精神世界に入り込む

「ほお…その年で俺のところにまでたどり着いたか、今回の宿主は相当才能があるようだな」

「………どらごん?」

俺が精神世界で見た物は巨大な赤いドラゴンだった

いったい何なんだこいつは?

「おまえはなにものだ?」

まだ舌が上手く回らないから上手く発音出来ない……締まらないな

「俺は赤龍帝ドライグ、神をも屠るとうたわれた二天龍の片割れだ」

「せきりゅうてい?」

神?二天龍?この世界はそんな物がいるのか?

それともこいつは極度の中二病なのか?

「まあ、今のお前には分からないだろう、もう少し大きくなったらもう一度訪ねてこい、今日はもう帰るんだな」

訪ねてこいと言われてもここ俺の精神だしな……別に帰る必要はないだろ

そう言えばまだ転生特典試してなかったな……

ここなら特に問題も起こらないだろうし試してみるか

ドライグの帰れと言う言葉を無視してその場に座り込み手に死ぬ気の炎を灯してみる

最初は灯し方が分からなかったがあれこれ考えずに直感に沿ってやっていると直ぐに灯せた

……超直感つけといてよかったな

大空、晴れ、嵐、雷、雲、雨、霧、さらに憤怒の炎と出していく

……きちんと全部あるな……あの神に感謝しないとな

「それは何なんだ?」

「しにゅきのほのおだ」

噛んだ……思いっきり噛んだ

「死ぬ気の炎か……やはりお前はボンゴレの者なのだな」

何やら納得したように頷くドライグ――ってボンゴレ!!?

『一誠ちゃんごはんですよー』

「母親が呼んでいるぞ、早く帰るんだな」

「まて!!ぼんごれって――」

そう言おうとした瞬間意識が無理やり現実に引き戻される

「起きなさい一誠、ご飯だよ」

父さんが俺の顔を覗き込んでいる

……そう言えば前にも思ったけど父さんってボンゴレ九世にやけに似てるよな……まさか

「どうしたんだい、一誠、パパの顔に何かついているのかい?」

「…なんでもない」

今は考えるのをやめよう、後で調べれば分かるだろうからな



一誠です、三歳の誕生日を迎えました

あれから幼児なりに色々と調べてみましたが

一先ずボンゴレファミリーと言うマフィアがこの世界にあることは間違いないみたいです

……ここはハイスクールⅮ×Ⅾの世界じゃなかったのか?

あ!!そう言えばあの神が世界をいじるとか言ってたな……まさか、その影響か?

そう考えると父さんはやっぱりボンゴレ九世ってことになって

俺はその息子だからつまり――

「奥方様!!十代目への誕生日プレゼントです!!!」

「あら、ありがとうございます、可愛いぬいぐるみですね、ほら、一誠ちゃんもお礼をいいなさい」

「…………ありがとう」

ああ……やっぱりそうなるんだな、俺が次期ボンゴレ十代目ってことになるんだな

俺転生したらのんびりとした人生過ごそうと思ってたのになあ……はあ

「私からもです、十代目!!!」

後、みんなプレゼントをくれる人達に共通していえる事なんだけど

全員が全員、その手の職業の人なんだなという顔つきをしている人ばかりなので

子供用のおもちゃやぬいぐるみを持って行列を作っている様は中々にシュールだ

まあ…ほとんどの人がボンゴレに取り入るため俺にプレゼントを持ってきているだけなんだろうけどな

これから権力争いやら勢力争いをしないといけないと思うと正直気が滅入る

(かなり盛大な誕生会だな、相棒)

(ドライグか……何の用だ?)

(相棒も三歳になったからな、そろそろ俺の事について詳しく話してやろうと思ってな、後で俺の所に来い)

(仕方ねえな……行ってやるか)

(……毎度思うが相棒は本当に思っていることと話すことで口調が違うな)

(うるせえ!!!)

直そうとは思ってるけど直らないんだよ!!!

もう、このままマフィアになるなら口調直さないでいいんじゃないか?

こっちの方がマフィアっぽいし、どうせならザンザスみたいに『カスが!!』とか言ってみるか……何だか楽しくなってきたな



「……なるほどな、アルビオンとか言うライバルと喧嘩してたら別の奴らに迷惑を掛けちまって邪魔だからって二人そろって封印されたっていうマヌケなのか、お前は」

「マヌケと言うな!!マヌケと!!!まあ、今思えば三つ巴の戦争中にあいつらの間近で戦ったのは確かに迷惑だったとは思うが……」

「だったら、はなからやるんじゃねーよ、カスが!!」

「相棒……さらに口が悪くなったな、あの可愛らしい相棒が懐かしいよ……」

「うるせえ!!カッ消すぞ、てめえ!!!」

こいつ言わせておけば……まあ、いい、今は情報の整理だ

この世界には神やら天使やら悪魔やらがいて

そいつらが日々勢力争いを繰り広げてるらしい……迷惑な話だな

それで、ある時天使と悪魔と堕天使が三つ巴の争いを繰り広げている最中に

ドライグとそのライバルと言うアルビオンが喧嘩を始めて三種族諸共巻き込んだから

二人そろって神に封印されたらしい……完全に自業自得だな

まあ、それはいいとして何で封印されたはずのドライグが俺の中にいるんだ?

「おい、何で封印されたはずのお前が俺の中にいるんだよ?狭っ苦しいだろ」

「つくづく辛辣だな相棒は……まあ、説明するとな俺は今、神器(セイクリッド・ギア)に封じ込められているんだ」

「神器?なんだそりゃ?」

「聖書の神が作ったもので人間に様々な力を与えるものだ」

「例えば?」

「自由に魔剣を創り出せたり、使い手の力を倍にする物などがあるな」

へー、結構色々と便利そうなのがあるんだな

ん?ドライグが神器に封印されてるってことは俺も神器を持っているってことになるのか?

「俺もその神器ってのを持ってるのか?」

「ああ、正し他の者とはかなり異なる特殊な物でな神滅具(ロンギヌス)と呼ばれるものだ、俺が封じ込められた物、つまり相棒の神器は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)と呼ばれるものだ」

「能力は何だ?」

「十秒ごとに持ち主の力を二倍にするものだ」

おお!!結構、と言うかかなり強い能力じゃないのか、それ

「どうやって出せばいいんだ?――ん?これか」

「自分の中でもっとも強い物をイメージすればで――説明する前からだと!!?」

いや、なんかさ何となく力入れたら出たんだよ、超直感ってホントに便利だな

それにしても、この籠手何と言うか――

「ダサえな」

「何!!?よく見てみろ!!宝玉の紋章とか俺に似た赤色とか、かっこいいだろ!!!」

「形そのものがダサけりゃいくら色やデザインが良くても同じだろうが、大体何で籠手のくせして左腕にしかねえんだよ?片腕だけで殴り合いするってのか?あ?」

普通籠手は両手そろってこそ力を発揮する物じゃないのか?

左は守れるけど右は知りませんじゃ困るだろ

「そ、それは言われてみればそうだが、歴代の赤龍帝達もそれで戦ってきたのだ問題はないはずだ、第一、神に決められたのだからしかたないだろう!?」

「そうだ!!わがままを言うな小僧!!!」

「私達もそれで我慢して来たのよ!!!嫌ならさっさと禁手(バランス・ブレイク)しなさい!!!」

「……おい、ドライグ、誰だ、こいつら?」

「歴代の赤龍帝……相棒の先輩にあたる者達だ、それとエルシャ……お前もダサいと思っていたのか……」

何で俺の精神世界にこんなにも人がいるんだよ

……しかも勝手にいるくせになんか威張ってるし

「言われたことを言われた通りにしかやらねえ、現状を打破しようと努力することもない、ドライグ、てめえはまるで駄目なおっさんドラゴン、略してマダオだ」

「ぬおおおっ!?神すら屠る二天龍をマダオだと!!?相棒と言えど容赦はせんぞ!!!」

「そうだ!!行くぞドライグ!!!俺達の力を見せてやるんだ!!!」

「ええ、行くわよ!!覚悟しなさい坊や!!!」

「はっ、上等だ、誰がこの空間の支配者かを思い知らせてやるぜ!!カス共が!!!」

ふっ、俺がこの三年間何もしてこなかったと思っているのかこいつらは?

ここは俺の精神世界、つまり俺のイメージが絶対だ

自由に動けない三年間の中で鍛え上げた俺の幻覚とくと味わうがいい!!!


~ここからは音声のみでお楽しみください~


「ぬ?これは相棒の幻覚か?」

「な、何だこの黒い波は?」

「あれ波じゃないわよ!!?黒くてすばしっこい台所に出るあれよ!!!」

「「何だと!!?」」

「い、いや来ないで!!!キャアアアアアッ!!!??」

「エルシャ!!?」

「虫ぐらい吹き飛ばしてくれるわ!!!」

「おい!?攻撃したら増殖したぞドライグ!!?」

「や、やめて服の中には入ってこないでえええええっ!!!??」

「は、離れろ!!離れろ!!!離れろおおおおっ!!!!!」

「こ、この程度で赤龍帝が負けてたまるか――俺の顔に向かって大群が飛んできただとおおおおっ!!!??」

「いやあああああっ!!!??口の中には入ってこないでえええええっ!!!!!」

「ああああああああっ!!!??み、耳の中にいいいいいいっ!!!??」

「に、人間サイズの奴が俺の体中にいいいいいいっ!!!??」

「「「助けてくれえええええええっ!!!??」」」


~しばらくお待ちください~


「で?誰がこの世界で一番偉いか分かったか?」

「「「あなた様です!!!」」」

「はっ、それでいい」

俺は三人の綺麗な土下座を見下ろしながら満足げに頷く

うんうん、素直なのはいいことだよな

それにしてもドライグはドラゴンであるにも関わらず見事な土下座だな

神をも屠るとか言ってたけど大したことないな

「さて、話を戻すがダサくてしょうがねえから何とかして神器の形を変えてえんだが……ドライグ、やれ」

「いや、神器の形を変えるなど前例がない、流石の俺でも無理―「また、あの幻覚を見せられてえか?」―任せろ、相棒!!!死ぬ気で変えて見せる!!!!!」

「いい返事だ、形は……このグローブをモデルにしろ」

俺は霧の炎の特性である構築で沢田綱吉が使っていたⅩグローブを創り出しドライグに見せる

「もはや籠手ではないな……いやゼロから作ると思った方が楽か」

「このグローブは俺の死ぬ気の炎を灯して使用するタイプだ」

「そこまで決まってるならあなたが武器を創ってそこにドライグが宿るようにすればいいんじゃないかしら?」

「どういうことだ?」

エルシャの提案に興味を持ち詳しく聞いてみる

「神滅具は大体ドライグみたいな封印された物が宿ってるんだけど、基本的にその封印されている物の能力を使うことになるの、そして、中に封印されている物が目覚めてない状態だと能力が最低限しか使えないの、つまり倍加を行いたい時は必ずドライグの意思が必要ってことなの」

「それが何なんだ?」

「要するにドライグの意思さえあれば能力が使えるからドライグ自体が籠手からそのグローブに移ればいいんじゃないかしらってことよ」

「なるほどな……」

確かにそのやり方の方が成功率は高くなりそうだな

ドライグは鞍替えすればいいだけだしな

ん?でも封印されている場所から動けるのか?

「ふむ……確かにエルシャの言う通り俺が移動すれば問題なく倍加は出来るだろうが……神器の中から出るなど試したこともないからな……」

「いいから、やって見やがれ、失敗したらただじゃおかねえからな」

「頼む……っ!!絶対に成功してくれ!!!」

そう祈りながら試し始めるドライグ

すると直ぐにグローブに変化が起き始めた

全体的に色が赤くなり始め、紋章が浮き上がり始めてきた

「ま、まさか本当にできるとは思わなかったわ……」

「見たか相棒!!これが俺の本気だ!!!」

「はっ、やりゃあ出来るじゃねえか……上出来だ」

「相棒が……褒めた…だと…っ!?俺は今日死ぬのか?」

ドライグの奴……言わせておけば……

「これが現実だって思い知らせてやろうか?」

ちょっとムカついたので手に炎を出してドライグにぶつけるがすんでの所で避けられてしまう――

『ぎゃああああっ!!!??』

…………あれ?何で悲鳴がするんだ?

「ドライグ……今の声は何だ?」

「外の奴の声だろうな……大方、相棒が寝ぼけて現実の方でも今の攻撃をしたのだろう」

マジかよ……寝ぼけて人殺したとかだったら洒落にならないぞ……

「……一先ず現実に戻る」

「ああ、そうした方がいいだろう」

すぐに目を覚まして辺りを見回すと俺は何故か俺を見て戦いている五人の男に囲まれていた

そして目の前には黒こげになっている恐らく俺が憤怒の炎で攻撃したのであろう男が倒れていた

――手にナイフを持って

なるほど、誕生会の隙に忍び込んで俺を暗殺するつもりだったのかこいつらは……

やっぱり、のんびり過ごす人生は無理みたいだな……

まあ、それならそれで最強を目指す人生でも送るか

漫画の主人公みたいでかっこいいしな

ああ、今はそんなこと考えてる場合じゃないな

今は――

「……どうやら死にてえらしいな…ドカス共が!!!」

――こいつらをかっ消す!!!
 
 

 
後書き
さらに口が悪くなった主人公、でも内面は口は悪くない!!
……まあ、考えていることは一緒ですけどね 
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