死人使い
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第十三章
「あの、そういえば」
「どうした?」
「はい、パキスタンに行きましたし」
それでだというのだ。
「モヘンジョ=ダロとかハラッパとか」
「行くべきだったというのだな」
「ずっと仕事のことばかり考えてましたけれど」
「それがだな」
「観光もすべきでしたね」
「いつも海外での仕事の時はな」
「観光してましたから」
それでパキスタンでもだというのだ。
「そうした場所にも行くべきでしたね」
「そうだな、確かにな」
「また今度ですかね」
残念そうな苦笑いになってだ、本郷はこうも言った。
「パキスタンで仕事する時に」
「そうだな、そうなるな」
「次のパキスタンでの仕事は何時ですかね」
「さてな、何時になるか」
それがだというのだ。
「それは依頼次第だ」
「じゃあまた行くかも知れないですし」
「行かないかも知れない」
「その辺りは全くわからないんですね」
「君にとっては残念だがな」
そうなるというのだ。
「そういうことだ」
「やれやれですね」
「そこは運次第だ」
依頼次第だというのだ。
「そうなる」
「そうですね、仕事だけだと」
それだけだとだった。
「俺にしても面白くないですから」
「また次だな」
「そうですね、次ですね」
「次の機会を待とう、ではな」
「次の仕事来てます?」
「いや、まだだ」
それは来ていないというのだ、次の依頼は。
「何なら警察署に行って聞くか」
「そうしますか、まあ今はパキスタン政府から報奨金を相当貰ってますけれどね」
「それでも仕事はあるだけな」
「ましですか」
「そう考えればいい」
「じゃあ今から」
「署に行ってみよう」
一仕事終わっても次の仕事を探す二人だった、二人は今も多忙だった。
死人使い 完
2014・5・30
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