遊戯王 最小の可能性~小さいって言うな!~
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それぞれの思惑
俺、新月 零こと、ベクターは面白いものを目にした。
一つはこの学園のカイザーと呼ばれる男の圧倒的な存在感だった。あの存在感は人間とは思えないものだった。
あの男とはいずれ戦いたいものだ。
しかし、問題はそこではない俺のこの学園で仲の良い二人とも言っても良い 万丈目 瑞季と芳乃 シャルルの事だ。
あいつらの潜在能力を今日みた時は驚いた。
まずは芳乃 シャルル。あの人の力を簡単に表すならば『光』だ。あの万丈目 瑞季が今日のデュエルでやってのけた『シャインニングギフトドロー』。あれの引き金は芳乃シャルルによるものだ。見たところだとあの人の光の力を他人に譲渡していた。それによって万丈目 瑞季はシャインニングギフトドローが行えたのだ。
そして、次に万丈目 瑞季。奴は例えるならば『カオス』だ。光の力を有していて尚且つ闇の力も有しているという感じだった。
光の力を持つ人間などや闇の力を持つ人間は別にいない事は無い。
カイトのフォトンモードは人間が有した光の力であるし、ドロン一家の使う紋章の力も闇の力ではある。だが、両方の力を兼ね備えている人間というのは初めてだ。
本当に今後の学園生活は退屈しそうにないな。
さてと、後は自分のデッキの再構築だな。俺が改心した時にバリアンとの決別の証としてデッキを新しく変えた時にあのおせっかい野郎に進められてくんだこのデッキだが、今回はメタカードを使われて負けてしまった。今度はあんな無様な事が無いようにしっかりと練り直さないとな。カイザーに万丈目 瑞季。この二人とは戦って見たいものだ。
私、芳乃シャルルは部屋で寝ている瑞季さんを発見した。瑞季さんは無防備に寝ている。その姿は本当に女の子にしか見えなくて、しかも、かわいくて抱きつきたいほどだった。
私の机の上にはデッキが置かれていた。
そのデッキは万丈目さんのものであり、彼が寝る前に渡してきて中身をみて感想を教えてください!と言って渡してきたのを見ているのだが……。
ほとんどのカードがレベル1のカードやそれを補うようなカードばかりだった。1枚だけデッキに合わない魔法があった。何か思い入れがあるのかな?
エクストラデッキもほとんどがランク1のモンスターだった。
しかし、2枚だけは高ランクのカードが入っていた。明らかに今のデッキでは使えないようなカードだった。
しかし、1枚だけの例外を除くとだが……。
このデッキの構築は何かある気がしてきた。
ても、考えても分かりそうにないので明日のためにも寝ることにした。
その時だった
「やめて………。お願いです、………やめてください」
瑞季さんが寝言で何かを言ったのだ。その声はかなり怯えていた。何かに恐怖している声だった。
私は瑞季さんのベッドの横に入り込み
「大丈夫だよ。もう、貴方を怖がらせるものは無いよ」
と言っていた。
ふと、瑞季さんの顔を見ると、可愛い寝顔なのにうっすらと涙がにじんでいた。
私は彼を強く抱き締めていた。
デュエルアカデミアにある灯台の下。
ここでは金髪と銀髪の美しい男女が二人集まっていた。
「どういうつもりなのかしら?あなたが新入生とデュエルをしたいなんて言い出すなんて」
「別にただの気まぐれさ。元々校長からの打診はあったからその話を受けるきっかけが出来ただけさ」
「そんなにあなたは新月零と万丈目瑞季とデュエルをしたいの?」
「あぁ、あんなダイヤの原石を磨きたくて仕方がないな。彼らはまだまだ進化するさ!」
「そうかしら?まぁ、カイザーのお手並み拝見させてもらうわ」
後書き
勝手な解釈が多くなり、更にデュエルがなかった今回。次回はド派手にデュエルをするつもりです。
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