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『自分:第1章』

作者:零那
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『MJ→高松』

シンさん到着。
『俺んとこの雀荘で住み込みも仕事も出来るけん!』って。

『何したらえんかも解らんのに大丈夫?』

『平気平気!言われたモノ運んだりするだけ!』

『わかった...今日いつも一緒の子は一緒や無いん?』

『おぉ、秋はアッチで用事任してきた。』

『そっか。』

高速乗ってカナリ飛ばす。
古いZ。
てか絶対チョット浮いてるし!!
ごめん、アンタとは死にたくない!
飛ばすんもドリフトも好きやけど、シンさんの運転は...下手くそで気分悪くて吐きそう。

シンさんは、零那の普段物怖じせん強気な態度が気に入ってたらしく、妙に怖がってる姿がおもしろかったらしく調子に乗ったと。

コンビニで、零那がいつも飲んでたリプトン買ってくれた。

高松着いて懐かしい街歩いてたら、シンさんが、すれ違うチンピラ連中から頭下げられてた。
30越えて下っ端チンピラやのに頭下げる必要ある?って位、頭下げてくる人の方がマトモなヤクザに見える...


『知り合いのイベント有るから付き合ってな!終わったら帰ろ!』

地下のウルッサイとこ連れて行かれた。
皆イッとん?って位、不自然なテンション。
此がただ楽しくてテンション上がってるだけなら零那には一生無理。



終わって、雀荘に...
真っ暗なビル。
店舗も潰れてるような...
建物自体が無駄に怖い。
お世話かける立場やから何も言えんかった。

朝から何も食べてない。
リプトンも無くなった。
おなかが鳴った。
無駄に響いた。
シンさんが笑う。
めっちゃ恥ずかしかった。

『チャントさっき買っとるよ!食べよ!おいで!』

え、食べ物やか買いよった?

電気通ってないコタツがテーブル代わり。
奥に布団がひとつあった。
一緒に寝るん?

とりあえず、お弁当を御馳走になった。
足りんかったらあかんからってオニギリ3個も。
ソレは朝御飯にまわすことに。


『此処、風呂無いけん明日...仕事も紹介するし、其処の寮で入って。』

『え?雀荘じゃ無くて?』

『今日は此処で寝て!明日紹介するけん!身分証あるよな?』

『通信の時の生徒手帳なら...』

『18越えとんのはホンマやんな?』

『ホンマやって!中学生とか言われたりしたらクソげにムカつくんやけど!』

生徒手帳渡した。

『ホンマやな。うん、でも中学生でもイケる♪』

ごっつムカついて肩パンした。
ほな袖まくって『もっとこいや』って。
ストレス発散に遠慮なく殴り続けた。

『やりすぎ!赤いし!』


微妙に怒られた。
してえぇ言うたやんな。

『ええ発散なった。ありがとぉっ!でも、その鳳凰、下手くそやね...ドコの彫り師よソレ!』

『あ~、ねぇ、ツレよ。練習台なったったんよ。』

『ただでラッキーって気持ちしか無かったんやろ。汚い鳳凰やでホンマ...』

頭しばかれた。
まぁねぇ。
ほっとけって感じやろうけど。
仮にもヤクザの下っ端が、こんな汚い墨入れとったら組がオチョクられるわ...
この人の組の組長に同情するわ...

シンさん帰らん。
ホンマに一緒に寝るん?
勘弁して...
中学生言うた奴に欲情されても困る。
でもそんな変態はナンボでも居る。

急に警戒心とやらが芽生えた。

でも手遅れ。
その瞬間、軽く抱えられて布団連れて行かれた。
体勢的に抵抗できず。
ものの5分足らずでイッてくれたから良かった。
アフターピル、明日どうにかして手に入れなあかん...


朝、向かったのは、通り慣れた街じゃ無くて、風俗街の方。
売られる?
ま、援助よりは安全か...
なんかもぉ諦めた。
結局、女として産まれたことに感謝して女を売るしか無いんやなって。
芸も財も学も無い馬鹿な女は、女で在ることにすがって生きるしか無い。
そう思った。
諦めた。
悟った。


店案内されて説明を聞く。
頭に入らん。
声が流れ出ていく。
ワケも解らず頷くのみ。

店長がカフェオレを出してくれて、一人にされた。

戻ってきて、身分証のコピーをシンさんが渡してた。

店長が不安げに聞いてくる。
『此ホンマに本物やね?間違いなく18やね?』

『はい』

『こぉゆう店は初めて?』

『店は初めてです』

『店は...?』

『はい』

不思議そうに覗き込んでくる。
やけくそで、母親の再婚相手から玩具にされてたこと、援助やってたこと、強制堕胎したこと、話した。

店長は頭を撫でてくれた。

『大丈夫!心配ない。本番行為は勿論、フェラも無いし、ヌキはせん店やけん!システムもっかい話そか。さっきは話頭入らんかったやろ...』

シンさんはいつの間にか帰ってた。

『店では、下着は下のみ穿いてOK。上は外しとくのが最低限のルール。上つけたまま接客したら罰金1万ね!更衣室にある服装が規則。後から選んで貰うけん。
売り上げはドリンク注文で上げて。飲み物いただいて良いですか?って聞いてOK出たら挙手して。ボーイが行くから。灰皿交換も挙手でね。
可愛いしリピーターつけばスグ稼げるよ!頑張って!日給保証1ヶ月間は2万あるからね♪』


『接客自体が解らんのんですけど...』

『開店したら見て貰うよ。解る解る!簡単やし!すぐ慣れる♪
2ヶ月目からは寮費払って貰うけんね。給与も基本時給プラス売り上げに応じてやけん頑張ったら頑張った分増えるよ!
寮行こうか、先に荷物も置いて片付けとかないかんよね。
店のことはまた戻ってきてから話そ。開店までマダマダ時間あるし。』

『...はい。』

 
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