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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―

作者:夕影
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第五十五話

 
前書き

今回は『狂風』サレ戦となります+
とりあえず一言言えば…なにがどうしてこうなった← 

 






「──ハアァアァァァァっ!」


「──やあぁあぁぁぁぁっ!」


──目前に立つ相手…サレに向け、僕とアスベルは声を上げながら星晶剣と剣を手に走り出す。
サレは接近する僕達に向けて不気味に笑みを浮かべたまま結晶で出来た細剣を地面に突き刺した。



「ヒャハハハ!──『土晶槍』っ!」


不気味に、高らかに笑いながらサレがそう叫ぶと、細剣が突き刺された地面から巨大な結晶の槍が現れ接近する僕達に襲い掛かる。


「…っと…!」


「くっ…!」


以前の細剣や、風魔法とは全く違うサレの攻撃法に僕達は驚くも、襲いかかってくる巨大な結晶の槍に僕とアスベルは二手に別れて避ける。



「ヒャハハ!まだまだだよ…『飛晶槍』!」


「っ!?」


「くそ…っ!」


避けた直後に前を見直すと、避けた僕達に向けサレは不気味に笑い声を上げて細剣を地面から引き抜きそのまま細剣を僕達に向けて突き出す。
するとサレの細剣から数本の結晶の槍が出現し僕達に向けて放たれ、僕達はなんとかそれを避ける。
 

「…っ…厄介だなぁ、あの結晶の攻撃…!」


「あぁ…このままだと全く近付けない…」


近付こうとする度、サレの細剣から放たれる結晶の槍の攻撃によって妨害され近付けない。くそ…本当に厄介過ぎる…っ!







「ヒャハ…ヒャハハハっ!そう簡単に僕に近付けるなんて思わない事だね!」


「──……それならこれで……っ!」


「──どうかしらね~っと!」


接近出来ずにいる僕とアスベルに不気味に笑いながらそう声を上げるサレ。そのサレに対し、僕とアスベルの後ろからそんな声が上がると同時に後ろにいたメリアとレイヴンさんが数本の苦無と矢を飛ばす。


「接近戦が無理なら今度は遠距離かい…その発想、甘過ぎるけどねぇっ!」


放たれた苦無と矢にサレは口元を吊り上げてそう言い細剣を持っていない方の手を向ける。すると突如、サレの前で強風が起こり飛んでいた苦無と矢を弾き飛ばした。


「な…あんな事まで可能になってるのっ!?」


「…まさかおっさんの矢やメリアちゃんの苦無を弾き飛ばす程の風とはね…ちょっとチートすぎない?」


目前で起こされた行動に僕はそう声を出し、後ろでレイヴンさんが苦笑いしてそう言葉を漏らす。



「ヒャハ!…こんなものかい、君達の力は?それじゃ…次はこっちからいこうかな」


僕達の様子を見てサレは不気味に一度笑い、僕達に向けて静かに言葉を出して先程強風を起こした片手を僕達に向ける。
僕達はそれに対して身構えると、サレは口元を吊り上げて口を開いた。







「切り裂け、『ジル・ゲイルスラッシュ』」


…一言。ただそれだけで、サレの背後から無数の結晶の刃を混ぜた風の刃の塊が現れ、僕達に向けて放たれた。


「っ!?皆、散ってっ!!」


突如、僕達に向けて現れた風と結晶の凶刃に、僕は思わずそう叫ぶ。僕の声に皆は直ぐ様その場を散り散りに離れる。
そして僕達がその場を離れた直後、僕達が居た場所を風と結晶の凶刃が引き裂いた。

今のは…風系中級魔法の『ゲイルスラッシュ』…でも中級魔法を『無詠唱』でこの威力って…!?



「…いい感じに避けてくれたね。それじゃ今度は…『ウィンド・スネーク』」


「なっ…これは…っ!?」


「っ!?身体が…っ!」



散り散りに避けた僕達を見てサレは持っていた細剣を地面に刺し、片手をアスベルに、もう片手をレイヴンさんに向けて静かに言う。
すると、避けて体勢を戻そうとしていた二人が突如、まるで何かに捕まり、吊り上げられるように身体が地面から浮き出した。


「アスベル!レイヴンさん!」


「ぐっ…まるで風が…蛇みたいに…っ!」


「っ…こりゃさすがに…おっさん、キツいかも…っ!」


「ヒャハハっ!どうだい、風に捕まった気分は…?」


突然の事に驚いている僕達にサレは不気味に笑いそう言うと、アスベルとレイヴンさんに向けていた手を上に上げる。
するとそれに反応するかのように、浮き上がった2人が更に上へと上昇し出した。






「ヒャハ…あれほど苦労してたガルバンゾの騎士や有名ギルドの傭兵がこんなものとはね…。このまま崖から落としてあげようか」


「っ!そんなこと…っ!」


「……させない……っ!」


捕らえたアスベルとレイヴンさんを見てそう言葉を出したサレに僕は星晶剣を手に走り出し、メリアは苦無を両手に構える。



「……苦無閃《嵐》……っ!」


「ヒャハハっ!幾ら数を増やしても無駄さっ!」


「うあぁっ!!」


「っ…ぐぅっ!」


メリアはサレをまっすぐと睨み、サレに向けて両手に持った苦無を一斉に投擲する。
サレはそれに対して風で捕らえていた二人を近くの壁に叩きつけ、左手を放たれた苦無の方へと向ける。
すると先程と同じように強風が起こり、苦無はサレに到達する前に勢いを失い、地面へと落ちる。

──その時だった。



「……《爆》……っ!」


苦無が地面へと落ちる瞬間、メリアはそう言って指を鳴らすとそれに共鳴するかのように苦無が…否、苦無に『結び付けられた』札、起爆札が爆発した。



「っ!…ほぅ…これは考えてなかったね…」


苦無の一つ一つに結び付けられていただろう起爆札がメリアの指の音に反応して爆発を起こし、落とされた距離故当たってはいないだろうけど、その爆発量にサレの周りはそれで生じた煙に包まれる。


「これで……紫電滅天翔っ!」


僕はその煙の中に飛び込み、サレから姿を隠しながらも、先程サレの声の聞こえた場所に雷を纏った星晶剣を奮う。
幾らサレと言えど、この煙で視界を奪われているなら対応はできない筈っ!


だが……


「成る程…爆煙を利用して僕から姿を消し、同時に僕に攻撃を仕掛けてくるとはね…」


「なっ…!?」



奮った星晶剣から確かに当たったはずの感触がしたが、その向こうでは平然としたサレの声が聞こえた。
そしてそのまま徐々に煙が失せていき、見えたのは…結晶に覆われた左手で星晶剣を掴み、防いだサレの姿だった。






「うん、なかなか利口じゃないか。確かに、僕のこの力は『相手が見えなければ』意味がない。でも残念だったね。幾ら視界を奪おうと攻撃が当たらなければ…逆効果さ」


「くっ…!」


星晶剣を掴んだままサレはゆっくりと顔を向けるとそう言って、口元を吊り上げていく。
僕は急いでその場を退こうとするが、サレに星晶剣を掴まれたままでいる為に退けれない。
サレはそのまま空いている右手を僕の方へと向けてくる。


「っ!…ライトニング─「ヒャハーッ!遅いね、『ジル・ウィンドランス』っ!」─うあぁあぁぁっ!!」


「…衛司…っ!」


サレから向けられた手に僕は防御する為にライトニング・シェルを張ろうとするが、それよりも早くサレの右手から結晶の混じった風の槍が放たれた。
間近でもあった為、僕に防ぐ手段も避ける手段もなく、僕は風の槍に直撃して飛ばされ、それを見てメリアが僕を受け止めようとその場を跳ぶ。
だが…サレはそれを見逃しはしなかった。


「ヒャハハ、君なら彼を助けにいくと思ったよ?ジル・ゲイルスラッシュっ!」


「っ…ぁぁぁあぁっ!」


「ぐっ…ぅあぁあぁぁぁっ!」


メリアが僕を受け止めた直後、それを見計らったようにサレが僕とメリアに向けて風と結晶の混じった刃を放つ。
僕はサレの攻撃を受け、メリアはその僕を受け止めている為防ぐことが出来ず、僕達はサレの放ったその風と結晶の刃に巻き込まれ、アスベルとレイヴンさんが飛ばされた壁まで叩きつけられた。


「っ…はぁ…はぁ…強…過ぎる…っ」


「ぐっ…これが…ジルディアの…ラザリスの力…なのか…っ!」


「フヒ…フヒャヒャ…ヒャハハハハっ!圧倒的、圧倒的過ぎるじゃないかっ!これこそが力…僕の欲しかった力だぁっ!ヒャァァハハハハハっ!」


与えられたダメージになんとか耐えながらも僕達は立ち上がりサレを見るも、その圧倒的過ぎる力にそう声を漏らす。
そしてそんな僕達を見てらサレは両手を広げて不気味に笑いながらそう声をあげる。

その狂ったような笑い声と様子に…僕は不覚ながらも…『恐怖』を感じた…。


「フヒャヒャ…さて…もう君達との差もわかったし…此処で終わりにしてあげようかな」


「っ!…皆…っ!」


サレは不気味に笑ったまま僕達を見ると静かにそう言って、僕達に向けて右手を向ける。
先程までの攻撃動作と変わらない筈なのに…僕はその動作に今までとは全く違った危険を感じ、皆に声を掛ける。


「ぐっ…うぅ…っ」


「っ…コイツは…ヤバいねぇ…っ」


「……っ…衛…司…っ!」


…だが、皆受けたダメージのせいか立ち上がれてはいるがその場から動けずにいた。実質僕も…今、なんとか立っている状態で避けるどころか、防ぐ動作ができない。

っ…こんなところで…終わるなんて…っ!







「ヒャハっ!さぁこれで…死ィ──……っ…どうしたんだい、ラザリス…?」


「……?」


サレの攻撃がくると、なんとか身構えようとした瞬間、サレは突然向けていた右手を額にあてて何かを呟き出す。
そのままサレはしばらく呟くと右手を下ろし、小さく溜め息を吐いて口を開いた。


「…やれやれ、ラザリスから『止め』が入ったよ。君達…特にディセンダーのメリアちゃんと、イレギュラーの衛司君は余程気に入られてるみたいだね。『君達は僕が手に入れるから手は下すな』…だ、そうだよ。おかげさまで、僕に帰還命令が入っちゃったよ」


「っ…僕達を…見逃すって…今度は…何を企んで…っ」


口元を僅かに吊り上げてそう言ってきたサレに、僕はサレを睨んでそう言葉を出した。正直今この状況で出すべき言葉ではないとわかってはいるけど…一度サレに捕まった身としては、あのサレが『命令を受けただけ』で弱り切った僕達を見逃すとは思えなかったのだ。
そんな僕にサレは視線を向けると口元を吊り上げたまま言葉を出した。


「この事に関しては別に何も企んじゃいないよ。…ただ他ならぬ『彼女』からの命令だからね、僕はそれに従うだけさ。それに…僕が本当に潰したいのは君達じゃなくて、ヴェイグだからね」


サレはそう言うと僕達に背を向けて歩き出した。
『彼女』って…多分、ラザリスの事なんだろうけど…サレはラザリスの命令には従っている、って事なのだろうか…?

僕達はそのままサレに警戒していると、サレは崖の前まで歩くと立ち止まり、崖の方に向けて手を伸ばす。するとサレの目前、崖の前に結晶で出来た大きめな扉が現れ、サレは僕達の方へと振り返った。


「さて…衛司君にメリアちゃん…それにアドリビトムの皆さん。此処に何の用があって来たかは知らないけど、まだ体力がある内に済ませて帰るといいよ。こんな所で体力切れでゲームオーバー、なんて…僕がつまらないからね。それじゃ…次会うときはもっと楽しませておくれよ。…ヒャハ、ヒャーハハハハハっ!」


サレは僕達を見ながらそう言っていき、最後に高く、不気味に笑い、扉を開いてその中へと消えていった。
扉はサレを飲み込むように入れるとゆっくりと閉まり、そこには元から何もなかったかのように消え去った。


「……本当に行った…のか…?」


「……多分…行った…と…思う…」


サレがいなくなり、僕達はまだ警戒していたが、アスベルとメリアの言葉に、僕達はその場に崩れ落ちた。


「…なんとか助かった…いんや…『逃がされた』みたいだね~…」


「そう…だね…。…くそぅ…っ」


皆がその場に崩れ、ゆっくりと呼吸を整えていく。
その中、先程サレに『逃がされた』事を出し、僕は思わず声を漏らした。
以前見たヴェイグとサレの闘い。その時よりも…『狂風』の名のように狂い、風の扱いが段違いとなっていたサレ。

そのサレに負け…しかも手も足も出せなかった敗北に僕は…いや、僕達は悔しさを噛み締めた。


「……とりあえず、少し休憩して体力が落ち着き次第、ギベオンを回収して山を下りよう。…サレの事を考えるのもその後だ」

「うん…そう、だね」


アスベルの言葉に僕達は頷くと、ゆっくりとその場で身体を休める事にした。


──この後、僕達はギベオンの回収に成功し、ハロルド達に渡すことが出来た。
…ただ一つ…サレの…ジルディアの力の圧倒的な力を心に残して…。



 
 

 
後書き




──以上、第五十五話、如何だったでしょうか?

…うん、ごめん。なんか本当に色々ごめん←←


『チートサレ様』
うん、自分で書いといてあれだけど…本当、何がどうしてこうなった←

当初はサレも強さ見せつけながらもなんとかダメージを与えサレ撤退…の筈だったのになんか気付いたらサレ様がどチート化してた←
自分でもビックリな書き終わり結果だったよ←←
アスベルファンの方とレイヴンファンの方は今回は本当に申し訳ない←


途中弱点を書こう、とも考えたけど…うん、自分で書いといて本当にあれだけど、全くコイツの弱点思い付かない事になった←←

…本当に何がどうしてこうなった←


『ラザリスに従うサレ』
このサレ様はとりあえずラザリスにはなんでも従うようになってます。
何故あのサレがラザリスに此処まで従うかは…機会があれば後々…?←


皆様、感想やご意見等良ければ宜しくお願いします+


ではでは最後に…今回チート戦闘力を見せ付けたサレ様のステータスと今回の使用技の紹介をば+



『狂風』サレ
レベル:80
HP:97500
物理攻撃力:500
物理防御力:190
術攻撃力:670
術防御力:300
敏率値:110
弱点属性:光、氷
得意属性:闇、風(吸収)
特殊効果:『初級、中級魔法詠唱無視』、『上級魔法詠唱30%カット』、『のけぞり耐性+3』


『土晶槍』
特技。武器を地面に突き刺し、その地面から結晶の槍を出現させる。

『飛晶槍』
特技。武器を相手に向け、その武器から目標にした相手に結晶の槍を飛ばす。

『ジル・ゲイルスラッシュ』
風の中級魔法。ゲイルスラッシュの強化版。通常のゲイルスラッシュに結晶の槍を混ぜて放つ。

『ジル・ウィンドランス』
風の初級魔法。ウィンドランスの強化版。通常のウィンドランスに結晶の槍を混ぜて放つ。

『ウィンド・スネーク』
風の初級魔法。手を向けた相手を風で捕らえる。



……本当何がd(ry←←

 
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