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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第六十二話 Volcanic Inferno

 
前書き
イレギュラー発生地区を三つ攻略したエックス達。
最後にエックスはイレギュラー発生した最後の地区に向かった。 

 
ハンターベースの自室で多少の仮眠を取って通路に出たエックスにルナが話しかけてきた。

ルナ「よう、ご苦労さんエックス。次はマグマエリアに行くんだろ?ハンターベースには俺やゼロやルインもいるから安心して行きなよ」

エックス「ああ、ありがとうルナ。君には随分助けられた。君がいなければ迅速なコロニー破壊が出来たか分からない」

ルナ「へっへ~ん。まあ、俺様は天才を超えた超天才だからな」

鼻高々に言う彼女に苦笑してしまうエックス。

エックス「君には本当に世話になった。エニグマのこともそうだけどダイナモのことも…ホタルニクス博士のことも…君には辛い思いをさせた」

ルナ「……気にすんなよ。じいさんのことでお前が暗い顔してどうすんだよ」

エックス「ああ、すまない。コロニーのことといい、シグマウィルスとかゼロウィルス…そして零空間…1日で色んなことがありすぎて…」

ルナ「気持ちは分からなくは無いけどな。しっかりしろよエックス。お前はウィルスまみれの現状でもまともに動ける貴重なレプリロイドなんだからよ」

エックス「すまない弱音を吐いて…ルインもゼロもアイリスもシグナス達も…君も頑張っているのに…」

ルナ「気にすんなよ。弱音を吐いてもらえるってことはそれなりに信頼されてると思っていいんだよな?弱音を吐ける相手がいるってのは大切なことだぜ?でもしっかりしろよリーダーさん」

エックス「リーダー…か…君から見れば俺はそう見えるのか?」

ルナ「は?」

エックス「俺より優れたハンターは沢山いるんだ。ゼロやルインとか…時に迷う俺に皆の上に立つ資格があるのか?」

ルナ「ん~、あまり難しいことは分かんねえけどな。まあ、ぶっちゃけそういうのは自分じゃ分かんねえよな。エックスもそうだけど、今となっちゃあ俺もルインもゼロ達も旧型のレプリロイドだからな。やっぱり俺達みたいな旧型はエイリアやシグナス総監さんみたいな新型には能力的に敵わないのかもしれねえな。俺達にあるのは長年培ってきた経験と意地なのかもな。自分より後に生まれたレプリロイドに負けてたまるかって言うな。」

エックス「意地か…」

ルナ「まあ、それが普通のレプリロイドならな。」

エックス「え?」

ルナ「俺にもあるんだよ。普通のレプリロイドにはない“成長”する能力が、戦えば戦う程、知識を蓄えようとすればするほど自分の糧になる。だから俺は普通のレプリロイド程危機感みたいなのは感じない。もし高性能な奴が現れてもそいつ以上に成長すればいいだけだからな。俺達もその能力のおかげで今を生きていられる。その点に関しては創造主様に感謝だな」

エックス「…………」

ルナ「まあ、大いに悩みたまえ。人間は悩んで成長するらしいしな、エックス……悩み苦しむことは絶対に間違いじゃねえ。きっとそれもお前の力になるはずだからな」

エックス「そうだな……ありがとうルナ」

ルナ「いいってことよ。気をつけてな」

ルナに見送られ、エックスはバーン・ディノレックスがいるマグマエリアに向かう。































マグマエリアに辿り着くと、灼熱の大地の中を基地を探し求めて彷徨っていた。
灼熱のマグマと切り立った断崖。
近付く者一切を寄せ付けない火炎地獄。
それよりも今一番厄介なのはシグマウィルスでイレギュラー化したレプリフォース軍だろう。
ライデンを駆りながらエックスに向かって来る。

エックス「くっ…スピアチャージショット!!」

貫通力の高いスピアチャージショットがライデンの堅牢な装甲を容易く貫いた。
ファルコンアーマーは機動力にその能力を特化させたが為に、主武装であるバスターの出力自体は通常時と大差がない。
但し、そのエネルギーをより凝縮、一点集束させる事でライデンの堅牢な装甲すら貫通する凄まじい貫通力を誇るのだ。
攻撃範囲こそ狭いが点に於ける威力については、あのプラズマチャージショットをも凌駕する。

エックス「やはりイレギュラー化しているか…しかしディノレックス…こんな所に武器倉庫を造るとはどうかしてる」

全身に猛烈なエネルギーを纏いつつ、ライドアーマー部隊に向かっていくエックス。
ファルコンアーマーの機動力を最大限に解放すると最寄の兵士の眼前へと回り込むエックス。

エックス「ずあ!!」

兵士の顔面をビームスピアで貫くエックス。
彼はその兵士からライデンを奪取すると自らもそれに乗り込み、コンソールパネルを叩くとモニターで、ついさっきまでこのライデンを駆っていた兵士にとっての友軍の位置座標を即座に把握する。

エックス「ファルコンアーマーの翼を得た今の俺から逃げ切れると思うな」

たった今倒された味方を囮にして付近に潜伏しているのであろう、岩陰に5機ほどの反応が見える。
イレギュラー化しても、心身に叩き込んだことは消えないのか、他のイレギュラーとは違い、統率が取れている。

エックス「目の前に敵が現れたなら…撃ち払うまでだ!!」

自らライデンを駆り、標的となる陸軍兵の前に躍り出るエックス。

エックス「プラズマチャージショット!!」

ライデンから降り立ちアーマーをファルコンアーマーからレプリカフォースアーマーへと換装するとエックスは必殺のプラズマチャージショットを撃ち放つ。
次々に爆散していくライドアーマー部隊。
ホバリング機能で如何なる悪路をも迅速に走行できるライデンも、エックスのファルコンアーマーの機動力とレプリカフォースアーマーの火力を前にしては敵うはずもない。
巧みに分散しエックスから逃れようとするイレギュラー達だが、最初に倒されたライデンのデータから大よその座標を掴まれているため次々に居場所を看破され、レプリカフォースアーマーとの換装を絡めたエックスの圧倒的な力の前に為す術も無く破壊されていくのみだ。

エックス「スピアショットウェーブ!!」

周囲に無数の貫通弾を発生させ、ライドアーマー部隊を殲滅した。

エックス「…シグマめ……」

シグマウィルスに感染したがために狂ってしまった彼らを悲しげに見遣りながら先に進もうとするが、ふと視線を横にずらすと、見慣れたカプセルがあった。

エックス「ライト博士…」

ライト『エックス…ここでお前に与えるのはガイアアーマーのアームパーツのプログラムじゃ。このアームパーツはガイアアーマー搭載の高出力ジェネレーターを利用したガイアショットを撃ち出すためのものじゃ。ガイアショットは射程こそ短いが敵のエネルギー弾を破壊し、破壊力に優れておるのが特徴じゃ。更に他のアームパーツよりもバスターのチャージが遥かに短いのも特徴じゃ。』

要はプラズマチャージショットともスピアチャージショットとも違った特性を持つ高出力バスターだろう。

ライト『かつてルインが使っていたFXアーマーを元に改良を加えているために初期のガイアアーマーよりもパワーが増しているため、エネルギーを纏った拳を相手に叩き込むことで相手の防御を無視して吹き飛ばすことが出来るガイアインパルスが使えるようになる。』

エックス「分かりました…パーツファイルを受け取ります…」

ライト『エックスよ…例えどれ程の絶望に苛まれようと決して諦めてはいかん。ルインとゼロと共にこの状況を乗り越えるのじゃ』

エックス「はい…」

パーツファイルを受け取り、ハンターベースに転送するとバーン・ディノレックスの元に向かう。



































そしてハンターベースではガイアアーマーのアームパーツのファイルが転送され、エイリア、アイリスの手で急ピッチでプログラムを解析をしていた。

ゼロ「…………」

ルナ「ゼロ?」

エアフォースから帰ってきたゼロに主要都市に入り込んだイレギュラーを破壊してきたルナが首を傾げた。
何だかゼロの様子がおかしいと気付いたから。

ゼロ「…なあ」

ルナ「ん?」

ゼロ「もし俺が…」

イレギュラー化したら…。

ゼロ「いや、何でもない」

ルナ「?そうか」

即座に首を振り、何でもないというゼロにルナは疑問符を浮かべながらも頷いた。

エイリア「ルナ、帰ってきてすぐで悪いんだけど、アーマープログラムの組み立てをお願い出来るかしら?」

ルナ「おう、任せとけ」

ルナがエイリアから解析完了したプログラムを受け取ると武器開発のラボに向かう。

ゼロ「…………」

ゼロも部屋を後にすると口を開いた。

ゼロ「シグマウィルス…今までずっと戦ってきた…あらゆるレプリロイドをイレギュラー化する最強のコンピュータウィルス。何故だ…何故ウィルスダメージを受けない?逆にパワーが漲る感覚さえ覚える…俺の身体はどうなってるんだ!!まさか…」

ゼロは少しずつ自分の身体の異変に気づき始めていた。



































そしてマグマエリアの最奥でエックスはバーン・ディノレックスと対峙していた。

エックス「バーン・ディノレックス……」

ディノレックス「イレギュラーハンター…レプリロイドを滅ぼす者…ウィルスに侵された俺を殺しに来たか?受けてたつぞ!もう、地球は滅びる。おもいっきり、戦おうぜ!死ぬまでな!!!」

エックス「くそ…」

ディノレックス「グランドファイア!!」

ディノレックスの放った巨大な火炎球がエックスを襲う。
エックスはブレードを振るい、火炎球を切り裂く。

エックス「スピアチャージショット!!」

間髪入れずにスピアチャージショットをディノレックスの肩に当てる。

ディノレックス「チッ…バーンタックル!!」

エックス「プラズマチャージショット!!」

強化パーツ・アルティメットバスターにより、チャージなしでもフルチャージショットを放てるようになったエックスは連続でプラズマチャージショットを放つ。

ディノレックス「調子に乗ってんじゃねえ!!」

プラズマチャージショットを弾き、炎を纏った体当たりをエックスに喰らわせるディノレックス。
エックスは吹き飛びながらも直ぐさま体勢を整えてファルコンアーマーに換装し、スピアとブレードを構えて突進する。

エックス「はあああああ!!」

スピアとブレードを連携させ、強烈なソニックブームを繰り出す。
ディノレックスはその巨体に似合わぬ速さでそれを回避する。
そして口から灼熱の火炎を吐き、床を火の海にする。
エックスは咄嗟にフリームーブで回避する。
そして炎が消えるのと同時に着地すると、それを狙っていたかのように一気にディノレックスは駆け抜けるとエックスの右肩に噛み付いた。

エックス「ぐっ!!?」

激痛に顔を顰めながらも自由な左腕でXブレードを振るい、ディノレックスに切り裂くが、ディノレックスは全く離れようとしない。

エックス「この…!!スピアショットウェーブ!!」

このままでは右腕を奪われると判断し、エックスは全身にエネルギーを纏わせ、再び無数の貫通弾を発生させた。

ディノレックス「ぐはぁっっ!!?」

周囲を覆う膨大な貫通弾には流石のディノレックスも堪えたと見え、漸くディノレックスはエックスから身を離す。
そんなディノレックスにエックスはレプリカフォースアーマーに換装するとバスターを向ける。

エックス「プラズマチャージショット!!」

スピアショットウェーブを受け、亀裂が入った胸部に向けてプラズマチャージショットを放った。

ディノレックス「ちっくしょおおぉぉぉ!!!!」

プラズマチャージショットをまともに受けたディノレックスは爆散した。

エックス「ふう…」

これでイレギュラー反応があった場所は全て調査し終えた。
残る場所は…零空間。 
 

 
後書き
ディノレックス撃破。
一応この作品ではディノレックスもウィルス感染してます。

特殊武器・必殺技入手

エックス特殊武器

グランドファイア

性能は原作に準ずる。

ゼロ必殺技

断地炎

性能は原作に準ずる。

ルイン特殊武器

グランドファイア

性能はエックスと同じ。
チャージ不可。

ルイン必殺技

断地炎

性能はゼロと同じ。

アクセルの制作者について。
何かアクセルの制作者がワイリーという説がありますが、もしアクセルがワイリーの作品ならゼロとは兄弟機ってことになりますが…。
 
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