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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0714話

 撮影もまだ始まっておらず、やる事と言えばシェリルの護衛だけ。しかもその護衛にしてもこんな無人島で何が起きるでもなく……まさか地球の無人島のように大蛇やら虎やら熊やらがいる訳でも無い。
 ああ、でも惑星エデン原産のヒュドラとかいう大型肉食獣がいるらしいが……かなり人懐っこいって話だしな。それにシェリルも好んでジャングルのそのヒュドラがいるという、森……いや、この場合はジャングルと表現する方が正しいのか? とにかくそっちに好んで向かったりもしない。
 ……にしても、ヒュドラか。ニーズヘッグのバインダーを思い出すと微妙に親近感が湧くな。あの機体があれば、それこそバジュラが群れで襲ってきても簡単に迎撃出来るんだけどな。エナジーウイングの最終調整で魔法球の中に出しっぱなしにしておいたのが悔やまれる。
 まぁ、さすがに酔っ払ってシステムXNを使うとは、俺を含めてシャドウミラーの誰もが思ってなかったんだろうけど。

「いいな、暇そうで」

 砂浜にあるビーチチェアに腰を下ろしながら、隣にあるテーブルで歌詞や曲を考えているシェリルを眺めていると、後ろから声を掛けられる。
 振り返ると、そこにいたのはアルトだった。どこかジト目で俺の方へと視線を向けている。

「俺の仕事はシェリルの護衛だしな。それに対して、お前等は映画の撮影協力。仕事が分かれているのはしょうがないだろ?」
「確かにそうだけどよ」

 それでも自分が仕事をしているのに俺がのんびりしているのが気に食わないのだろう。不満そうな表情を浮かべていた。

「貴方、確かアルトって言ったわよね?」

 そんな中、不意に紙にペンを走らせていたシェリルが顔を上げる。

「ん? ああ。確かにそうだけど、それがどうしたんだ?」

 マクロス世界では異分子である俺ならともかく、アルトがシェリルに対してこういうぶっきらぼうな口を利くのはちょっと違和感あるよな。それこそシェリルの歌を聞かない日は無いって言われている程なのに。
 いやまぁ、それでもシェリルに対して特に興味がないような人物は少ないながらもいるんだろうけど。

「あの船、気にならない?」
「船?」

 そう呟きアルトが沖へと視線を向けると、そこにはこちらへと向かって来ている船の姿があった。
 だが、ただ船を気になる云々と口にしながらも、その笑みにどこか嗜虐的な笑みが浮かんでいるように見えるのは俺の気のせいだろうか。

「そ。あの船。私の知ってる通りなら、恐らくランカちゃんが乗ってる筈よ?」
「はぁっ!? な、何でお前がランカが来る事を知ってるんだよ!」

 思わずといった様子で叫んだアルトに、数秒前に浮かべていた嗜虐的な笑みはそのままに口を開く。

「あたしが参加する映画よ? 誰が参加するかくらいはきちんと把握してるわ。ほら、迎えに行ってあげなさい。大事な彼女なんでしょ?」
「べ、別に俺とランカは付き合ってる訳じゃねえよっ!」

 そう叫びながらも、桟橋の方へと向かっていくアルト。
 その背を見送りながら、シェリルも立ち上がってその後を追っていくのだった。
 だが、すぐにビーチチェアから動く様子のない俺に気が付き戻って来る。

「ちょっと、アクセル。護衛なんだからあんたも一緒に来なさいよ!」
「護衛って言ったって、この辺じゃそれ程危ない事もないだろ。元々バカンス込みの仕事なんだから、シェリルも少しはゆっくりしろよ。ただでさえここ最近は忙しかったんだから」
「……もうっ!」

 水着の上から上着を羽織り、アルトの後を追いかけていくシェリルの後ろ姿を見送り、太陽にその身を晒す。
 太陽とは言っても、当然船の中の太陽である以上は本物の太陽ではない。この辺の技術はネギま世界のテラフォーミングに応用出来るだろうな。
 キンキンに冷えたミックスジュースを飲みながら周囲を見回す。本当に南の島を再現したかのようなこの地形は、さすがと言うべきだろう。
 太陽に晒されつつ、眠気に誘われるままに意識を闇に落とすのだった。





「ちょっと、アクセル! いつまで寝ている気!? そろそろ起きなさいよ!」

 そんな声と共に身体が揺らされ、意識が急速に浮上していく。
 眠りから目を覚ますと、すぐ近くにはどこか呆れた表情を浮かべたシェリルの姿。

「あー……どのくらい寝てた?」
「2時間くらいかしら。幾らバカンスを兼ねた仕事だからって、護衛対象のあたしを放っておいて昼寝をしてるってのはどうなのかしら?」
「そうは言っても、別に危険な事は無いだろ? ジャングルの方に行くんならさすがに何があるか分からないだろうから声を掛けて貰いたいが」

 とは言っても、この島に来た時に思ったようにジャングルの中に凶悪な獣の類は存在しない。危険というのは、足を滑らせて道から落ちるとか、そういう風な感じになるだろうが。

「はぁ、まぁ、いいけどね。それよりもアクセルが寝ている間にも色々とあったんだから。それにランカちゃんもアクセルに挨拶をしたいって言ってたのに、寝てるんだものね。アルトがちょっと不機嫌になってたわよ?」

 苦笑を浮かべながらそう告げ、手に持っていたカットフルーツの盛り合わせが乗った皿をこちらへと渡しながら、俺が寝ている間にあった出来事を話してくる。 
 それによると、アルトの正体――元歌舞伎役者――が映画スタッフに知られて、そのファンだった監督が是非映画にチョイ役でもいいから出てくれないかと交渉したらしい。
 だが、歌舞伎が嫌で父親と袂を分かち、パイロット養成コースに転入してきたアルトはそれを拒否。

「アルトってそんなに歌舞伎役者として有名だったのか?」
「父親の早乙女乱造は歌舞伎役者としてかなりの有名人だもの。その息子ってことでアルトもそれなり以上に人気があったのよ。特に桜姫東文章で演じた桜姫は、今でも多くのファンを残しているわ」

 で、アルトの家が歌舞伎の家だった事を知らなかった……あるいは教えて貰えなかったランカは微妙にショックを受けたらしい。
 まぁ、ランカがアルトに抱いているのが好意か恋か愛かまでは分からないが、慕っていた相手の事を良く知らなかったってのがショックだったんだろう。
 他にも、映画の主人公役でもある工藤シン役の俳優が水中撮影は契約に入っていないと揉めたり、その代わりにアルトが水中撮影をやるからランカの出番を増やして欲しいと持ちかけたり、更にはマオ役の俳優が事故るといったアクシデントが重なり、監督もやる気を無くして今日は自由と決め込んで釣りに出掛けたらしい。

「何と言うか、呪われていないか?」
「ま、不運に不運が重なるってのは時々あるのよ」

 小さく肩を竦めるシェリルだが、上着を羽織っているとはいってもビキニの水着でそういう動作の大きい真似をすると胸がゆさっと揺れるんだが……本人にその気が無いと分かっていても、人によっては誘惑されてると感じるんじゃないのか? ただでさえシェリルは有名人なんだから。
 そんな風に思いつつ、シェリルが持ってきたカットフルーツの盛り合わせの中からパイナップルへと手を伸ばす。

「で、今はそのランカとアルトは?」
「ランカちゃんはジャングルの方に行って、アルトも水中撮影を代わったおかげで出番が増えたのを教えるって迎えに行ったわ」
「……いいのか? ランカはアルトの事情を知らなかったのがショックだったんだろう? なのに……」
「いいじゃない、それもランカちゃんが歌手としてやっていく上で糧になるのは事実よ。……それにほら、無事に戻って来たし」

 1口サイズに切られたバナナを口に含み、視線をジャングルの入り口へと向けるシェリル。その視線の先には、何故かランカを背負ったアルトの姿があった。
 柄にも無く心配しすぎたか。そんな風に思った時だった。
 ゾクリ。
 背筋に走る冷たい悪寒。その悪寒の正体が何なのかは、視界に入ってきた存在を見た瞬間に理解した。バジュラ。それも、10匹もの数がアイランド3の蒼穹の空を飛んでこっちへと向かって来ていたのだから。

「アルト、逃げろぉっ!」

 叫びつつ、何を言われたのか理解していないアルトをそのままに、軍服の内側からオズマに渡されていた銃を構え……この時になって、ようやく周囲に避難警報が流れ始める。

「ちょっと、何よこれ!」
「落ち着け! 護衛の依頼を受けている以上、お前は俺が守る!」

 いきなりの状況の変化に思わず叫び声を上げるシェリルを連れ、俺の機体がある場所に……ちっ、駄目だ。間に合わない。なら!

「ミハエル、ルカ、アルト! こっちに集まれ! バジュラだ!」

 その声に、俺の視線を追った他の者達がこっちへと向かって来るバジュラをようやく捉える。

「ミハエル、機体は何機ある!?」
「撮影用の1機だけだ! しかもノーマルのA型! 他にはお前が乗ってきた奴だけだ!」

 思わず舌打ちをしたくなるが、考えてみればそれは当然の事だろう。何しろS.M.Sはこの映画に護衛ではなく撮影協力として契約を結んでいるのだから。

「アクセル君、撮影スタッフの人達はあの小屋に避難させる?」

 ルカが素早く周囲の撮影スタッフに声を掛けながら尋ねてくるが、俺は首を横に振る。

「あの程度の小屋じゃ、バジュラに目を付けられたら防ぎようがない。そもそも目立つしな。それよりはジャングルの中に入ってやり過ごす方がまだマシだ」

 ちっ、それにしても何でバジュラは前回も襲撃してきたフロンティア船団の首都でもあるアイランド1じゃなくて、環境船のこのアイランド3に? そう考え、視線の中に入ったのはランカをおぶっているアルトの姿。
 ……上層部は俺の報告書を却下したってオズマが言ってたが……あながち間違いじゃないのかもしれないな。
 いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。こうしている間にも、バジュラはこっちへと向かって距離を詰めてきている。なら今のうちに機体に向かった方がいい。

「シェリル、ルカと一緒にジャングルの中に避難しろ」
「アクセルはどうするのよ!」
「折角の休暇を邪魔する野暮な虫を駆除してくる」

 そう告げると、一瞬だけシェリルの目が不安に揺れる。だが、次の瞬間にはいつものシェリルに戻り、笑みを浮かべて口を開く。

「いい? あたしは折角の休暇を邪魔されたくなんかないわ。だから、さっさとバジュラを片付けてきて頂戴。大体、アクセルには幸運のお守りを渡しているんだから、それを返して貰うまで勝手に死んだり怪我をしたりなんかしたら許さないんだからね!」
「それこそ、幸運のお守りがあるんだ。その辺は問題無い。ルカ、ミハエル、シェリルを頼んだぞ!」
「任せろ! それよりもお前は早いところ機体の所に行け! EX-ギアもまだ身につけてないんだからな!」

 ミハエルの言葉に頷き、機体を止めてある少し離れた場所へと向かう。
 にしても、何だって新統合軍はバジュラがアイランド3に突入するまで気が付きもしなかったんだ? 索敵はザルなのか? ……いや。新統合軍ならあり得る、か。
 とにかく今は機体のある場所に行くのが最優先だ。
 ミハエル達にしても拳銃くらいは持っているだろうが、そんなのでバジュラに対抗出来る筈もない。そもそもVFと同じようなエネルギー転換装甲を持つ生き物ってどんな生き物なんだか。
 周囲の撮影スタッフや映画関係者達がルカの指示によりジャングルの中に入っているのを見ながら、空間倉庫から閃光弾や煙幕弾を幾つか取り出す。本当は狙撃銃とかを渡したいところだが、バジュラに効果が無い以上は閃光弾や煙幕弾の方がまだ有効だろう。

「ミハエル、これを使え! 閃光弾と煙幕弾だ!」

 持っててもお守り程度にしか意味の無い拳銃を構えているミハエルに、横を通り抜け様に閃光弾と煙幕弾の10個程放り投げ、そのままVF-25Sを止めてある場所へと向かう。

「おいこら! どこからこんな物を持ってきた! って言うか、危ないだろうが!」

 ミハエルがそんな風に叫んでいるが、今の俺にとってはそんな怒声よりも機体の方が重要だった。……決して相手をするのが面倒臭くなった訳では無い。
 そのまま周囲に人の目が無いのを確認し、瞬動を使いつつ機体の下に到着。素早くEX-ギアを身につけていく。
 そして身につけ終わったその瞬間……
 轟っ!
 砂浜にバジュラの一団が到着する。同時に、砂浜に建っていた小屋に関しても邪魔だとばかりに一薙ぎで吹き飛ばされ……くそっ!
 そのままガウォークの機体へと乗り込み、機体を起動させていく。
 バジュラ共がアルトを狙ってきたのかどうかは分からないが、それでもここには守るべき対象がいる。友人、知人も多い。好き勝手にやらせるかよ!

「アクセル・アルマー、VF-25S、トルネードパック……出る!」

 その言葉と同時に足に内蔵されているスラスターで浮き上がり、バジュラへと向かって注意を引きつけるべくガンポッドのトリガーを引く。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:660
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:641 
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