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レインボークラウン

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第百五十話

                  第百五十話  お母さんも
 華奈子と美奈子の母もだ、いつも娘達に言っている。
「歯のことはね」
「うん、いつもよね」
「しっかり磨かないと駄目なのよね」
「さもないと虫歯になるか」
 若しくはというのだ。
「歯槽膿漏になるから」
「どっちにしてもよね」
 華奈子がここで母に言う。
「歯によくないのよね」
「そう、それで歯が悪いとね」
 母はいつも娘達に言うのだ。
「それだけで本当によくないから」
「確か神経が集中出来なくて」
「虫歯の穴から悪いバイ菌も入って」
 二人はこのことも母から聞かされている、二人の母は歯のことについて実に厳しく言っているのだ。いつもそうしているのだ。
「痛くてそうなるし」
「余計に悪くなるから」
「だからよね」
「しっかりしないとね」
「だからね」
「毎日朝御飯の後と寝る前は磨くのよね」
「そうよ、忘れないでね」
 母の言葉はこのことについては普段とは違いかなり厳しい。
「歯はそのまま命になるから」
「いつもしっかりと磨いて」
「虫歯とかにならないようにしないと駄目よね」
「本当にこのことは忘れないでね」
「今日もよね」
「磨いて」
「そう、歯垢とか残ったら駄目よ」
 これを基準にしての言葉だった。
「お口の臭いも歯を磨くと消えるのよ」
「そういうこともあって」
「お口はいつも綺麗にしないといけないのよね」
 二人はこのこともよく認識している。
「だから」
「これからも」
「磨くことは忘れないでね」
 歯のそれを、というのだ。
「健康の為にはまず歯からよ」
「本当にそうなのね」
「虫歯や歯槽膿漏にならないことが」
「北条早雲さんはずっと歯が全部あったのよ」
 その死ぬ時までだ。
「だから八十八歳まで長生き出来たとも言われてるわ」
「歯がいいと長生きも出来る」
「そうなのね」
「そういうことだからね」
 長生きのことからもだ、母は華奈子と美奈子に言うのだった。娘達の健康の為にいつも言っているのである。


第百五十話   完


                          2014・7・11 
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