『自分:第1章』
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『サヨナラ』
翌日、起きたら既にお母さんの部屋は綺麗に片付けられてた。
夜中、ざわざわっとしたけど、そんなん嘘やろ...
出る日くらい言ってくれても良いやん...
なんで!
なんでなん!!
もう一生逢えんのに!!!
返事も渡せてない!!
行き先どころか連絡先も知る術が無い...
恵ちゃんも職員に問いつめてた。
ひどいわ...
なんなんホンマ...
何も考えれん。
何もしたくない。
何も出来ん。
思考回路が止まった。
部屋にこもった。
食欲もない。
眠くもない。
ただただ、堕ちた。
何かが崩れた。
護身用に、胸の間にカッターを入れてた。
今も此処に在る。
悪い癖が出た。
深くイった。
ボトボト落ちる深紅。
眺めながら、何を想ったんだろう...
別れは辛い...
こんなに辛い?
なんで?
気が狂うほど辛い。
泣き通しても泣き通しても涙は溢れる。
一生逢えんから。
数日後、職員が無理矢理部屋をこじ開け、食堂に連れて行かれた。
恵ちゃんも居た。
同じように引きこもり、泣き通し、深くイったらしい。
いきなりのサヨナラ。
二度と逢えん。
辛過ぎる。
恵ちゃんとは共鳴する。
かつて、蓮と共鳴したように。
深い処で繋がってる気がする。
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