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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第四幕その一

             第四幕  老先生
 先生は加藤さんに案内してもらって動物達と一緒に動物園を観て回りました。その後で公園に戻ってそこも観てです。
 そうして旅館に戻りました、そうしてなのでした。
 その旅館の中でまたご馳走を楽しみました、この日も海の幸が沢山あります。
 加藤さんは今はご自身のお家に戻って先生達だけです、そのお刺身を見てポリネシアが目を丸くさせて言いました。
「今日も凄いわね」
「ハマチだね」
「ええ、いいハマチね」
「とても美味しそうだね」
 先生はそのハマチのお刺身、舟の上のそれを見つつポリネシアに楽しそうに応えます。
「これをね」
「今から食べるのね」
「生のお魚はとても美味しいよ」
 もうすっかりです、お刺身は先生の大好物になっています。
「松山のお刺身もね」
「美味しいわよね」
「ではこのお刺身とね」
「他のものも食べてよね」
「うん、そうしてね」
「お風呂にも入って」
「今日は休もう」
 こう言うのでした。
「そしてまた明日だよ」
「明日も学会があるのかしら」
 トートーが先生にこのことを尋ねてきました。
「そうなのかしら」
「あるよ、ただね」
「論文の発表は終わってるわね」
「そう、だからね」
「明日はよね」
「僕は学会に出席してね」
「他の人の発表を聞くのよね」
 トートーは先生のすぐ傍にいます、そこから先生に尋ねています。
「そうよね」
「そうだよ、他の人の論文もね」
「勉強になるのね」
「色々な論文を読んで勉強しないとね」
「学者じゃないわね」
「自分が論文を書くにも」
 そして発表するにしても、というのです。
「まずはね」
「他の人の論文を聞いて読むことね」
「そうだよ。それも勉強だからね」
「じゃあ明日も」
「学会に出席するよ」
「そしてその後で」
「うん、松山の街に出てね」
 今日の様にです、そうしてというのです。
「勉強だよ」
「先生って本当にお勉強が好きよね」
「勉強というか学問かな」
「それが好きなのね」
「うん、僕は学者だからね」
「イギリスにいた時からね」
「子供の頃から本が好きでね」
 先生はその頃から本の虫だったのです。とにかく色々な本を読んできて学問に励んできたのです。それは今もです。
「学問をしてきたよ」
「医学にね」
「それにね」
 医学だけではないのです、先生が学んできた分野は。
「語学も文学もね」
「歴史もよね」
「本を読んだりすることは好きだから」
「学問はなのね」
「そう、好きだからね」
「それでお医者さんになったわね」
「まさか日本に来るとは思わなかったけれどね」
 このことは本当にです、先生は考えてもいませんでした。ずっとイギリスに住んでいてそこから色々な国に行くこともあるだろうと思っていたのです。  
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