これは、全然何て事のない話なんだ。他の人が聞いたら、へえとかうんとかで聞き流してしまうような、そんなレベルの話。でも、僕にとっては決して、その程度では収まらないような話。
多分今から君たちは、やっぱり僕のする話をそのように受け流してしまうんじゃないかなと思う。心底どうでも良かったのに、さも面白かったかのように微笑でも見せながら、そうなんだって言ってくれるんじゃないかと思う。
だけど、僕はその事を分かってて話すし、その微々たる笑顔が好意へ向けてだと考えると、何故だか悪い気はしないんだ。それに、そもそも今から話すことが、一切記憶に残らなくたって別にいい。僕が君達に話すという、その事自体が僕にとって重要なのだから。
ともかく意味深な前置きはさっさと終わりにして、本題に入ってしまおうと思う。どうせ僕の言葉に大した意味はないし、それっぽい事をそれとなく話しているだけだ。物語には何も関係ない、それこそ本当にどうでもいい話。僕が僕の為に僕に対して言ってるにすぎない事だ。
だから、今からする話は、この前置きよりかはもう少しだけ君達にとって意味のある話になるかもしれないな。五十歩百歩でほとんど変わらないようなものだけれど、少なくとも今よりかはましになるだろう。
たからなるべく役に立てられるように、君が最後までこの話を聞いてくれることを願って、始めるとするよ。
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タイトル | 更新日時 |
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どちらか一方 | 2014年 06月 14日 12時 15分 |
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