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ソロモンの少女

作者:織部


 トンデモ系の渡来人伝説が多く伝わる町・三瀬浜。
 そういう町に生まれ育った影響なのか、中学二年の少女・都祁香澄(つげかすみ)は空想に耽るのがなによりも好きだ。
 そんな香澄は不思議な夢を観るようになった。
 一見いつもと同じ町なみ。
 けれどあるはずのものがなく、ないはずのものがある奇妙な世界。
 あちこち散策をしているうちに、いつも通っている學園にたどり着くと、そこには見なれない館と不思議な少年がいた。
 学校や家では聞けない楽しい話と美味しいお茶につられ、夢の中での少年との交流が続く。
 そんなある晩。

「君はソロモン王の末裔。望めば望むだけ世界を変える魔法の力がある」
「ただし魔法の力を手に入れるには館内に封印された72柱の魔神を解放しなければならない」

 と告げられる。
 そこから魔神復活のため、夢の中で香澄の冒険が始まった。
 次々と封印を解いてゆく香澄。復活した魔神は現実の世界に人の姿で現れ、香澄の手助けをしてくれるし、なによりもいい遊び相手になる。
 けれども香澄のおこないは、物理法則のことなる二つの世界の均衡をくずし、やがてはどちらかの世界が消滅してしまうことにつながるのだ。
 それを知った香澄は選択をせまられる。
 夢の世界を現実のものにするため、もといた世界を完全に無くすか、今までの記憶も力も失くして日常の世界に戻るか。ふたつにひとつ――。



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タイトル更新日時
よるの夢こそまこと 2018年 04月 04日 15時 14分 

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