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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第350話】

 
前書き
転入話

短め&期待に添えないかも 

 
――一組教室内――


 全校集会が終わり、各学年の生徒は皆自分の教室へと戻る。

 事件はあっても授業が休むことはなく、今日から一般授業及び、ISの授業も再開される。

 因みに今日は一時間目からISの授業――一般科目は午後からとか、三時間目四時間目とか――。

 体育の授業に関しては一組二組合同で朝から一時間だったり五時間目だったりと……食べた後に胃を刺激させるのだからたまったものではない。

 まあ朝食食べるけど――と。


「皆さん、全校集会お疲れ様でした~。 まずはホームルームに入る前に転入生を紹介しますね~」


 山田先生が教室に入るなり、開口一番で転入生の話をした。

 織斑先生が見えないのは先にISの授業で使う機体の申請などを行ったりしているからだろう。

 さっきまでざわざわと一夏の部活動の話題で持ちきりだったのが、突然の転入生という事で一様に皆が驚きの声を上げた。


「先生! この時期に転入生なのですか?」

「もしかして男かな? キャアッ! カッコいいと良いなぁ!」

「ぉー、この時期だと新しい男子か……かなりの実力者か……フム、それもまた一興か……」


 ……何やら少し年寄りじみたしゃべり方をする子が居るが、声の主は宇崎玲だ――何かの物真似だろうか?

 突っ込むと疲れるので敢えて放置していると山田先生が軽く咳払いをし――。


「こほん。 残念ながら女の子ですよー? 皆さん静かにしてくださいねー。 ……じゃあ、入ってくれますかー?」

「はい、失礼します」


 教室のドアが開くと、案の定転入生――というか美春がそこに居て、教室内に足を進める――と、緊張からか少し足が縺れ、転けそうになっていた。


「有坂さん、大丈夫ですか?」

「は、はぃ……。 き、緊張しただけですので……あはは……」


 乾いた笑い声を上げると、一組生徒の方へと振り向くと共にディスプレイに表示される有坂美春の文字。

 その名字に気付いた一部生徒がざわつくも、山田先生が――。


「皆さん静かにお願いしますねー。 じゃあ有坂さん、自己紹介を」

「はい。 有坂美春です、多分名字で気付いた方も沢山居るとは思いますが私は有坂兄妹の義理の妹になります。 この辺りは話すと長いので言いませんが――皆様よろしくお願いします」


 ぺこりと頭を下げる美春、挨拶としても悪くなく昨日の内に相当勉強したのだろう。

 そう思うと頭を撫でて褒めたくなるが残念ながらホームルーム中なので自重しないといけない。

 ――というか、下手すると火種になりかねん、俺が頭を撫でると。

 ……本当、去年の俺が今の俺を見たら何でそんなにモテるんだよって言われそう――。

 挨拶が終わると同時に鳴り響く拍手――まあ無下にするような奴はクラスに居ないだろう――篠ノ之も拍手してるし。

 ふと篠ノ之と目が合うとおもいっきり逸らされてしまった。

 ……相変わらず俺、嫌われてるなぁ。

 まあ嫌われてるのを無理して好かれようとは思わないものの、やはりクラス代表としては気にかけないといけないわけで変わらずに声はかけるが。

 ……うーん、逆に構うから離れるのか……まあ根っこで俺が篠ノ之がイメージする他の男子と同じだという以上は評価は最安値更新し続けるだろう。

 ……出会った当初もまあ愛想はいい方では無かったのだが……と、ここで山田先生が――。


「じゃあ有坂さん、空いた席に座って――」

「え? ……先生、出来ればヒルトの隣がいいんですけど?」

「えぇっ!? そ、それは困りましたねぇ……有坂くんの隣はもう居ますし……」


 まさかの美春の我が儘炸裂――いや、あいつとしては俺の近くが安心、または近くなら守れると思っての結果かもしれないが。

 流石に教室内が少しざわつく――が。


「……じゃあ可能な限り近い席で」

「そ、そうですねぇ。 じゃあ彼処なんてどうでしょう?」


 そう言って指差す先の席は、俺から席三つ程後ろに離れた場所だった。


「わかりました、じゃあとりあえず彼処で――我が儘言いましたが、改めて皆さんよろしくお願いします」


 再度頭を下げる美春、我が儘だと認識しての謝罪を込めた挨拶だろう。

 また再度拍手が鳴り響くと、山田先生が――。

「あ、後これも連絡です。 有坂くんの希望で有坂くんの専用機、村雲・弐式は有坂美春さんの専用機登録に変更になりましたので皆さん覚えておいてくださいね」


 事情を知っている面々は驚く様子は無いものの、知らないクラスメイトのざわつきが最高潮に――。


「え? 有坂くん専用機譲ったの? ……どうせなら私に譲って欲しかったなぁ」

「実は譲ったんじゃなくて、政府の圧力で義理の妹に渡ったんじゃないの? この時期の転入生なら適性、試験、実施試験全部高レベルだと思うし、そんな子が専用機無いのもおかしいから日本政府が有坂の機体を――」

 ――なんという憶測、だが実際ありそうで怖い内容だなと思う。


「さて皆さん、話は後にして一限目はISの授業なので遅れないでグラウンドに来てくださいねー」


 そう言うや、慌ただしく教室から出る山田先生――多分準備をしてる織斑先生の手伝いだろう。

 その山田先生の言葉に、とりあえず憶測で色々推測するのを止めた女子一同は着替えを取り始めた。

 と、いつまでも中に居ると女子が着替えられないので慌てて鞄を手に持ち――。


「一夏、着替えに行くぞ」

「おぅ。 ……毎度ながら、朝から軽く走らされるの敵わないよな」

「……軽いジョギングだと思えば問題ないさ、これが」


 いつもの様な調子で答えると、一夏は――。


「ふーん、ポジティブなんだな。 ……てかヒルト、専用機の話は本当なのか? あの子に譲ったって」


 専用機の話題に入った――まあクラスでも色々憶測でものを言ってたから気になると言えば気になるんだろう。


「ん? あぁ、それがどうかしたか?」

「いや、よく自分の専用機を義理とはいえ妹に簡単に渡せるなーって。 ……ヒルトは村雲に愛着無かったのか? 俺には出来ねぇな、白式を誰かに譲るって、俺用の専用機だし」


 そう言って白式の待機形態であるガントレットに触れる一夏。

 事情を知らないから言える言葉だろう……特に俺は答えなかった。

 ふとチラリと美春を見ると美冬と未来の二人が早速アシスタントしていた。

 二人に任せれば大丈夫だろう、そう思い俺は――。


「無駄話はこれまでだ、いつまでも居たら迷惑だから行くぞ」

「ちょ、ちょっと待てよヒルト!」


 そんな一夏の声を背中で受けつつ、俺は着替えをする為にアリーナへと走って向かった。 
 

 
後書き
授業内容にしてもいいかなとは思うも、そろそろ進めねばという事で進みます

授業内容はまた後日載せます……多分(ぇ 
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