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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第353話】

 
前書き
ここから第六巻、イレイズド編を一話に纏めてみた

ちょっとだけ残虐な描写が入ってるのでお気をつけあそばせ 

 
――第十六国防戦略拠点――


「侵入者確認! 6ーDエリアに至急救援を求む! 繰り返す、侵入者確認! 6ーDエリアに至急救援を求む! 本部!」


 一人の兵士の怒号が通路に響き渡る。

 無機質な鋼鉄の通路、そこを駆けていく軍所属の兵士、周囲に鳴り響くサイレンの音と共に小銃の発砲音が――次の瞬間。


「ギャアァァアアッ!? いてぇ、いてぇよぉ……ッ!」

「ぐっ……! 衛生兵! 衛生兵は何処だ――ぐわぁっ!?」


 通路の床に広がる血の海、侵入者は銃の弾装を装填すると無力化させた兵士を一瞥してその横を通り過ぎていく。


「見つけたぞ、こっちだ!!」


 また通路の奥から屈強な兵士が現れる――仲間を呼ぶ声に反応したのか、続々と集結していった。

 赤色灯の明かりが通路を暗く照らす。

 構えた小銃から放たれる銃弾の雨――ガンスモークが兵士たちの体を覆い隠す。


「……展開」


 言葉に反応し、少女の体を光の粒子が包み込む。

 その光が収束すると、全身に鮮やかな青色の装甲に包まれた。


「何!? ISだと!?」


 銃弾の雨は全てシールド・ビットに阻まれ、床に金属音が鳴り響く。


「こ、こいつ、まさか報告書にあった組織の者か!? 撃て! 撃てぇッ!!」


 隊長らしき兵士の言葉に即座に反応し、ありったけの弾丸を撃ち込む兵士たち、だが少女の巧みなシールド・ビットの操作により阻まれ、シールドエネルギーすら削れずに終わった。

 少女の右手に粒子が収束――粒子形成を終えた長大なライフルを構えた。


「くっ……!? も、目的は何だ!? 米軍にこれだけの事をしておいて、只で済むと思っているのか!?」


 多少の時間稼ぎにはなると思い、怒声に近い声で言い放つ隊長――その間に、他の兵士は直ぐ様小銃の弾装を装填し直す――が、それより早く少女の口が開き、言葉を紡ぐ。


「この基地に封印されているIS――『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』を頂く」



 その言葉に、兵士全員が驚きの表情と共に声を上げた次の瞬間、少女の構えたライフルから実弾が放たれ、兵士達が倒れていく。

 その威力は凄まじく、ある兵士の腕は千切れ、鮮血が空を舞いながら落ちていき、別の兵士は右足を吹き飛ばされ、身体を支えきれずに崩れ落ちる様に横たわる。

 見る者によってはまさに地獄絵図とかす、凄惨な光景が広がっていた。

 だが、止血すれば助かる様に致命傷を避けたのは前以て出されていたサイレント・ゼフィルスの使用条件であり、その条件をとりあえず従う事にした。

 バイザーに顔を隠されてるとはいえ、表情一つ崩さずに引き金を引き続けるその姿はまさに蒼い死神――。


「腕が! 腕がぁッ!?」

「確りしろ! 衛生兵ーッ! 衛生――ギャアアッ!」

「くそっ! くそっ!! 本部! とっとと出ろよ! 至急増援――ガハッ!?」


 通信機器を持ったままISを纏った少女に吹き飛ばされる通信兵。

 意識を失うのを確認すると同時に空中へと浮かび上がり、曲がり角から現れた新たな増援を前面に展開したシールド・ビットで纏めて薙ぎ倒して強行突破していく。

 ハイパーセンサーに表示される基地内部のマップを基に通路を曲がり、下へと下っていき、奥へ奥へと進んでいく。


「……………」


 開けた通路に出ると、少女は天井を見上げる。

 凡そ五メートルはあるだろう……そう思い、視線を前方に移すとその進路上に浮かぶ赤いツインアイの煌々とした光――更にその隣に居る影――。

 影の正体は女と推測――だが、その隣に居るものの正体は掴めなかった。

 少女が得た前情報に載っていた資料には、ここに配備されているISはアメリカの第三世代型IS【ファング・クエイク】と第二世代型IS【ラファール・リヴァイヴ】数機と【アラクネ】数機――ファング・クエイクを除いた機体は全て格納庫事破壊した為、この場に他にISがあるとすればファング・クエイクのみ――だが、その機体ともシルエットが全く違っていた。

 凡そ通路の天井の半分――二メートル半はあろうその機体、明らかに通常のISより巨体なそれは何処か異質めいていた――刹那、隣の影のシルエットが何かを構える。

 そして、薄暗い通路に淡い青い光が集まり、構えた女の表情とその隣に居た巨体の姿が一瞬視界に移った次の瞬間、放たれた光は粒子の尾を引き、右肩の装甲に突き刺さった。


「な……に!?」


 思わず驚きの声をあげ、それを引き抜こうとした瞬間、光の矢は盛大に爆発し、包み込む。


「ちっ……!」


 爆発の衝撃で壁に叩きつけられる寸前、体を回転させ巧みにスラスターを調整しながら逆噴射――だが、相手はその隙を見逃さない。

 駆動音が鳴り響いた次の瞬間、女の隣に居た巨体の肩から放たれる粒子ビームの弾雨、その粒子圧縮率の比がIS基準の物とは明らかに異なっており、一発一発の粒子の弾丸がシールドバリアーを容易に貫通、装甲に当たると四散し、生身部分に当たると絶対防御を発動させた。

 このままでは不味いと思った少女は、その弾雨を直ぐ様抜け出し、左右上下に機体を動かして逃れようとするも、相手の狙いの正確さと面を制圧するかのような圧倒的弾雨、そして極めつけはその隣の女の攻撃も加わって徐々に徐々にと押され始めていた。


「お前たちは……」


 答えなど期待していなかった、思わず口に出た言葉だったが――。


「ナターシャ・ファイルス。 国籍は米国。 ISテストパイロット。 そして、『銀の福音』の登録操縦者よ」

「………………」


 女は自己紹介を続けながら光の矢を撃ち続ける、一方の黒い巨体からは光通信による自己紹介が少女に届く。


「……ただの通りすがりだと……ふざけているのか?」

「…………」


 なおも光通信による会話が送られてくる。

 ……情報が少ない、この搭乗者が喋れないのか、または喋りたくないのか……。

 戦闘中に考え事等、どうかしてると考えを一蹴、送られ続けてくる光通信を無視し、シールド・ビットを使って回避に専念した――。


「ちっ……!」



「あの子は渡さない……貴方もこのまま攻撃を!」

「…………」


 そのまま親指をたて、サムズアップで意思表示をする。

 ナターシャはそれを見て目を見開く――先日までこの基地に居た有坂陽人がよくやっていたのと同じ動作、同じ仕草だったから。

 味方の識別信号は出ていたが、見たことの無い機体が気付くと福音の通路に鎮座するように居て、侵入者がこの通路に入った途端起動――現在に至ってやっとその正体がナターシャの中で判明した。

 自然と笑みが溢れるナターシャを、怪訝そうに見た少女は――。


「目障りだ。 ――先にお前から倒す」


 弾幕が薄くなった一瞬をつき、瞬時加速で間合いを詰めてナターシャへ攻撃を行った――だが、その攻撃を防いだのも隣の巨体だった。

 間近で見、少女は――。


「やはり貴様から倒さねば福音へはたどり着けない様だな」

「………………」


 手早くピンクに発光したナイフを抜き取り、巨体の首元目掛けて突き刺そうとする、だがそれよりも早く、目の前の機体は手のひらに握っていたナイフでそれを弾き飛ばした。


「……こいつ」

「…………」


 一瞬の切り返しの速さに、直感で少女は感じた――私以上の手練れだと。

 だがここで退くわけにもいかず、そのまま新たにナイフを抜き取り、瞬時加速の勢いと共に力押しで倒そうと考えた。

 そして、瞬時加速で目の前の機体と衝突――その衝撃に、ナターシャは壁へと吹き飛ばされた、だが――。


「なに……?」

「………………」


 瞬時加速を利用した攻撃すら機体を揺るがすことが出来ず、それどころか相手はそのまま力で此方を抑え込んでいた。


『スコール、問題が発生した』

『どうしたの、エム』

『現在交戦中だが、見慣れない機体が居る。 現状のどのISよりも出力等が桁違いだ。 ……映像を送る』


 そうスコールへと通信し、直ぐ様目の前の機体の映像を送るエム……だが、スコールから返ってきた返信は――。


『……ダメね、特殊なジャミング波の影響で映像が映らないわ』

『……どうすればいい? 正直、今対峙してる相手は少なくとも私以上の手練れだ。 機体の性能も含めて、このままでは――』

『危ないのなら退きなさい、今はまだ貴女もその機体を失うわけにはいかないわ』

『了解し――』


 そう通信を送ろうとしたその刹那、通路の床が轟音を立てて崩れ落ちた。


「っ!?」

「好き放題やってくれたな、『亡国機業』!」


 噴煙の中、新たに現れたIS。

 虎模様のISは直ぐ様戦闘体勢を取ると侵入者と見慣れぬ機体の両方に目をやると――。


「……どっちが亡国機業の機体だ? ……面倒だ、両方片付けて――」

「……待ってイーリ、そっちの機体は味方よ。 貴女も知ってる人……」

「……私も知ってる人? 誰だ? 一応味方の識別信号は出してるようだが所属不明機は撃墜するのが米国の流儀でな。 名乗らねぇならお前もアメリカに仇なす敵……だぜ?」


 握ったナイフが鈍く輝く――と、オープン・チャネル回線が開かれた。


『……カァーッ! せっかく黙って援護して立ち去ろうとしてたのにそりゃねーぜ、イーリスのお嬢ちゃん』


 声の主は男――その事実が、エムに新たな混乱をもたらせた。


「……!? 男……だと」


「この声――なんだ、あんただったのかよ。 それならそうと早く言えよな? 危うく国家代表として米国の恩人を撃墜する所だったぜ」


 声で誰だかわかったらしく、声色から緊張が消えたイーリスと呼ばれた女性は改めて青いISをターゲットロックした。

 一方の侵入者、エムは新たに現れたISと目の前の相手が男という事実に困惑の色を隠せずにいた。


「あんたが居るなら百人力だな。 ――その機体に関しては理由がありそうだから黙っててやるよ。 国家代表イーリス・コーリング、同じ釜の飯を食った仲間の不利になる情報は漏らさねぇからな!」

『ワッハッハッ! 流石はイーリスのお嬢ちゃんだな! ナターシャ、一旦下がれ。 少なくともさっきの衝撃で骨にヒビが入ってる様だからな』

「……えぇ、そうさせてもらうわ」


 何とか立ち上がったナターシャは、壁に手を当て、足を引き摺りながら奥の方へと邪魔にならないように移動した。


『……さて、亡国機業のお嬢ちゃん。 わざわざ八月から一ヶ月、俺はお前たちを待ってたんだ。 洗いざらい情報吐いてもらおうか? 自白剤とか使いたくないからお嬢ちゃんが簡単に口を割ってくれると俺も楽なんだが――』

「悪いがそう簡単に捕まるわけにはいかない」

『そりゃそうだな、簡単に捕まってたらFBIもインターポールもお前たちを直ぐに捕まえてるだろうしな。 ……じゃあお嬢ちゃんには痛い目にあってもらうとするか! イーリス! ナターシャを守ってくれよ!』

「仕方ねぇな、だが――アイツが逃げた場合は私が追撃するぜ? あんたじゃ、あの狭い通路は通れねえだろうしな」

『ワハハハハッ! でかいからな、こいつの成りはよ!!』


 二人で言葉のやり取りをしつつ、ナターシャを守るため防御体勢を取るイーリス――それを見て直ぐ様ツインアイが更に赤々と輝く。


「……チッ! 力で敵わないようならこれを避ける事は出来るか?」


 軽く舌打ちをし、ビットを展開しての一斉射撃――通路が青白く光る一瞬、狭い通路ではあり得ない速度で後退して距離を離し、射撃を回避すると開いたままのオープン・チャネルから声が届く。


『ワッハッハッ! お嬢ちゃん、そんな緩い攻撃じゃ俺を捉えられないぜ?』

「ならこれならどうだ」


 抑揚の無い声で呟き、右手に構えた長大なライフルとビットからの一斉射撃――それは真っ直ぐ突き進み、黒い機体へ迫る。


『おっと! そんな見え見えの攻撃――』


 右に避けた黒い機体――それを見て襲撃者の口元が邪悪に歪む。

 一斉に撃たれた粒子ビームが弧を描き、曲がると無防備な黒い機体の背面目掛けて直撃――そう思っていたエムだが、相手の方が一枚上手で、その攻々と左へのクイック・ブーストで避けきる。


「私のフレキシブルから逃れた!?」

『どうしたお嬢ちゃん? 今のがお嬢ちゃんの取って置きって奴だったのか?』

「チッ……」


 何度目かの舌打ち――実力が自分より上手だとわかっていても、心の何処かでそんな筈は無いと思う気持ちがエムから冷静な判断能力を奪いさっていた。


『お嬢ちゃんから来ないなら、俺から行くぜ? ――そらよッ!!』

「な――がはっ!?」


 一瞬だった――エムから距離が離れていた機体が、エムが認識した頃には眼前に迫っていて、強烈な加速力のついた体当たりで壁へと叩き付けられていた。



 だが苦しんでいる時間は無かった――叩き付けられてからの速攻で既に眼前に居た機体からの二本のナイフによる連撃。

 連撃の軌跡しか見えず、一撃一撃はナイフ故にダメージは軽いがそれを補う圧倒的手数――徐々に破壊されていく青い装甲、晒される生身の身体――放たれていたプレッシャーにエムは認めたくないが、心の中を恐怖が支配していく。


『エム! 退きなさい! 貴女もその機体も失う訳にはいかないわ!』


 繋がったままのプライベート・チャネルから通信が届き、目を見開くと同時にバイザーの一部が破壊された――。


『……!? お嬢ちゃん……その顔は……!?』

「……チッ」


 片手で破損したバイザーから見える顔を隠しつつ、閃光手榴弾が炸裂――その隙に脱出するべく来た通路を逆戻りし始めた。


「ッ! 逃がすかよ! ナタルは任せたぜ!!」

『……あぁ、イーリスのお嬢ちゃん。 追撃は任せたぞ』


 通路の先へと逃げたエムを追うように瞬時加速で通路を進んでいったイーリス。

 残されたのは破壊された通路の床と、そこに座り込むナターシャ、そして――有坂陽人の駈るPPS【黒夜叉】だけだった。


『ナターシャ、大丈夫か? 直ぐに見てやる』

「えぇ、お願いするわね? ――有坂さん……」


 機体が粒子化し、中から現れた有坂陽人が直ぐ様ナターシャの身体に痛まない様に触れるも、予想以上の身体ダメージが苦痛の表情を浮かべた。


「下手に動かさない方が良さそうだな。 だが、この怪我なら安静にしてれば直ぐに仕事に戻れるさ。 とりあえず衛生班が担架を持ってくるまで大人しくしてるんだぞ、ナターシャ?」


 ニッと白い歯を見せ、いつものように親指を立ててサムズアップする有坂陽人。

 そんな彼を見て僅かに微笑を溢しながらナターシャは――。


「……ふふっ、休む暇さえ無いのね、私には」


 目を細め、そう告げる。

 それに応える様に陽人の笑い声が通路に響き渡った。


「そりゃそうだ! ワハハハハッ! ……さて、一度ここを襲った以上、次に直ぐ襲撃するって事は無いだろう」

「そうね。 襲撃の事実は直ぐに米国本土全域に伝わるわけだから。 ……貴方は日本に帰るのかしら?」

「あぁ。 財団の意向で一月ここに居たが――中々悪くなかったぜ、お前やイーリス、基地指令の人や他の兵士含めてな。 ……死んだ戦友を思い出すぐらいにな」


 僅かに寂しげな表情を見せる陽人だが、それを隠すように苦笑いを浮かべて鼻の頭をかくと――。


「それにさ、向こうには家族が居るからな。 ――それよりも、あの襲撃したお嬢ちゃんの顔……」


 小さく呟く言葉に、ナターシャは首を傾げて見ていると――。


「……いや、よく見れば似てるだけだな。 ……何か秘密があるのかもしれねぇが……。 ともかく、日本に戻らないと。 もしかすると次の亡国機業の目標は織斑姉弟かもしれないからな」

「……話が良く見えないけど、そういう事なら早く戻った方が良いかもね? ……イーリも襲撃者を逃した様だし」


 持っていたチャネル通信機器からはイーリスの悔しそうな声が聴こえてきた。


「……まああのお嬢ちゃん、相当な腕の持ち主だからな! 気にする事はないさ、ワハハハハッ!」


 そんな高笑いがまたも通路に響き渡る中、ナターシャはそんな手練れ相手に圧倒していた有坂陽人の実力に米国が彼を敵に回した場合のツケは計り知れないものだと思った。

 まだ痛む腹部を撫でながら、陽人を見上げると――。


「……息子さんによろしくね? あの子にも、福音の件ではお世話になったから」

「おう! ナターシャが逢いたがっていたって伝えるぜ、ワハハハハッ!」


 本日何度目かの高笑いが響く――通路の向こう側からは駆けてくる複数の足音――やっと衛生班が来たのだろう。

 そう安堵の溜め息を溢すと、ナターシャはそのまま気を失った。


「ありゃ? ……全く、眠り姫が眠りについたって訳か」


 念のため脈を測る陽人、それと同時に通路へ現れた衛生班。


「は、陽人殿? 何故ここにいらっしゃるのですか!? 私はてっきり先日この基地での任務を終えて帰国したのかと――」

「おぅ、ジャックじゃねぇか。 少し胸騒ぎがしてな、一応皆に別れの挨拶をした手前、また現れるのも変だと思ってな。 安心しろよ、ちゃんとお前たち米国のトップとナンバー2の了解は得てここに居るからな」

「それなら安心いたしました! では、ナターシャさんは我々が運びますので――おい、担架の準備だ」

「「イエッサー!!」」


 敬礼をすると、直ぐ様担架を組み立て、ナターシャの身体を痛まない様に息を合わせて担架へと乗せた。


「……じゃあなジャック。 怪我人多いと思うが、無理するなよ?」

「イエッサー! 陽人殿、またこのイレイズドへやって来た時にはまた共に食事をとりましょう!」

「おぅ!」


 そう力強く応えると、陽人は急いでその場を立ち去っていった。

 基地の惨状は凄まじく、今回の襲撃だけで基地の修復には日数と人手、それに費用がかかるだろうとジャックは思った。


「……また基地指令の頭を悩ませる事になりそうだ」


 そんなジャックの呟きは、通路の向こう側――『銀の福音』が封印されている通路の奥へと消えていった……。 
 

 
後書き
結果は長くなった

有坂陽人久しぶりの出番

モッピー知ってるよ。
第六巻ってモッピーが大活躍するって事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
   /    ) \
  /  | | //ヽ ヘ
  |  ハ | /イ | |
  レ |/ レ| N\|||
  /| |≧ ヽ|≦ |||
 / ヽ|゙    ゙|/ /
 \_(ヽ  ̄ /⌒)ヽ
  / | T ̄ ̄| ヽ |
 / /ヽノ   \_ノ|
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