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ひぐらし 幸せ満し編

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第1話「新たなる世界」

 
前書き
 梨花ちゃんが死んで、違う世界に飛ばされたお話です。まだ、エロ要素はありませんが、見てください。一応、梨花視点です。 

 
「・・・・・梨花!」

 ・・・どこからか声が聞こえる。聞きなれた声である。・・・また、違う世界に飛ばされたのだろうか?
 あの祭囃しのカケラで、最後のカケラなんだから、巻き戻しもできないんでよう。それなら、寝かせてほしいものだ。

「いつまで寝てるの、梨花!」

 少し、怒られたので、目を開けようと思った。少し、眠いので、目をこすりながら起き上がる。

「・・・お母さん?」

 私の目の前に母がいた。羽入には巻き戻す力が残っていないと言っていたので、必然的にあの世あたりだろう・・・か?それとも、まだ力が残っていたのだろうか?

「ほら、梨花・・・、早く起きないと、沙都子ちゃんと美代子ちゃんが迎えに来るわと」

「みぃ・・・、分かったのです」

 沙都子が迎えに来るってことは、昭和55年あたりか・・・、美代子・・・、どこかで聞いたような名前である・・・
 布団を外に干しといて、制服に着替える。少し眠いので、洗面所で顔を何回か洗い、ちゃぶ台の前に座る。母との食事は久しぶりである。少し、料理が美味しい・・・。これなら、私でも食べれそうだ。母にあることを聞く。

「みぃ、お母さん。今日って何月何日ですか?」

「えーと、6月1日よ。変な梨花ね」

 昭和何年の6月か知らないが、綿流しまで2・3週間程度である。また、誰かが死ななければいけないのだ・・・。百年間、何回もやり直して、自身の両親や沙都子と悟史の両親を助けられていないが、別に死んでほしいとは一度も思ったことはない。いくら百年を旅した魔女でも、冷酷ではない・・・。それどころか、助けたいと思っている方である・・・。
 私はそんなことを考えながら食事が終わる。私は洗面所で、歯を綺麗に磨いた。こう見えても、一度も虫歯になったことがない。歯を磨き終わると、丁度良く歯磨きが終わったあとに、迎えに来た。

「梨花(ちゃん)・・・、迎えに来ましたわ(来たよ)」

「みぃ、分かったのです」

 私たち3人は、学校まで歩く。美代子と沙都子は話している。金髪仲間で、何か縁があるのだろうか?そう思っていると、沙都子が話してきた。

「梨花、何か悩みでもありますの?いつもなら、梨花も話しに参加するのに・・・」

「みぃ、大丈夫なのです。少し、考え事をしていただけなのです」

 適当に答えておいた。沙都子の言うとおり、何か悩みがないわけではない。悩みというなら、羽入が見当たらないことである。どの世界でも、過去に巻き戻しても、羽入と一緒であるが・・・、前の世界で、黒幕の鷹野に射殺された。
 羽入の話しが本当なら、過去に巻き戻す力が本当になく、死後の世界の可能性もある。もしくは、奇跡的に私だけが違うカケラに移れたこともある。そう考えていると、雛見沢分校に着く。私たちは教室に入り、沙都子と美代子はトラップの準備をする。この世界では、美代子って言う子も手伝うらしい・・・。私は彼女たちを眺めていた。
 トラップを付け終わると、数分後にレナ達が来た。レナ達は相談しているみたいだ。圭一の話し声が聞こえてくる。数多の世界で、私の両親が綿流しの日に死ななかった世界も存在していた。多分、この世界もその類いだろうか?

「見え見えの罠だな。引き戸の上に挟んだ黒板消し。・・・見え見えだぜ!沙都子!!」

 さすがの圭一もあのトラップには気がつくはずだろう。だが、それはカモフラージュに過ぎない。本命のトラップはまだ隠されているからだ。

「お見事、圭ちゃん!・・・こりゃあ今回は勝負あったかな?」

「・・・いや、相手は沙都子だ。これだけとは思えない・・・・!」

 圭一は転校初日から壮絶なトラップコンボを見舞われている。流石に慎重になるだろう。沙都子のトラップは複数の罠を多彩に組み合わせ、本命の罠へ誘う誘導や、連続でヒットさせる連鎖系トラップ等がある。沙都子の親友の私でも、分からないトラップを、圭一が回避できるわけがない・・・。

「じゃあさじゃあさ、ガラガラって開けて落としちゃえばいいんじゃないかな・・・?」

「それだ!」

 流石の圭一も気づいたみたいだ。圭一の注意を上に引きつけ、引き戸に手をかけさせることには気がついたらしい。引き戸には、手をかける部分にガムテープと画鋲で、恐ろしい罠が仕掛けられている。だけど、圭一・・・、まだまだ百点満点ではないわよ。

「見事なコンボだ沙都子!だが所詮はガキの浅知恵だったな!」

 圭一は勝利を確信し、画鋲の仕掛けられていない部分に手を掛けてガラリと扉を開いた。そして眼前を黒板消しが落ちるのを見届けて、教室に飛び込んだ。
 圭一の足に縄跳びを足に引っ掛け、綺麗に転んでいく・・・。

「圭ちゃん、避けてっ!!」

 魅音の鋭い声に、圭一は反射的に身をひねって床に倒れる。

「・・・・・ぃてて・・・てっ!?」

 圭一の転ぶ予定地点に墨汁の入ったすずりが置かれているのが、本命のトラップよ。圭一が身を捻らなければ、圭一の魚拓が完成していたわね。

「あらあらこれはこれは、おはようございますですわ圭一さん。朝から賑やかですわねー!」

 無様な格好で倒れている圭一を、沙都子は小馬鹿にしている。

「一段とスペシャルなトラップワークになったじゃねえか、沙都子!!」

「あらあら。私(わたくし)、何のことかわかりませんわよ。朝からついていませんねぇ」

 圭一は、転んだ時に腰を捻ったみたいだ。妙な角度に転んでいたからね。仕方ないわね。私がいつもの圭一にしている事をするか。

「・・・・圭一の痛い痛いの、飛んでいけなのです」

「あ・・・・あぁ、ありがとな。梨花ちゃんのおおかげで痛みが引いてきたぜ」

「わぁ~、梨花ちゃん、おっはよ~ぅ!」

「・・・・レナにおはようございます。みんなもおはようございますです」

 取り敢えず、私はぺこりと頭を下げて挨拶した。表の梨花では、こうでもしないとダメだからである。そうしないと、レナに勘付かれるからだ。

「梨花ちゃんはいい子だよなぁ・・・。それに比べて沙都子・・・!!」

 圭一は沙都子を睨みつける。沙都子は口笛を吹きながらわざとらしく目線をそらしていた。

「私、いい子でございますのことよ?」

「いい子はこんな凶悪な罠は仕掛けないぞ!」

「言い掛かりでございますわぁ!何の証拠があって・・・ふわっ!」

 圭一は沙都子の後ろ襟を掴み上げ、軽く持ち上げていた。それは、猫を持ち上げるような姿である。

「ごめんなさいって言ってみろ。言わないならぁ・・・・!」

 圭一は右手でデコピンを作り、沙都子のおでこにデコピンをしようとしていた。私は圭一を止めようとした瞬間、見慣れた人物が圭一の肩を掴んでいた。

「むぅ、やめなよ。圭一。さすがにやりすぎだよ」

「そうですよ。圭ちゃん、流石に私の可愛い妹に手を出すなんて、最低ですよ」

 え、何で悟史がいるの・・・・。どの世界でも、悟史は昭和57年に失踪する。ほんの少しだけであるが、悟史が失踪しなかった世界も存在したが、ハッキリ言って最悪な世界である。その世界は、叔母殺しに部活メンバーのほとんどが協力した世界である。まさか、この世界もその類なの・・・!?

「あのなぁ、悟史、最初にやってきたのは、沙都子のほうだぞ。お仕置きが必要だろう」

「むぅ、確かに沙都子も悪いところがあるけど、圭一はやりすぎだよ」

 圭一は悟史に注意されるが、引き下がらなかった。だが、悟史も引き下がらない。沙都子は詩音と悟史の背中に隠れて、アッカンベーとしていた。それが、圭一を更に怒らせた。

「圭ちゃん、引き下がらないと、出るとこ出ますよ」

 そう言うと、詩音はスタンガンを取り出す。流石の圭一も分が悪いと判断したのか引き下がる。数分後に知恵が来たみたいである。

「はい皆さん、朝のホームルームを始めますよ!!おしゃべりはおしまいです!委員長、号令!」

「「「おはよーございまーす!」」」

「着席~!」

 いつもの朝だった。少しだけ違ったのは、始まるのがほんの少し遅れたことだ。時間に几帳面な知恵は、いつも決まった時間ぴったりに教室にやってくるが、今日は珍しくほんの少し遅れた理由を理解する。

「新しい転校生の古手羽入さんです。今日から皆さんと一緒にお勉強することになりました」

 私の止まっていた運命の歯車が回り始める。
 
 

 
後書き
 次回、部活がスタートします。エロエロ有りの部活です。どうぞご期待~ 
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