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空虚で無気力な青年が異世界で新生活~改訂中~

作者:Rabbit
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第13話 決闘

翌日、ついにモーブとの決闘の日。

今日のことも考えて、昨日はノイとヤッてない。

歯止めが効かなくなるだろ。俺も若いから。

ノイはまだ幼いせいか、マンコの締まりがすごいんだよ。

たまに、俺のが引きちぎられそうな時もある。

それはさておき、モーブとの決闘は街の外でやることになった。

街の中にはそういう場所は無いので、必然的に外だ。

立ち会い人として、ギルドの人に来てもらった。

ギルド受付をしているローゼさんにお願いした。公正な人間が必要だからな。

「よく逃げずに来たね」

眠ぃ……。あと2、3時間は寝たいところだ。

今は、午前9時くらいかな。

自然とあくびが出る。

「僕の話を聞いてるのかい?」
「いや、まったく」
「……」

おーっ、目に見えるくらいイラついてるな。流すとかしろよ、ガキじゃあるまいし。

せいぜい余裕を失ってろ。

「そんなことより、1つ提案があるんだが」
「提案?」

昨日考えていたとおり、金貨を上積みしてもらおうか。

「俺が勝った時の金貨なんだが、倍の100枚にしてくれないか?」
「何?」
「俺はあんたと違って、まだまだ弱くてな。仕事があんまり出来ないんだよ」
「ふふん、そうだろうな。貴様はE、僕はB。当然だな。いいだろう。100枚にしてやろう」

バカだな、こいつ。扱いやすくていいけど。

「よろしいですか?では、シュトラーセとモーブ・プッパーの決闘を始めます」

……プッパー?

プッパー……。くっくっくっ……。

「ルールは相手が気絶、あるいは降参したら勝利です。くれぐれも、重傷になるような攻撃はしないように。では、始め!」

プッパー……!!はははははっ!

「行くぞ!」

くくくくっ!

って、うぉい!

「余所見とは余裕だな!」

えっ、始まったの?

あまりにも予想外すぎる名前で笑い過ぎてしまった。

その結果、合図の声が聞こえなかったようだ。

まあ、それなりに頑張りますか。

「僕には勝てないということを教えてあげるよ」

張り切ってるねぇ。そりゃそうか。これで勝ったら、念願のクラインとの2人旅だからな。

俺はある意味、枯れてるからな。そういうのは何かなぁ……。

俺は空間に手を突っ込み、空間魔法で収納していた日本刀を取り出す。

「なっ!空間魔法だと!?ランクEの貴様が、そんな魔法を!」

さて、やりますか。

俺は身体は、常時発動している各部の筋力向上によって飛躍的に上がっている。

そのため、たかが数mの距離は簡単に詰めることが出来る。

「なに!?」

俺はモーブの懐に入ると、身体を沈ませ剣を顔目がけて振った。

だが、モーブは上体を反らして避けると、持っていた両刃の剣で薙ぎ払ってきた。

俺は強化された脚力で地面を蹴り、モ-ブと距離を取る。

「ふふん。その程度の攻撃、僕には当たらないよ」

ふむ、なるほど。よくある噛ませ役の雑魚キャラかと思ったが、ランクに見合う実力は持っているようだ。

油断は出来ないな。俺の実力なら尚更だ。

「今度は僕の番だ」

モ-ブは駆け出すと、俺との距離を詰めるべく向かって来る。

俺もモ-ブを迎え撃つべく駆ける。

「はぁっ!」

互いの武器がぶつかり、火花が飛び散る。

魔法で補正されているとはいえ、地力に差があるか。押し込まれる。

俺はじりじりと押されている状況をそう判断すると、モ-ブの剣を受け流す。

そして、左脚でモ-ブの右足の太ももを踏み台にして跳ぶと、身体を大きく捻った後で右足の蹴りを振り下ろす。

モ-ブはすぐに戻した剣で防ぐが、それでも衝撃はそれなりのはず。

俺、昔サッカー部だったこともあってか、手より足が先に出るんだよね。

足の方が力もあるし。殴ったら痛いし。

どうでもいいことを頭の隅で考えながらも、俺の攻撃は終わらない。

身体を捻って放った蹴り力は未だ止まらず、さらに身体が回転する。

その力を再び利用し、今度は左脚の踵落としを喰らわせる。

これも再び剣に命中。威力はさっきのも合わせると、相当な威力のはずだ。

……多分。

「くっ!」

モ-ブは呻き声を上げると、俺の攻撃によってフラついている。

その隙を、逃すわけにはいかんな!

着地の寸前、俺は持っていた剣をモ-ブに向けて投擲した。

「なっ!」

モ-ブは驚きながらもすぐに動くと、俺の投げた日本刀を弾く。

まだまだ投げるぞ!

俺は着地すると同時に、ナイフを差しているベルトへと両手を伸ばす。

両手にそれぞれ2本ずつ持つと、同時にモ-ブへと投擲する。

投擲すると同時に、俺は走り出す。

「ちっ!」

モ-ブは日本刀と同様にナイフを弾くが、ナイフは囮。

本命は別だ。

俺は地を蹴るとモ-ブへと跳びかかると、同時に手甲に仕込んでいたブレードを首元に突き付ける。

「それまで!勝者、シュトラーセ!」

勝っちゃったぜ、おい。やっぱり、モブはモブってことか。

俺は立ち上がると、驚いた顔をしているクラインとノイの下へと歩いて行く。

蹴りの後の踵落としは、俺も予想guyだったんだけどな。

けどまあ、上手くつながって良かった。

「凄いニャー、シュトラーセ!強いニャ!」

ノイが純粋な、真っ直ぐな目で俺を見上げてくる。

あっ、眩しい……。

「驚いたぞ、シュトラーセ。まさか勝つとは……」

思ってなかったんかい、お前は。

「く、くそぉーっ!!」

振り返ると、モ-ブが悔しそうに表情を歪めていた。

モ-ブは誰かが――仲間か?――持ってきた袋を受け取ると、俺に向かって投げつけてきた。

が、届かない。…ダサっ!

仕方なく取りに行くと、重いな。袋を開けてみると、金だった。

ちゃんと約束は守ってくれたか。

「や、約束だ!クラインは諦める!本当は好きじゃなかったらいいけどな!覚えてろー!!」

………。

もう何て言っていいのか。

いや、ツッコムのは止めよう。あいつは変な奴。それでいいや。

俺はモ-ブに投げつけた日本刀を空間魔法で再び収納し、金貨の入った袋も同じように放り込む。

失くしたら困るし。スラれても困るし。しかし、意外と律儀な奴だった。

俺は金貰ったから、クラインのことは好きにしたら良かったのに。

まあ、もうどうでもいいか。

「シュトラーセ。お腹減ったニャ」

俺も小腹が空いたな。

「じゃあ、何か食うか」
「ニャ!」

何か考え事をしているクラインと一緒に、俺たちは街へと戻った。

っていうか、ノイ。

やっぱり俺の背中にぶら下がるんだな。いや、いいけどね。

大分金も入ったし、これで当分は仕事しなくていいか。

ビバ、ニート!

そして、ノイと快楽の世界へ!昨夜しなかった分を取り戻そう!
 
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