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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第546話】

 
前書き
更新遅れぎみ&短めで申し訳ない 

 
 各アリーナの復旧作業が急ピッチで進む中、比較的被害の少ない第六アリーナの復旧が完了した。


「うぉぉおおおッ!!」


 第六アリーナ上空に轟く声の持ち主は織斑一夏、その手に持つ刀には白亜の光刃を纏わせて対戦相手に果敢に斬り込む、そしてその対戦相手は――。


「甘いな、そんな猪突猛進な攻撃が私に届くとでも?」


 瞬時加速による肉薄からの袈裟斬り、その剣閃を見極めて横へと避けたのは最近転入してきたエレン・エメラルドだ。

 元のファング・クエイクからは似ても似つかない程に偽装されていて、両肩には大型の可変シールドバインダー、背部スラスターも可変式で空戦時には大きく展開。

 腰には追加ブースター、足回りにもニークラッシャーを追加され機体色も自身の髪の色と同様のエメラルドグリーンに変更されていた。

 右手に持つ異形のスレッジハンマーとサイドスカートにはショットガンとショートアサルトライフルが担架されている。

 横へと避けたエレンの強烈な横スイングによるスレッジハンマーの一撃が一夏の絶対防御を軽々と突破した。


「ぐぁっ!?」

「どうしたのだ? 噂ほどではないのだが……君の実力はこの程度のものなのかい?」

「ッ……! まだまだぁッ!!」


 再度接近戦を行う一夏、翳した左手からは最大出力の荷電粒子砲を零距離で放とうとする。


「最大出力を零距離で? ……君はそれが当たると本気で思っているのかい?」


 その言葉通り、零距離射撃を容易く避けたエレン、チャージに時間の掛かる攻撃は誰が見ても容易に避けられただろう――一撃の重い攻撃=隙が出来る。

 担架したショットガンを左手に構え、荷電粒子砲の一撃を回り込むように避けつつ、散弾の雨とスレッジハンマーの苛烈な一撃が叩き込まれた。


「ぐっ……ぅあっ!?」


 苦悶の表情を浮かべる一夏、スレッジハンマーの一撃は装甲で受けたとはいえ内部ダメージまでは軽減されなかった――一撃の威力が絶対防御を貫いたからだ、それも装甲越しに。

 エレン・エメラルドがスレッジハンマーという武装を選んだのも全ては有坂ヒルト対策だろう――強固な装甲に阻まれても、それを上回る一撃を与えれば彼に一矢報いる事も出来る。

 無論、仄かに好意を抱き始めてる男性に攻撃をするというのは抵抗はある、嫌われないかどうか少しちらつく――だが、今目の前に対峙してるのはブリュンヒルデの弟である織斑一夏だ。

 一戦交えてエレン自身、彼の実力不足を痛感していた――幾らなんでも動きが単調過ぎる、報道されている実力とは明らかに違っていた。

 雪片から白亜の光刃が形成され、振るう一撃をかわしつつ、攻撃を行うエレン――。


「君は隙がありすぎる、もっと直線的ではなく多角的に動くんだ」

「ッ……うぉぉおおおッ!!」


 言葉が届いてない訳ではない、だが一夏自身古い考えの持ち主であり、男は女を守るもの――現状は守るではなく守られる側になってる事実が無意識にあるのかもしれない。

 直線的な動きを見切り、背面へと強烈なスレッジハンマーの一撃を浴びせる――そこで試合終了のブザーが鳴り響いた。

 一方その頃、学園にある特別医療室。

 腹部に受けた銃創によって風邪をひき、大人しく寝ている更識楯無の看病をする有坂ヒルト。


「こほっこほっ。 ひ、ヒルト君……風邪、移っちゃうから――」

「ん? 大丈夫ですよ、馬鹿は風邪をひかないって言うじゃないですか」


 笑顔でそう告げるヒルトに対して申し訳無く思うも、嬉しさのあまりに顔が綻ぶ楯無――ふと見るヒルトの整った横顔を見るとかぁっと熱が上がる。

 モテる彼をからかうのが好きだった自分――だが、そんな彼に気付くと強烈に惹かれていた楯無の心。

 ぞっと唇をなぞる――先日交わした唇の感触が蘇ってくる――。


「楯無さん? どうかしました?」

「え、えぇっ!? な、何でもないわよ、あはは――こほっこほっ!」

「ほら、無理せず大人しく横になってないと。 最近は楯無さんへの生徒からの襲撃がないとはいえ、弱ってる時を狙われる可能性があるんですから」


 生徒会長の座を狙う生徒からの襲撃はここ最近はない、無論ヒルトが知らないだけでわりと隙あらばと謂わんばかりに襲われるのだが全て返り討ちにしている。

 だが流石に弱ってる状態で襲われるのは勘弁願いたい――チラッと上目遣いでヒルトを見、無意識に言葉を紡いだ。


「ヒルト君……何かあっても……君が守って、ね……?」

「ん? ……出来る範囲内で、ならね」

「え――あ、あはは……」


 無意識に紡いだ言葉、その言葉の問いかけに答えたヒルトにまた顔を赤くする楯無。

 ドキドキと高鳴る鼓動を抑えるように、布団被る楯無に、ヒルトは僅かに笑みを溢して窓から射し込む夕焼けを眺めるのだった。 
 

 
後書き
今週の水曜日が仕事ラストだから更新できたら更新したいと思います

楯無さんが……( ´艸`) 
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