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居場所を奪われし少年は異世界を目指す。

作者:ATEMU!
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第二章「学園の悪魔達と猫の姉妹」
  第1話「学園の悪魔(生徒会編)」

「はぁ……」

学園へと向かう道で何故俺が溜め息を吐いているかというと……

「~♪」

「……」

俺の腕を抱きしめながら歩いている真紅と黒巳の2人が原因だ。
悪い意味で有名人であろう俺が急に美少女2名と一緒に登校してきたのが信じられないのか、それとも唯単に真紅と黒巳が美少女だからか周りからの視線とひそひそと聞こえる(その割にはハッキリと聞こえず何て言っているかわからない)声のせいで精神的に参っちまうぜ……

「あら?美少女2人と登校なんて羨ましい状況ね」

「ああ……桐生か……おはよう」

校門を潜った辺りでちょうど登校してきたとこなのか後ろから桐生が声をかけてくる。
何時もなら嬉しいと思うが今はそれどころの問題じゃない。
周囲の視線がきつ過ぎる……

「で?その2人は誰なわけ?」

「ああ、右の背の高い方が従姉妹の真紅で左の背の低いほうが同じく従姉妹の黒巳だ。2人とも昨日から家に来ていて今日からは学園に通うことになってるんだ」

「従姉妹ね……あんた、従姉妹なんていたのね……私は兵藤の友達で桐生藍華よ。よろしくね」

桐生が俺の両隣の2人に自己紹介をすると2人も自己紹介(ただし俺の腕に抱きついたまま)を始める。
ちなみに2人が従姉妹だとは母さんと2人で決めた設定だ。
いや、だってさすがに正直にドラゴンだなんて言えないだろ?

「一誠の従姉妹の兵藤真紅だ。今日からこの学園の3年生になる。こちらこそよろしくだ」

「我、兵藤黒巳。よろしく」

元々接しやすい桐生の人柄もあってか途中まで女子3人は会話しながら歩いてたんだが意外とすんなり真紅と黒巳の2人は桐生と親しくなっていた。

「それじゃあ、俺達はこれから用事があるから桐生は先に教室に行っておいてくれ」

「了解。真紅さんも黒巳ちゃんもまたね」

途中で桐生と別れた俺達は真っ直ぐ生徒会室に向かって歩き始める。
何故生徒会室に向かっているかだが、「駒王学園の上層部は全て悪魔やその関係者(現魔王の血縁までいるらしい)だから後からイザコザが起きないように最初に会って話をしておいた方が良い」とリリンに言われたので現魔王の妹である支取蒼那会長のいる生徒会に行くことになったんだ。
オカルト研究部の部長であるリアス・グレモリー先輩も現魔王の妹らしいがあそこには神城がいるのと性格的にこういう話し合いは冷静な蒼那会長の方が適任だと判断しこうなった。

コンコン

「はい」

「2年の兵藤です。入っていいですか?」

「話は聞いています。どうぞ入ってください」

「……失礼します」

生徒会室に辿り着きノックをすると中から蒼那会長の声が聞こえたので確認をすれば許可も出たので3人で生徒会室へと入って行く。
中には窓側中央の席に蒼那会長が1人で座っていた。

「兵藤一誠君に兵藤真紅さん、それに兵藤黒巳さんですね?初めまして、生徒会長をしている支取蒼那です。どうぞ、空いている席に座ってください」

「は、はい」

蒼那会長に言われるままに俺が空いている席に座ると両隣に真紅と黒巳の2人も座る。
ちょうど会長と向かい合う形だ。

「現魔王であるお姉様からは兵藤君は神器所有者で裏の世界を知る人間で兵藤さん達2人は強力な力を持ったドラゴンだと聞いていますがあってますか?」

「え、ええ」

ん?真紅や黒巳が最強クラスのドラゴンだってことは知らされてないのか?

「会長、真紅や黒巳の正体って知ってるんですか?」

気になったので聞いてみると会長は難しい顔をしながら口を開き

「そのことについてもすでに聞いています。真紅さんが真なる赤龍神帝で黒巳さんが無限の龍神であり兵藤君の神器は赤き龍神の力を宿していると……これも事実なのですよね?」

「はい」

「そう、ですか……お願いがあるのですがよろしいでしょうか?」

お願い?

「一誠を悪魔にしようとしているのなら諦めろ。神器に目覚める前ならともかく神器に目覚めた今では限りなく不可能に近い」

「無理矢理するなら我が全力で阻止する」

え?悪魔にするってどういうことだ?
人間が悪魔になるなんて可能なのか?
話についていけず頭の中で混乱しいるとそれがわかったのか会長が丁寧に説明してくれた。
どうやら【悪魔の駒】とかいうアイテムを使うと悪魔以外の種族を悪魔に転生させることが出来るらしく、悪魔の一部(上級悪魔と呼ばれる階級の悪魔)は悪魔の駒を使って眷属を作り【レーティングゲーム】とかいうチェスをイメージしたゲームを行っているらしい。

「会長もその悪魔の駒ってのを持ってるんですか?」

「ええ、現生徒会役員は全て私の眷属なのです」

おぉ……てことは学園は見ず知らずのうちに悪魔に支配されていたってことか……

「ちなみにリアスのオカルト研究部も全員がリアスの眷属です。最近では赤龍帝である神城君を眷属にしたと言っていましたね」

「赤龍帝?」

また知らない言葉が……

「赤龍帝、ドライグのことでアルビオンのライバル」

「アルビオンのライバル?ということはヴァーリのライバルってことか?神城が?」

「その神城とかいう奴が赤龍帝なら白龍皇であるアルビオンを宿すヴァーリという奴のライバルだな」

アルビオンの名前が出てきてまさかとは思い聞いてみるとそのまさかだった。
ていうかアルビオンを宿している奴は白龍皇って言うのか……
じゃあ、ヴァーリは白龍皇ってことなんだよな?

「白龍皇はすでに目覚めているのですね……それも貴方方の知り合いとは……」

「えーと、赤龍帝とか白龍皇ってそんなに凄いんですか?」

「そうですね……真紅さんに黒巳さん、兵藤の君の神器に宿っている竜の主である赤き龍神よりは下になりますがそれでも世界で上位に入るほどの強さを持っているドラゴンです。二匹合わせて二天龍と呼ばれています」

二天龍ね……なんかかっこいいな……

「ちなみに言うと俺、黒巳、ケツァルコアトルは一部の神々に三神龍と呼ばれていた時期があったな」

おお!それも格好いいな!

「よし!俺達は今度からそう名乗ろうぜ!」

「一誠がそうしたいなら俺は構わない」

「我もそれでいい」

2人もいいって言ってくれて良かったぜ!

「ふふっ……3人とも仲がよろしいのですね」

うっ……会長が一緒にいるのを忘れてた……

「先ほど言っていたお願いに関してですが……3人には生徒会に入っていただきたいのです」

「「「生徒会?」」」

俺達が生徒会に入る?
会長は本気で言ってるのか?

「別に眷属になる必要はありませんので生徒会役員となり生徒会や悪魔の仕事を手伝って欲しいのです」

それならいいのか?
確認の為に真紅と黒巳を見たら2人は黙って頷いてくれた。
たぶんだが「生徒会に入ってもいい」ってことでいいのか?

「まあ、生徒会に入るだけなら……」

「ありがとうございます。では、今日の放課後から生徒会に参加してもらっても構いませんか?実は先日眷属になったばかりの子がいるので彼の顔合わせをする予定だったのです。ついでなどと言っては失礼かもしれませんがまとめてしてしまおうと思うのです」

「はい。放課後に生徒会室に来ればいいんですね?」

「はい。それでは授業もありますし一度解散しましょう。真紅さんと黒巳さんは一度職員室へと向かっていたきたいので私について来てください。兵藤君はこのまま教室へ……」

その後は会長の指示通りに俺は教室へ会長、真紅、黒巳の3人は職員室へと向かっていった。
とりあえずは放課後に生徒会室だな。
 
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