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WHITE ALBUM 2 another story ~もう一つのWHITE ALBUM~

作者:冬馬 凪
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とめどなく降り続ける雪
  とめどなく降り続ける雪[後]

 
前書き

~登場人物紹介~

*アフターストーリーの内容を踏まえずに書いています。なので公式と多少食い違うところがございますので、ご理解の方よろしくお願いします。
(coda終わった後のお話です)


山村 深夜(やまむら しんや)

 大学三年生
元天才ピアニスト。昔ピアノをやってて、あるコンテストに出場したとき一人の天才少女に出会い、彼女の演奏を聞いた彼は自分との実力の差に絶望し、ピアノをやめる。
そして2年前の天才少女の出したCDのファイナルナンバーを恋愛に聞かされて、またピアノを弾き始めた。


椎名 恋愛(しいな れいあ)

大学三年生
 歌手を目指し、駅前で路上ライブをしているところを深夜と出会った。


菜畑 心(なばたけ こころ)

大学三年生
 恋愛の幼馴染で、深夜の同級生。
あることがきっかけで男が嫌いになる。(父や弟は大丈夫)


北原 春希(きたはら はるき)

 開桜社に勤める編集者。仕事も順調であるが編集長にコキ使われる。


北原 雪菜(きたはら せつな)
 
 春希の妻で、ナイツレコード広報担当。たまにライブハウスで歌っているらしい。

冬馬 かずさ(とうま かずさ)

 天才ピアニスト。しばらくウィーンを活動の拠点に置いていたが近々日本に帰ってくるらしい。
 

 

「と、というか何でここにいるんだよ!!」

俺は思わず絶句する。なんでこいつがここにいるんだ・・・

「私だって、別にバイト先被りたくなかったよ!!」

彼女はそう言うと、俺に近寄ってきた。
急に動いたせいか、ギンガムチェックのエプロンに、緑の短いスカートが揺れる揺れる。

普段ボーイッシュな服を好んでいるせいか、女の子ぽい服装を見たことを一度(・・)しか見たことなかったので少しばかりこちらも恥ずかしい。

そして、彼女は俺が目線を逸らしたことに気づいたのか、頬が少し赤くなり、後ろを向いた。


きっと、彼女も知り合い(一応)にこんな姿を見られたくなかっただろうと。

「まあ、あれだ、俺も気にしないから・・な??」

「わかった。けどじっと見るなよ・・・ばか。」
彼女はスカートの裾を手で引っ張り少しでも露出部分を隠そうとしていた。

今までキャンパス内、同じ講義で見たとき、また少しだけ関わったあの時のどれもとは違う彼女が俺の前にいた。

「ちょっと、仲がいいのは構わないけど、こっちも回らなくなってくるから早くしてねー」

すぐさま俺は秋華さんの言葉に反応した。

「仲良くないです!」
「仲良くはありません!!」

すると隣からも同じような返答が聞こえた。

「ほらね」
さすがに返す言葉がなかった。





「飲み込みが早いな。ほかにバイトやってたのか?」

「まあねいろいろとね。レジ打ちぐらいはどこも一緒だし」

「そうか、ならこの店、独自の事を教えれば特に教えることはなさそうだな」

「あの時みたいだな。」

彼女は不意につぶやいた。たぶん俺に聞こえないようにだったと思うが。

「そうだな。」

別に彼女との付き合いは正直ないに等しい。
一緒に遊びに行く仲でもなく、連絡先を知ってるわけでもなく、昼食は・・数回一緒に食べたな。

ただ単位を落としそうな女の子をある運命の巡り合わせで助けただけに過ぎない。

俺と菜畑 心という人物の関係は、そうそれだけなのだ。


すると、彼女の声が話しかけてきた。

「2組来るけど、どうする??」

俺はまだ彼女に子供用のスプーンの位置や、お子様セットなどの説明をしていなかったので、捌きやすい方のお客様に向かわせることにした。

「じゃあ俺は家族連れを、菜畑はあっちの2人の男性客の方を禁煙席なら3番テーブルに喫煙席なら16番テーブルで頼む」

「私、家族連れの方をやる」

「そうか、分かった。テーブルはさっきの通りの所でいいから他に分からないことがあったら聞いてくれ」

あまりの即答だったのでちょっとびっくりした。




ホールから帰ってきた新人バイトはまるで戦場から命からがら逃げてきたそんな表現がよく似合う状態だった。

「お疲れ様です」

「これからもよろしく頼むよ~こころちゃん♪」

「・・・はい」

初日とは思えない働きに秋華さんも喜んでいたが当の本人はかなり疲れ切っている様子だった。
そういう俺も今日は普段よりも疲れたのでさっさと帰ろうと思った。

「じゃあ自分も上がります。お疲れ様でした。」

すると気が付いたように声を張って、秋華さんが話す。

「深夜くん、こころちゃん駅まで送ってあげてね♪夜道は危ないしね??」

俺はため息をついた。だが事実、既に日は落ちたとえ大通りを歩くとはいえ一人は危ない。しかも、こんな可愛い(黙っていれば)子を夜の酔っぱらいや、ナンパ目的のチャラ男に目を着けられる可能性だって十分にあり得る。しかも疲れてるし道端で倒れられても困る。
俺は再びため息をつく。

「じゃ・・行くか」

「そうだね・・・頼むよ」

俺と菜畑は駅に向かって歩き出した。



その後しばらく無言が続き、気まずかったので俺は閉ざしていた口を開いた。

「それにしても驚いたな・・・まさか菜畑がうちのバイトに来るなんて」

すると無言だった彼女も先ほどの状況は流石に気まずかったのか、返答を返してくれた。

「私のほうこそびっくりだよ。大学からも家からもあえて遠いところを選んだのに」

「それなら名新屋は失敗だな。特にうちの所は上が映画館だから名大生(めいだいせい)(名新屋大学生)もたくさんくると思うぞ」

「そうだね」

「それにしてもなんでバイト始めたんだ・・・?」

そして俺は彼女の返答を言いかけるよりも早く、言うか迷っていた余分な一言を付け加えた。

「ティシュ配りのバイトだけじゃ資金が足りなかったのか??」

すると彼女は今日であってすぐよりも顔が真っ赤に染めあがっていた。

「まさか気づいていたの!?」

先ほどまで見せていた疲れの面影など顔から跡形もなく消えていた。

「あぁ、何回かな。一番最近はサンタのコス・・・痛っ!!何するんだよ!」

「もういいバレてることは分かったから・・もうそれ以上言うな・・。こっちだって恥ずかしい」

彼女はそういうとそっぽを向いてしまった。サンタコスの事は特に禁句らしい。

「すまんすまん。もうこれ以上言わないから」

少しの間をおいて彼女は返事をした。

「・・・そうしてくれ」

まだ彼女は恥ずかしそうにしてこちらと目を合わせてくれない。
俺は普段とあまりにも違う彼女の側面が見れてなんだが嬉しかった。
他の連中がこんな姿みたら卒倒するだろうなと思うと少し笑えた。
思い出したかのように、とっさに思ったことを口に出した。

「にしても、スカートとか似合うのな」

俺は笑って彼女の方を見た。
すると、彼女はまたそっぽを向いてしまった。

「笑うな!」

彼女は怒った口調で言ったが、別段本気で怒っているわけでもなくどこか吹っ切れたのか、そのあと彼女も笑っていた。

「菜畑、お前笑っている方がいいぞ」

「余計なお世話だ」

そういうと俺も彼女も再び笑っていた。

そんなたわいもない雑談をしているとあっという間に駅前まで着いてしまった。

「それじゃあな、菜畑」

彼女は無言で、駅の方へすたすたと歩き出した。しかし、改札口の少し手前で立ち止まり、俺の目の前に駆け寄ってきた。

駆け寄ったせいか、少しばかり息が上がっていた。だが何かを伝えようとしていた。

「こころ・・・。心でいい。またよろしくな深夜。」

彼女にとっても意識していなかったであろう上目遣いは不覚にも俺をドキッとさせ、無意識のうちに彼女と目を合わせないようにしていた。

「ああ、またよろしくな。」

俺は斜め右上に向いた視線を意識的に戻して彼女に対して手を振った、すると彼女は大きくはないものの手を振り返してくれた。

そんな些細なやり取りが止まっていた俺たちの関係に雪解けをもたらしたかのように感じた。

彼女が改札を過ぎるのを確認すると俺も自分の乗る電車の改札口へと向うために一旦外に出るとそれに伴って雪が降り始めた。

降り始めた雪は止むことなど知らず絶え間なく、とめどなく振り続けた。







私は先月分の血と汗の結晶のバイト代を使うべく名新屋駅前でショッピングを一人謳歌していた。

もちろん一人で行く気はなかったのであらかじめ、大学の友達や心にもお誘いのメールを送ったけど、みんなバイトなど用事があって誰一人と暇な人はおらずこうして一人寂しく買い物を楽しんでいた。

両手にいっぱいの紙袋はちょっぴり重たく猫の手も借りたいぐらいだった。

そういえば心が今日からこの辺でまた新しいバイト始めたって言ってたから、心の手を借・・・心のバイト終わりを待つことにした。

私は左手首に身に着けた腕時計をちらっと見ると、そろそろバイトの終わる時間だったので、電話を掛けてみた。

コール音は数回鳴りまもなく留守番電話へと切り替わった。

待っていればそのうち会えるよね・・・??私は少し疑心暗鬼になりつつも心を名新屋のハチ公こと金時計の前でしばし待つことにした。


5分ぐらいすると私の視界に心らしき人物が見えた。私はかけていた伊達眼鏡を外し、まじまじと心らしき人物を見る。
あながちその人が持っていた鞄は心のお気に入りのものの色違いだった。
心ではないことに落胆する。

まだかな・・・・。

駅構内とはいえ扉の近くで待っていると、一人の寂しさと相まって扉からかすかに漏れてくるわずかな隙間風でさえも一層寒く思えてくる。

それから割とすぐに、駅へと向かう集団の中に再び心らしき人物を見かけた。
私はその人の鞄を確認すると、心のものと完全に一致した。

駅へと向かう人混みに紛れる彼女を見失わないように私は地面に置いていた紙袋を手に取り、小走りで追いかけた。

「心ー!!こころー!!!!」

私は人混みに流されながらも、一生懸命心に聞こえるように呼びかけたが、彼女は気づく様子がない。
ふと見ると、彼女は横を見て話しているので私はその相手を見た。
バイトで出来た女友達かな・・・??
だが予想とは裏腹なことに、傍らには一人の男性がいた。

始めはただ不満を漏らした。
とっくに男性恐怖症など克服して私よりも大学生になって早く彼氏ができているということだった。
なんだ彼氏いるならそう言ってくれてもいいのに・・・。
教えてくれなかったことに不満を呟く、だけど本心は嬉しかった、自分のせいで男性恐怖症になってしまった彼女が普通の女の子として男性の隣に居て仲睦まじく会話しているのだから。

私は心がどんな人を選んだのか気になって心に追いつくことをやめて遠めの斜め後ろから覗いてみることにした。

さぁ、どんな人なのかなー!?わくわくで頭がいっぱいだった。
だが、私はその人の顔を見るなり頭が真っ白になり、持っていた紙袋を手から離した。

「おい!止まるな危ないな!!」

「すみません・・・・」

通行人に怒鳴られても、何も頭に入ってこなかった。

「なんで、あの人がいるの・・・」

その最近はしっかり慣れ親しんだ顔。最初の一言にはびっくりしたけど、私を、REIとしての私を認識してくれたあの人...。ちょっぴりの短い時間だけど一緒に帰り道を歩いて彼の話を聞いて、私の話をして。
そんな私にとってのちょっと特別な人。
だけど彼は私の親友の隣にいて。



私の携帯電話が鳴りだし、応答のボタンを押し私は耳に近づけた。

「もしもし??心だけど、ごめん恋愛!気づかなかったんだ」

「いいよいいよ全然。名新屋で買い物してたから一緒に帰ろうかなって思たけど。先に帰ったから大丈夫。心こそ一人で大丈夫??」

「私はバイトの友達と一緒に帰ったから大丈夫だったよ」

「そっかならよかったよ。」

「うん。それより恋愛の方が暗いけど大丈夫??」

「大丈夫大丈夫。そういえばさーーーーーー」

私は最後に心とのある約束をして電話を切った。

心・・・。なんでだろうね・・・。私はどうすればいいのかな・・??

その後も私はその場にただ立ち尽くすことしかできなかった。




3月8日

聖夜の夜から始まった月に2回、第2水曜日と第4水曜日に行われる楽しみも今日で6回目となった。

最初に比べてギャラリーも段々増えてきて、その期待に応えるかのように彼女の歌にも磨きがかかってきた。

俺はいつも通り、バイトを終え、その帰り道にあるセブンテンというコンビニで100円のコーヒーを買って、大きな人型の人形”ナノちゃん人形”のあたりへと向かう。

その場所へ着くと、彼女はライブの準備に勤しんでた。
とはいってもアコースティックギターのチューニングと折り畳み式の椅子を設置するだけなのだが、この折り畳み式の椅子が不良なのか開くのが難しいのだ。

俺は彼女に声をかけた。

「REIさんこんばんは。今日も寒いですね」

「あ、深夜くんこんばんは。天気予報によると雪降るかもしれないみたいですよ」

「そうなんですか。なら雪降る前にやらないと・・・ね??」

そう言って俺は彼女の持っていた椅子を渡すように手で合図して、慣れた手つきで椅子を開く。

「いつもごめんね!!でも今週新しいの買うんだっ!」

「いいですよ、女の子が開くには力が足りないでしょうし。こういうのは男の仕事ですから」

「よしっ!じゃあ始めますか!!」

俺は少し下がり彼女のライブの開始を待った。


「REIです!!今日は途中から雪が降るみたいですよ~。私、REIは冬や雪に関する歌をよくカバーするんですが、今日はオール雪や冬曲にしたいと思います。時間が許す限りお聞きください」

俺は拍手をすると、周りのお客さんも拍手をしだした。

「では聞いてください。Twinkle snow」

彼女が歌いだすと周りの通行人は足を止め、その一部の人は引きつけられるかのように彼女の周りに集まってきた。

彼女の歌はただ磨きがかかっているのではない、人を惹きつけ、聞いた者は引きつけられるそんなような魅力があるのだ。

それはかつての、森川由綺(もりかわゆき)緒方里奈(おがたりな)のような有名な歌手、無名ではあるが”届かない恋”や”時の魔法”を歌っている歌手たちと同様に。


彼女はこちらを見ながら歌っている。目がはっきりとあった。その目にはまた切なさがあった。
だが以前の切なさとは何かが違う気がした。


〈そっと、今夜見つけた恋をする気持ちに雪が降り積もる。きっと明日にはまた泣きそうな気持ちを見つけられるのかな〉

すると彼女の視線が俺から誰かへ変わっていることが分かった。俺は彼女の目線の先の人物を見た。

その意外な人物の正体に俺は言葉も出なかった。









私は以前電話で、3月の第2週の水曜日にライブに来るように恋愛に頼まれた。
私は特に予定もなかったので承諾した。前回はほとんど曲を聞けなかったので楽しみにしていた。

私はライブが始まるまで名新屋から地下鉄南山(なんざん)線で2駅先の(さかい)から星城(せいじょう)線に乗り換えて1駅、累計3駅離れた弓場町(きゅうばちょう)にいた。

「やばっ!もうすぐ恋愛のライブ始まっちゃうじゃん!久しぶりにベース買換えるための下見とはいえ時間を忘れるほど見てしまうとは」

私は慌ててエスカレータを駆け降りて、時計を見ると19時35分。あと25分で開始というギリギリな時間だった。

私はすぐ名新屋へと向かった。


乗り換えの兼ね合いがよく、ちょうど電車が来たのでライブ開始前に着くことができそうだった。私は弓場町で買った恋愛の好きなパンが入った紙袋を片手に持って鼻歌交じりに駅前を駆け抜けていった。

私は再び時計を見ると19時55分と結果的に5分早く着くことができた。

ストリートライブがよく行われる場所に着くと私は恋愛の姿を探した。

すると今日は一組・・恋愛だけみたいだったのですぐに見つけることができた。

えっ・・・・・!?

私は目を疑った。

なんでお前がここにいるんだよ・・・・

私は二人が仲良く話しているを見て、咄嗟に近くにある柱の後ろへ二人から見えないように隠れてしまった。

恋愛の初めてのファンってあいつの事だったのか・・・。

でもあいつは私の初めのーーーーーーー。

この複雑な気持ちのやり場がなく、私は結局ライブ前に二人の話しかけることができなかった。







「えっ・・・・・。なんでお前がここにいるんだよ」

「深夜だって何でここにいるんだよ」

この時ばかりは歌さえ耳に入ってこなかった。

「私はただ親友の歌を聴きに来ただけ」

俺は何となく察してしまった。この信じがたくも、運命的な状況に。

「なら今は歌を聴こう。俺も心もそのためにここにいるんだから」

「うん」

彼女は最低限の返事を返すとそのあとは歌に聞き入ってた。

〈輝く、今年見つけたたくさんの気持ちに雪が降り積もる、きっと春にはまた、新しい私が芽吹き始めるから〉

彼女の歌に合わせるかのように予報よりも早く雪が降り始めた。

〈今年より、もっと輝いた私を見せれますように〉

3月 それは春を迎える季節。雪解けの季節。
そして季節遅れな雪は普段とはまた違った雪解けをするのだろう。

〈ヒラヒラと降りだす空を見上げては雪が優しく、キスした〉

WHITE ALBUMの季節を締めくくるかのような時間だった。







「で、二人は大学の同級生ってわけね」

時間はライブ終了から既に1時間が経過し、場所は変わって地下街の喫茶店。
雪が降り始めたため、ライブは中断。
俺たち3人はとりあえず話をしようとなったのだ。

「にしてもすごい偶然だね!!」

「確かにそうだねえっと・・・」

俺は彼女の呼び方に困っていた。歌手名で呼んでいいものなのかと。

「ああ私は本名、椎名 恋愛っていいます!!いままでどおりREIって呼んでも恋愛って呼んでもいいよ!!あと、もう敬語は禁止!今、友達になったんだから、ね??」

「そうだな。これからもよろしく・・・レイ」

「うんうん!それでよし!で心はさっきからなんで黙ってるの??」

「そりゃあさっきあんな事言い出すんだから」

「じゃあもう一回言うよ??深夜くん、心、私と一緒にバンド組んでくれないかな・・・??それも本気で歌手デビューするつもりで。」







同時期 御宿のカフェにて

「春希君~!かずさっていつ帰ってくるんだっけ??」

「確か日本でのコンサートが7月にあるから6月には来ると思うけど、あいつ連絡の一つもよこさないから」

「まあ、かずさらしいけどね」

「確かに」

俺と雪菜は笑っていた。

「そういえば最近、いい歌手いないから私に歌手になれってプロダクションの知り合いがいうんだよ??私はインディーズのライブだけで十分なのに。それか、いい子いたら紹介してだってさ」

「ははは・・・雪菜も大変だね」

「もう!!他人事みたいに言わないでよ!?私はそろそろ育休取る気で一杯なんだからね??」

「そうだな。」

俺は彼女のお腹のあたりを擦る。俺と彼女はもうすぐ父親と母親になる。今日、薬で陽性反応が出たのだ。

「楽しみだねあなた・・・名前は何にしようね??」

彼女の顔は笑顔で満ち溢れていた。








とめどなく降り続ける雪[後] (終)



















 
 

 
後書き
みなさんこんにちは。冬馬凪です。

今回もお読みになっていただいてありがとうございます。

1話も終わり、話の大筋が見えてきたのではないのでしょうか??
三人の出会い、そして物語、関係はスタート地点に立ちました(若干フライングしている気もしますが)
この後はどうなるのか。原作から誰が登場するのか?楽しみにしていてください。

次回の更新はきっと、きっと雪が解け始めるころになるかと思われます。それまでに原作を周回していてくださいねw

というわけで今回はこの辺にさせていただきます。

情報の不適切、誤字脱字、感想、評価等気軽にしていただければ幸いです。
感想はtwitter(@kirasinonlove)だと返し早いかと思います。

では次回 第二話 どうして?? でお会いしましょう さようなら。

最後までご覧になっていただいてありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。 
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