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空虚で無気力な青年が異世界で新生活~改訂中~

作者:Rabbit
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第14話 失敗?

 
前書き
久し振りの更新です。

前半、ちょっとクラインが壊れます。

後半、ちょっとした伏線です。
ショボイですけどね。
 

 
クライン side

決闘が終わった夜。私は宿の部屋に居た。

売り言葉に買い言葉のような感じで決まってしまった、シュトラーセとモ-ブとの決闘。

決闘が決まったしまったことには、シュトラーセに悪いことをしたと反省した。

嫌々やるのかと思っていたが、意外とシュトラーセは前向きだった。

私に借りを返すためだったらしい。

借りと言っても、食事を奢ったり宿代を払ったぐらいだ。

私はランクCなので、1人には充分と言えるぐらいのお金は稼いでいた。

だから、それほど痛い出費でもなかったし、あれは私が好きでしたことだ。

掴みどころがなくて意地の悪い奴だと思っていたが、意外と義理堅いところもあるようだ。

決闘の結果、意外にもシュトラーセはモ-ブに勝ってしまった。

いや、勝てないとは思っていなかったぞ?勝率は低いだろうとは思っていたが。

やはり、シュトラーセの秘めたる実力は高いだろう。

シュトラーセが勝ってくれたお陰で、もうモ-ブが来ることは無いだろう。

あいつ、しつこい奴だったから、私は飽き飽きしていた。

結果的には良かった。

この件も含めて、シュトラーセには改めて礼を言わねばいけないな。

隣の部屋からは声は聞こえないが、まさかまた取り込み中ではないだろうな。

私は部屋を出て隣に部屋を取っているシュトラーセの部屋に向かう。

ちなみに、ノイは迷うことなくシュトラーセと一緒に居る。

まあ、背中にぶら下がっていたからな。

部屋を数度ノックすると、中からシュトラーセの声が聞こえてくる。

恐る恐るドアを開けてみると、2人は窓際の椅子に背を向けて座って何かしているようだった。

「クラインか。どうした」

何故、私だと分かったのだろうか。

まだ何も言っていないんだが。

「話があるんだ」
「ノイ、後は頼む」
「ニャ」

何しているのだろうか。いや、それはいいか。

「立ってないで、座ったどうだ?」
「ああ」

シュトラーセに促され、私はすぐ右隣にあった椅子に腰を下ろした。

シュトラーセはベッドに座った。

「改めて礼を言いたい。お前のお陰で、もうモ-ブに付きまとわれることもないだろう」
「そのことか。気にするな」

気にしないわけにはいかない。

世話になったのに、礼を言わないのは私の矜持に反する。

「それでもだ。それでも、礼を言いたい。ありがとう」
「律儀だな」
「頑固とは言われるが、律儀と言われたのは初めてだ」

騎士学校時代は、友人からは頑固や頭がガリニュウム鉱で出来ているとか。

ちなみに、【ガリニュウム鉱】というのは非常に希少な鉱石で、強力な魔法剣を打つのに絶対に必要と言われているもので、世界最強の硬度を持つと言われている。

後半部分は、本当かどうかは知らないがな。

「俺は借りも返すことが出来たし、金も手に入った。一石二鳥だ」
「一石二鳥か」
「俺は人の好意を受けるのは好きだが、受け続けるのは嫌だからな。そこまで深く考えるな」

私はこの男を、少し誤解していたのだろうか。

人の話は聞かないし、意地が悪いし、エロエロな奴だと思っていた。

だが、それを表に出さないだけで、本当は……。

「それに100枚も金貨が入ったから、しばらく仕事をしなくても問題無い」
「台無しだ、バカ者が!」

せっかく、せっかく見直したところで、こいつは……。

「シュトラーセ!終わったニャ!」
「終わったか!どうだった!」

そういえば、2人は何か作業をしていたんだったな。

一体、何を。

「ちゃんと100枚あったニャ!!」

そう言ってノイが見せたのは、金貨。

金貨がちゃんと100枚あるか数えていたのか!!

「そうか!これで、しばらくはゆっくりできるな!」
「やったニャー!」
「数えるのも終わったことだし、さあノイ!昨日の分を取り戻すぞ!今日は寝かさないぞ!」
「ニャー♪」

シュトラーセはノイを抱きかかえると、ベッドへと飛び込んだ。

こ、こいつら……。

「ん?クライン、まだいたのか。話は終わっただろ。それとも、見たいのか?」
「恥ずかしいニャー、クライン!」

せっかく褒めたのに、本当は良い奴だと思ったのに……。

「本当に台無しだ!」

私は踵を返すと慌ただしく部屋を後にすると、素早く部屋に戻りドアを閉めた。

・・・2人は、今日もするのだろうか。いや、もうシテいるかもしれない。

幼いノイと大人のシュトラーセ・・・・・・。

・・・いかん、鼻血が出そうだ。考えるのは止めよう。

もう寝るとしよう。そうしよう。

私は服を脱ぎ、下着姿になる。今日は少し暑いから、丁度良いだろう。

・・・違和感を覚え、私は右手を股間へと持っていく。

「んっ・・・」

下着越しに陰部に触れると、ねっとりとした感触があった。

明らかに濡れてしまっている。・・・・・・。

私は欲望のまま、人差し指の腹でクリトリスを擦る。

「んっ・・・!」

すると、全身に今まで感じたことが無い快感が身体中に走る。

クリトリスから再び指をずらし、濡れまくっている部分を指で押す。

「ここに・・・シュトラーセの太いのが・・・」

シュトラーセのが・・・・・・。って、ハッ!!

「私は何を考えているんだー!」

私は我に返ると、邪念を振り払うべく壁に頭を打ち付ける。

「邪念よ去れー!欲望神ケスカトリポカめーっ!!シュトラーセもだー!!」

何度も頭を打ちつけたため私はいつの間にか気絶してしまい、気付いたら朝になっていた。

クライン side end






翌日、朝目が覚めると非常に腰が痛かった。

まあ、当然か。

昨日は結構ヤッたからな。口1、パイズリ2、マンコには抜かずに4だからな。

後半あたりになると、ノイはほとんど意識無かったし、白目も向いて涎も流していたほどだ。

途中でギブもあったが、ネバーギブアップの精神で俺は続けた。

今は反省している。すまん、ノイ。

部屋の窓を空け、風を操り空気の入れ替えをする。

創造魔法で造ったタオルで汚れをふき取ると、朝食を食べるため1階に下りる。

ノイは当分起きないだろうから、寝かしておくことにする。

いつも俺たちが朝食を食べるテーブル席には、すでにクラインが座っていた。

だが、何故か額が赤くなっている。何だ?

「どうした?」
「何がだ」
「いえ、別に」

睨まれた。何故だ。何かしたか、俺。

いや、何もしてないはず。

まさか!さては、生理か?・・・なら仕方ない。

席に着くと、給仕の女性に1人分の朝食をいらないことを告げる。

「シュトラーセ。これからのことについて提案があるんだが」
「何でしょうか、サー!」
「? 何だ、それは」
「気にするな。で?」

朝食を運んで来てくれた女性に礼を言い、朝食を食べながらクラインの話に耳を傾ける。

「そろそろ別の街に行かないか?」

別の街か。そうだな・・・。

この街にも、もう1週間くらい居るのか。

金はそこそこあるからこの街に居てもいいんだけど、ずっと同じ街って言うのもつまらんな。

俺が前世から求めているのは、変化だ。

変化のない人生はつまらないよな。

「行くアテはあるのか?」
「以前、護衛の仕事の話をしただろう?」
「ああ」
「護衛の仕事をしつつ、別の街を目指すのはどうだ?」

なるほどな。

まあ確かに、金は増えて困るものじゃないよな。

可能な時に稼ぐのは良いことか。・・・俺にしては殊勝な考え方だ。

「じゃあ、後でギルド行くか」
「そうしよう」

それからは言葉を交わすことも無く朝食を食べ終わり、2人でギルドへと向かった。

ギルドに入ると、一直線に依頼の張られている掲示板へと歩いて行く。

護衛の仕事は、と・・・。

結構あるな。当然だけど、知らない名前ばっかだ。

報酬も銅貨7枚から銀貨5枚まで。

安いのは、行き先が近いからかな?

俺の隣では、クラインも護衛の仕事をじっくりと見ている。

俺が見るより、クラインが見た方がいいか。

「失礼。依頼を出したいのだが」

声がしたので振り返ると、中年の商人風の男が受付のローゼさんに話しかけていた。

紳士って感じだな。・・・裏は分からんが。

何気なく男を見ていると、男を目が合った。

男は一瞬視線を隣に居るクラインへと向けると、再び俺に視線を向けた。

「彼らの実力はどうかな?」
「彼ら?・・・あのお2人ですか。そうですね、充分だと思います」
「それはそれは」

男は受付から離れると、小さな笑みを浮かべながら近付いてくる。

俺の意識が別に向けられていることに気付いたのか、クラインが振り返る。

「突然で申し訳ないが、君達に護衛の仕事を頼みたい」
「行き先はどちですか?」
「【アンラ・マンユ】」

俺の問いに男が答えた瞬間、クラインの表情がわずかに曇る。

いや、苦々しいと言った方が正しいか。

「ここから、どのくらいですか?」
「そうですね。馬車で急げば3日、ゆっくりと行けば5日といったところだろうか。どうかな?」

クラインを横目で見ると、小さく首を振っている。

言わなくても良い。俺も気持ちは同じだ。

遠そうだから、却下!

「お断りしま「報酬は金貨4枚だ」引き受けましょう」
「おい!」
「それは有り難いね。急で申し訳ないが、今日中に出発したい。昼の鐘が鳴る頃に、西門で会おう」

男はそう言い残すと、踵を返して急ぎ足でギルドを出て行った。

「おい、シュトラーセ!何故、引き受けた!」
「困っている人は助けるべきだろう!」
「お金に目が眩んだだけだろう!」
「当たり前だ!」
「威張るな!」
「そんなに褒めんなよ」
「褒めてない!!」

クラインの肩が大きく上下し、俺を下から睨みつけている。

本来なら、上目遣いならば可愛いはずなんだがな。

クラインがすると、何故か怖いな。

「・・・はぁ。引き受けてしまったものは仕方ない。手続きしよう」
「クライン。【アンラ・マンユ】ってどんな街だ?」
「・・・【万能都市アンラ・マンユ】。商業都市より人が集まると言われる街だ」

それだけなら、クラインの表情が曇った理由にはならないな。

「別名、あらゆる商品がある街と言われている。すべてがな」

どうやら、良いものだけがあるようじゃ無さそうだな。

クラインの様子からすると、道徳的に良くない。

思いつくのは・・・奴隷かな?

断定は出来ないが、あの男もその関係かねぇ・・・。

1つ気になるのはあの男、隣に居たクラインを俺と知り合いだとすぐ気付いていた。

俺たちのことを「彼ら」と言ったからな。俺たちが知り合いということを確信していた証拠だ。

腑に落ちないのは、俺とクラインはギルドに着いてからは話していないってことだ。

となると、ギルド以外の場所で俺たちを見たってことになる。

監視でもされてたのか?

嫌な予感しかしない・・・。こりゃ、失敗したか?
 
 

 
後書き
アンラ・マンユはゾロアスター教の悪神で、絶対悪と表されているようです。 
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