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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第449話】

 
前書き
またまた遅れた('A`)

仕事すると毎日アップは無理だな('A`)

とはいえ、少しずつは書いてますが( ´艸`) 

 
 鳴り響く着信音、携帯電話の画面には親父のニカッとした笑顔の画像がでかでかと映っている――親父からだというのを分かりやすくする為にやったのだが、やってみると案外鬱陶しい気がする。


「お兄ちゃん、お父さんから?」

「え? あぁ、何だろうな――もしもし」


 美冬と未来は互いに顔を合わせ、何だろうといった表情を浮かべている。

 俺も要件が気になり、電話に出ると開口一番――。


『よぉ、ヒルト! 今明日からの準備してるんだが、暇なら手伝ってくれよ!』

「明日からの? ――あぁ、確か学園の警備だっけ?」


 親父の言葉に、織斑先生が言ってた事を思い出す――とはいえ、警備の強化に親父だけを投入なら、まだ足りない気もするが。

 ……まあ、PPS(パーソナル・パワードスーツ)がある上での決定だろう――というか、たまに特別講師としての実践訓練にも参加するらしいし、この間一回参加してたからな。

 機体性能云々は、ISとPPSの差はどれだけあるのか、或いは拮抗してるのかはわからないが少なくとも親父の実力は半端じゃないのは分かる――福音戦何かは、あのまま完封するのではないかという実力と性能を見せたのだから。

 そんな俺の考えを他所に、親父は言葉を続ける。


『おぅ! 学園の警備もそうだがお前たちの実践訓練での模擬戦闘の指導もあるからな! っても、俺は喋れないから、対戦して学ぶしかないんだけどな! わははははっ!』


 いつもの様な豪快な笑い声が聞こえ、耳がキーンっと鳴る。

 親父の笑い声が聞こえたのか、美冬も未来もクスクスと笑みを溢していた。


「手伝ってくれって話だけど、今俺達――美冬と未来、俺で何処か買い物行こうって思ってたんだが――」

『む? 妹を含めての両手に華だとーっ。 わははははっ、相変わらずモテモテだな、ヒルト! まあいいから手伝えって! 序でに美冬にも未来ちゃんにもなっ! じゃあ待ってるからな!』

「え――ちょ、ちょっと――」


 通話が切れる音だけが耳に届く、仕方ないので携帯を閉じると、ズボンのポケットに携帯を突っ込んで二人へと振り向くと俺は――。


「何か、親父が明日からの準備を俺達に手伝ってくれないかって連絡があったんだが――」

「私は構わないよ? 今回貰った服、家に置いておきたいし」


 そう言ってモデルの時に着た服が入った手提げ袋を見せる未来、美冬も――。


「だね。 服は悪くないんだけど、これ一着だけ貰ってもねー。 組み合わせ次第だけど、クローゼットパンパンになっちゃうし。 手伝いって何するかわからないけど、美冬は大丈夫だよー」


 女の子だから基本的にクローゼットには洋服類等が無数になるのだろう、俺なんかは制服やらジャージ、後は外行き用の服がそこそこで半分ぐらいしか埋まってないし。

 とはいえ、二人ともOKらしく頷くと俺達はレゾナンスに併設された駅へと向かった。

 それから暫くして隣の駅――つまり、俺達の家がある街へと降りるとその足で自宅のある商店街通りを抜けていく。

 商店街のアーケード天井には様々な絵が描かれていて、日の光が燦々と射し込む造りになっていた。

 商店街も、隣のレゾナンスに負けないぐらいに活気に満ちていて、商店街が打ち立てたどの店でも使えるスタンプカードが項をそうしてる様に思える。

 人波を掻い潜る俺達三人、そのまま商店街を抜けて歩いていくと河川敷へと出て橋を渡っていく。


「風が気持ちいい……」


 未来の言葉に振り向く、美冬も未来も髪が風で靡いていてドキッとさせられた。

 秋とはいえ、まだ暑い日もあったりするのでこのぐらいの風なら確かに心地いいかもしれない。

 河川敷下ではサッカーボールを蹴る子供の姿が見える、父親らしき大人が居るので多分二人でサッカーの練習だろう。


「美冬、未来、行こうぜ? 親父が待ってるし」

「あ、そうだね」

「うん。 お父さん待たせ過ぎちゃうと怒るかもしれないし、何てね♪」


 下を小さくペロッと出した美冬、未来は微笑を溢しながら俺の隣へとやって来ると歩幅を合わせて俺達は家へと歩いていく。


「……みぃちゃんにも、お兄ちゃん譲ってあげなきゃね」


 そんな美冬の独り言が聞こえた気がした。

 そして歩いて数分後、自宅に到着すると未来は――。


「じゃあ、荷物を置いてくるね? あ、後、少しお父さんとお母さん二人と話してからだからちょっと遅れるかも――」

「ん、気にするなって。 親父さんやおばさんによろしくって伝えといてよ」

「うん、勿論だよ。 じゃあ、置いてくるねーっ」


 若干駆け足気味で家の隣――自分の家へと戻る未来は「ただいまーっ」の挨拶と共に玄関のドアを開けて中へと消えていった。


「美冬、俺達も家に――」

「うん。 ……お父さんいなかったら、このままお兄ちゃんとエッチしたいなぁ……なんて」

「ぶはっ!? し、心臓に悪いから変な事言うなよ、美冬!」

「へへっ、別に変な事じゃないもーん。 ……じゃあ、入ろう?」


 僅かに朱色に染まった頬の美冬、ドキドキと心臓が鼓動するのを抑えるように深呼吸すると美冬を連れて自宅のドアを開けて中へと入った。

 玄関には荷物が詰められた鞄が有り、多分親父の着替え等が入ってるのだと思っていると――。


「よぉ! やっと来たな、二人とも! ――って、未来ちゃんはどうした?」


 リビングから顔を出した親父が、未来が居ないことを不思議に思ったらしく聞き返してくる。


「みぃちゃんなら荷物を置いておじさんおばさんと話してからまた来るって」


 俺が口を開くのよりも速く、美冬が未来の事を告げると納得したのか親父は頷き――。


「そうか、せっかく未来ちゃんの綺麗な姿を見られるって思ったんだがな、後の楽しみってやつか! わははははっ!」

「ははっ……あんまり未来を変な目で見るなよ親父」

「なんですとーっ! この純真無垢なキラキラとした瞳の親父に言うことかー!」


 等と言いつつ、わざわざ目薬を差してまでキラキラと瞳を輝かせる親父に俺も美冬も苦笑しか出せなかった。


「わかったから、ていうか手伝いって何するんだ? 親父?」

「あ、とりあえず明日から俺も学園で生活するからな、その為の着替えやら何やらを鞄に詰め込んだはいいが、車まで運ぶのが大変でさぁ……。 後で借りてきた車を家の前に停めるから、その時に荷物を入れてくれないか? 他にも母さんから昔の設計資料のファイル全てを持ってきてくれって頼まれてるしな」

「まあ構わないけど――って、親父も寮に住むのか?」

「わはは、残念ながら警備員室に併設されてる仮眠室だ! とはいえ、家の部屋ぐらいのサイズはあるからな、飯も基本的に学園で食べても構わないってくつわ――じゃなく、学園長が言ってたからな!」


 家の中に響き渡る親父の高笑いに苦笑を溢す美冬、荷物を玄関先に置くと腰に手を当てながら――。


「了解ー、じゃあとりあえず玄関にお父さんの荷物を並べればいいのかな?」

「だな、でもちゃんと歩けるようにスペース空けないといけないぞ? 一応俺の荷物は後一つで、母さんに頼まれた設計資料を纏めるのが残ってるんだ。 そっちを俺とヒルト、美冬に後未来ちゃんが来たら二人で種類別に仕分けてくれると助かる」


 作業指示を出す親父にうんうんと頷く美冬、未来もそうだが――美春も居れば、もっとスムーズに済むかもと思ってしまう。

 ――まあ、今から呼んだとしても、まだ美春はモノレールの乗り方等わからないから途方に暮れて迷子になる可能性も否定できない。

 美春の事を思い浮かべていると、親父がパンッと手を叩く。


「それじゃあ、早速作業開始と行こうぜ!」

「わかった」

「あ、私先にお手洗いに行ってからね?」


 恥ずかしそうにそう告げ、タッタッタッと通路を駆けていくとトイレに入り、パタンッとドアが閉まると同時に内側から施錠する音が聞こえてきた、当たり前だが施錠を忘れると美冬にとっては恥ずかしい事態になりかねないし。


「じゃあヒルト、行くぜ?」

「了解」


 短い返事を訊き、満足そうに頷くと親父の後をついていった、改めて見た親父の背中は何と無く前よりも大きく感じさせられた。 
 

 
後書き
来週からまた大正区で店舗の改装、その次の週も改装が入ってるから遅れるかも( ´―`)

後、前話でこれと次ぐらいで原作って書きましたが、内容によってはまだ原作に戻らないかも(・ω<)テヘペロッ 
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