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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第451話】

 
前書き
超遅れた

申し訳ない 

 
『お兄ちゃん、みぃちゃんに変な事しちゃダメだからねっ』


 ――ついさっき美冬に言われた言葉が脳裏に過る、変な事をするとか言われても美冬が部屋の隣に居るのに不用意な事は出来ないと思う。

 窓から秋風が吹き込む、窓から自分の部屋を見ている未来の髪が鮮やかに靡いていた。


「……懐かしいね、去年までは私がヒルトを起こしにこの部屋に来てたのに、何だか随分昔の話な気がする……」

「ん? ……てか、今年の四月も起こしに来てただろ?」

「あ、そういえばそうだったね。 ……でも、今はあの頃みたいに私が起こさなくても、ヒルトが先に起きちゃってるから少し寂しいなぁって……。 なんてね」


 眉根を下げ、寂しそうな微笑みを俺へと向ける未来。

 靡く髪をかきあげる仕草と相まって、急に抱き締めたくなった俺は――。


「未来」

「え? ――きゃっ……!?」


 若干強引に左手首を掴み、引き寄せると体勢を崩した未来はすっぽりと俺の腕の中に収まった。


「ひ、ヒルト……?」


 恐る恐る顔を上げる未来、頬に赤みが射し込んでいて今にも真っ赤な完熟リンゴの様になるのではないかと思うぐらいだった。


「……何か、反則的に可愛く見えたからな、未来の事」

「へ? ――べ、別に私は可愛くなんか……し、シャルやセシリア、ラウラに鈴の方が私より可愛いし……」


 顔を見られるのが恥ずかしいのか、胸板に顔を埋めて俺からは表情を見られないようにした。


「……うーん、未来は自分を卑下しなくてもいいんじゃないか? 中学の時だって、結構男子から告白されてただろ?」

「ぅ、ぅん……」


 控え目に返事をする未来の髪を優しく解く様に撫でつつ、そのまま口を開いて言葉を紡ぐ。


「容姿もそうだが、未来って男子からも女子からも敵は殆ど居なかっただろ? 性格的にも、男子からは魅力的に映ってたからこそ告白されたんじゃないか? まあ、俺としてはあの頃はかなりやきもきしてたがな、ははっ」


 言いながら当時の事が脳裏を過る、学校での【男女別恋人にしたいのは誰か?】とかの新聞部の企画投票では男子の部門では成樹が、女子の部門では未来が選ばれていた。

 他には男子ではサッカー部のエースやらが常連に列なっていて、たっくんや信二の二人は一票も入ってないって事で屋上で「チクショーッ!!」って叫んでた記憶がある。

 女子の部門は美冬は勿論ランクインしていて、他だとチア部面々が列なっていた記憶があった、チアリーディング部のコスチュームが可愛かったからか、結構な女子の数が居た気がする。

 ……俺に関してだが、確か【二票】入っていて、当時はそれで騒がれていた――というのも女尊男卑の昨今、俺も色々言い過ぎたのと成樹を守ってたのも相まった結果、学園女子の殆どから総すかんを食らって村八分みたいな扱いにされたからだ。

 それから俺は女子が苦手に――とはいっても、七月にたっくんや信二に話した通り中学時代の女子が苦手ってだけで今の学園の子にはそこまで苦手印象はない。

 ――というか、あったらラウラやセシリア、シャルやティナと【あんな事】は出来ない筈だし。

 当時の事を思い出し、口数が減った俺を不思議に思ったのか未来が声をかけた。


「……ヒルト?」

「あ、悪い。 ちょっと中学の頃を思い出しててな」

「そ、そっか……。 ……んと、ヒルト? ……私も、ね。 告白受ける度に、ヒルトに誤解させてないかなって……不安だったんだよ? ――あの頃の私、ヒルトに素直になれてなかったから……だから、ね、その……ぅぅん、何だか上手く言葉に表せられないや。 えへへ」


 困ったように眉根を下げて笑う未来、舌を小さく出す茶目っ気さを見せた。


「……未来、あんまりそんな表情他の奴に見せるなよ」

「え?」


 一瞬きょとんとした表情を見せる未来、だが少しして小さく頷いた。

 それを見た俺は、反射手に左手で未来の頭を優しく撫でる。

 また頬に一段と赤みが差すも、心地良さそうに瞼を閉じて未来は俺の手の感触を楽しんでいた――と。


「……ヒルト? 美冬ちゃんがさっき言ってたけど、変な事してたら怒られちゃうよ?」


 抱き締められたままの未来がそう言いつつ、チラチラとドアの方を見つめている。


「ん? ……ハグして頭を撫でてるだけなら変な事じゃないだろ? ――変な事ってのは、さ」

「……え? ――キャッ!?」

「こういう事を言うんじゃないか?」


 疑問符を頭に浮かべた未来、その一瞬の隙をついて俺は未来をベッドに押し倒した。

 一瞬何が起きたのかを理解できず、目をぱちくりさせ、何度も瞬きを繰り返す――だが、自分が置かれた状況を理解すると、さっき以上に顔が赤く染まり、瞳が潤み始めた。


「ひ、ヒルト……? だ、だめ、だよ……? こ、こういう事って……け、結婚してからじゃ――そ、それに、美冬ちゃんが部屋の隣にいるし、お父さんも、ね……?」


 言いながら俺の胸板に手を当て、力弱く押し退けようとする、だが本気で押すわけではないようだ。


「……まあ確かに美冬がいるしな。 親父だってそろそろ戻るかもしれないし」

「じゃ、じゃあ……誤解される前に、止めよ……?」


 口ではそう言う未来、だが何処か見つめる眼差しは期待の色が見え隠れしている。

 そこで俺は考えが過り、それを言葉にした。


「……止めてもいいのか未来?」「ふぇ……? ……ぇ……と……」


 今の言葉で頭が真っ白になったのか、困ったように視線が泳ぐ――と。


「……え、ぇっちな事は……だめ、だよ……? き、キス……だけ、ね……?」


 言ってから瞼を閉じ、小さくアヒル口を作ると未来はキスを受け入れる体勢になった。

 ある種の同意と思い、躊躇う事なく未来と唇を重ねる――さっきの撮影の時の事を思い出したのか、一瞬ビクッと身を震わせる未来。


「ん……んんっ……! ん……アッ……んふ、ぅ……!」


 何度か啄む様な口付けを交わし、その後舌を未来の咥内へと侵入させるとさっき言ってた『えっちな事』という考えが一気に頭の隅に追いやられ、舌を絡め合う絡め合う淫靡な音が室内を支配していた。

 俺は空いた両手で未来の豊満な乳房を服越しに揉みしだき始める。

 身を捩り、時折唇の合間から喘ぎ声を洩らす未来。

 手のひらいっぱいの柔らかな感触を堪能し、徐々に理性が飛びそうになったその時――。


「……お兄ちゃん、何してるのかなぁ~?」

「ん? …………っ!?」

「あ……み、美冬ちゃん……」


 背後から声が聞こえ、慌てて振り向くとにっこり笑顔とは裏腹に、背後には阿修羅の様な殺気が見えた気がした。


「あ、あのね、美冬ちゃん? な、流れっていうか、えっと……」


 頬は赤いまま、未来は何とか誤魔化そうと言葉を口にするのだが、美冬は僅かに頬を膨らませるだけで未来に告げる。


「……むぅ。 みぃちゃん、服が乱れちゃってるから下で直して来ていいよ? お兄ちゃんにはお説教だからね、正座してね」


 俺に対しては有無を言わさず正座を強要させる美冬、未来はベッドから降りると恥ずかしそうに真っ赤に顔を染めながら、乱れた服を直しに下へと下りていった。

 部屋に残されたのは俺と美冬の二人、まだ美冬の背後には阿修羅が見え隠れする。

 戦々恐々とする俺を他所に、小さく息を吐くと美冬は――。


「……お兄ちゃんの浮気者」


 【浮気者】という言葉がまるで二十日鼠の様にぐるぐると脳内を駆け巡っていった。


「うぐっ……否定は出来ん……」


 事実、これに関しては俺も否定は出来ない――何だかんだで色んな子とキスしたりしているのだから。

 ――とはいえ、一度そういう事をしてしまうとやはりあの甘美な時間の虜になってしまうので逆らうことは出来ない。

 ジト目のまま俺を見下ろす美冬、次の瞬間正座した俺の前に座ると――。


「……みぃちゃんだけズルいよ、美冬にもしてよね……? それで許すから、さぁ……」


 ふぃっと視線を逸らす美冬、だが次の瞬間には首に腕を回して未来に負けないぐらいの豊満な乳房を胸板に押し付けてきた。


「んと……」

「キスだけだから……ね? こ、これ以上の事は美冬も我慢するから……ん……」


 言ってから先程の未来同様に口付けを受け入れる体勢になる、俺は足を一旦崩すと腰を抱いて更に抱き寄せ、そのまま美冬の唇に口付けを落とす。

 小さく満足そうな声を洩らした美冬、数秒程の短い口付けだったが美冬は満足したらしく――。


「ん……へへっ。 やっぱりお兄ちゃんとするの、好きぃ……」


 甘ったるい猫なで声を上げながら、嬉しそうに胸板に顔を埋めた美冬、部屋の外から階段を上がる足音が聞こえてきて、慌てて美冬は離れると共に俺の右手の甲をつねった。

 つねった箇所から全身に痛みが走ると同時に部屋のドアが開くと美冬は――。


「お兄ちゃん! もう変な事しちゃダメだからね!? みぃちゃんのお父さんやお母さん、怒っちゃうんだから!」

「わ、わかったからつねるなって! 痛いから!」

「み、美冬ちゃん! ひ、ヒルトも悪気があったわけじゃないんだから、そ、そこまでで――ね?」


 つねられてる現状を見た未来が慌てて合間に入る、美冬は小さく息を吐くとつねるのを止めて――。


「……じゃあ今日はこれで許してあげる」

「ぉ、ぉぅ……」


 手の甲を見ると赤くなっていた――今もジンジンとしていて、少しは加減しろよと思ってしまう。

 ――と、ここで美冬からプライベート・チャネル通信が一方的に入ってきた。


『お、お兄ちゃんごめんね? ……痛いよね? 美冬の事、嫌いにならないで、ね……?』


 そこで通信が切れ、美冬を見ると不安そうな表情を浮かべていた。

 そんな美冬を見て、安心させるために僅かに微笑むと安堵の溜め息を吐くのだが――。


「お兄ちゃん! 何で顔がにやついてるの!? ちゃんと反省しなきゃダメだからね!?」

「わ、わかったから怒るなよ、美冬」

「あははっ、やっぱり二人って仲良いよね? 改めて再確認しちゃった♪」


 俺と美冬のやり取りを見て笑顔になる未来、昔から続くこのやり取りは親父が来るまで続いた。 
 

 
後書き
こんなやり取りしか頭にないのかと言われたら、これしか無いとしか言えない(ぇ

そろそろ仕事疲れがなくなってきたからまた執筆速度が戻る可能性もあり……多分(何


ふも、ふもっふ!!
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ノ二Y_⊥01⊥_Y二ヽ
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ヽ二|(℃) (℃)|二ノ
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