【艦これ】艦隊これくしょん・闇 響・黒編
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第2章 闇艦娘、響
第01話
前書き
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マフポコの巣(艦これ、こちら鎮守府前第二駐在所)
(http://mahupoko.blog62.fc2.com/)
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「ここ、だよね?」
響・黒は“性室1”と書かれたプレートが貼られた部屋の前にいる。
扉をノックしようと手を上げると、中から叫ぶような淫声が飛び出してきた。
「ひぃああぅッ! す、凄いですわぁッ! 提督ぅッ! まだですの?! まだ射るのですの!? あああああッ! 熱いぃッ! 中が熱いですわぁッ! こんなに熱いのが、こんなにたくさんッ! ひああぁぁああぅッ! し、幸せですわぁッ!」
響・黒は小さく溜息をつき、改めて扉をノックする。
“ごぃンッ、コぅんっ”
金属とも有機物ともいえない奇妙な打音を鳴らす扉。
その奥からは、部屋の中で行われている性行為の最後の断末魔が響き渡る。
「い、イクッ! イきますわぁッ! 果てるぅ! 果てちゃいますわぁッ! 奥を突かれ過ぎてぇ! 膣肉を擦られ過ぎてぇ! もう限界ですわぁッ! イッ、イきますわあああぁぁぁあああぁぁぅッッッ!!!」
ひと際大きく鳴り響いた淫声。
そしてこの後、無音ともいえるほどの静寂が周囲を包み込んだ。
「おう、誰だぁ?」
無音の部屋から提督の声が聞こえた。
「響・黒だよ、提督」
響・黒の返事を聞いた提督は、あからさまに不機嫌な声を返してきた。
「んぁ? おいおい、なんでお前がここにくんだよ? 提督室で待ってるように言えって、陸奥・黒に言っといたんだけどよぉ? あいつ、ちゃんと伝えなかったんかぁ?」
「そうじゃないよ。提督室で待っているようにって、陸奥・黒はちゃんと伝えてくれたよ。だから提督室で待ってたんだけど、提督、全然来ないんだもん。なのでお迎えにあがった次第だよ」
扉の奥からチィッと舌打ちが聞こえる。
「せっかちな奴だなぁ、お前。待てって言われたんならよぉ、何時間でも、何日でも、何週間でも、何ヵ月でも、何年でも待ってろや」
「今度からそうするよ」
「ったくよぉ……んあ? ちっと待てや? もしかしてよぉ、ここに俺がいるって陸奥・黒が言ったのか?」
「そうだよ。陸奥・黒がこの場所を教えてくれたよ」
「ったく、あいつはよぉ。こんなとこに来させやがって。まだ響・黒には早ぇっつぅの」
ぎぃぃぃと耳障りな音をたてながら、扉が少しだけ開いた。
そして提督がのそりとした動きで顔を出す。
提督はひどくだるそうで、はぁ、はぁ、と息がきれている。
「んじゃあ行くとすっかぁ。響・黒よぉ」
提督が扉から出ようとすると、提督は何かにつっかかったように身を揺らした。
おっとと、と言いながら提督は足の方に顔を向ける。
そこには地を這いながら提督の足首を掴んでいる、全裸の艦娘がいた。
「まだ……ですわよ……これで終わりだなんて……言わせませんわよ……」
全裸の艦娘は息も絶えだえで、どこかうっとりとした表情を浮かべながら、ひどくだるそうに横たわっている。
「無理すんなや、熊野・黒よぉ。あんだけイッて、あんだけ噴いて、あんなに中に射したんだぜ? もう限界を超えちまってんだろうが」
「なにをおっしゃって……そんなことございませんわ……熊野・黒はまだまだシたりないですわ……まだイけるし、まだ噴けるし、もっとたくさん射しても大丈夫ですわ……」
地に倒れこんでいる熊野・黒は必死になって提督を見上げて、提督の足にしがみついている。
「また可愛がってやっからよぉ、今は休んでな」
「イヤですわ! だって、次シていただけるのは何日先か……いいえ、何週間先か……いえいえいえ、何ヵ月先か……」
「おいおいおい、そんなに待たせてねぇだろが。すぐまたシてやるって」
「騙されませんわよ、提督……今日だって3日ぶりだったのですから……この3日間、気が狂う思いでしたのよ? ……寂しくて、切なくて……いくらオ●ニーしても、自分を慰めることなんてできませんでしたわ……」
熊野・黒は恨みがましい目で提督を睨みつけている。
そして熊野・黒は動かない身体を無理やり動かし、ぷるぷるしながら身を起こそうとする。
「……他の娘達とシている提督を、ただただ指を咥えて見てるだけなんて……もう我慢の限界ですわ! ……だから、もっとしてください……熊野・黒は、まだまだできますわよ……まだ……大丈夫……です……わ……」
そう言い残して、熊野・黒は遂に力尽きてしまった。
身を起こしかけていた熊野・黒は、ばたりと地に倒れこんでしまう。
そして熊野・黒が倒れこんだ勢いで、半開きになっていた扉がぎぃぃぃと音をたてて全開になった。
「ッ!」
響・黒は息を呑んだ。
提督の背後に広がる空間。
そこには30畳ほどの広さの部屋に、10人以上の闇艦娘達が全裸になって倒れていた。
そして全員が全員、秘肉門からどろどろりと多量の男濁汁を溢れ漏らしている。
うっとりと目をとろけさせながら、はぁはぁと息を荒げている闇艦娘達は、いったいどれだけ提督に抱かれて、中に射されたのだろうか。
「ッッッ……なんだかクラクラするよ」
響・黒は目まいに襲われ、変に気持ちが高ぶっていた。
多量の男濁汁と、艦娘達が溢れ漏らした愛油、そして汗や涙やよだれや尿などの大量の体液、それらが放つ臭気が部屋の奥から漂ってくる。
とても嗅げたものではない匂いだが、しかし嫌な気はしない。
それどころかこの匂いを嗅いでいると、気が高ぶり、興奮し、ひどく淫靡で淫猥でいやらしい気持ちになってしまう。
「これ……毒じゃないよね……何かの薬? ガス? わらからないけど、何かが充満してるよ」
この部屋には10人以上の闇艦娘達と提督が放ち続けた、濃厚すぎるほど濃厚なフェロモンが満ち満ちている。
そしてこのフェロモンには闇が混じっていて、これを嗅いだ者は体内に闇が染み込んでしまう。
闇はフェロモンの効果を何倍にも、何十倍にも、何百倍にも倍加させてしまうため、もしフェロモンが混ざった闇を吸ってしまうと、ありえないほどの催淫効果をもたらしてしまう。
響・黒はこの淫魔すぎる悪魔なフェロモンにあてられてしまい、どうしようもないほどに身体がうずいてしまう。
「ハッ、こいつらの淫気に酔っちまったか? 気をつけな、そのまま淫気を吸い続けてっとよぉ、そのうちイッちまうぜ? 何もしてねぇのによぉ、勝手にマ●コが噴いちまうぞ?」
「淫気? ですか?」
響・黒は不思議そうに提督を見つめる。
「そうだ、淫気だ。お前ら艦娘はよぉ、常人の何十倍、ときには数百倍もの濃いフェロモンを噴き出すんだそうだ。それが闇艦娘の場合、フェロモンに闇が混じっちまってるからよぉ、実質、常人の千倍も万倍も濃いフェロモンを噴き出すんだそうだぜぇ。こんなイカれたもん吸っちまった日にゃぁ、なんにもしねぇで絶頂しちまうってもんだぜ。特濃フェロモンに身も脳も犯されて、まるで何千回もセッ●スでイかされまくったように、どうしようもねぇほどイきまくっちまうんだよ」
「……その特濃なフェロモンを淫気って呼んでるんだね」
「そういうことだ。お前ら闇艦娘が放つ淫気はよう、常人には猛毒なんだぜ。もし常人が嗅いじまったら、そいつは性に取りつかれて、性の中毒者になって、性の奴隷になって、性に身も心も捧げちまって、そんで性に殺されちまうんだ」
平気で恐ろしいことを話す提督を見て、響はゾクッとしたものが背中を通った。
そして同時に、得も言われぬ性的興奮を感じた。
どうしようもなく気が高ぶる。
気が触れそうなほどに高揚している。
これが淫気の影響なのだろうか。
「提督は平気なの? 淫気を吸っても」
「ハッ、平気なはずがなかろうよ! いつだって俺はよぉ、気が狂いそうな勢いでお前ら闇艦娘どもに発情してんだよ。お前らのせいで年がら年中、超がつくほどの発情期なんだわ。だからこそ1日24時間ぶっ通しでお前らを抱き続けられるんだろうがよ。一応は俺も闇の者だからよぉ、淫気に殺されっちまうってこたぁねぇが、だからって平気ってこともねぇんだわ。これでもよぉ、たぎるような性欲を抑えつけんのに必死なんだぜぇ?」
「そう、なんだ」
響はチラッと提督の肉主砲を見て、納得する。
今の今まで10人以上の闇艦娘とシていたというのに、肉主砲はぎちぎちに勃起していた。
まるで何ヵ月も射精を我慢していたかのような、今にもはちきれそうな勢いで肉主砲は怒張している。
「ところで提督、その部屋って何なの?」
「性室のことかぁ? こいつはなぁ、いっぺんに多人数を相手にするときに使う部屋なんだよ。こんだけ闇艦娘がいるとよぉ、ひとりひとり相手するなんてことしてたら日が暮れちまう。効率が悪すぎんだわ。だからよぉ、いっぺんにたくさんの相手するってのは自然な流れなわけだ。まぁ、乱交プレイってやつだ。この部屋は乱交用のプレイルームなんだよ」
そう言って提督は性室の扉を閉めてしまう。
「プレイしたあとの性室は淫気が充満してっからよぉ、扉を開けっぱにしてっと他の闇艦娘どもが発情しちまんだわ。そうじゃなくてもあいつら俺とシたがってるってのによぉ」
ゴウンという重苦しい音と共に扉は閉まった。
「さぁて、提督室に戻んぞ」
提督はすたすたと歩きだした。
響・黒は提督のあとを追う。
「でな、性室にはよぉ……」
提督は背後にいる響・黒に話しかける。
「さっきの性室は10人くれぇしか入らねぇ小部屋だけどよぉ。50人、100人入れるような中部屋、1000人以上は入れるような大部屋もあんだよ。ウチには闇艦娘が100人くれぇしかいねぇから、大部屋は無駄なんじゃねぇかって思うだろう? でも違ぇんだなぁ。現に、いつもは大部屋ばっか使ってんだわ。どうしてだと思うよ、響・黒よぉ」
「……わからない」
「ハッ、わかんねぇか。まぁ、そのうちわかるぜ、お前も大部屋にご招待される日がくるからよぉ。とは言っても、まだ今のお前には早ぇぜ、性室はよぉ。闇艦娘の乱交は、もうちっとレベルが上がってからじゃねぇとなぁ。じゃねぇと一瞬で轟沈させられっちまうからよぉ。まだレベル2のお前にゃ無茶すぎんぜ」
「……うん、遠慮しておくよ」
前を歩いている提督には見えないが、響・黒は引きまくった真顔をしていた。
そんな響・黒の気持ちなどおかまいなしに、提督は話を続ける。
「滅多に無ぇんだがよぉ、たまぁに100人いっぺんに相手することがあんだよ。101Pだぜ、ワンオーワンプレイ。1対100だ。しかも人間VS闇艦娘だぜ。もはや意味わかんねぇよ」
意味がわからないのは響・黒の方だった。
もはや想像すらできない。
無理に想像しても、100人の闇艦娘の群集に埋もれる提督の図、しか思い浮かばない。
「100人も相手するとなるとよぉ、もはや性の無限地獄になんだわ。ひとりを限界以上にまでイかせたってよぉ、他の奴を相手してるうちに回復しちまうんだ。そうなるとよぉ、どんなに犯かそうが、イかせようが、噴かせようが、いつまでたったって終わりゃしねぇ。犯しても犯しても回復しちまうんだからなぁ。この前101Pしたときなんかはよぉ、一週間ぶっ続けで犯しっぱだったぜぇ。あんときは3日目あたりから記憶が無くてよぉ……まぁ、とにかく、めっちゃくちゃのぐっちゃぐちゃだったぜぇ。床はいろんな体液でびちゃびちゃのぬるぬるでよぉ、広すぎる性室内は淫気で充満しっ放しでよぉ、闇艦娘はトランス状態で半狂乱だしよぉ、かく言う俺も狂乱状態でなぁ。全員が全員、闇に呑まれっぱなしでよぉ。いやはや、マジでひどかったぜぇ、ありゃよぉ。正真正銘の地獄だったぜ」
響・黒は真顔のまま口角だけ上げて笑った。
乾いた笑みを浮かべている響・黒をそっちにけに、提督は話を続ける。
「いくら無限に性欲があるからってよぉ、さすがの俺も一週間後には干からびちまってなぁ。ほぼミイラになってたそうだ。んでな、培養ポッドの中に丸一日入れられてよぉ……お前も覚えてんだろ? 卵みてぇなアレだ。あの培養ポッドはよぉ、骨折しても1時間で治っちまう優れもんなんだぜ。なのによぉ、丸一日だぜ、丸一日! ったくよぉ、どんだけヤバかったかって話だぜぇ」
「……よく生きてたね」
「ああ、俺もそのへんが不思議でなぁ。俺ぁ別に不死身ってわけじゃねぇんだがなぁ。でもミイラになっても回復できるってのはよぉ、もはや虫だぜ虫! 水かけると復活する虫! ……チィッ、なんだか悲しくなってきたぞ、マジでよぉ」
提督は背後からプッという吹き出す声が聞こえた。
「てんめぇ、いま笑ったなぁ?」
「笑ってないよ、提督……プフッ」
「笑ってぇんじゃねぇかよ、この野郎……だったら質問だぁ。お前、いま俺のことを何提督だと思ってるよ?」
「虫提督」
提督の身体からぶわわぁと闇が噴き出す。
「いい度胸してんじゃねぇかよ、響・黒よぉ」
提督は素早い動きで振り返り、響・黒に掴みかかる。
しかしそこに響・黒はいない。
「こっちだよ、提督」
いつの間に移動したのだろうか、響・黒は提督の横に立っている。
「……ケッ、闇を使うのにすっかり慣れたようだなぁ。全く気配を感じなかったぜ」
「闇に身を包んで気配を遮断する。いつも陸奥・黒がやってるからね。私も覚えちゃったよ。慣れればそんなに難しくない」
「慣れるまでが難しいんだろうがよ。レベル2でそこまで闇が使えるとはたいしたもんだぁ」
提督は響・黒の頭をいい子いい子してやる。
「だが、甘めぇ」
響・黒はハッとする。
しかし遅かった。
響・黒は提督に頭をがっしりと掴み上げられ、ぶぉんという風切り音と共に響・黒は放り投げられた。
そして壁に激突してしまう。
「そういう隙が命取りになんだよ。いいか、絶対ぇに油断すんな。心のどっかで常に身構えてろ」
響・黒はげほげほとむせ込みながら、こくんと頷いた。
「わかったよ、虫提督」
「ああ!? 生意気だなぁ、んの野郎ぁ!」
提督は響・黒に突進する。
常人離れした動きで響・黒との距離を詰める。
そして提督の手が響・黒の首を掴み上げた……と思いきや、提督の手は空を掴んでいた。
「簡単に挑発に乗るのはOKなの? 提督」
響・黒は提督の首をさすりながら、ほっぺに可愛らしいキスをした。
そして提督の首を柔らかく揉み上げる。
「ハッ、いつでも絞め殺せますよってか? いいねいいねぇ、流石じゃねぇか響・黒よぉ」
提督の動きを遙かに超える速さで動く響・黒。
提督は決して油断していたわけではないが、響・黒の動きについてこれず、このような失態を晒してしまう。
「いくら俺が闇の洗礼を受けた人間でもよぉ、お前は闇の洗礼を受けた艦娘だからなぁ。人間VS艦娘じゃあ相手になんねぇわなぁ」
響・黒はくすッと笑んで、提督から身を離す。
「ところで提督、私を呼び出すなんて珍しいね。何かご用かな?」
「ハッ、提督が部下を呼び出したんだからよぉ、ご用があるに決まってんじゃねぇか。まぁ、詳しくはここで話そうやなぁ」
いつの間にやら、ふたりは提督室の前にまで来ていた。
提督は乱暴に扉を開け、中へと入っていく。
そして真っ黒い革張りのソファにどかぁと身を沈め、大の字になって座り込む。
「陸奥・黒、いないね」
秘書艦である陸奥・黒が提督室にいない。
気配を消しているわけではない、本当にその場にいない。
「ああ、あいつは別件で動いてもらってんだわ。今日は戻らねぇぜ」
「そう……なんだ」
陸奥・黒がいない。
つまりは今、響・黒は提督とふたりっきりである。
よくよく考えると響・黒は転生してからずっと、陸奥・黒と行動を共にしていた。
その陸奥・黒がいないとなると、少なからずとも不安になってしまう。
「ところでよぉ、響・黒。お前を呼び出したのは他でもねぇ」
ソファに身を埋めている提督を見て、響・黒はハッとする。
提督の肉主砲はびっきびきに勃起していて、びくびくんと揺り動いている。
「お前を破瓜してからよぉ……あー、言い方が下品かぁ? 膜やぶってからよぉ……もっとお下品かぁ? 初体験済ませてからよぉ……まぁ、つまりはよぉ、闇の洗礼の儀をしてからよぉ、お前とはいたして無ぇよなぁ」
響・黒は頬を赤くし、何も答えないでいる。
「俺にはよぉ、使命ってのがあんだわ。お前ら闇艦娘を愛して愛して愛しまくって、練度を高めるっていうよぉ、大変光栄ななクソ使命がなぁ」
提督はアゴをクイッと振って、響・黒にこっちにこいと無言で言った。
それを見た響・黒はおずおずと提督に身を寄せる。
「クソ使命なの? ……提督はいやいや私達を抱いてるの?」
「ハッ! 馬鹿ぬかすなや。好きで抱いてるに決まってんだろぉが! 今からお前を抱くわけだがよぉ、俺はお前が好きだから抱くんだぜ? 俺にとっては使命なんてのはなぁ、優先順位が最下位なんだよ。お前らを愛するついでのもんだ。おまけだおまけ。もののついでなんだよ、使命なんてもんはよぉ。だからよぉ、俺にとっては使命なんてのはクソなんだクソ。どうでもいいって話だぜぇ」
提督の言葉を聞いて、響・黒はどうしようもなく嬉しくなった。
「提督、私のこと、好き?」
「ああ、好きだぜ? さっきから言ってんだろがよぉ。俺はお前のことが好きだ。お前も俺のことが好きなんだろ?」
響・黒は小さく頷いて見せる。
「でも提督は……闇艦娘全員が好きなんだよね? みんなを平等に愛しているんだよね? だから、その……別に私は……私は提督にとって、特別な存在だってことでは……ないんだよね?」
提督は響・黒の首の後ろに腕をまわし、無理やり抱き寄せた。
乱暴に引き寄せられた響・黒は提督の身の上に倒れ込んでしまう。
「お前は俺にとって特別な女だぜ。特別好きなんだよ。本気で愛してんぜぇ」
響・黒は心が大火災にあっているかのように熱くなった。
しかし一方で、どこか冷めた、悲しいほど寒々しい気持ちも混在している。
「でも……それってみんなが特別な存在で、みんなを本気で愛してるんだよね……」
「ああ、そうだ。俺ん中にはナンバー1はいねぇ。強いて言えばみんながナンバー1なんだわ。だけどよぉ、それになんか問題でもあんのか? 別にいいだろぉがよ、本気で愛してんのは本当なんだからよぉ。ただそれがたくさんいるってだけの話だぜ」
「う……うん……」
響・黒は提督から目を逸らすように下を向いてしまう。
「独占欲、って奴だな。俺を独占してぇ、お前だけを特別好きでいてほしい、常に一番に想ってほしい……まぁ、そう思っちまうのは至極当然だわなぁ。本気で愛し合ってる男女なら尚更だわなぁ」
提督は響・黒の頭を優しく撫でながら話を続ける。
「闇艦娘のほとんどの奴らがな、その独占欲のせいで俺を取り合ってんだよ。そのせいで毎日争いが絶えねぇんだわ。だいたいによぉ、独占欲っては字のごとく“欲”だからよぉ、そう簡単には消すことは出来ねぇわなぁ……でもな、本気で互いを想い合ってるならよぉ、別の奴と愛し合おうが、何しようがよぉ、問題ねぇだろがよ。俺が別の奴を抱いてようがよぉ、そいつを嫌いになってるわけでもなんでもねぇ、変わらずに愛してんだからよぉ」
「……そ、そんな理屈……なんだかずるいよ……」
提督の身の上で震える響・黒。
顔を下に向けているのでよく見えないが、響・黒は泣いている。
「他の女を抱いてたら、嫉妬もするし、腹も立つし、くやしいわなぁ。それは当然の反応だろうよ。でもな、その当然の反応を超えてみろや。闇艦娘っていう仲間同士で俺を取り合うんじゃなくってよぉ、仲間同士で平等に俺を愛するんだって考えを変えてみろよ。男女はふたり同士でつがいになるのが当たり前、一夫一妻が常識……そんな勝手な常識やら本能やら欲なんてもんはよぉ、捨てちまえ、超えてみろや」
提督は無理やり響・黒の顔を上げさせて、乱暴に唇を重ねた。
「いいか? つがいになるっていう常識はよぉ、男も女も共に多数いる環境やら社会やらが、そう思わせてるだけなんだぜ? 男女が1対1でくっつくのが子孫を残すのに最適だし、リスクが少ねぇから、それが常識なんだと思い込んでるだけだ。だがなぁ、別に多対1でもよう、子孫は残せるんだぜ? 一夫多妻でも問題は無ねぇんだ。一夫一妻よりもリスクがあって効率が悪いってだけだろぉ? だからよぉ、そういう自然の摂理に踊らされんな。そんなもん超越しちまえ。世の中の常識は真理じゃ無ぇんだ」
響・黒は納得できないという顔をしている。
「響・黒よぉ、ここはどこだ? 鎮守府だろぉ? ここには男である提督の俺がひとりいて、女である闇艦娘がたくさんいる。社会的にも環境的にもよぉ、多対1になっちまうはしょうがねぇことだ。多対1は鎮守府の常識、当たり前ってやつだ。そういった背景があるってのによぉ、いつまでも一夫一妻なんて常識に囚われてたってよぉ、ここじゃ通用しねぇぞ? 多対1っていう現実をよぉ、まずは受け入れろ。そんで多対1の常識に考えをシフトしろ。そうすりゃあ、お前は今よりも幸せになれんぜ」
「幸せに? 今よりも?」
「そうだ、今よりも確実に幸せになれんぜ。なぜかって? 鎮守府での常識が多対1ならよぉ、1である俺を多であるお前らが平等に愛するようになれば、全員が全員、幸せだろぉが。俺を独占しようだとか、他の女とシてる俺を見て嫉妬しちまったり、羨ましく思ったり……そんなもん無駄で邪魔でやっかいなだけだろぉ? そういう感情さえ無くなっちまえば、あとは幸せだけが残るんだ。な? 幸せになれんだろうが」
提督にそう言われると、それが正しい気がしてしまう。
冷静に考えればただのへ理屈なのだが、強気な提督に押されてしまい、響・黒はそれが正しいのだと思わされてしまう。
提督の言葉が響・黒を洗脳していく。
「私も……幸せになれるかな」
「ああ、なれるぜ。邪魔な感情をとっぱらっちまえばなぁ」
響・黒は小さく溜息をつき、言い直す。
「言い方が悪かったみたいだね。私を……幸せにしてくれる?」
提督は響・黒のスカートに手を入れ込み、布越しに秘肉門をさすり撫でる。
「あ……」
「俺にマ●コ触られて、嬉しいだろぉ? 幸せになったろぉが」
響・黒は頬を膨らませ、明らかに不機嫌な顔になった。
「そういうの、ずるいよ。提督、意地悪だよ」
響・黒は提督を睨みながら、頬に一粒の涙を伝わせる。
そしてこの涙が、響・黒の中でくすぶっていた感情を爆発させた。
「……不安なんだよ、提督……だって……やっぱり寂しいよ……提督のこと好きなのに……いつも一緒にいられるわけじゃないし……提督は無駄な感情は殺せって言うけど……やっぱりつらいよ……苦しいよ、悲しいよ……だって私じゃない誰かと一緒にいるんだもん……そんなのないよ……くやしいよ……提督はいいよね、ずっと女の子を抱いてるんだもん。寂しいなんてこと、ないよね……」
「あー、やっぱそうなるかー」
提督はふぅを溜息をつき、そして響の脳天におもいきり額を打ちつける。
“ごすぅ”という痛々しい打音が鳴りひびき、響・黒は涙目になって脳天を押さえる。
「な、なにをするの?!」
「なにするじゃねぇんだよ、お前はよぉ。ったく、お前にはわからんかもしんねぇがよぉ、与える側と与えられる側じゃあ、与える側の方が何倍にも大変なんだぜぇ? 得るものも多いが、苦悩も苦労も苦痛も多いんだわ。ましてや不眠不休で女を抱き続けるってのはよぉ、肉体だけじゃなくてよぉ、精神的にもヤベェんだぜ? まぁ、お前にわかるわけねぇだろうがよぉ」
「提督には提督なりの苦労があるって言いたいんでしょ? ……そうだよね、それはそうだよね……でも……だからって……私の中の意地汚い欲求は消えないんだよ……薄汚れた醜い感情は絶対に消えない……」
提督は布と秘肉門の間に指を滑りこませ、直に秘肉門をさすり上げる。
ぴったりと閉じた秘肉門は、割れ目からとろりとした愛油を噴き漏らしていた。
その愛油のぬるぬるとした感触を楽しみつつ、割れ目に沿って秘肉門を滑らかに撫でる。
「ひゃぅぅッ……提督ぅ……」
響・黒はとろけた切ない目で提督を見つめた。
響・黒の目は、ずるい! と無言で訴えかけている。
「響・黒よぉ、そこまで言うんなら、お前が欲しがってるもんをくれてやるよ。だがな、後悔すんなよ? お前が嫌だって言っても止めねぇかんな。絶対ぇに止めねぇ。お前が欲しがったんだ、その全部を受け止めろや」
響・黒はエッ? という顔をしている。
なにかとんでもないことをされる……そんな不安が響・黒を襲った。
「響・黒よぉ」
提督は秘肉門をぬちゅぬちゅいわせながら、響・黒の唇に自分の唇を寄せていく。
それを見た響・黒は目を潤ませて、唇が重なるのを心待ちにする。
唇が重なるか重ならないかというところで、提督は響・黒にささやいた。
「愛してるぜ、響・黒」
「あ……嬉しいよ……」
響・黒の心がほっこりと温かくなった。
そしてふたりの唇が重なる。
唇が重なるだけの普通の口づけ。
しかし響・黒が欲しいのは普通以上のキスであった。
響・黒はチロッと舌を出し、ぺろぺろと提督の唇を舐める。
「お口、開けてよぉ……提督ぅ、私を中に入れてよ……」
(遂行中)
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