IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第447話】
前書き
またまたお待たせ&短いっす
とりあえず篠ノ之の案内で俺達五人は食事の出来る場所へとやって来たのだが――。
「ほら、今日は私が食べさせてあげるよ♪」
「や、ひ、人が見てるし……」
「遠慮しないのっ。 こ、恋人、同士なんだしさ……」
「お、ぉぅ……。 そ、ぅ……だな」
カップルらしき会話が聞こえる――見ると、彼女らしき女性が彼氏に料理を一口分を掬って食べさせようとしていた所だ。
男性は照れ、人目を少し気にしつつも口元に差し出されたスプーンをパクりとくわえ、それを食べると咀嚼した。
他にもこんな光景が店内で見られる――店の名前は【針葉樹の森】、時間もディナータイムだからか満席だった。
「あー、満席だな」
一夏のそんな言葉が聞こえてきた、見れば勿論わかるのだが……それよりも、店の入り口からずらっと並ぶ二時間待ちの行列が目に見え、正直気持ちを萎えさせるには十分な長さだった。
「……ここって、確か何かの雑誌で載ってた『カップルがデートで行くお店ベストテン』って企画に載ってたお店だった気がする……」
未来がボソッとそう呟く、それを聞いて俺も再度店の中と行列に目をやると、並んでいるのは殆どがカップルばかりだった。
「うーん、篠ノ之さんの知ってるお店って……もしかして雑誌で見たここの事かな? 確かに雰囲気は悪くないんだけど、雑誌で載るって事は他のカップルも目を通しちゃうし……。 うーん……」
小さく唸る美冬、雑誌情報のお店何かは基本、流行りものが好きな女の子何かはその前に案外情報を抑えてるものだったりする。
雑誌情報を鵜呑みにしても、俺的にはゆっくり食べられないのなら意味がない、ため息を吐きながら俺は――。
「……なあ一夏、篠ノ之。 悪いが俺達三人、別の所でというか、二時間も待ってここで食べるつもりもないから別々に行動してもいいか?」
「え、何でだよ。 ここはまあカップルばかりだけどさ、駅前のファミレスとかで皆と食事も良いだろ?」
「……いや、別に俺はそこまで五人で食べることに拘ってないからさ。 それに、篠ノ之的には俺達三人居ない方が良いだろ?」
「…………」
そう聞き返すも、返事は無く視線を少し逸らす篠ノ之、一夏はそんな篠ノ之を不思議そうに見ていた。
「それに、さっき親父からメールがあって、俺達三人食事が終わったら何か家に来て手伝ってくれって連絡が来てたし、別々に行動するにはちょうど良いし、これ以上問答続けても時間の浪費だし、良いだろ?」
親父から連絡があったというのは嘘だ、嘘はつきたくないが時には必要な事もある。
あまり納得したような表情じゃない一夏だが、頷くと口を開いた。
「……仕方ないか。 じゃあ箒、俺達二人だけで食べ――」
「う、うむ! 私に異論は無いぞ!」
「へ、返答早いな、箒? ……じゃあ、学園の寮の食堂で食べるか! このまま帰って寮の食堂なら、後はゆっくり出来るし」
篠ノ之の思惑通りに事が運ばないのが一夏だ、篠ノ之の表情を見る限りこのままだと不味いと思ったらしく――。
「そ、外がいい! り、寮の食堂なら何時でも食べられる!」
「そうだよなぁ……」
篠ノ之の言葉に、頷きつつ一夏は小さく唸る、一方の篠ノ之も次に行く店の思案でもしてるのか、真剣に悩んでいた。
まあ多分だが、雑誌の情報でも思い出してるのだろう――とりあえず、既に篠ノ之の視界の中には俺達三人は既に居ないものだと思われてるらしい。
いつまでも思案している二人を眺めても仕方がないので、俺は一夏に一声掛けてからその場を離れる事に決めた。
「じゃあ一夏、篠ノ之。 俺達はこのまま行くからな」
「お、おぅ。 じゃあまた後でな、ヒルト」
一夏のその声を聞くや、俺は美冬と未来の背中を軽く押す。
ビックリした表情を見せた二人を他所に、俺は足早に二人を連れてその場を離れていった。
少し歩いて駅前広場の噴水前、既に一夏達の姿は見えず、俺達もとりあえずその場で立ち止まると――。
「さて、俺達は食事何処で摂る?」
そう聞くや、美冬は驚いた表情で俺を見やるや口を開く。
「え? お父さんから連絡あったんじゃ――」
「あ、あれは嘘だ。 あの場から離れる為のな。 ……じゃなきゃ、五人で食事だーって一夏がずっと言ってるしな、これが」
そう美冬に言ってると、未来が俺の顔を覗きながら――。
「へぇ? ……ヒルトが嘘をつくって、珍しいよね」
まるで意外な一面を見たと謂わんばかりの表情の未来、確かに嘘は基本的につかないから未来からすれば珍しがるのは当たり前なのかもしれない。
「お兄ちゃん、『隠し事』はするけどあまり嘘つかないからわからなかったよ。 ……じぃー」
隠し事の部分を強調し、じっと此方を見てくる美冬に慌てて咳払いしながら俺は二人に聞いた。
「こほんこほんっ。 んじゃ、何処で食事でも摂ろうか? 何か食べたいものとかあるか、二人とも?」
「あ、誤魔化した。 ……でもお腹空いたし、後で追及すればいいかな」
美冬のそんなツッコミが飛ぶも、空腹には勝てずにとりあえずの誤魔化しは成功した。
「んー、じゃあ久しぶりに笹川くんのお店に行く?」
「成樹の? でも軽食ぐらいしか今は出せなかったはずだが――」
未来の口から出た成樹の喫茶店、基本的に紅茶やらコーヒーを楽しむぐらいで後は成樹の母親が作るケーキなどが出るくらいで――とはいえ、下手な店に行くぐらいなら成樹の店の方が良いかもしれない、サンドイッチとかなら出るかもしれないし。
「そうだな、成樹の店で食べるか。 女性客ばかりな気もするがな、これが」
「あはは♪ 笹川くん、人気あるもんねお兄ちゃん♪」
「あぁ、容姿良いし性格も悪くない」
言いながら成樹を思い出す、キャノンボール・ファストで応援に来てくれていたがその日は実際に会ってないし、襲撃事件もあった為メール連絡のみだった。
そう思うと無性に会いたくなる、成樹に――ついでに言えばたっくんと信二にもだが、流石に二人は喫茶店には居ないだろう。
「じゃあ成樹の店に行くか」
「うん」
「了解ーっ。 早くいこっ、お兄ちゃん♪」
俺の手を取った美冬は、若干駆け足で俺の手を引いた。
「あ、慌てるなって美冬! ……未来、どうした?」
「ふぇ? な、何でもないよ? ……気のせい、かな……。 ヒルトと美冬……前より仲が良いような……?」
何でもないと言いつつ、小声で何かを呟いた未来、街中の喧騒と行き交う車の音で聞こえなかったが――何かあれば未来から口にするだろう、そう思いながら俺は美冬に手を引かれたまま成樹の居る喫茶店へと三人で向かった。
後書き
とりあえず仕事終わってTHE筋肉痛
だが仕事は楽しかった
基本的にやった内容は土をパレットからパレットに移すのと、ブロックやら石(御影石)を綺麗に積む、他だと防犯タグを着ける作業かな
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