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無限の赤龍帝

作者:メア
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面談が変なことになってるぞ?







 三すくみトップ会談なんて面倒な事はブッチしてやった。

「ふむ。今宵は良い月よ」

「母さん、黒ウサギはどうした?」

「撒いたに決まっておろう」

ユーリやリタ達が俺と母さんに尺をしたり、ご飯を食べさせてくれている。学校の屋上、それも一番高い所で。現在、下では会議が行われている。

「ねえ、私達はなんでここに居るの?」

「パーティーに参加する為だ」

リタの質問に答えてやる。この場に居るのはリタとユーリ。そして、俺とオーフィス、白夜叉、白猫だ。アーシアと九重、レイヴェルは家でお留守番だ。

「…………パーティーですか?」

「…………なんだろ…………?」

「ふむ。アレじゃな」

母さんが扇子で指差した先には悪魔共がここに侵入しようとしてきている。旧魔王派という連中だ。

「じゃあ、ちょっと暴れるか」

「いや、待て。ここはイッセーだけで行ってこい。いい加減ハイシェラを起こしてやると良いぞ。奴らはその為の贄じゃ。わしらはここから見学しておるよ」

「へいへい」

「頑張って」

「期待しています」

「行ってらっしゃい」

応援されたら仕方無い。眠っているハイシェラを持って、ドライグの禁手(バランス・ブレイカー)状態で特攻する。



 悪魔の集団に接近と同時にハイシェラで悪魔を斬りつける。流石は眠っていてもハイシェラなだけあって、簡単に殺せる。いや、悪魔はその力を全て奪われて灰となって消滅した。

「何だ貴様はっ!!」

「俺は兵藤一誠。旧魔王派、カテレア・レヴィアタンだな。ここに来た要件を聞こうか」

「知れた事よ、偽物の魔王共を駆逐し、本来の魔王たる我らが魔界に君臨し、我が一族の敵を取る!!」

「あっそ。でも、それは困るんだよ。多分。まあ、俺には関係無いかも知れないが、お前達は魔神ハイシェラを起こす為の贄に選ばれた。光栄に思って死ね」

「下級悪魔風情が巫山戯るなっ!!!」

問答無用で周りの悪魔を斬り殺して、ドライグにBoostを繰り返させて身体能力を桁違いに上げて有象無象の塵芥を辻斬りしていく。

「また詰まらぬ物を斬ってしまった」

一瞬でカテレアを除く敵を全て皆殺しにしてやった。そもそもが戦闘能力の違いがありすぎる。こっちとら真性の神霊と星霊の血を引く直系の存在だぞ。

「貴様っ!!」

「はっ、ろくに修練もしていないような雑魚に負けるかっ!!」

「おのれっ、こうなれば…………」

カテレアは懐から禍々しい真紅の血で出来た結晶のような物を飲み込む。その瞬間、カテレアの魔力は膨れ上がり、翼は巨大化して皮膚には紫の色になり、爪は伸びて刃のようになった。

「ひゃはぁあああああああああああああああああああっ!!!!!!」

そして、狂ったように暴れだす。

「何事だっ!!」

騒ぎを聞きつけ、リアスを始め、魔王達が出て来た。しかし、そんなのを相手にしている余裕なんて無い。

『おいおい、魔王クラスの戦闘能力だぞ』

『…………おもしろい…………』

「理性は無いみたいだがなっ!!」

迫り来る爪を避けると、遠くの方まで大地に爪痕で出現する。

「手当たり次第ってか」

アザゼル達も攻撃しだすが、リアス、朱乃や転生者、魔王達を除くと全ての攻撃が見えない壁に消滅させられている。俺達の攻撃も殆ど効いちゃいねえ。

「ちっ、こうなったら無理矢理たたき起こすか。オーフィス、ドライグ」

『『なに(なんだ)?』』

「オーフィスの力をドライグのトラスファーでハイシェラに叩き込め」

『『ん(任せろ)』』

膨大な力の奔流がハイシェラへと流れて行き、流石に目覚めたようだ。剣自体も光り輝き、ルン・ハイシェラになっている。

『我の眠りを強引に妨げたのは貴様か』

「そうだ。ちょっとアレを殺したいんだが、力を貸してくれ」

現在、アザゼルが神器を使って、全員で戦っている。サーゼクスは本気を出していないようだが、それも時間の問題だろう。というか、この場ではこれからの関係も有るし、使いたくないのが本音だろう。

『セリカ以外に使われるのは癪だが、お主から流れ込む力は良い感じじゃ。よかろう、力を貸してやる』

「行くぜっ!!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost』

『ん…………もってけ』

『ふははは、力が溢れて来るぞ!! うむ、良い気分じゃ…………おい、貴様ら…………贈りすぎだっ!! 我を殺す気かっ!!』

「耐えろっ!! 沙綾身妖舞!!!!」

どうせならと、セリカの剣技、飛燕剣を使って、連続で7回斬りつける。

『ええい、全部出し切ってやるわっ!!』

『ごーごー』

『諦めが肝心か』

桁違いの破壊の奔流がカテレアもどきを飲み込んで全てを飲み込んで行く。

「退避っ!!!」

「逃げろっ!!」

サーゼクスとアザゼルの声で全員が逃げていく。


 その後残ったのは学校を消し飛ばして出来た巨大な穴だった。

「よっしゃっ!!」

『後ろだっ!!』

「あっ?」

勝利で油断した俺の身体にヴァーリに触れられて、能力を半減させられて一時的に動けなくなってしまった所を蹴り飛ばされた。その隙に血の塊のような結晶を回収されてしう。しかも、ヴァーリはこっちにありったけの魔力弾を放ってきた。

「お前はかなりの化け物のようだな。お前から奪った力、凄まじいぞ。だが、流石に死んだだろう」

「おい、ヴァーリ。お前…………どういうつもりだ。それとその結晶をどうする気だ?」

「アザゼル。コイツは元の持ち主に返してやるのさ」

「おい、まさか裏切る気か?」

「ああ。禍の団(カオス・ブリゲード)から誘いを受けてな。あっちの方が面白そうだからな」

アザゼルとヴァーリが話しているが、さて、どうするか。倒れたまま考える。

『…………力の補給…………完了…………』

『あれほど使って半減された物をこの一瞬で回復するか…………化け物じゃな』

『全くだ。むしろ、俺っていらないんじゃ…………』

瞬時に身体に戻って来た力。さて、同仕返ししてやろうかと思ったのだが…………その必要はなさそうだ。何故なら、世界が白く染まり、一瞬で景色が変わった。そして、ヴァーリが思いっきり見えない速度で吹っ飛ばされた。

「おいおい…………お前が乱入して来るのかよ…………」

「ふん。大事な息子に手を出されて黙っておる親がおるか。しかも、こやつはイッセー力を不意打ちで奪った。許してはおけぬな」

ヴァーリが居た場所にはロリモードながら、空中に浮かび、首をコキコキと鳴らしながら、扇子を持った手を頭上に上げて、その先で太陽その物のような巨大な塊を創りだしている母さん。

「ちょっ、待てっ!!」

「待たん」

「おい、アイツは…………」

「黙れ。貴様らも皆殺しにするぞ。誰に向かって物を言っておるか」

会話しながら容赦無く放たれた太陽はヴァーリが墜落したであろう場所を飲み込み、世界を白く染め上げて完全に破壊していく。そして、俺達は元の空間へと戻った。

「白夜叉様」

「ふん。安心しろ。単にお仕置きしてやっただけじゃ。運がよければ生き残っておるわ」

「「(無理だろ)」」

アザゼルとサーゼクスの心の声は理解出来る。

「イッセー、無事か?」

「ああ、大丈夫だけど」

「そうか。それは良かった。しかし、やはり鍛錬が足りぬな。うむ。夏休みは箱庭で強化合宿じゃな。相手は修羅神仏で構わぬか。牛魔王あたりと戦わせてみるか?」

「死ぬわっ!!」

「そうかの? オーフィスの禁手(バランス・ブレイカー)なら良い所にいけると思うがの。まあ、準備しておいてやる。楽しみにしておれ」

「そうですね。白夜叉様も楽しみにしてくださいね。ええ、それはもうたっぷりとご説教してあげますから」

母さんの背後に突如として現れた月の化身。そのウサギは母さんの首根っこを捕まえて、充電満タンなインドラの槍を母さんに向けていた。

「おい、黒ウサギ…………それは洒落になっておらんぞ?」

「ほほう、どこぞの誰か様は別世界で世界を滅ぼす程の力を使っておいて、洒落で済ませる気ですか…………これはよぉ~~~~くOHANASHIしないといけませんね」

「ちょ、それは遠慮したいのっ!! という訳で、サラバじゃ!!」

「あっ!? こらっ!!」

一瞬で服を脱いで、消える母さん。黒ウサギは着物を持って、虚空に向かってインドラの槍を投擲した。槍は空間を飛び越えてどこかへ行ってしまった。

「さて、皆様にはご迷惑をおかけして申し訳御座いませんでした。こちらの修理は私共の方で担当させていただきます」

「ああ、頼む」

「もうちょっと、アイツに首輪をつけられないのか?」

「大変、大変に残念ながら無理です。魔王だった頃よりはマシなので、諦めてください。あれでも多少はマシになったのです。それでは、修理致します」

黒ウサギがカードを出して、そこから懐中時計のような物を出す。そして、何かすると瞬く間に元の綺麗な学園へと戻った。

「それでは、これにて失礼致します。あのおバカ様にはきつくお話させて頂きます。貴女達もくれぐれもお体をお大事にして、無茶をしないでください」

「ああ、苦労してるな…………」

「それはもう…………おっと、失礼致します」

黒ウサギは俺達に注意した後、この場から消えた。

『まあ…………これからよろしく頼むぞ』

「こちらこそ」

しかし、あのオーフィスの蛇変わりであろうパワーアップアイテムはなんだったんだろうか?
嫌な予感しかしねえんだけど。








 
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