真・恋姫無双~徐晃の道~
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第7話 初めての真名
……どうも、枯れ果てた徐晃です。
さすがは司馬防さん。半端無かった。
ていうか、普通子どもを襲うか?
司馬懿さんが夜這いに来たのは、本人も気付かぬうちに俺が好きだからとか。
同世代の男は俺が初めてだったということで、その気持ちの正体が分からなかったということだろう。
とはいえ、8歳の子どもの好きなんて言うのは、一過性の気持ちが多いのではないかと思う。
よくある、年上に憧れたのを好きと勘違いみたいな感じ。
司馬防さんに気持ちの正体を聞いたのが間違いで、その結果あんな行為になったらしい。
普通教えないよー、あんなこと。
司馬防さんとしては、俺を将来有望株と見込んでのことらしい。
つまり、今のうちに唾付けとけ、ってことだ。
さすがに早くね?
とも思ったが、優秀な男は貴重なので当然だと司馬防さんに断言されてしまった。
正直、俺はそこまでじゃないと思うんだが。
自分が死なない程度には強くなる予定だけどな。
ちなみに、司馬防さんの旦那は半年前に病死したそうだ。腹上死だろ、絶対。
だから、子どもチンコとはいえ、久し振りにって思ったらしい。
もう、ツッコミどころ満載だよ。
隣に母が寝てるというのに、司馬防さんは激しく攻めてきた。
司馬防さんも声を我慢しなかった。母も起きなかったけど。
まだ子どもだから回数は多くなかったが、1回が非常に濃厚だった。
回数で言えば、司馬懿さんのフェラで抜かれたのも含めて3回だ。
たった3回だが、今の俺にはとんでもない疲労感だった。
この歳で襲われ、童貞を奪われるとは……。
しかも、相手は痴女。美人は美人だけどな。
疲れ果てて眠ってしまい、気付けば朝だった。
良かった。俺、生きてる。生きてるぞー!!
隣を見るとすでに母は居なかったので、もう起きているようだった。
俺も身体を起こし簡単にストレッチをすると、部屋を出た。
襖を開けると、そこには司馬懿さんが立っていた。
「おはよう……」
「おはよう。どうしたの?」
「朝餉……だから…。呼びに来た……」
それは失礼した。
「ありがとう。じゃあ、行こうか」
「うん……」
そうだ。誤解が無いように言っておくが、司馬懿さんとはヤッてない。
俺の活火山が子どもにしてはでかいらしいので、8歳の司馬懿さんには無理と司馬防さんが判断。
司馬懿さんはちょっと不満そうだったが、最終的には納得して部屋に戻って行った。
せっかく手と口の中をゆすいで、準備万端だったんだけどな。
だが、俺にしてみればそれで良かったかも。
見た目は10歳でも中身はオッサンの俺が、8歳を襲うというのは……。
何か、ねぇ?
司馬懿さんと並んで歩いていると、司馬懿さんが俺の左手を握って来た。
「ダメ……?」
頬を染めての上目遣い、そして若干の潤んだ瞳。
パーフェクトだぜ!
そして、断れるわけねぇだろ!!
「いや、いいよ」
そう答えると、司馬懿さんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
だが、俺の左手を握る手は強くなった。
昨日、夕食を食べた部屋に入ると、司馬防さんと母が話しているようだった。
「ふむ。では、そういうことで」
「ええ。こちらとしても嬉しい限りです」
「あら、おはようございます」
俺たちに気付いた司馬防さんが、笑顔で挨拶をしてくる。
俺から絞りとったお陰か、司馬防さんの肌が艶々しているような気が……。
「あら?……ふふっ」
司馬防さんは司馬懿さんの手とつないでいることに気付き、小さく笑った。
微笑ましいものを見るような目だ。
…まあ、捕食の目よりはマシか。
それでも、気分のいいものではないけどな。
「おはようございます、母上」
「ああ、おはよう」
俺は母の隣に腰を降ろすと、朝の挨拶を交わす。
同様に、司馬懿さんも挨拶をしていた。
「縁。朝食を食べたら、すぐに出発しよう。そろそろ伯縁が泣く頃だ」
泣くって……。子どもじゃないないんだから。
でも、あの父なら有り得るな。
朝食も終わり、出発に備えて司馬防さんから食料などを分けてもらった。
「縁、準備は出来たか?」
「はい」
準備も終え俺たちは玄関に立つ。
「お気を付けてお帰り下さい」
「世話になった」
「いえいえ、こちらこそ」
母と司馬防さんが別れの挨拶を交わし、俺も司馬懿さんと挨拶をする。
「徐晃……」
「元気でね」
瞳を潤ませ、俺を見上げる司馬懿さん。
くっ!最後の最後まで可愛いぞ!
「……徐晃。私の真名、預ける。私、皐月」
「ありがとう。俺は縁」
俺の手が、自然と司馬懿さんの頭へと伸びる。
結婚して子どもがいたら、こんな感じなのだろうか……。
前世では味わうことは無かった、父性だ。
司馬懿さんから手を離し、次は司馬防さんと向かい合う。
「司馬防さんも、お元気で」
「ええ、徐晃殿も」
「司馬防さんにも、私の真名を預けます」
「あら、私もよろしいのですか」
「はい」
「そうですか?ですが、妥当かもしれませんね。身体も重ねた、深い関係ですしね」
司馬防さんは俺の耳に口を寄せると、そう囁いた。
確かにそうなんですけど、母の居る前では勘弁してください。
「ふふっ。私は葉月と申します」
「私は縁です」
2人と真名を交換し、俺たちは街を出る。
はぁ、色々な経験が出来た旅だったよ。
まさか初体験が、痴女が相手だとは……。
まあ、あれはあれでアリだったが。
…俺は、断じてMではないことは言っておこう。俺はSだ。
「そういえば、縁」
「はい?」
街が見えなくなったところで、母がふと話しかけてきた。
「司馬防殿とまぐわってみて、どうだった?」
「………」
時が止まった。
おいおい、誰が時よ止まれって言ったんだよ。
勘弁してくれよ。
「で、どうだったんだ?」
「…起きてらしたんですか?」
「いや、聞いたんだ」
…俺じゃなければ司馬防さん。
じゃなくて、葉月さんしかいねぇ。皐月は、まだハッキリとは分かってなかっただろう。
葉月さん、あなたは何を考えてるのでしょうか……。
河東郡楊県に住む、徐晃くん10歳からの質問。
当然ながら、ここにいない葉月さんが答えてくれるはずもない。
俺の隣では母が何か言っているが、俺には聞こえねぇ。
帰ったら、訓練だな。
人、これを現実逃避という。
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