IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第520話】
前書き
モッピー知ってるよ。
読者はモッピーにメロメロって事。
_/⌒⌒ヽ_
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イルミナーティ本拠地、調度品で彩られた室内。
ウィステリア・ミストは新たに纏められた出資報告書に目を通していた。
コンコンとドアをノックする音が聞こえ、ウィステリアは応える。
「開いている。 入りたまえ」
「あぎゃ、邪魔するぜボス」
入ってきたのはカーマインだった、紅蓮の様に燃える真っ赤な髪を流行り風に整えていた。
「カーマインか、どうした?」
「あぎゃ、幹部会も開かれねぇから暇でな」
「成る程。 ……カーマイン、また近々亡国機業の方に戻ってもらうが――」
「あぎゃ、任せな。 あいつらが不穏な動きをするようなら、皆殺しにしてやるからよ。 あぎゃぎゃ!」
楽しそうに笑うカーマインを見てウィステリアも僅かに口元を緩める。
「その時は任せる。 ……だがカーマイン、今はその時では無いことを肝に命じておくんだ」
「あぎゃ、わかったよボス」
少しつまらなさそうに返事を返したカーマインは、部屋に飾られた調度品の数々に目をやった。
コンコン――またノックの音が聞こえ、ドア越しから――。
「ウィステリア様、スレートです」
「入りたまえ」
「あぎゃ……」
ウィステリアの許しを得て中に入るスレートは、カーマインを見て――。
「……カーマイン、ですか」
「あぎゃ、スレート。 元気か?」
「ええ。 貴方は相変わらずの様ですね」
「あぎゃぎゃ、まあな」
軽いやり取り、決して仲が悪いという訳ではない二人。
だが――カーマインはISを使えてスレートには使えないという小さな嫉妬というものがスレートにはあった。
自分もISを使えたなら、ウィステリア様の力になれる――だが、彼はISに触れても反応はしなかった。
「スレート、どうした?」
「す、すみませんウィステリア様。 新しい報告書をお持ちしました」
「あぁ、早速目を通して――いや、その前に二人には見てもらいたい物がある」
カーマインとスレートの二人を見てウィステリアは言い、二人は顔を見合わせる。
「着いてきたまえ」
ウィステリアは立ち上がり、部屋を後にするとその後ろをカーマインとスレートの二人は着いていく。
階段を下りた先、IS整備室――暗闇に包まれた部屋へと案内された二人は。
「あぎゃ……真っ暗じゃねぇか」
「ええ。 IS整備室だというのは知っているのですが」
中はそこそこ広く、先日回収したISコアが棚に収まっていた。
その部屋の中央にウィステリアは移動する。
「見せたいものとは、これだ」
ウィステリアは指を鳴らすと、その中央にある物体にスポットライトが当たる。
静かに鎮座していた物体――ISだった。
「あぎゃ……ボス、そのISは――」
「我がイルミナーティが製作したIS【ヴァリアント】だ。 私が設計した」
「ウィステリア様自身が?」
「ああ」
再度指を鳴らすと、部屋全体の明かりが点く――と。
「前々から製作していた一号機が完成したから、二人にも御披露目って事でボスが見せたのよ」
「あぎゃ……」
後ろを振り向くとシルバーが立っていた、さっきからライトの操作は彼女が行っていたのだろう――二人はそう思った。
「ウィステリア様、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「良いだろう、スレート」
「ありがとうございます。 ……新しい機体の御披露目はわかりましたが、その機体は誰が乗るのですか? ウィステリア様には【トゥルース】が、シルバーには【フォールス・ウッド】、そしてカーマインにはユーバーファレン・フリューゲルがあります。 ……ですが、他の幹部で女性は【彼女】しか居ないのですが……その彼女用の機体、なのでしょうか?」
矢継ぎ早に告げるスレート、自分や他の幹部を除外したのはISを扱えない大多数の【男】だからだ。
ウィステリアはそんなスレートを見ながら答える。
「いや、この機体は君の為の機体だ」
「……僕、の?」
「……あぎゃ、スレート用の機体か」
驚きの表情を見せたスレート――だが、スレート自身が機体を貰ってもISを使えない事実は変わらない、スレート自身戸惑いを見せるのだが――。
「スレート、触れてみなさい」
「シルバー……。 で、ですが、僕は……」
「ふふっ、騙されたと思って――ね」
シルバーの後押しに、スレートは戸惑いつつも機体に近付く。
ウィステリアは腕組みをし、スレートを見て頷く。
一歩一歩と近付くスレート、触れても何も変わらない――そんな気持ちが過るも、シルバーの後押しもあり、スレートはヴァリアントの装甲に触れた。
その瞬間、ヴァリアントから目映い光が放たれる。
「……あぎゃ、やっぱり……」
カーマインは目映い光を見て思った――ウィステリア・ミストは【男でもISを使える】様にする仕組みを知っていると。
それはつまり、この世界――篠ノ之束並にコアに精通していなければわからないという事実だった。
目映い光が収まると、スレートの身にはISヴァリアントの装甲が纏われている。
「う、ウィステリア様……こ、これは……!?」
「気分はどうだ、スレート?」
「ええ……ええ! 僕に流れ込んでくる様々なISの情報……!」
込み上げてくる感情が抑えられないスレートに、シルバーはクスクスと微笑むと――。
「ふふっ、スレート。 落ち着きなさい」
「あ……す、すみませんシルバー。 ウィステリア様もすみません。 ……気分は悪くないです」
「成る程。 ……その機体は君のものだ、大事にしたまえ」
「は、はい。 ……これでやっと僕も……ウィステリア様の力になれる……!」
感情が抑えきれないスレート、そんな中カーマインはウィステリア・ミストという存在に更に興味を示した。
「カーマイン、すまなかったな」
「あぎゃ、構わねえさボス。 イルミナーティの戦力が増えるのは悪くないしな。 良いもの見させてもらったぜ、ボス」
そう言い、カーマインはシルバーの横を抜けて整備室を後にした。
「……あぎゃ、いつかはスレートとも手合わせしたいものだな、あぎゃぎゃ」
楽しみが増えたと思い、カーマインは楽しそうに笑いながら自室に戻っていった。
そして時間はあっという間に過ぎ、夜中。
調度品で彩られた部屋の隣の寝室に、ウィステリアとシルバーは居た。
「スレート……凄く喜んでいたわね」
「そうだな」
「兄さんは……スレートがカーマインに対して嫉妬していたのに気付いていたのね」
他に誰もいない寝室、気が緩んでいるのか兄さんと呼んでしまった。
「まあな。 ……俺はあの男のような【唐変木】ではないからな」
シルバーの兄さん呼びを咎めることなく、過去を思い出すように呟くウィステリア、シルバーも腕組みして――。
「懐かしいわね。 ……とはいっても、あの頃の私と兄さんは【敵同士】だったわけだけど」
「そうだな」
そう呟くと互いに沈黙――静寂に包まれたのだが。
「……ねえ兄さん」
「どうした?」
「どうして私を【亡国機業】に派遣しなかったの? モノクローム・アバター含め、あの組織に派遣するなら私の方が適任だと思ったのだけど」
「…………」
シルバーの問いに答えず、ただ窓から景色を眺めるウィステリア――仮面は外され、整った素顔が露になる――その素顔は、肌の色以外はある人物とそっくりだった。
「もしかして兄さんは――私の事を思って……」
「さあな」
「……兄さんの意地悪」
答えをはぐらかす兄に唇を尖らせる妹――小さくため息を吐くと。
「まあ良いわ。 兄さん、それじゃあ私は自室に戻るわね? ……それとも、一緒に寝る?」
「馬鹿を言うな。 妹と寝るにしてはお前は大きすぎる」
「もう、冗談よ冗談。 じゃあおやすみなさい、ボス」
そう言って寝室を後にしたシルバー――ウィステリアは軽く息を吐く。
「フッ……もう何年前だろうか。 ……思い出せないぐらい、遥か昔な気がする」
互いが敵同士で命のやり取りを行っていた頃を思い出すウィステリア――その当時の仲間の顔も過るのだが、ウィステリアはかぶりを振って当時の記憶を払拭する。
過去を懐かしんでる場合ではない――そう戒め、ウィステリアは窓から空を眺めるのだった。
後書き
モッピー知ってるよ。
八巻の内容は少ないって事。
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