IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第507話】
前書き
体位測定話っす
ホームルーム後、学園にある更衣室に移動した俺と一夏の二人。
更衣室で体操服に着替えているのだが、ホームルームで織斑先生から――。
『お前たち二人のどちらかが体位測定係につけ、異論は許さん』
――との事、体位測定というのは確かスリーサイズを測る内容だったはずだ。
……いやというよりも、後で美冬に何されるかわからないという驚異があった。
「……なあヒルト。 今日の身体測定係、じゃんけんで決めないか?」
「ん、じゃんけん?」
体操服に袖を通す俺に、一夏は上半身裸のまま言った。
「あぁ。 じゃんけんでの勝敗なら千冬姉だって文句は言わないはずだし。 不公平じゃないだろ」
一理ある――勝てば官軍、負ければ賊軍、勝てば問題なしで負ければ合法的に女子の下着が見れる――だが、美冬には後でみっちり怒られそうだが。
「OK、じゃあ早速やろうか」
「おぅ! 男同士の真剣勝負だ、負けても恨みっこなしだぜ?」
一夏はそう言うや、体操服に着替え終える。
決戦前の静寂――ピリピリと肌にまとわりつく緊張感。
ここ、学園更衣室にて一発勝負の戦いが始まる。
「じゃん――」
「けん――」
二人が同時に手を出す。
「「ホイッ!!」」
勝負は一瞬、刹那を制した者に勝利の女神が微笑む。
そして、結果は――。
場所は変わり一組教室、椅子に座っているのはじゃんけんに負けた敗者が一人――無論、負けたのはこの俺、有坂ヒルトだ。
合法的に女子の下着が見れるとはいえ、流石にこの学園の上層部に疑問を抱かざるをえない。
――と。
「ああ、すみません。 有坂くん、ちょっと書類を集めるのに手間取っちゃいまして」
「……山田先生?」
声を弾ませ、序でに豊満な胸も弾ませて入ってきたのは山田先生だった。
山田先生が入ってきた――つまり、測定係は俺ではなく、山田先生という事だろう。
女子の下着姿を見れないというのは残念ではあるが、これで心の荷も軽くなる――とはいえ、記録係なので全員のスリーサイズを知るというある意味役得な結果かもと思い始めた俺。
「良かった、山田先生が測定係っすよね? そりゃそうだ、男子に体位測定させてたら、この学園の上層部全員の頭、どうかしてると思うのが普通っすからね」
うんうんと頷く俺を他所に、山田先生は――。
「はいっ。 私がばっちり皆さんの体位を記録します!」
小さくガッツポーズを見せた山田先生――だが、記録しますと聞こえたのは気のせいだろうか?
「……えっと、先生が測定するんですよね?」
「はい? ……有坂くん、私、記録係ですよ?」
きょとんとした表情で首を傾げる山田先生に、俺は――。
「こ、この学園の上層部の頭の中は、うじでも湧いてるんじゃないのか……」
頭を抱え、小さく呟く俺を他所に教室へと入ってくる一組女子生徒一同。
「あ、あれ? 有坂くんじゃん」
「え? お、お兄ちゃんっ!?」
「な、何でヒルトが……。 ……て、てか、ヒルトの前で俺は下着見せるのかよ……」
「おー? ヒルトが測定係かー? ばっちり測れー」
「ど、どうしよう……。 ひ、ヒルトくんに測られちゃう……」
「やっほー、ひーくん~。 へへ~、たっちゃんさんの秘策炸裂だね~。 『手芸の恨みは忘れないわよー』って、言ってたからね~」
……ちなみにだが最初に発したのは七月のサマーデビルこと櫛灘さんで二人目は我が可愛い妹の美冬、三人目は理央、四人目は玲、五人目が静寐、ラストはのほほんさん。
……というか、面会の時の手芸セットの恨みなのだろうか、楯無さんの高笑いが何だか聞こえてくる気がした。
今朝、やっぱり怒っておけば良かったと若干後悔の念が過る。
ガヤガヤと騒いでいる女子生徒に、山田先生は――。
「はーい、皆さん、お静かに~。 これからする測定ではISスーツの為の厳密な測定ですから、身体に余計なものは着けないでくださいねー」
楽しそうに告げる山田先生、やはり下着姿での測定は確定――と同時に美冬に後でどう言われるかだけが気になった。
「体操服は勿論脱いで、下着姿になってくださいねー」
そんな言葉に、一同はーいと返事を返す――と。
『マスター、マスター( ´艸`) 役得ですよぉ、今マスターは、全世界の高校生男子から代わってほしいって思われてますよぉ(≧ω≦)b』
『煩いナギ、大人しく黙ってろ』
『むぅ(`ε´) ナギちゃんプンスカなのですよぉ(*`θ´*)』
茶化すナギに冷たい言葉を放つ俺、言い過ぎかなとも思うのだが彼女自身がアホっぽいので直ぐに忘れるようだ。
そんなやり取りをしていると、山田先生は更に続ける。
「あ、一人ずつ隣のスペーサーに入って脱いで、測定して、服を着る、の流れですから、他の人には見えませんよー」
「いやいや、山田先生には見えるでしょ?」
思わず突っ込む俺、とはいえ女性同士で恥ずかしいという事もなさそうだが――。
「あ、私はホラ、このカーテンの奥にいますから、数字だけ有坂くんから私に言ってもらえば大丈夫です」
にこっと笑顔の山田先生に、頭が痛くなる俺――と。
「有坂が測定係か。 ……すまないなヒルト、楯無がどうしても男子にさせろと上層部に掛け合ったらしくてな」
織斑先生がやって来た、やはり楯無さんが裏でやっていたのだ、いつか仕返ししてやると心に誓った。
「……まああまり気負うなとは言うまい。 思春期真っ只中の男子だ、思う存分小娘共の体位を測ってやれ」
一教師の台詞ではない気がする――軽く二度ほど肩を叩くと、織斑先生は教室を後にした。
それを皮切りに、早速体位測定が始まる。
「出席番号一番、相川清香、行きまーす!」
そう言って入ってきたのは相川さんだ、入るなり下着姿でくるりと横に一回転する。
下着は割りと可愛らしいもので、フリフリのレースと小さなリボンが付いていた。
「あ、有坂くんのえっち~。 そんなにじろじろ見ちゃダメだよー?」
その言葉に、一気に殺気が立ち込める――肌にまとわりつくプレッシャーに冷や汗が出つつも、俺は測定を開始した。
瞼を閉じてするのは色々と危ない気がして開けてはいるのだが、僅かに恥じらいを見せる相川さんがめちゃくちゃ可愛く見えた。
メジャーで先ずは胸囲を測る、測る時必然的に近づくため、妙な色香にくらくらし始める。
先日、未来とセシリア相手に本番したとはいえ、やはり女性のこういうのは性欲的に色々不味い。
「あ、やんっ……何だか、えっちぃよ、ヒルトくん……?」
「い、いや、上手く測れなくて……と」
何とか胸囲を測る俺だが、どうしても顔が近くなってしまう。
ポッと赤くなった相川さん……彼女、確か一夏がどうとか言ってた気がするが――まあいいか。
胸囲を測り、順当にスリーサイズを測る――そして、ヒップも測り終えるとその数値をカーテン越しに山田先生に伝えた。
「では相川さん、体操服に着替え直してくださいねー。 次の人ー」
「はーい」
相川さんが出て、次に入ってきたのは何と美春だった――というか、有坂だしそれが普通か。
「へへっ、ヒルト、ちゃんと測ってね?」
美春も勿論下着姿だ、ちゃんと出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
因みに下着の色はピンクだ。
相川さん同様に測定をしていく――前まではコアだった彼女だが、こうして改めて見ても人間にしか見えなかった。
「……えと、上が87か……」
「……えっち」
「……何故に」
思わず呟いたサイズ、美春にはえっち呼ばわりされてしまった。
「……ウェストが60.2か」
「ふ、太ってる訳じゃないからね?」
何故かそう言う美春、俺ほどではないにしろ美春も結構な量を食べるからか気にしてるらしい。
「……尻は86……」
「し、尻とか言うなー」
頭をペチペチと叩かれる、というか何気に美春って安産型なんだなと思った。
測定結果を山田先生に告げる、美春は若干怒った表情を見せつつ、出ていく。
美春と来て次が誰か何てのは明白だった。
「やっほー、お兄ちゃん♪」
入ってくるなり美冬は俺に向かって手を振った。
……これも因にだが、美冬の下着は上下共に青の縞々、何気に目のやり場に困ってしまう。
「……今さら恥ずかしがる必要ないじゃん、お兄ちゃん……」
「い、いや……」
「……あ、それか美冬のスタイルの良さがお兄ちゃんの好みにドンピシャとか?」
「……ノーコメントで」
……とはいえ改めて成長した妹の身体を見ると、学園なのにムラムラしてしまう。
最後までしてないとはいえ、ほぼほぼ妹とも関係をもってしまったからだろう。
ノーコメントと言ったが、美冬自身の表情を見る限り、若干ムラムラしてるのがバレてるかもしれない。
「さ、お兄ちゃん、測定してよね?」
ニマニマした表情の美冬に、頬を掻きながら俺は測定を始める。
そして、一組全員の測定が終わる頃には俺の中で下着はもうお腹一杯になっていた。
「や、やっと終わった……」
疲労感が襲う中、山田先生はカーテン越しから信じられない言葉を告げた。
「あ、有坂くん。 まだ残っている二組以降の生徒全員の測定が終わるまでは、完全に終わった訳じゃないので」
「………………」
その言葉に唖然としていると、続々とやって来る二組の生徒達。
――こうなったらとことん測定してやる、スリーサイズ皆丸裸だ!
若干精神がおかしくなった俺は、がむしゃらに測定を再開した。
後書き
この辺りは原作にちょいアレンジって感じ、生徒全員はくどくなるので最初の相川さんor妹(ほぼ美春)だけで
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