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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第523話】

 
前書き
モッピー知ってるよ。
モッピーは可愛いって事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
   /    ) \
  /  | | //ヽ ヘ
  |  ハ | /イ | |
  レ |/ レ| N\|||
  /| |≧ ヽ|≦ |||
 / ヽ|゛    ゛|/ /
 \_(ヽ  ̄ /⌒)ヽ
  / | T ̄ ̄| ヽ |
 / /ヽノ   \_ノ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 

 
「では、状況を説明する」


 IS学園地下特別区画、そのオペレーションルームに現在学園に全ての専用機持ちが集結していた。

 俺、美冬に美春、未来、そして篠ノ之にセシリア、鈴音、シャル、ラウラに簪、楯無さんと並んで立っていて、俺達の前には織斑先生と山田先生、その後ろに親父が立っていて母さんの姿は無かった。

 このオペレーションルームはどうやら独立した電源で動いていて、旧型ディスプレイには情報が表示されていた。


「しかし、こんなエリアがあったなんてね……」

「ええ。 些か驚きましたわ……」


 鈴音とセシリアの二人は室内を観察しながら呟くと、それを織斑先生が見逃さず、注意した。


「静かにしろ! 凰! オルコット! 状況説明の途中だぞ!」

「は、はいぃっ!」

「も、申し訳ありません!」


 場の空気が一気に凍りつく――ピリピリとした織斑先生の怒号で二人も話を中断した。

 そこから山田先生が軽く咳払いし、ディスプレイに表示された情報を拡大して全員に伝え始めた。


「現在、IS学園では全てのシステムがダウンしています。 これはハッキング攻撃を受けているものだと断定していて、現在別の場所で有坂先生が解除に追われています」


 だから母さんの姿が見えないのか、他の先生は多分生徒の身の安全の為に個々で防備してるのだろう。


「今のところ、生徒に被害は出ていません。 防壁に閉じ込められることはあっても、命に別状があるような事はありません。 下りていた一部の防壁は既に有坂先生の手によって解除されています。 勿論、ISのある格納庫や機材等がある場所は全ての防壁が下りていますが」


 とはいえ、さっき爆発音が聞こえた、何かはわからないが侵入してきた何かは爆発物を装備してる可能性はあるだろう。


「では、何か質問がある方は居ますか?」

「はい」


 ラウラが直ぐ様挙手した、俺はラウラを注視していると質問をぶつけた。


「IS学園は独立したシステムで動いていると聞いていましたが、それがハッキングされる事などがあり得るのでしょうか?」

「そ、それは……」


 言葉を濁す山田先生、確かに並大抵のハッキング能力なら母さんが撃退する筈なのだが。

 ……もしかすると、前回の襲撃の時に何かあったのかもしれない。

 とはいえ所詮憶測で考えてるため、問題を置いておくと織斑先生が告げた。


「それは問題ではない。 問題は、現在何らかの攻撃を受けているという事だ」

「敵の目的は?」

「それが分かれば苦労はしない」


 そう告げる織斑先生――だが果たしてそうなのだろうか。

 IS学園には訓練機とはいえISがある、先日も襲撃してきたISのコアもある、更に言うならば母さんの作ったPPSの存在を知った何者かがそのデータの奪取――無論憶測だが、可能性としては絶対になくはない。

 質問が終わり、山田先生が作戦内容の説明へと移行する。


「それでは、これから有坂美冬さん、飯山さん、篠ノ之さん、オルコットさん、凰さん、デュノアさん、ボーデヴィッヒさんの七人はアクセスルームへ移動、そこでISコア・ネットワーク経由で電脳ダイブをしていただきます。 有坂美春さんと更識簪さんは皆さんのバックアップをお願いします」


 すらすらと山田先生が告げる、だがそれに対する他の子達の反応は静かだった。

「あれ? どうしたんですか?」


 山田先生はきょとんとし、俺と美冬、美春、未来に楯無さん以外の専用機持ち全員ぽかんとし――。


「で、電脳ダイブ!?」


 そう声を合わせて言った六人、山田先生は――。


「はい。 理論上可能なのはわかっていますよね? ISの操縦者保護神経バイパスから電脳世界へと仮想可視化としての侵入が出来る……あれは、理論上ではないです。 実際のところ、アラスカ条約で規制されていますが、現時点では特例に該当するケース4であるため、許可されます」


 そう説明する山田先生――もしかして、わりと自由にネットワーク経由でコアに会いに行ってる俺も条約に違反してるのだろうか。

 そんな事を考えていると、鈴音が握り拳を作りながら――。


「そ、そういう事を聞いてるんじゃなくて!」


 拳を縦に振る鈴音、非常事態なのにその仕草が可愛く見えた。


「そうですわ! 電脳ダイブというのは、もしかして、あの……」


 困惑ぎみに喋るセシリアに続くシャル。


「個人の意識をISの同調機能とナノマシンの信号伝達によって、電脳世界へと侵入させる――」

「それ自体に危険性はない。 しかし、まず我々にメリットがないはずです。 どんなコンピューターであれ、ISの電脳ダイブを行うよりもソフトかハード、或いはその両方を弄った方が早く、建設的なのでは?」


 ラウラの言い分に、更に簪は付け加える。


「しかも……電脳ダイブ中は、操縦者が無防備……。 何かあったら、困るかと……」


 そして最後に篠ノ之が告げる。


「それに、一ヶ所に専用機持ちを集めるというのは、やはり危険ではないでしょうか」


 全ての言い分が辻褄があうものの、織斑先生は――。


「ダメだ。 この作戦は電脳ダイブでのシステム侵入者排除を絶対とする。 異論は聞いていない。 イヤならば、お前たちは辞退するがいい」


 織斑先生がそう告げるなか、未来達は準備が出来ているらしく頷くと――。


「大丈夫。 美冬たちにお任せってね」

「うん。 電脳世界は初めてだけど、美春ちゃんも居るし、大丈夫かなって」

「うん、美春なら慣れて――むぐぐっ」


 言いそうになる美春の口を塞ぐ美冬――そんな三人を見た他の面々は。


「さ、三人だけでいかせる訳には……」

「そ、そうですわ。 美冬さんたちも行くのならば、わたくしたちも参ります」


 鈴音、セシリアがそう言い――。


「そうだよ。 僕達は友達だし、仲間だもん」

「そうだな。 ……私は未来に救われた、戦友が行くならば私も共にする」


 シャルとラウラがそう続け、そして――。


「私も、ベストを尽くします……。 美冬にも、未来にも世話になったから……」


 簪がそう続け、最後に篠ノ之が――。


「……私は、お前たち全員に酷いことをした。 ……仲間などと言えるたちばではないのは知っている。 だが、それでも共にしても良いのなら……私も、行きたい」


 その言葉に、美冬と美春が一番驚きの表情を見せる中、未来は手を差し伸べる。


「……ずっと、その言葉を待ってたんだよ、篠ノ之さ――ううん、箒ちゃん」

「……!?」


 差し伸べられた手と、未来の言葉に、気付かず瞳から涙がこぼれ落ちる篠ノ之。

 勿論未来にも思うところはあるのだろう、だが……過去よりも未来――自分の名前の通り先を見たのだろう。

 必死に涙を拭う篠ノ之は、その手を握り返す。


「これまでの篠ノ之さんとはさよなら。 ……これからは、新しい箒ちゃんが私たちの大切な仲間……そうでしょ、ヒルト?」


 未来は俺に聞く――俺は小さく首を振り、言い直した。


「未来、仲間の前に――友達だ」

「……そうだね、友達……だね!」


 意見が纏まったと判断したのか、織斑先生は手を叩く。


「よし! それでは電脳ダイブを始める為、各人はアクセスルームへ移動! 作戦を開始する!」


 織斑先生の言葉を受け、俺と楯無さん以外の専用機持ちはオペレーションルームを出ると、織斑先生が告げる。


「有坂、更識、お前たち二人には別の任務を与える」

「何なりと」

「……緊急事態だし、自分に出来る範囲内なら」


 俺と楯無さん二人が残されたのには何かしら理由があるはず――そう思い、聞くと。


「さっきの爆発音、あれは今回のハッキングとは違う勢力がやった行動だろう」

「違う勢力? つまり――」

「敵――、ですね」


 俺の言葉に続き、楯無さんが告げた【敵】という言葉。

 亡国機業――そう思ったのだが亡国機業ならISを投入するかもっと闇討ちみたいな真似をする筈だと思い、その考えを捨てた。


「更識の言う通りだ。 現状この学園で戦える状況にあるのは有坂兄妹に飯山、それと――」

「俺、だけだな」


 今まで黙っていた親父が名乗り出る、小さく頷いた織斑先生は。


「だが有坂姉妹と飯山にはシステム侵入者に集中してもらいたい。 ――となると残りは有坂親子になるのだが敵の戦力が不明な以上、更識、お前にも頼るしかない」


 そう告げた織斑先生に、楯無さんは頷くと。


「ええ、任されましょう」

「……すまない、お前には厳しい防衛戦になるな」

「ご心配なく。 ヒルト君やお父上である陽人さん、そして――私はIS学園の生徒会長ですから」


 そう告げ、微笑む楯無さんだが織斑先生の顔色は変わらなかった。


「……更識、お前のISも先日の一件でダメージを負っただろう。 身体もそうだ、まだ共に完全に回復しきっていないはずだ」

「……楯無さん」


 心配する俺を見て僅かに微笑む楯無さん。


「大丈夫よヒルト君。 私は更識楯無。 こういう状況下での戦い方も、わかっていますから、織斑先生」


 意志が強く、一歩も引きはしなかった。

 織斑先生はそんな楯無さんを見て告げる。


「更識、任せた」

「ええ。 では先に先行します」


 折り目正しく、お辞儀をしてオペレーションルームを出ていく楯無さん。


「有坂、すまないがお前にも頼らせてもらう。 ……戦力はわからないが、確実に四部隊に別れて来るはずだ。 その一方を任せたい――多分、人間を相手にすることになるだろう」


 織斑先生の言葉に、衝撃を受ける。

 これまでISに対してはあっても生身の人間と戦うことは無かったからだ。

 下手をすれば、命を奪うかも――そう思う俺に対して親父は。


「ヒルト、そっちは俺が向かおう。 ……織斑先生、良いですね?」

「……わかりました。 ですが、有坂さん。 可能であれば無力化するに止めていただきたい」

「ワッハッハッ、可能な限りで良いなら。 ……じゃあちょっくら行ってくる」


 親父もオペレーションルームを後にする、残された俺は――。


「……では有坂、既にカメラの映像で確認してある。 ……侵入してきたISの撃退をお願いする」


 見せられた映像には二機の機影が映されていて、途中から別れて行動を開始する映像で途切れた。


「わかりました」


 俺もそう告げ、オペレーションルームを出て駆け足で学園一階へと出る。

 コア・ネットワークを通じて位置を特定――生徒を狙うのかはわからなかったが、そちらを優先して俺は走って向かった。 
 

 
後書き
モッピー知ってるよ。
モッピーはヒロインって事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
   /    ) \
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  |  ハ | /イ | |
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