IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第518話】
前書き
原作EOSっす
月曜日、今日は入学してから初めての一学年合同のIS実習。
着替えを終え、俺と一夏はグラウンドへと向かい、全員が揃って織斑先生と山田先生、後は母さん――有坂先生を待っていた。
休日全て一夏は休んでいたため、今日は体調全快に見える。
そんなことよりも、だ。
「あのコンテナ、何だろう?」
「うーん、全然わからない……」
ひそひそと聞こえてくる女子の話し声、気になるのも無理はなく、グラウンドに来た時点でコンテナが並んでいたのだ。
そうこうしてる内に、織斑先生達が現れる、ちなみに母さんがここに来るのは非常に珍しい――。
やって来るなり、織斑先生は――。
「有坂兄妹と飯山を除く専用機持ち全員! 前に出ろ!」
俺や美春、美冬と未来以外の一年生専用機持ち全員が呼び出され、織斑先生の前へと整列させられた。
「先日の襲撃事件で、お前たちのISは全て深刻なダメージを負っている。 自己修復のため、当面の間お前たちのIS使用を禁止する」
「はいっ!」
並ばされた専用機持ち全員が淀みなく返事をする中、一人の生徒が手を上げた。
「織斑先生! 質問があります!」
「何だ、言ってみろ」
「はい! 何故ヒルト君や妹である美冬ちゃんと美春ちゃん、未来ちゃんは除外されたのですか?」
もっともな疑問を告げた四組の子、それと同時に俺達に注目が集まる。
「それについては有坂姉妹及び飯山の三名は機体の損傷がほぼ無い。 唯一有坂ヒルトは機体が大破したものの、新型の専用機を受領したからだ」
……そういや、何気に俺だけなんだよな、機体壊れたの。
雅のコアが無事なのが不幸中の幸い――だが、大破したという事実はあまり印象が良くなく。
「……やっぱりランクEじゃ、足手まといじゃないのかな……」
「そうだよね……。 最近活躍してたけど……運が良かっただけじゃ――」
一部女子が俺の実力を疑問視する中、何と――。
「ちょっと! ヒルト君の事悪く言わないでよ!!」
「そうよ! 機体が大破したのだって、色々事情があるかもしれないじゃん!!」
――美冬たちが怒る前に何と四組女子全員が一部女子に反論した。
「……先越されちゃった。 ……それよりもお兄ちゃん、何で四組の子皆お兄ちゃんの味方なの? 四組って、皆織斑一夏派だったのに……」
美冬はそういい、肘をつねる。
地味に痛いのだが我慢――すると織斑先生が一喝した。
「静かにしろ、小娘共! 私の特別訓練を受けたいのかッ!!」
その言葉に一斉に静かになる女子一同――腕組みし、織斑先生は事の経緯を語る。
「……有坂の機体が大破したのは事実だ。 だが大破はしたものの、有坂は襲撃してきた機体を四機撃破している、他の専用機との合同撃破数でいえばトップだ」
その言葉に一同ざわめきたつ、俺の撃墜スコアが4というのが原因だろう――俺的には親父のが撃墜スコアが上だから何も思わないが。
ざわめきが広がる中、織斑先生は手を叩く。
「全員静かにしろ! ……大半の専用機持ちはISの使用が出来ない。 そこでだが……山田先生、有坂先生、よろしくお願いします」
説明を山田先生や有坂先生に任せた織斑先生。
「はい! 皆さん、此方に注目してくださーい」
そう言って山田先生は並んでいるコンテナの前で手を開き、挙げた。
漸く紹介されたコンテナの数々、グラウンドに来た時点で皆が噂していたのだが、改めて紹介されるとまたもざわめき出す。
「うーん、新しいISかな?」
「新しいISなら、コンテナじゃなく、ISハンガーじゃない?」
「もしかして、新しい武装じゃないかな?」
「なにかななにかな? おかし!? おかしかなぁ! ひーくんはどう思う~!?」
「さ、さあ……?」
のほほんさんの問いに答えられない俺――だが以前、貨物船に載せられていたコンテナにも見える。
「はーい、皆さーん。 静かにしましょうねぇ~」
相も変わらずふわふわと間延びした声で告げる有坂先生、ピタッと話し声が止まった。
「じゃあ~、コンテナの中身、皆さんで見ましょうかぁ。 山田先生、お願いします~」
有坂先生が頭を下げると、胸を張り山田先生は――。
「はい! それでは、オープン・セサミ!」
「はい?」
山田先生の掛け声に反応した俺、他の一年生全員きょとんとして山田先生に一斉に視線が向いた。
山田先生は僅かに涙目になりながら、持っていたリモコンのスイッチを押す。
「うう、世代差って残酷ですね……」
「いやいや、山田先生、普通に開けたらこんな事態にはならなかったでしょ?」
「はぅっ!」
俺の追い討ちに静かに涙ぐむ山田先生――とりあえず山田先生とのジェネレーションギャップを感じつつ、開くコンテナを見る。
内部駆動機構を搭載したコンテナはモーター音を響かせながらゆっくりとその重厚な金属壁を開いていく。
「こ、これは……」
中を見て、一夏が驚きの声を上げる。
「……何ですか?」
一夏の問いに織斑先生の強烈な出席簿による攻撃が後頭部に直撃した。
快晴の空に響き渡る音は心地好く聞こえた。
一夏は叩かれた頭を押さえている――そんな一夏よりも、皆は中から現れた金属製のアーマーが気になる様だった。
「教官、これはもしや――」
「ボーデヴィッヒ、私は教官ではない。 織斑先生と呼べ」
織斑先生を教官呼びし、きつい表情で返されてラウラ口を閉ざした。
軽く咳払いすると、織斑先生は説明を始める。
「これは国連が開発中の外骨格攻性機動装甲『EOS(イオス)』だ」
「イオス……?」
「あらぁ……うふふ」
有坂先生も興味があるのか覗き込んでいた。
「Extended Operation Seeker(エスクテンデッド・オペレーション・シーカー)。 略してEOSだ」
大層な名前だな……まだ母さんのPPSのが名前的には分かりやすいかも、個人用強化外骨格だし。
一年生全員興味津々らしく、新たに現れたEOSは注目の的だった。
母さんも観察していたのだが……。
「あら……これだと頭部や露出してる部分が……。 ……うーん……国連の人……無駄遣いじゃないかしらぁ……」
外見だけで把握したのか、母さんはある程度見終わると山田先生の隣へと戻る。
ざわざわと見学してる一年生に、織斑先生は――。
「見学は後にしろ。 ……EOSの目的は災害時の救助活動から、平和維持活動等、様々な運用を想定している」
「あらぁ……そうだったのねぇ……。 ……うーん……」
織斑先生の説明を受け、改めて有坂先生はEOSを観察するも、小さくため息を吐き、やっぱり元の定位置に。
そんな母さんが気になり、声を掛けようとしたのだが……。
「あ、あの、織斑先生。 これを私たちにどうしろと……いうのでしょうか……?」
恐る恐る篠ノ之が訊ねる、言葉遣いに多少の変化を感じる中、織斑先生はシンプルに言葉を返す。
「乗れ」
至ってシンプルな言葉、つまり専用機が使えない現状、これに乗ってテストしろという事だろう。
前に居る専用機持ち全員が声を揃えて驚いた。
「二度は言わんぞ。 これらの実稼働データを提出するようにと学園上層部に通達があった。 お前たちの専用機はどうせ今は使えないのだからレポートに協力しろ」
「は、はぁ……」
何となくの返事で頷く一夏、他の専用機持ちは戸惑いを見せつつも各々が頷く――と。
「それと――有坂、有坂ヒルト。 お前にもこのEOSに乗ってもらう、いいな?」
「え? 了解です」
そう返事を返す俺。
だが、美冬や美春、未来は――。
「あの、先生。 私たちは……?」
「ああ、お前たち三人は向こうの山田先生の方だ」
そう言うといつの間にか移動していた山田先生が手を叩いて指示を始めた。
「はい。 有坂さん達は此方に来て訓練機の模擬戦のサポートをお願いしますねー。 では皆さん、各グループを作って訓練機での模擬戦始めますよー」
そう指示をする山田先生だが、大半の生徒は声を上げた、EOSの性能が見たかったのだろう――だが、織斑先生が生徒達を見ると、そそくさと訓練機の運搬作業にかかった。
美冬たち三人も同様に、各々がするべき事をやってサポートを開始した。
コンテナから現れたEOSは合計九機、一番近くのEOSに俺が近付く中、それを眺めていた専用機持ち七人の頭を順番に叩いていく織斑先生。
「馬鹿ども、有坂の様に早くしろ」
――俺は早くするというよりも、一番近くのを選んだだけなのだが。
とりあえずEOSに触れる俺を他所に、急かす織斑先生は言葉を続けた。
「時間は限られているんだぞ。 それとも何か? お前たちはいきなりこいつを乗りこなせるのか?」
その言葉に反論したのはセシリアだった。
「お、お言葉ですが織斑先生。 代表候補生であるわたくしたちが、この程度の兵器を扱えない筈がありませんわ」
自信満々に言い切るセシリア、余程自信があるのだろう、そんなセシリアの言葉に織斑先生は。
「ほう、そうか。 ではやってみせろ」
唇をつり上げ、不敵に笑う織斑先生――とりあえず乗らない事には始まらないと思い、乗り方もわからないまま俺は乗り込み始めた。
後書き
次回、ラウラ無双
モッピー知ってるよ。
EOSはポンコツって事。
_/⌒⌒ヽ_
/ヘ>―<ヘヽ
((/ ̄ ̄ ̄\))
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/ | | //ヽ ヘ
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レ |/ レ| N\|||
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