IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第509話】
前書き
お兄ちゃん!今回の話はターニングポイントになるかもしれないよ!!
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人(レ| L_____|N)ノ
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夕方、午後からの授業も無事に終わったものの、どうやら一夏が熱で倒れたとかで午後は早退していた。
無論原因は先日の襲撃事件での傷と過労が原因だろう、過労というほど戦ったかと訊かれたら俺にはその判断基準はわからないため、何も言えない。
クラス代表という事もあり、一応学園内で貴重な男子生徒というのもあり見舞いに行くことに。
無論、俺一人で、だ。
寮に着くなり、俺はその足で一夏の部屋まで移動、寮の通路には誰も居なく、皆クラブ活動か学園内カフェで談笑しているのだろう。
部屋の前まで着くと、俺はドアをノックし、勝手に部屋へと入る。
部屋の作りは俺の部屋同様の作りでそのまま奥まで行くと、ベッドに寝込む一夏と、その看病をしていた篠ノ之が居た。
俺を見ると、僅かに驚きの表情を見せた篠ノ之だが、やはり一夏の容態が気になるのか直ぐにそっちに意識を向ける。
「篠ノ之、一夏の熱の具合はどうだ?」
「……まだ熱がある状態だ。 処方してもらった薬を飲んだのか、今は眠っているがな」
「成る程」
顔色を伺う――寝息を立ててる一夏だが、額は汗で濡れていた。
「この様子なら暫く安静にすれば大丈夫だろ」
「……そう、だな」
俺の言葉に頷く篠ノ之、だが何故か様子がおかしい、というかいつもならうるさいだの何だのと言うはずなのに――。
「……その、有坂……」
「ん、どうした?」
「…………紅椿のこと、なんだが……」
言いにくそうにしている篠ノ之、普段の様子とは全く違うその様子を不思議に思っていると。
「……紅椿が、私に応えてくれない……のだ」
「……応えてくれない?」
「…………」
そう言って黙り込む篠ノ之、とりあえず椅子に腰掛ける俺は――。
「応えてくれないって、IS呼び出しても反応しないって事か?」
聞き返すと小さく頷く篠ノ之。
「ふむ……要因とか、思い当たる節はあるか?」
「………………」
俯き、押し黙る篠ノ之――こんな篠ノ之を見るのは銀の福音の時以来だ。
……俺なりに思い当たる要因は、やはり紅椿の【声】に耳を傾けなかったことだろう。
――というよりも、俺個人の主観で見る限り、篠ノ之は力で抑え込む傾向が強い、コアにも意識がある以上、それがストレスになっていたのかもしれない。
「そうだな……。 ……また篠ノ之は笑うかもしれないけど、【紅椿の声】に耳を傾けてみたらどうだ」
「耳、を……?」
俯いた篠ノ之は顔を上げて俺を見た、その表情はいつもの強気なイメージではなく何処か弱々しく、今なら大和撫子と言われても信用出来るぐらい弱く見えた。
「あぁ。 とはいえ、いきなりじゃ難しいだろう、とりあえず……上から命令する形じゃなく、自身の相棒だと思って大事にすれば応えてくれるはずだ」
「……本当、か……?」
「……あぁ、もし無理だった場合は別の方法考えてみようぜ」
そう言う俺に、篠ノ之は――。
「……何故、有坂は……。 酷い言葉を掛ける私に、優しくするのだ……?」
篠ノ之の言葉に、俺は腕組みしながら答える、これは昔からずっと言ってきた言葉だ。
「……篠ノ之が俺のことを嫌っていたとしても、俺はクラスの仲間を見捨てるつもりはないからな。 篠ノ之は俺に助けを求めてきた、仲間なら当然それに応える。 たとえ嫌われていたとしても、そのスタンスは変えるつもりはないからな、これが」
「…………っ」
笑顔で俺は手を差し伸べる、篠ノ之はまた驚き、戸惑いを見せた。
「……ぅ……ふ、ぐ……」
「え?」
みるみる内に表情が崩れていき、その瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる篠ノ之、堪えきれずに両手で顔を覆った。
静かに涙を見せる篠ノ之、熱で魘される一夏、そして俺はそんな篠ノ之を見てただただ戸惑うばかりだった。
暫くして落ち着きを見せた篠ノ之、静かに口を開く。
「……本当は、嬉しかった……。 ……私に、咎めの言葉を言ってくれる有坂に。 ……周りの皆は、私に気を使い、【篠ノ之束の妹】という立場で近寄ってきたのも知っていた……。 ……だけど、それを認めるのが……怖かった……」
ぽつりぽつりと呟く篠ノ之。
俺は篠ノ之の隣へと腰掛け、話を訊いた。
「紅椿の事も、だ。 ……姉に嫌悪しつつ、その立場を利用して……。 わ、わたし、は……い、一夏を守る力が、欲しかった……」
「そっか……」
また大粒の涙が流れ落ちる、俺はハンカチで篠ノ之を顔を拭った。
「……篠ノ之、俺も結構不器用だけど……お前はもっと不器用だったんだな」
「…………」
「……過ぎた事は変えられない、だけど……これから先を変えていけるのは篠ノ之次第じゃないかな? ……もちろん人間直ぐに変われるかと言われたら難しい。 だけど、変わろうとする意志があるなら……俺は、これが篠ノ之にとってのターニングポイントとなって成長するきっかけになると思う」
「……うん」
ぼろぼろ落ちる涙を必死に拭う篠ノ之――確かに酷い言われようだったがに俺自身いつまでも前の事を気にしても仕方ないと思う。
だが、もしこれをきっかけに篠ノ之自身が変わるのであれば――成長するきっかけになるのならば、俺は――。
「ほら、もう泣くなよ篠ノ之。 紅椿の事にしろ自身の事にしろ、これからだろ?」
「ぅ……ぐすっ……。 ……す、済まない……。 ……あ、有坂……あ、あり、あり、ありが――」
有り難うと言いたいのだろうか、或いは蟻でもいるのだろうかと野暮な考えをしつつ、俺は――。
「……良いさ、篠ノ之。 ……ほら、あんまり泣いてたら一夏が起きるし、これ見られたら俺また無意味に殴られそうだし……」
「す、済まない。 ……す、少し取り乱したようだな、私もまだまだだ……」
「……ふっ、まだ俺達高校生だぞ? まだまだも何も、これからだろ?」
「……そ、そうだな。 ……何でだろう、今までは有坂に対して反抗的な気持ちばかり言っていたのだが……今は、何だか素直な……」
「……多分だけどさ、俺達……話し合う事しなかったからだと思う」
事実、俺も篠ノ之もこうしてちゃんと話をしたことは多分なかったはず。
「……さて、一応見舞いは終わりだ。 明後日までには治るだろうしな。 それに、明日は土曜日だしゆっくり出来るだろう」
「そ、そうだな……うむ」
うんうんと納得するように頷く篠ノ之、そして――。
「私はもう暫く看病していく。 ……あ、有坂、紅椿の事……また、相談に伺っても、いぃだろうか……?」
「ん、構わないぞ? 余程忙しくなかったらいつでも良いからな。 ……熱、移されるなよ?」
「む、子供扱いするな。 これでも私は武士だ、熱など気合いでどうとでもなる」
そう言い切る篠ノ之に、苦笑を漏らすと俺は一夏の部屋を出た。
これがきっかけになってくれれば、俺も悩みが減る。
何だか心が少し軽くなったように感じた俺は、足取り軽く部屋に戻った。
後書き
はてさて、これまで悪く書いてたのにここで手のひら返しかい(ノ-o-)ノ ┫
って突っ込みもあるかもだけど、いつか何処かでそんな基点になる所を模索はしてたり
まあ、ここまで散々な書き方してて今さらって思われるかもだけどねー
モッピー知ってるよ。
これからモッピーの成長期だって事。
_/⌒⌒ヽ_
/ヘ>―<ヘヽ
((/ ̄ ̄ ̄\))
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/ | | //ヽ ヘ
| ハ | /イ | |
レ |/ レ| N\|||
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/ | T ̄ ̄| ヽ |
/ /ヽノ \_ノ|
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