刻命館VS帝國華撃団 帝都妖異譚
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第二部
第二章
秘密会議
前書き
紅蘭の過去編への前振りです
いつもより改まった態度のレニに対し、かえでは飲み物を勧める
「麦茶でいいかしら」「はい」かえでは薬缶から自分は湯呑、レニにはコップに麦茶を注ぐ。
「で、腑に落ちない件というのは何かしら、一つづつお願いするわ」そう、敵の正体・背後関係・罠の原理その他言い出したらキリがないのである。
「最大の損害であり、今後の脅威に繋がる紅蘭の妊娠・出産の事。」何が本質で、何が枝葉或いは急を要しないものかを既に頭の整理を付け終わっているレニであった、かえでは頷き、目で続けるようレニに促す。
「確かにマリアに寄生した中間体は霊力を母体から吸収するタイプのものだ、これは紅蘭の『逆転くん』がマリアに霊力を帯びた中間体の精液を注がれた途端発動したことからも明らかだ。」レニは続けて言う、「つまりまず、霊力者に中間体を一次寄生させ、霊力を吸収しその霊力を以って最終宿主の霊力者の胎内結界を破り、霊力を受け継いだより強力な魔物を産ませる核を生み出す、これが敵としてはベスト」
「その通りね、紅蘭のような事が続けば収拾がつかなくなるわ」「でも、そんな簡単なのものではないはずなんだ、確かに紅蘭は一緒に戦った個人的な感想でも、マリアが以前の戦いで作成しかけた戦力評価表※(何故完成させなかったのか、自分と織姫が加入すればさらなる分析を続けるべきなのに放置したのかレニは不思議でたまらなかったが、その的確な評価にレニのマリアへの信頼は言葉に出さなかったが大きい物となった)でも紅蘭は霊力的にも最下位だ、マリアはそれを凌駕している。」レニはコップを手に取り麦茶を半分程喉に流し込む「マリアが一次宿主で紅蘭が最終宿主だったから敵は作戦に成功、逆に紅蘭が一次宿主でマリアが最終宿主だったら失敗。というものではない。霊力を持った女性がちゃんと霊力で受胎しないよう子宮に結界を張っていれば、そう簡単に受胎するものではない。少なくとも帝国華撃団花組・星組内なら、誰が一次宿主で誰が最終宿主であれ、理論上受胎は成功しないはず、件の館全体に霊力を弱める仕組みがあるのを差し引いても」
かえでは僅かに顔をしかめながら応じた、なんとなくレニが何故すみれと織姫が帰って来ないうちに話をつけようとしたのかわかって来た、そしてそれすら予測し手早く正装に着替えていた自分を少し嫌悪した、「それで、レニの結論は?」
「いくらマリアが肉体的快楽に溺れていたといっても、心のなかではさくらや紅蘭を犯すのは嫌だったはずだ、従って霊力の収束は散漫なものとなる」かえではさらに顔をしかめそうになり、必死でそれを抑える。
「結論は紅蘭の側に何らかの問題があった、これがボクの結論です、副司令」
後書き
※マリアの戦力評価表
TV版よりの設定引用、マリアが花組個々の戦闘力を数値化するなどの分析を始める(紅蘭が最下位)が絆だか信頼がどうとかの精神論(?)でマリアを翻意させる、最後はマリアが自作データを破棄するシーンで番組終了。
これが残っていたという設定です
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