藤村士郎が征く
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前書き
ちゃんとしたタイトルは最後に載せます。
士郎は現在、居間にて恐怖に耐えながら正座させられていた。
そして、重圧なるプレッシャーをかけるが如く、見下ろすようにジャンヌと雫が、多大なオーラを纏わせていた。にっこりとしたきれいな表情のまま♡
何故、こんな状況まで士郎が迫られているかというと、時はシロウの帰宅中にまで遡る。
-Interlude-
士郎は土手の河川敷にて、女性とおもしき人物がうつぶせで倒れているのを、偶然にも発見した。
「大丈夫ですか・・・って、ま、まさか!?」
急ぎ手当をしようと、駆けつけた士郎の目に映った倒れている女性は、あちらの世界で見覚えのある女性だった。というか、服装すらもだ。
確認のため、仰向け状態にするとそこには・・。
「や、やっぱり・・・メデューサ!!?如何してこんなところ・・・いや、この世界に・・」
あまりの出来事に、士郎は困惑の中にいた。
確かに、英霊には現在過去未来どころか、平行世界の境すらも関係なく召喚される場合もあるが、それは聖杯が、ある場合の話だ。
だが――――。
(――――いや、まさか、あるのか!?この世界に聖杯が!?・・・だとしても・・)
結局のところ、憶測でしかない上、今優先すべきは棒立ちのまま呑気に考え込む時では無いと、判断する士郎。
「兎に角、このまま置いておく訳にもいかないし、連れて帰ろう」
その様に自問すると、ライダーをお姫様抱っこの要領で持ち上げて、自宅まで走り抜けていった。
-Interlude-
そして、自宅に運びあがるときに、必然的にジャンヌと雫の目に留まり、今現在に至るというわけだった。
「――――それで、士郎さん。何か言いたいことはありますか?」
「いえ、あの、その」
「そのように曖昧な言葉ではわかりませんよ、若♡」
「・・・・・・・」
士郎は、ただただ堪えていた。上手からくる、暴風雨のように荒れ狂ったプレッシャーに。
そんな状態が数分間ほど続いてから、ジャンヌは溜息を吐いてから、プレッシャーを抑えた。
「――――この話は置いといて、如何してこの世界にライダーがいるのかでしょう?士郎。それも受肉状態のままで」
「・・・ああ。謎だらけではあるし、どれだけ推測しても状況に変化はないだろう」
「まぁ、そうでしょうね。いざとなったら彼女に相談しましょうか」
そうだな、と士郎が頷くと、突然に隣の部屋の襖が開いた。
-Interlude-
彼女は虚ろの中にいた。意識と無意識の混濁した感覚の中にだ。
しかし、それも徐々に意識的感覚に傾いていく。
そして・・。
「ここは――――」
メデューサは意識を覚醒させて、上半身のみ起き上げた。
見覚えのある部屋。というか、大量の本がない以外は、泊まらせてもらい宛が割られていた部屋と、ほぼ同室だった。
そして、聞き覚えのある声が聞こえる。
「この声は・・・シロウ?」
だが、おかしい。シロウは20歳位の時に一人で冬木市を飛び出していったはずだ。
以来、一度たりとも帰ってこなかったが、まさか帰ってきたのか。
いや、それ以前に、自分がここにいること自体がおかしかった。
暫くしてから、桜は実典と結婚したのを切っ掛けに、もはや自分の補佐は必要ないだろうと、英霊の座に自ら還ったのだから。
更にはこうした記憶があること自体もおかしい。
聖杯戦争でサーヴァントとして呼び出されるときには、英霊の座にある本体のコピーが呼び出されるものだと依然、凛に聞いたことがあった。
そして、一度でも還り再び召喚されたとしても、以前の記憶はない状態だそうだ。本体には呼び出されたことがあるという記録自体は残ろそうだが・・。
だが、こうして考えてみても始まらない。
シロウがいるというのなら、ともかく話をしようと考えて、立ち上がりシロウのもとに向かうのだった。
-Interlude-
士郎は、ジャンヌと雫と話し合っている最中に、突然に襖を開けて中断させた人物に注目した。
「「ライダー!?意識(が戻ったんだな・を取り戻したんですね)!!」」
(この方がライダーさんですか・・)
メデューサの意識が覚醒したことに 、様々な感情はあれど、まずは喜びを露わにする士郎とジャンヌ。
「ええ、おかげさまで。それに、久しぶりで悪いのですがシロウ、色々と聞きたいことがあるのですがその前に、そこの二人を紹介して頂けますか?」
「え?二人?一人の間違いじゃないのか?」
ライダーを促すように、雫だけに顔を向ける士郎。
「いえ、そちらの子だけではなく、シロウの横にいる女の子もです」
何を言ってるんだよと言いかけて、漸く互いに何かの食い違いが起きていることに気づく士郎。
(もしかして、このライダーは「成程、つまり貴女は、私に覚えがないということですね?」
士郎が心の中で推測中に、ジャンヌが口に出してライダーに直接質問をしていた。
「ええ、ですから、先ほどから言っているようにあなたは誰なんですか?」
しかし、あくまでもライダーは、見知らぬジャンヌに警戒をしつつ、食い違いにも気づかずに少々イラつきつつも、質問する体制をとり続けていた。
そこで、士郎が・・。
「待ったジャンヌ。ライダーの質問には俺から話すけど、ライダーも俺の質問に答えてほしい・・」
「・・・それは、構いませんが、何かそのことに意味があるんですか?」
「それをこれから確認しあうのさ。まずは俺からだな・・」
こうして、互いの認識やズレを修正させると言う意味合いを持つ、情報交換という名の話し合いが始まった。
-Interlude-
「――――成程、そういう事ですか・・」
士郎達は話し合いの末に、互いの認識のズレ等を漸くこれにて、補完しあう事が出来た様だ。
「解ってくれて何よりだ・・。それとやっぱり聖杯の場所はわからないか・・」
「すいません、シロウ。私がこの世界にて気づいた時には、先ほども告げたように、この屋敷の一室なので・・」
「いや、いいんだ。聖杯については今は置いておこう。その前にライダー、君はこれから如何するんだ?」
「これから・・ですか。そうですね、この身は何故か受肉しているようですし、自殺すれば座に戻れると思いますが・・」
そんな物騒な言葉を混ぜながら、ライダーは思案顔で悩む。
「なら、取りあえず、うちで暮らさないか?」
「・・・・いいのですか?ここは3人の愛の巣なのでは?」
「その言い方はよしてくれ!別に部屋を共にしようというんじゃないんだし、構わないぞ。なぁ、二人とも?」
「私に異論などあるはずは、ありません。そもそもこの屋敷自体は若のものですし」
「私も異論などありませんよ。それに、あちらの世界では、結構ライダーと仲良かったんですから」
そんな士郎の提案に、二つ返事で了承するジャンヌと雫。
「それではお言葉に甘えさせていただきます。少なくとも、この現代の桜の居ない地でやりたい事を見つけられるまでは・・」
「そんな他人行儀じゃなくてもいいんだぞ」
「そうですね、これからよろしくお願いします。ライダーさん」
「ええ、よろしくお願いしますね。シズク」
二人が握手しながら友好を深めていく。これにて一件落着だなと士郎が思った時に、後ろからジャンヌに肩をつかまれる士郎。
「ジャ、ジャンヌ・・?」
「それはそれとして、最初の話のけりをつけましょうか。士郎さん♡」
「・・・・・え?」
「そういえば、そうでしたね。さすがです、お嬢様。そしてこれからの私たち自身のためにもケリを付けねばなりませんね」
先程までライダーと、友好を深める前提として、挨拶をしあっていた雫がいつの間にかに、士郎の後ろに回り込みジャンヌとは、反対側の肩を掴んだ。
「え?・・雫?・・・え?」
「取りあえず、あっちの部屋で話し合いましょうか?士郎さん♡」
「行きますよ、若♡」
士郎は徐々に、二人に引きずられていく。
「待、待ってくれ、二人とも!?いや、助けてくれライダー!!?」
引きずられながら、自身にこれから起こるであろう事が予想できた士郎は、瞬時にライダーに助けを請う。
しかしライダーは・・。
「士郎、これは所謂、《お約束》という奴でしょう。それが終わり次第、またお会いしましょう。士郎が生きていればの話ですが」
「な、なんでさっ
ピシャン!
士郎は、末期の祈りを言い切ることなく、無情にも隣の部屋に引きずられて行ききってしまった。
残されたライダーに出来たのは、せめてもの冥福を祈るだけだった。
因みに、OHANASIが終えた後、士郎は動けないということで、ジャンヌとともにライダーはこれからの身分の作成などで、隣の藤村組の屋敷に向かった。
~第18話 士郎、女神を拾うの巻~ ー完ー
後書き
完結ではありませんよ。
それにしても、早く《あいつ》も出したい!!
感想、お待ちしています。
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